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ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo 92号 2007.12.1

発行日: 2007/12/1

 
 
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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  ┗━┛ ☆━┛ ┗━☆    92号  2007.12.1


∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

 †01 ■ドキュメンタリー映画のかたち
       京橋三丁目、映写室からの眺め(4)  岡田 秀則
 †02 ■ワールドワイドNOW ≪ベルリン発≫
       舞台と映像の出会い・時間と現実を考える  梶村 昌世
 †03 ■neoneo坐12月前半の上映プログラム
 †04 □広場
    ■新・クチコミ200字評!(65)
       『“天国への引っ越し”手伝います〜東京 大田 遺品整理会社』
       『FUCK ファック』『性のめざめ』(以上の評、清水浩之)
    ■上映:神戸映画資料館・12月のドキュメンタリー上映(12/1.2.8.9)
    ■上映:愛知県文化情報センター
    「第12回アートフィルム・フェスティバル」12月5日〜16日(10日休館)
    ■募集:「自作を語る」などの原稿募集!
    ■上映の告知の有料化とカンパのお願い  伏屋 博雄
 †05 ■編集後記  伏屋 博雄


    ★バックナンバー閲覧はこちらまで
   まぐまぐ配信   http://blog.mag2.com/m/log/0000116642/
   melma!配信    http://www.melma.com/backnumber_98339/



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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■京橋三丁目、映写室からの眺め(4)
┃ ┃■岡田 秀則
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●たかが/されど解説

よく尋ねられる質問に、「あの解説は誰が書いてるんですか?」というのがある。
毎度毎度の上映企画を紹介する「NFCカレンダー」の上映作品解説のことだ。かつ
ては、所属する部署は分かれていてもちょっと面倒な仕事は共同作業でこなす伝統
があり、筆者がフィルムセンターに入った頃はこうした執筆も何人かの研究員で分
担していた。とりわけ日本映画の企画だと、「これ、書かせてもらえます?」「こ
れ、あげますよ」なんてのどかな会話もあったものだ。だが、2000年を越えた頃か
らか、それぞれの部署が専門的な任務をたくさん抱えるようになると、そう牧歌的
にもゆかなくなってきた。解説は、上映企画を担当する企画普及室(今は事業推進
室という)がすべて執筆することになった。私が加わった当初、担当は上司と2人
だったのだが、上司が他の業務を抱えて多忙だったため、実際は私がかなりの部分
を任せられていたように思う。先日、かつての上映カレンダーを見直してみたが、
独りですべての解説を書いた企画は思いのほか多い。
300字だろうが30字だろうが、文字数の指定にはきっちり対応しなければならない。
「NFCカレンダー」の場合、もっともよく採用される文字数は120字であった。紙面
の都合を考えつつ、毎回いろいろと試行錯誤しているうちにこの分量に収まってき
た。もちろん、上映作品数の少ない企画や、日本に初めて紹介される映画が多い企
画では字数を増やすのだが、いつしかこの120字という長さが身体に染み付いてき
た。

解説はいつも特段のポリシーもなく書いているが、あえて分析すれば「物語・批評
・見どころ・データ・エピソード」といった要素からなる。それらの要素を並べて、
読む側にとって魅力的であろうと考えるものを取捨選択し、適切なバランスのもと
に配分、可能な限り平易な文体を用いて所定の字数に収めてゆく、ということにな
ろうか。その「平易」さが実は難しく、いまだ修業中の身である。日頃の読書量も
ものを言うが、読んだなら読んだで、あれもこれも盛り込みたいと全体が必要以上
に長くなるのも悩みどころだ。また、いくつもの要素を取り入れているうちに、主
語と述語のねじれとか、しばしば構文上の問題が生じてくる。そういう「異物」は
どうにかこうにか排除してゆくが、実はこのあたりの上達に熟練を要するようだ。
筆者の数少ない取り柄は、執筆作業が速いことである。もちろん、物語やデータの
誤りについて絶えずチェックをしなければならず、調べ方が甘くて、後で「ここ、
こうですよ」とご指摘を受けたことも少なくない。速度にはこうしたリスクも伴う
が、速度なしには追いつかない、というのがフィルムセンターの企画作りの現状だ。
以後、「特急解説」は私の情けない旗印になる。

