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ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo 110号 2008.10.1

発行日: 2008/10/1

∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

 †01 ■ドキュメンタリー映画のかたち
       「映画」というフレームの外へ  岡本 和樹
 †02 ■自作を語る
      『実写版まいっちんぐマチコ先生 ビバ!モモカちゃん!!』
         なにわ天閣
 †03 ■ワールドワイドNOW ≪パリ発≫
       想い出の土本さん  高橋 晶子
 †04 ■neoneo坐10月前半の上映プログラム
 †05 ■広場
      ■YIDFF東京事務局よりリクエスト募集!
      ■「自作を語る」などの原稿募集!
      ■上映の告知の有料化とカンパのお願い
 †06 ■編集後記  伏屋 博雄

    ★バックナンバー閲覧はこちらまで
     まぐまぐ配信   http://blog.mag2.com/m/log/0000116642/
     melma!配信   http://www.melma.com/backnumber_98339/



┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■「映画」というフレームの外へ
┃ ┃■岡本 和樹
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この執筆依頼を受け、私は机に向かった。そもそも、ドキュメンタリー映画一般を
語る資格は私には無いと思っていたので、自分の考えている範囲でのドキュメンタ
リー私論のようなものをまとめてみようと思った。しかし、どのように書き進めて
も途中で筆が止まってしまう。そこで、ふと気が付いた。おそらく、これは一元的
に論理化できないドキュメンタリー映画の可能性の大きさから来ているのだと。そ
こで、私自身が一作一作向き合って、なんとか一元化・物語化しようと務めた問題
と、同時に一元化・物語化を拒もうと注意した点を、個別に見つめていくことにす
る。

●『帰郷‐小川紳介と過ごした日々‐』(大澤未来との共同監督作品)

私のドキュメンタリー作りの根底には、常に歴史に記述されない人々の人生を見つ
めるという意識がある。あらゆる政治も芸術も、その地点から出発しない限り、上
滑りした観念論に終始してしまうと思っているからだ。
この映画では、小川紳介という名前の影に隠れた、小川プロダクションを支えた助
監督・飯塚俊男さんの人生と山形県の牧野村で小川プロを受け入れた村人たちの人
生を見つめた。初めて作った作品ということもあり、やりきれなかった点は多分に
あったが、彼らの生きている実感のようなものは、多少なりとも捉えることができ
たような気がしている。

なぜ一作目で、しかも短い撮影期間に、多少なりともその実感のようなものが撮れ
たのかと考え直すと、そこにはひとえに出演者でもある飯塚俊男さんの協力があっ
たように思う。村人達が、見ず知らずの学生クルーの前で、あそこまで心を開いて
撮影に応じてくれたのは、飯塚さんと村人との関係性が既に親密に成立していたか
らであり、私達は飯塚さんの褌を借りて相撲を取らせてもらったに過ぎないのだ。

撮影時にも、そしてその後も飯塚さんと付き合う中で実感したのは、飯塚俊男とい
う助監督が、小川プロが山形で映画作りを行う際の、村人との関係性を一から築い
ていった人物であり、最終的に『1000年刻みの日時計』という映画であそこまで村
人たちを動かす渦を作った張本人であるということだった。勿論、小川紳介という
カリスマの魔術無くしてあの渦は起こらなかったであろうし、もう一人の助監督・
見角貞利やその他のスタッフ全員の功績であることは言うまでもないが、その中心
に飯塚俊男がいたことは確かである。

映画作りが村全体を動かしてしまったということが、『帰郷』という作品のテーマ
であった。私には、常に、映画という小さなフレームの外で「映画作り」というも
のを捉えたいという思いがあり、その映画作りと現実との関係性の変容にこそドキ
ュメンタリーの本質があると思っている。小川紳介も、被写体の世界がフィルムを
中心に有機的に回りだすことをドキュメンタリーの至福と呼び、それこそが「劇」
だと言っている。(『映画を穫る』山根貞男編:参照) この小川紳介の明確な意
識と、飯塚俊男を中心とするスタッフの尽力によって、村中を巻き込んだ映画作り
が成立したのだ。