映画をめぐる言葉なのになんだかセクシーじゃないなあ、と思われる方もいるかも
知れない。だが、実は結局映画の言説はここからしか始まらないのではないか、と
ある時期から考え始めた(この段階をすっ飛ばして映画の書き手になれるのはかな
りの才能を備えた人だ)。カッコいいことを書くのが解説ではない、そのことは徹
底的に叩き込まれた(平野共余子さんが「マンハッタンのKUROSAWA」の中で同じよ
うに解説の書き方を学んだと書かれていて、大きくうなずいたものだ)。ストーリ
ーのチラリ見せ具合、データやエピソードの選択でも書き手のセンスが大きく問わ
れる。それを経験した上で街のミニシアターのチラシなどを眺めていると、一読者
として、ここの書き手の方は熟達されているなあ、とか、いまメキメキ成長してい
るなあ、という感想を持ったりもする。
そして、その上で本当に好きな映画に対しては、自分なりの情念が乗り移っている
かどうか、再読して確かめてみる。つまり、どういう物語なのかがある程度分かり、
そこに読みやすく作風の分析や必要なデータ、印象的なエピソードが加えられ、さ
らに情念をもって映画の魅力が平易な文体のもとに伝えられていれば、それは理想
の解説である。もちろん、そんなものは滅多に書けない。

フィルムセンターの場合、もっとも大きな問題は、一人やせいぜい二人ですべての
上映作品について書かねばならぬことだ。日本の監督もキャメラマンもジャンル映
画もフランス文芸映画もアメリカ無声映画もトルコ映画も韓国のクラシック映画も
さらにアニメーションやドキュメンタリーも、そのすべてについて「専門家」であ
るという恐るべき虚構を頭からかぶって仕事を進めなければならない。執筆時点で
プリント未入手の映画など、データだけで書かねばならぬことも多い。まったく単
純な話、無茶なことをやっているのだ。パリのシネマテーク・フランセーズには
10人ほどのプログラマーがいると小耳にはさむと、思わずウーッと低く唸ってしま
う。外国のシネマテークの解説書では、題名と製作年と監督・主演者名だけで、解
説のないものも多い。それは「解説はなくても充分」という文化的な情況がその社
会にあることを示している。シネマテーク・フランセーズでも最近はごく短い解説
が付け加えられるようになったが、クラシック映画への意識が薄れつつある現在の
日本ではやはり解説文は不可欠だと思っている。

「フィルムセンターは間違わない」という暗黙の期待があることは痛いほど分かっ
ている。文字の一つ一つが、責任を負っていることは常に自覚していなければなら
ない。だが、ほんの小さな解説文も、映画の外側も含めた多層的な知識と複数の作
り手たちの感性が雑多に練り合わされた、このジャンルの縮図たるべきだろう。だ
から、映画は楽しいのだ。最終的には、これは快楽に属する行為だと思っている。


■岡田 秀則(おかだ・ひでのり)

東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員。週に一度だけ大学で教えていて
今年で6年目なのですが、最近は卒業生が都内のミニシアターや映画祭で、試写室
でもスタッフとして働いているのを頻繁に見かけます。出版社の編集者としてこち
らに接触してくる卒業生もいたり。こちらが応援しているのはもちろんですが、何
やら心強くて、自分が励まされているような気にもなります。



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┃02┃□ワールドワイドNOW ≪ベルリン発≫
┃ ┃■舞台と映像の出会い・時間と現実を考える
┃ ┃■梶村 昌世
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今回またドキュメンタリー映画と少しかけ離れたお話をさせてください。
9月末にベルリンでDMJ(ダンス・メディア・ジャパン)とポスト・シアターが「ス
クラッチ・Scratch」と言うワークショップを実施した。DMJはデジタル・アートと
舞台芸術を結ぶ作品を紹介・制作する小事務所で、日本では飯名尚人さん、韓国で
はセオ・ヒョジョンさんが代表している。コンピューターで処理された映像や音楽
などを利用したコンテンポラリーダンス作品を主に紹介している。ポストシアター
はベルリンをベースにマルチメディア・パフォーマンスを制作している。マックス
・シューマッハーさんと棚橋洋子さんを中心にしたこのユニットは、色んなアーテ
ィストとのコラボレーション作品を発表してきている。両団体とも舞台上の人の体
と様々なメディアの混在を焦点に、実験的な活動を積み重ねてきている。今回のワ
ークショップにはダンサー、俳優、映像作家などが参加、国際的な参加者たちは、
それぞれの経験と知識を背景に音、映像と体によるコラボレーションの可能性を探
った。イザドラというソフトウェアによりリアルタイムで処理される映像と音を踊
る人の体と即興的に同期させたり、またあらかじめ録画・録音した素材をこのソフ
トウェウアで加工し、ダンサーの動きと合わせていくという実験をし、その結果を
ショーイングで発表した。私もワークショップを手伝い、参加し、様々なことを新
たに考えるきっかけとなった。

まず、音楽も映像もダンスも、時間という要素を共通に持つジャンルである。我々
の生きる日常もそうだが、基本的にAからBに進むタイムライン上に音・映像・動き
は成り立っていく。しかし人間が持つ時間感覚というのは、一本の線をただひたす
らまっすぐに進むものではない。遡ったり、止まったり、早くまたはゆっくり進ん
だり、急にジャンプしたり、時間は非常に複雑な形をとっていく。この時間軸のね
じりとでもいうのか、これをコンピューターで設定したり、自由に動かして遊ぶこ
とができたのは、とても興味深かった。確実に時間は過ぎていく中で、我々はつい
さっきの瞬間にさえ戻ることはできないが、例えば記録された映像によって、ある
出来事や状態を再現する。そうすることによって、過ぎたことを見直したり、現在
を新たに見つめたり、この行為がまた現在と未来を変えていく。そのきっかけを探
り、音と体の動きと映像の関係性を築いていく作業は、現実世界を見つめるドキュ
メンタリー映画とどこか似た働きがある。

また、現実を考えるきっかけともなった。舞台上に立つダンサーの体という現実に
対して、映像が見せるのは全く別空間であったり、過去のダンサーである。ダンサ
ーの現在時の姿であったにしても、実際に舞台に立つ人と現実とはどうしても差が
ある。目の前でこの瞬間に踊る体、生身の人間にしかない魅力を感じた。しかし映
像にはまた独自の現実世界があり、例えばその人の姿が溶けていったり、数人にも
増えたりと、生身の人間にはありえないことが起こる。そしてその映像がまた人の
持つ心の現実を描く力を持つ。目に見える外の世界の現実と、人が誰もが持つ幻想、
妄想、思想はそんなに切り離されたものではない。そして、それが同じ舞台という
空間に共存すると、ダンスを踊る人の体も、空間に映る映像の世界も、観る観客の
中でまた混じり合っていく。 梶井基次郎の言葉を思い出した:「視ること、それ
はもうなにかなのだ。自分の魂の一部分。あるいは全部がそれに乗り移ることなの
だ。」なになのかはよくわからないが、映像と人の体の動きと、それを観る人とが
出会うと、そこから生まれてくるコミュニケーションは確かにおもしろい。

そして、今回また思い悩んだことは、デジタルな映像とアナログな人間の体である。
瞬間的、有機的に動く人の体に対して、データーを処理しながら動く映像は果てし
なく遅く、どうも融通がきかない。ダンサーの動きに瞬時に対応しようとしても限
度がある。映像というのは、何かと複雑に作り込んで初めて魅力を持ち、多分人間
の体とはまた異なった時間が流れているのだろう。それでも人が人のために作った
ものと思えば、また有機的なものになってくる。

先月、「不思議な場所」というダンスと映像のコラボレーション作品の公演を行う
ために来日したが、まさにこのようなことを実感した。舞台、そして映像と言った
架空の世界でありながらも、そこには間違いなく日常や現実が存在する。ドキュメ
ンタリー映画はある意味もっと率直に現実世界に取り組むが、人と対面するという
現実は変わらない。人は人との関係によってはじめて存在するのではないかと、最
近思う。