『1000年刻みの日時計』の注目すべき点は、農民一揆の劇中劇を村人に演じさせた
点にもある。小川紳介にその明確な意識が有ったかどうかは定かではないが、これ
はまさにブレヒトの教育劇と非常に似た構造を持っている。ブレヒトの教育劇とい
うと、一般的にはイデオロギーを啓蒙的に教育する劇であるかのように思われてい
るが、実際には、工場労働者などに劇の役を演じさせることによって、彼らが置か
れている社会や自己の問題点に気づかせ、彼ら自身に自発的に自分が向き合う問題
を考えさせるという構造のものであった。『1000年刻みの日時計』の劇中劇は、か
つての農民一揆の記憶を現在の村人に演じさせることで、その村の歴史を、そして
現在の村人の生活を考え直させるための劇中劇であったという言い方もできるので
はない
か。

劇中劇にしても、カメラの前で被写体に自らを演じさせ、その輪を村全体に拡大し
ていったことなどにしても、これはまさに演劇的な幻想の共有の仕方である。カメ
ラのフレームが世界を「映画」という枠に切り取って行くのではなく、カメラはあ
くまで舞台装置であり、劇を誘発する原動力であるという視点は、映画という小さ
なフレームを越えたところで世界と向き合おうとしている証である。(勿論、一方
で田村正毅という名カメラマンが無限に広がる世界への眼差しを、画面内部から捉
えていったというこもあるのだが。)

私は『帰郷』の後も、ずっとこの問題をテーマにしてきたように思う。『世界の涯
て』においては、寺山修司率いる演劇実験室・天井桟敷が「市街劇」という試みで
行った、日常の現実原則の支配する「市街」へ劇を投げ入れ、一般人をも巻き込み、
そこで起こる出会いと変容こそがドラマツルギーであるという演劇の実験を取り上
げた。これは、今日、現代アートがインスタレーションなどで問題にしている「関
係性の芸術」の先駆であると同時に、人生論・社会論にまで敷衍した一つの極点で
あると私は考えているので、その問題を単にあの時代が生んだハプニングとしてで
はなく、進行形の今現在の問題として再度問い直してみようと考えたのだ。

また、多少の主旨は変わるが、あがた森魚と共に行った『月間日記映画:もっちょ
むぱあぷるへいず』は、カメラ/映画と世界との関係性を、映画という小さなフ
レームとしてではなく、「人生:積み重ねられる過去」という歴史の通時的な展望
と、「個と世界」という更新され続ける現在の共時的展望という二つの大きなフ
レームから問い直すことはできないだろうか、という私自身の実践的試みでもあっ
た。寺山修司やブレヒトが、「劇」という小さなフレームから劇を開放しようとし
たように、そして小川紳介が「映画」という小さなフレームの外にその渦を拡大し
たように、私も「映画」という小さなフレームとその外に広がる世界と向き合おう
と思ったのだ。

現実と虚構(幻想)とが隣り合わせに存在しているのが実人生である。それはドキ
ュメンタリーが抱えている問題と同一のものだ。ならば、いかに生きるかという問
題と真摯に向き合うということこそが、古臭い考えかもしれないが、ドキュメンタ
リーと向き合うことの基本であると言えるのではないか。社会的なテーマを扱うか
どうかに関わらず、どんな小さな現実の中にも社会性や政治性は内包されている。
また、どんな細やかな日常の中にも芸術的な感動は存在する。目の前の現実と真摯
に向き合うことこそが世界と向き合うことであり、そこからは目に見えている世界
よりも遥かに大きな世界が立ち上がってくる。その世界が問いかけてくる声に、静
かに耳を澄ますのがドキュメンタリーなのだと思う。


■岡本 和樹(おかもと・かずき)
1980年生まれ。映画美学校ドキュメンタリー科卒。
主な作品:『帰郷‐小川紳介と過ごした日々‐』(共同監督):YIDFF2005上映。
月刊日記映画『もっちょむぱあぷるへいず:2007年1月〜8月号』(あがた森魚と共
同監督)2月号:Image Forum Festival2008上映。天井桟敷ドキュメンタリー『世界
の涯て』



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┃02┃□自作を語る
┃ ┃■『実写版まいっちんぐマチコ先生 ビバ!モモカちゃん!!』
┃ ┃■なにわ 天閣
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まず出演者のグラビアアイドルたちが決定し、それに合わせてスケジュールが決ま
ってから、はじめて僕のところに演出オファーが来ます。
この時点で既にクランクインまで一ヶ月を切っています。脚本はまだありません。
そこから、キャストの香盤や空いてるスタジオなどをパズルのように並べたりしな
がら、ストーリーを考えます。

今回の『マチコ先生』は“75分”の作品ではなく “10数分×6話”の作品です。
つまりオチもセクシーイメージシーンも計6回以上入ります。

ホン読みは無し。衣装合わせも無し。
主演のお二人にはジャケット撮影のときにちょこっとお邪魔してご挨拶、
あとのキャストには撮影当日はじめまして、となります。

撮影は4日間。しかもちゃんと電車で帰れる時間に終わります。
今回の撮影では、2カメ3カメによるダラ回しを多用しました。
これは時間的制約というよりも、彼女たちアイドルの表情を少しでもたくさん拾っ
ておきたかったからです。
僕は最近のアイドルが出演する作品を見てていつも思うのですが、ほとんどの場合、
特典のメイキングの彼女たちのほうが遥かにかわいくて生き生きとしてて魅力的な
のです。
なぜこの表情を本編に持ってこれなかったんだろう、なぜ硬い演技と棒読み台詞に
閉じ込めてしまったのだろう、という思いがずっとありました。
その意味でも、今回のようなバラエティのミニコントに近いテイストを大事にした
かったのです。

こうして出来上がった作品は「映画」ですらないかもしれません。

しかし、僕は以前から常々考えていたことがあります。それは、アイドル自体の存
在が様変わりし多様化し、かつPVやイメージビデオなど彼女たちをとりまく映像
環境も大きく変化してるのに、いわゆる「アイドル映画」だけが旧態依然の“昭
和”なままなのは如何なものかと。
少なくとも僕は、時代に即した新しい形のアイドルドラマを模索していきたいと思
っています。
そして、アキバの握手会に通ったりプレゼント送ったり彼女たちのブログに毎日コ
メントしてくれるような方々に向けて、もっと萌えていただけるような作品を届け
たいと思います。
なぜなら、僕自身がそちら側の人間だからです。

僕は、いわゆる「くだらない」作品が本気で大好きです。
“掃いて捨てるような”と言われる作品群に、なぜか憧れたりします。
きっと、精神的にどこか屈折してるんだと思います(笑)。
このような作品を撮らせてもらえて本望です。


■なにわ 天閣 (なにわ・てんかく)
1964年神戸市出身。早大在学中より自主映画を始め、99年OV『セーラー★コップ』
でデビュー。
『実写版まいっちんぐマチコ先生 ビバ!モモカちゃん!!』は、ただいまレンタル
&発売中です。



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┃03┃□ワールドワイドNOW ≪パリ発≫
┃ ┃■想い出の土本さん
┃ ┃■高橋 晶子
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当メールマガジンの106号で土本典昭追悼号が発表されたが、それに一足遅れてパ
リから土本さんについて書かせて頂きたいと思う。
私が初めて土本さんにお会いしたのは1999年の8月、フランスのリュサス・ドキュ
メンタリー映画祭だった。当時学生だった私は、一観客として大学の友達らと映画
祭に出掛け、宿泊施設が一軒もないリュサス村でキャンプ生活をしながら映画三昧
の数日を送った。もちろん、その年は土本さんの特集上映が行われるという事もあ
ってフランス人の映画の学生と連なってリュサス行きを決めたのだが、生前のゴヴ
ァース・弘子さんが特集のコーディネートをされていた事もあり、現地ではよくご
一緒させて頂いた。大巨匠にお会いするという事で私は内心尻込み気味だったが、
温厚で素朴なお人柄とご夫人の基子さんの穏やかな笑顔で、その緊張がほぐれたの
を覚えている。