興味のある方は次のウェブサイトをご覧ください:
 http://dance-media.com/    http://www.posttheater.com 
ポストシアターは今月来日、デジタルアートフェスティバル東京2007で作品
「Figure 8 race」の公演を行います。
詳しくは http://www.daf-tokyo.jp/index.html をご覧ください。


■梶村 昌世(かじむら・まさよ)

先週ベルリンのユダヤ博物館でシャンタル・アケルマンの映像インスタレーション
を観た。アウシュビッツで殺された祖母の日記のページをガーゼのような半透明な
スクリーンに映し、その後ろでは作家自身と母親がその日記について語り合う姿が
2つのアングルから撮られた映像が壁に映っている。祖母を想う母と娘と、祖母が
残した筆跡の間に生まれる空間が痛いながらもやさしかった。



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┃03┃□neoneo坐11月後半の上映プログラム
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会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1
分、JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さ
い。  http://www.neoneoza.com/

■短編調査団(58) 絵の巻…今年のラストは絵と人を見つめる3本立て(計90分)

12月12日 (水) 20:00〜
『亜欧堂田善』2000年/28分/カラー/制作:記録映画社+金山プロ/企画:須賀
川市/プロデューサー:國見保雄/脚本・監督・撮影:金山富男/脚本・監督:榊
正昭
■江戸時代後期の絵師・亜欧堂田善。銅版画技法を独習し、日本初の銅版画人体解
剖図を制作したり、また、遠近法など西洋画法による江戸名所風景の銅版画を描き、
日本の洋風風景画の開拓者となった亜欧堂田善の画業を紹介する。

『一枚の葉っぱ&#8212;小倉遊亀の世界&#8212;』1986年/22分/カラー/制作:毎日映画社/
企画:滋賀県教育委員会/プロデューサー:島田剛/監督:板坂靖彦/脚本:山崎
修平/撮影:橋本肇・高橋和男・小暮忠宏
■明治28年生まれの女流画家・小倉遊亀は、日本画壇の重鎮である。氏の画業にス
ポットをあて、今なお画境を切り開く精進の姿を描く。様々なエピソードを氏自ら
が語りながら、数多くの作品を紹介する。

『東山魁夷の世界&#8212;旅・風景・人生&#8212;』1978年/40分/カラー/制作:シネ・ギャ
ラリー+テレビ朝日映像/企画:集英社/プロデューサー:甲原安記/脚本・監督
:竹内啓治/撮影:黒田清己・有村弘/音楽:林光
■画業50年、風景と美の遍歴の旅を続ける画家、東山魁夷。水辺から、森から、山
から、白夜の街から &#8212; 東山芸術の世界が、数々の名作とともによみがえる美のド
キュメント。

【料金】鑑賞無料! カンパ歓迎!【お問合せ】清水 E-mail:
  shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp 


■NEO Gallege BAR

12月13日(木)20:00〜
大木裕之『松前君の…』ゲスト:帯谷有理帯谷有理ヴォイス・パフォーマンス+
新作短編上映 《酸っぱい畑》 An Acid Field(2007年) 7min.
他1本新作短編(タイトル未定)上映予定。
【料金】2,000円(軽食付・アルコール類は別料金/1ドリンク300円)
【予約先】スペースneo E-mail: spaceneo@tcn-catv.ne.jp 



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┃04┃□広場
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■新・クチコミ200字評!(65)
■清水浩之(短篇調査団・12/12は絵の巻! http://d.hatena.ne.jp/tancho/ 
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビな
ど皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オスス
メしない映画とその理由!」もOKです。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアド
レスor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィール
や近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail:shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839

B-247『“天国への引っ越し”手伝います〜東京 大田遺品整理会社』
2007年/制作:NHK/ディレクター:細田直樹
放映:2007年11月22日・NHK総合「ドキュメント にっぽんの現場」
  http://www.nhk.or.jp/nippon-genba/ 
毎週一つの〈現場〉をきっちり29分間にまとめるこの番組はドキュメンタリーのお
手本的存在。年間3万人を超える孤独死の現場から、家族を捨てた父や両親を看取
った息子など、独り旅立った人々の生の軌跡のみならず、残された家族の「気持ち
の整理」までも巧みに切り取って、誰もが身につまされる出来映えでした。同じテ
ーマで長編化したら、後片付けの現場で避けて通れない“臭い”まで掘り下げた衝
撃作になるかも?(かなり怖い…)(清水浩之)

B-248『FUCK ファック』
2005年/アメリカ/監督:スティーヴ・アンダーソン
シアターN渋谷ほか各地で上映中  http://f-movie.net/ 
正義と建前の国・アメリカで悪名を轟かす“お下品な四文字言葉”を巡る文化論。
保守派議員から言語学者までが「この題名の映画」に出演する可笑しさ(パット・
ブーン氏 が出色)の一方で、『朝まで生テレビ』風に"わかりやすい"人選、コメ
ントを編集で切り刻んで作者の思惑通りに導く予定調和は些か物足りない気も。と
もあれ発言一回当り30万ドルの罰金を課す側も、「それならこの映画は罰金3億ド
ル」と開き直る側も実にアメリカ的。(清水浩之)

B-249『性のめざめ』
1972年頃/制作:国映ビデオ/指導・解説:医学博士 奈良林祥
見た場所:「短篇調査団(57)性の巻」  http://d.hatena.ne.jp/tancho/ 
リクエストにお応えしての性教育映画特集、ドキュメンタリー・児童劇など様々な
作品が並ぶ中で一際異彩を放ったのが“日本のアルフレッド・キンゼイ”こと奈良
林先生が小一時間喋りまくるだけ(!)のこの作品。「男の恋心は精子の生産過剰が
原因」と断言しちゃう身も蓋もないトークを聞いていると、大抵の悩み事も何だか
バカバカしく思えてくる医学的効果がありました(笑)こんなに「楽しい」フィルム
が日比谷図書館に眠っていたとは!(清水浩之)


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■上映
■神戸映画資料館・12月のドキュメンタリー上映

生きる場所を求めて&#8212;西成・釜ヶ崎、そして公園近年、小型ビデオの発達でドキュ
メンタリーを作ることが容易になり、さまざまな映像作家が大阪の野宿者や労働者
の現実を描くようになった。神戸ゆかりの田中幸夫や金稔万、ドイツのアンケ・ハ
ールマンなど、それぞれの個性溢れる作品を一挙上映。70年代の貴重な記録映画や
アート・ドキュメンタリーも見逃せない。

■第一部12月1日(土)
13:00『「関西公園〜Public Blue」
14:25『未来世紀ニシナリ』
15:50『むすびプロジェクト』(入場無料)
16:20『関西公園〜Public Blue』

2日(日)
13:00『関西公園〜Public Blue』
14:25『未来世紀ニシナリ』
15:50『むすび
16:20座談会(参加無料)

■第二部12月8日(土)
13:00 70年代の釜ヶ崎
14:50 『長居テント村に大輪の舞台が立った』
16:30 70年代の釜ヶ崎

12月9日(日)
13:00 『長居テント村に大輪の舞台が立った』
14:40 70年代の釜ヶ崎
16:30 『長居テント村に大輪の舞台が立った』
上映後、質疑応答あり

上映作品:
1.『未来世紀ニシナリ』(日本/2006/68分/DV)
監督:田中幸夫負のイメージを持つ西成。この町で地域社会の構成員として、つな
がり合い支え合うために、さまざまな立場を越えて町づくりに取り組む人々の姿を、
2年間にわたり記録。

2.『関西公園〜Public Blue』(日本・ドイツ/2007/70分/DV)
監督:アンケ・ハールマン 2006年の行政による靭公園と大阪城公園の強制撤去に
対する、野宿者の抵抗と、そのコミュニティの危機と再生を映す。

3.『長居テント村に大輪の舞台が立った』(日本/2007/80分/DV)
撮影・編集:布川徹郎、金稔万2006年の靱公園と大阪城公園につづいて、長居公園
のテント村も行政代執行が行われようとしていた。それに対してテント村の野宿者
と支援者は、舞台を立て「しばい」を演ずることで対峙する。