今年の春過ぎ、フランスのある制作会社から連絡が入った。仏国営テレビ出資で、
世界の環境問題をテーマに「エコロジー・世界を変えた10の惨事(仮題)」という
ドキュメンタリーを制作する企画があり、その中で水俣病の事件を取り扱いたいと
の相談であった。監督は、これまでに68年の5月革命についての作品を何作も撮っ
ているヴィルジニー・リナール監督と、緑の党に所属し、パリ市役所で環境問題を
扱うアリス・ルロワ女史の2人だと言う。アマゾンの森林破壊やチェルノブイリ原
発事故など、世界で起こった環境の悲劇についてを、インタビューとアーカイブ映
像のみで構成する企画だと言う。水俣病についても深く言及した「日本の職業病と
労働組合の再生」という本を昨年発表した日本社会学者ポール・ジョバン氏をイン
タビュアーに迎えて、水俣病についての証言を日本で撮影してきて欲しいという依
頼であった。ポール・ジョバン氏と言えば、10年以上前に彼がまだ博士論文を書い
ている頃、研究のために日本の川崎市民ミュージアムに通いつめて土本さんの作品
をビデオで観ていた時に出会った研究者だ。水俣の映画を通じて出会ったポールさ
んと一緒に水俣を訪れる事ができるという事で何だか不思議な縁を感じ、協力した
いと即答した。そして、助言を頂こうと土本さんに連絡させて頂いたが、その時に
はすでにご夫人やお嬢様に支えられながら末期の癌と闘っておられた。

というわけで、土本さんの容態を心配しつつ撮影の準備に入った。上記のポールさ
んや石牟礼道子さんのご協力で、水俣研究の第一人者である原田正純先生、チッソ
に長年勤めながら労働問題・水俣病問題と闘い続けた元社員の山下善寛氏、胎児性
水俣病の方のための施設「ほっとはうす」で活動する皆さんにインタビューをさせ
て頂けることになった。毎度の如く、ドキュメンタリー制作につきものの「低予
算」という問題を抱えながらも、なんとか撮影の目処が立ち、水俣行きの日程が確
定したちょうどその頃、撮影開始予定日の4日前に土本さんは他界された。

いわば土本さんの映画を通して知り合ったポールさんと私、そして撮影のスタッフ
が水俣に行くと、行く先々では必ず土本さんの話になった。最初から終りまで土本
さんの話題が出たと言ってもいいくらいだ。特に、「ほっとはうす」の胎児性患者
さん達は、「土本さん、土本さん」とまるで親戚のおじさんの事を話しているよう
に語られていた。水俣病と言うと、ついつい過去の事と思いがちだったが、実際に
地を訪れてみて、それが今現在も続く問題である事が、だからこそ土本さんは水俣
に通い続けていたんだという事が実感できた。また同時に、胎児性患者さん達の明
るさやユーモア、エネルギーに触れ、水俣病に対する暗いイメージもくつがえされ
た。皆の口から「土本さん」という名前が発せられる度に、土本さんが映画人とし
てどうあったのかも想像された。終始曇り空で少し湿気のある6月終りの不知火海
を背に、土本さんが寡黙に座りながら、フランスからドタバタとやって来た私達を
見守っていてくれたような、そんな気さえする不思議さが漂っていた。


■高橋 晶子(たかはし・しょうこ)
横浜生まれ。フランスの言語・映画に魅せられ94年に渡仏。パリ第8大学映画学科
卒業。映画・TV関係のコーディネート・通訳・字幕翻訳及び助監督として活動。



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┃04┃□neoneo坐10月前半の上映プログラム
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会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1
分JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さい。
  http://www.neoneoza.com/

■ゆふいんトーキョー
〜ゆふいん文化・記録映画祭2008 東京上映
九州・由布院で11年目を迎えた「ゆふいん文化・記録映画祭」。これまでの上映作
品を東京のお客さまにもご紹介するとともに、2008年に創設された「松川八洲雄
賞」に入賞した傑作中短篇ドキュメンタリー5作品を一挙上映します。

10月4日(土)・14:00〜15:45
ゆふいんアンコール 〜 これまでの上映作品から
『手筒』
1994年/35分/16mm/監督:園 八雲(制作:寓ぷろだくしょん)
■ 愛知県豊川の手筒花火を、地元出身の園監督が三年かけて記録。
若者たちの姿が熱き血潮を誘発する大スペクタクル映像詩!