4.70年代の釜ヶ崎(1974頃/計95分)
撮影・録音・編集・企画:今村圭雄
『釜ヶ崎解放』(日本/34分/16mm)
『1973〜1974 釜ヶ崎越冬闘争 冬の陣』(日本/23分/16mm)
『暴力手配師追放 釜共斗の戦い』(日本/38分/16mm)
今や伝説化した70年代の釜共闘の運動を描いた3本の16ミリフィルムを特別上映。

5.参考上映『むすびプロジェクト』(日本/2005/18分/DV)
「むすび」は、日本最大の日雇い労働者の街・釜ヶ崎の紙芝居演劇グループ。メン
バーには路上生活経験者が多く、「むすび」の活動を通じて生きがいや社会とのつ
ながりを見いだしている。

料金:(入れ替え制/第一部・第二部を通じて2本目以降は200円引き)
一般(非会員):1200円、会員一般:900円、会員学生・シニア:700円
 http://u-go.to/planet1   http://roo.to/planet1 


■愛知県文化情報センター「第12回アートフィルム・フェスティバル」

会期:12月5日(水)〜16日(日) ※12月10日(月)休館
会場:愛知芸術文化センター12階アートスペースA
 (名古屋市東区東桜1-13-2、「栄」駅下車オアシス21連絡通路経由徒歩3分)
主催:愛知芸術文化センター
企画・お問い合わせ:愛知県文化情報センター
Tel.052-971-5511 内線724 Fax.052-971-5644
E-mail: bunjo@aac.pref.aichi.jp  URL http://www.aac.pref.aichi.jp 
入場無料(定員280名)

12月5日[水] カール・ドライヤー作品
17:40 『吸血鬼』(1930-31、35mm、モノクロ、70分、出演:ジュリアン・ウェスト、
    アンリエット・ジェラール、撮影:ルドルフ・マテ、ルイ・ネー)
19:00 『裁かるるジャンヌ』(1927、モノクロ、35mm、97分〈20コマ/秒〉、無声、
    出演:ルネ・ファルコネッティ、アントナン・アルトー、撮影:ルドルフ
    ・マテ)

12月6日[木] フレデリック・ワイズマン作品(1)
15:45 『視覚障害』(1986、16mm、132分 アラバマ聾盲学校を舞台とした
    「Deafand Blind」シリーズ第一部)
18:10 『少年裁判所』(1973、モノクロ、16mm、144分 メンフィスの少年裁判
      所を取材)

12月7日[金] フレデリック・ワイズマン作品(2)
15:45 『聴覚障害』(1986、16mm、164分「Deaf and Blind」シリーズ第二部)
18:45 『適応と仕事』(1986、16mm、120分「Deaf and Blind」シリーズ第三部)

12月8日[土] フレデリック・ワイズマン作品(3)
10:30 『DV−ドメスティック・バイオレンス』(2001、16mm、195分 フロリダ州
    タンパ市の家庭内暴力被害者収容施設「スプリング」を取材)
14:00 講演会1 講師:北小路隆志(映画評論家)
15:30 『DV2−ドメスティック・バイオレンス2』(2003、16mm、160分 舞台を法
    廷に移した『DV』の続編となる作品)
18:20 『多重障害』(1986、16mm、126分 「Deaf and Blind」シリーズ第四部)

12月9日[日] フレデリック・ワイズマン作品(4)
10:55 『バレエ』(1995、16mm、170分 1992年のアメリカン・バレエ・シアター
    の活動を記録)
14:00 『メイン州ベルファスト』(1999、16mm、247分 人口6000人の典型的なア
    メリカの町ベルファストを描く)
18:25 『チチカット・フォーリーズ』(1967、モノクロ、16mm、84分 マサチュー
    セッツ州立ブリッジウォーター矯正院の日常を描いたデビュー作)