『GO! GO! fanta-G』
2001年/22分/作:清水浩之
■ 父が「あたらしい歴史教科書をつくる会」に入会?
わが家のお茶の間で勃発した教科書論争を記録した短編。制作費8,000円。

[特別上映] 『ウチの隣は超高層ビル〜西新宿少年日記』
1987年/44分/ディレクター:西川 啓(制作:NHK)
■ バブル最盛期の西新宿、変わりゆく街を見つめる子どもたちのエネルギーと叙
情を活写した傑作TVドキュメンタリー。


10月4日(土)・16:00〜17:40
[特別上映] 土本典昭監督プログラム
土本監督(2008年6月逝去)の追悼上映。

『出雲かぐら』
1959年/18分/16mm/白黒/演出:土本典昭/撮影:長野重一
■ 土本監督が初めて演出を手掛けたTV番組「年輪の秘密」シリーズの一本。
スサノオノミコトの大蛇退治を中心に、古くから伝わる出雲かぐらの構成や歴史を
紐解く。

『カメラがのぞいていた〜青少年白書』(「東京のこだま」第75回)
1961年/30分/16mm/白黒/制作:NET/出演:羽仁 進・土本典昭 ほか
■ 少年少女の不良化について、映画『不良少年』のスタッフが語り合う討論番組。

『海とお月さまたち』
1980年/50分/16mm/監督:土本典昭/撮影:瀬川順一
■ 自然の中に生きる漁師と海の生きものたちの世界を、子どもたちに向けて語っ
ていく珠玉の中編。
 ※上記の三作品は鑑賞無料です。


10月4日(土)・18:00〜19:00
樋口源一郎監督プログラム
「科学映画の巨人」樋口監督(2006年2月逝去)とキャメラマン石井氏(2008年8月
逝去)、“生命のスペクタクル”を見つめ続けた名コンビの追悼上映。

『きのこの世界』
2001年/47分/16mm/監督:樋口源一郎/撮影:石井董久
■ 森林でのキノコの重要な役割を新たな視点で追求してゆく。
樋口監督が95歳で完成させた、微生物研究の集大成的作品。

『樋口源一郎監督 トーク in ゆふいん 2002』
2002年/10分/出演:樋口源一郎・石井董久
■ 2002年5月「第5回ゆふいん文化・記録映画祭」にゲスト参加した樋口監督と撮
影・石井氏のトークショーをダイジェストで紹介。


2008年10月5日(日)・14:00〜15:40
第一回「松川賞」入賞作品 一挙上映 − 1
『津軽の地蔵さま』
2007年/30分/16mm/監督:鈴木康敬
■ 津軽では地蔵さまを守るのは女たちの仕事で、集落の安全を祈る行事も担って
いる。地蔵さまと地域の人々との交流を見つめた民俗文化記録映画。
端正な映像構成が美しい、今や貴重なフィルムドキュメンタリー。
(制作:大峠プロダクション/企画:国立歴史民俗博物館)

『茨の同盟』
2006年/65分/監督:吉田和史
■ ワイドショーを賑わしたゴージャス松野氏が故郷・福島でプロレス興行を主催
するまでの日々を追う。松川賞最終選考委員・筑紫哲也氏も高く評価した、手に汗
握る展開が不思議な感動を呼ぶ人間ドラマ。
(制作:早稲田大学川口芸術学校)

10月5日(日)・15:50〜17:05
第一回「松川賞」入賞作品 一挙上映 ― 2
『色彩の記憶』
2007年/30分/監督:御法川 修
■ 佐賀県有田の陶工・馬場真右ェ門氏が取り組む辰砂(しんしゃ)の創作過程か
ら、美しい色と形を生み出す手仕事の尊さを描く。
今秋劇場公開が予定されている斬新なアート・ドキュメンタリー三部作の一編。
(制作:ミルボン+ケイビープランニングインターナショナル)

『中村三郎上等兵』
2008年/38分/製作・監督:中村のり子
■ 5年前に亡くなったおじいちゃんの戦争体験とは?
家族や親戚、戦友たちの話から浮かび上ってくる「中村三郎上等兵」の青春の軌跡。
23歳の孫が辿る「戦争の記憶」への旅。


10月5日(日)・17:20〜19:00
第一回「松川賞」入賞作品 一挙上映 ― 3
『緑の海平線〜台湾少年工の物語』
2006年/60分/製作:藤田修平/監督:郭 亮吟
■ 第二次大戦中、神奈川県大和の海軍工廠で軍用機製造に従事した約8,000人の
台湾人少年工の“忘れられた”歴史を丹念に発掘する。
今年5月の映画祭で「松川賞大賞」および「観客賞」を受賞した。

[特別上映]『琵琶湖・長浜 曳山まつり』
1985年/32分/16mm/監督:松川八洲雄
■ 近江長浜の子ども歌舞伎「曳山まつり」。町の若い衆が少年たちにつきっきり
で教えていく様子から、地域での民俗の伝承を描く。
松川監督ならではの、過去と現在を結び付ける優しい眼差しが印象的な作品。
(制作:英 映画社/企画:ポーラ伝統文化振興財団)

〈作家の思い〉が くっきりと見える 記録映像作品を募集します。
ゆふいん文化・記録映画祭『松川賞』のお知らせ
「松川賞」は、文化記録映画の名手・松川八洲雄監督(1931〜2006)の独創的な仕
事を記念して、すぐれた中短編ドキュメンタリー作品を全国から発掘することを目
指して2008年に創設されました。
入賞作品は2009年5月下旬開催予定の第12回映画祭で上映します。

応募規定:60分以内のドキュメンタリー作品。テーマは自由。
※応募〆切などの詳しい募集要項は 2008年10月に発表予定です。

お問合せ先:ゆふいん文化・記録映画祭 実行委員会 松川賞事務局
〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上 2939-4
TEL/FAX:0977-84-4424
  http://movie.geocities.jp/nocyufuin/home.html 

【料金】一日券 ・・・・・・1,000円、高校生以下・・・・・500円
[特別上映] は鑑賞無料
※各日上映後、会場にて「ちょっと一杯で座談会」を開催します(一杯付き 1,000
円)
【お問い合せ】TEL:080-5468-3251(清水)

    ◇────────────────────────◆◇◆     

■「知られざる短篇映画を見てみる」上映会
「短篇調査団」
Shortfilm Researchers
毎月第2・第4水曜/20:00〜21:40 終映予定
16mm上映 会費500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料)
追加情報はblog版短篇調査団へ

(76) 山形の巻...2008年10月15日(水)20:00〜
『東北の霊場・山寺』
1975年/24分/カラー/制作:東京福原フィルムス/企画:山形市/出演:岸田今
日子
■ 芭蕉の「閑かさや岩にしみいる蝉の声」の句で知られる山形県立石寺。山の中
に自然と調和をとりながら建立されたため俗に山寺と呼ばれている。この寺の開山
の歴史をひも解きながら、美しい自然のたたずまいを紹介する。

『青年学級』
1950年代前半/20分/白黒/制作:日映学芸映画製作所
■ 働く青年の自主的な研究機関として期待される青年学級運営活動を、山形県蔵
王村を実例に描く。

『郷土の家』
1975年/15分/カラー/制作:東京都映画協会
■ 文京区では、山形県から上京し働いている独身者のために、郷土の香りを楽し
んでもらう「山形県郷土の家」を設立した。ここに集う若者は、強い郷土への願望
と慈しみを抱いている。「郷土の家」を紹介しながら、郷土とは? その反面東京と
は? の意味を考えてみた。

『山形は白い国―岡本太郎のやまがた讃歌―』
1983年/27分/カラー/制作:東京福原フィルムス/企画:山形県/プロデュー
サー:近藤隆治
監督:岡田喜一郎/撮影:田中凌一/出演:岡本太郎、三浦雄一郎、ほか/ナレー
ション:はせさん治
■ 芸術はバクハツだ! の岡本太郎氏がスキー界の名物男達と雪の山形を遊びまく
ります。飲み、食い、滑る岡本太郎氏のエネルギーがあふれでています(第41回・
雪の巻にて上映)。

【料金】会費500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料)
※7月より会費制(500円)として、ご来場の皆様に作品資料をお渡しする形に改め
させていただきます。
【お問合せ】清水 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp 



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┃05┃□広場
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■YIDFF東京事務局よりリクエスト募集!

東京で月刊ヤマガタ!
ただいま東中野で「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー 山形in東京2008」が開
催中。怒涛のような本数のこの上映イベントに続き、今年11月中旬より毎月1回、
渋谷のアップリンク・ファクトリーで、山形ドキュメンタリー映画祭の旧作をコツ
コツ上映することになりました。過去の映画祭で上映されたおもしろいドキュメン
タリーなのに、その後なぜかあまり上映の機会のない隠れた傑作・名作・珍品の映
画を定期的に見よう、という機会です。あなたにも、きっとありますよね、見逃し
て気になっているあの一本。もう一度見たい、感動のあの一本。リクエストを募っ
ています!!
あいにくビデオ作品しか上映できませんが、これは、というタイトルがあれば、
YIDFF東京事務局( mail@tokyo.yidff.jp )までドシドシご意見ください。
藤岡朝子
(YIDFF東京事務局)


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■「自作を語る」などの投稿、歓迎!
「自作を語る」欄は、監督自らが作品について語るコーナーです。制作した動機や
撮影のポイント、編集で心がけたこと等を内容に盛り込んで頂きたいと思っていま
す。その他の投稿も歓迎します。「自作を語る」は1600字程度。監督のプロフィー
ル(150字)、作品のデータ、上映スケジュール、HP等をお知らせください。
原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。
E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp  伏屋まで


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■上映の告知の有料化とカンパのお願い
■伏屋 博雄(本誌編集長)

neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の
告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力
ください。

(1)上映等の告知の有料化 40字×30行(行数の空きも計算)以内につき、2,000円
です。それ以上の行数の場合は加算します。

(2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。
送金方法:郵便振込み:00160-8-666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782 (有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせく
ださい。)
以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。



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┃06┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●岡村和樹監督の連載が始まった。岡村さんには、「常に歴史に記述されない人々
の人生を見つめるという意識」がある。その認識のもと、小川プロの制作活動を長
年陰で支えてきた当時助監督であった飯塚俊男を主人公に村人の証言を交えて回想
する『帰郷‐小川紳介と過ごした日々‐』、寺山修司率いる演劇実験室・天井桟敷
の「市街劇」を考察する『世界の涯て』、さらに、あがた森魚と共に行った『月間
日記映画:もっちょむぱあぷるへいず』へと論は飛翔する。そこには映画のフレー
ムの外にこそ、実人生があるのではないか、という岡村監督の衝動が裏打ちされて
いる。

私は、後半の、「現実と虚構(幻想)とが隣り合わせに存在しているのが実人生で
ある。」という言葉にはゾクっときたが、特に小川紳介の『1000年刻みの日時計』
述べるくだりは、従来にない視点で映画の成立を考察しようとした試みに強い関心
を持ち、「地の塩」という言葉を思いうかべた。

●なにわ天閣さんから「自作を語る」に投稿があった。その作品は従来のドキュメ
ンタリーのワクをはみ出しているかもしれないが、出演者の生身の息吹をとらえよ
うとする試み、しかもその方が魅力的だとする確信は、ドキュメンタリー精神に通
じる要素があると思い、掲載することにした。未見の作品なので、観たいと思う。

●新潟にある映画館から、「記事を機関誌に転載したい」との要望があった。かっ
て本誌に掲載された岩崎ゆう子さんの「コミュニティシネマ日々」の最終回(neon
eo98号、2008年3月15日配信)に、コミュニティのあり方を言及した記事のことで
ある。この記事は、掲載当時も反響があり、「今年に入って目にした映画にまつわ
る読み物の中でも、もっとも美しいもの」など多くの方から感嘆の声をいただいた。
以前にも転載の要望があって、そして今回である。筆者の岩埼さんはもちろんのこ
と、編集者の私にとっても異論があるはずもなく、うれしい出来事であった。

最近、こうした要望がしばしば来る。ざっと思いつくだけでも、春田実さんの『稟
愛』(監督・馮艶)についての映評、藤岡朝子さんのジャ・ジャンクーの撮影現場
を活写した記事は、パンフレットに掲載されたり映画館に掲示されたりした。その
他、映画論文に引用された文章として、水野祥子さんの「小川紳介と戦後日本ドキ
ュメンタリー史が英語になった」のケースもある。

記事は読者を刺激し、読者はビビットに反応する。そして今日も、書き手は文字を
刻む。その書き手は明日のあなたかもしれない。そうしたneoneoでありたいと思う。


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