12月11日[火] 愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品(1)
17:45 勅使川原三郎『T-CITY』(1993、35mm、28分、出演:宮田佳、山口小夜子、
    シリーズ第2弾)
18:20 ダニエル・シュミット『KAZUO OHNO』(1995、35mm、15分、出演:大野一雄、
    大野チエ、撮影:レナート・ベルタ、シリーズ第4弾)
18:45 園子温『うつしみ』(1999、16mm、116分、出演:麿赤児、荒木経惟、荒川
    眞一郎、シリーズ第8弾)

12月12日[水] 愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品(2)
16:40 石田尚志『フーガの技法』(2001、16mm、20分、ドローイング・アニメー
    ション、シリーズ第10弾)
17:10 キドラット・タヒミック『フィリピンふんどし 日本の夏』(1996、16mm、
    39分、出演:キドラット・タヒミック、大野宜白、シリーズ第5弾)
18:00 天野天街『トワイライツ』(1994、16mm、33分、出演:石丸だいこ、撮影:
    山崎のりあき、シリーズ第3弾)
18:45 帯谷有理『サイケデリック・オルガン・パンダ』(2003、ビデオ、110分、
    出演:福森慶之介、安部まりか、シリーズ第12弾)

12月13日[木] 愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品(3)
16:00 辻直之『影の子供』(2006、モノクロ、16mm、18分、ドローイング・アニ
    メーション、シリーズ第15弾)
16:25 和田淳子『ボディドロップアスファルト』(2000、ビデオ、96分、出演:
    小山田サユリ、田中要次、シリーズ第9弾)
18:10 前田真二郎『王様の子供』(1998、ビデオ、40分、出演:高嶺格、音楽:
    原神玲、シリーズ第7弾)
19:00 大木裕之『3+1』(1997、16mm、82分、出演:上田奈保、美枝・コッカム
    ポー、シリーズ第6弾)

12月14日[金] 愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品(4)
16:20 七里圭『ホッテントットエプロン−スケッチ』(2005、ビデオ、70分、出演
    :阿久根裕子、音楽:侘美秀俊、シリーズ第14弾)
17:40 槌橋雅博『動・響・光(Ugoki・Hibiki・Hikari)』(2004、ビデオ、180分、
    出演:中江絵美、中村優子、桂雀三郎、製作:アート・オブ・ウイズダム、
    シリーズ第13弾)

12月15日[土]
14:00 ※関連企画※イベントーク
ドキュメンタリー映画上映&能舞公演オリジナル映像作品最新第16弾
三宅流『究竟の地−岩崎鬼剣舞の一年』(2007、ビデオ、120分)のプレミエ上映と
ともに、能舞公演とトークショーを行います。
出演:中所宜夫(能楽師)、三宅流(映画監督)三宅流作品
18:00 『面打』(2006、ビデオ、60分、出演:新井達矢)
19:10 『朱鷺島−創作能「トキ」の誕生』(2007、ビデオ、94分、出演:津村禮次
    郎)

12月16日[日] 愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品(5)
10:00 白川幸司『眠る右手を』(2002、ビデオ、208分、出演:草野康太、撮影:
    井川広太郎、シリーズ第11弾)
14:00 講演会2 講師:村山匡一郎(映像研究家)15:30 三宅流『究竟の地−岩崎
    鬼剣舞の一年』(2007、ビデオ、120分、シリーズ第16弾) 

お問い合わせ:愛知県文化情報センター(担当:越後谷、山口)
Tel.052-971-5511 (内線724)  Fax.052-971-5644


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■募集:「自作を語る」などの投稿歓迎!
「自作を語る」欄は、監督自らが作品について語るコーナーです。制作した動機や
撮影のポイント、編集で心がけたこと等を内容に盛り込んで頂きたいと思っていま
す。その他の投稿も歓迎します。「自作を語る」は1600字程度。監督のプロフィー
ル(150字)、作品の仕様(制作年度、時間、ビデオ又はフィルム、スタッフ等)、
上映スケジュール、HP等をお知らせください。
原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。
E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp  伏屋まで稿料:無料。


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■上映の告知の有料化とカンパのお願い■伏屋  博雄(本誌編集長)

neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の
告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力
ください。

(1)上映等の告知の有料化 40字×30行(行数の空きも計算)以内につき、2,000円
です。それ以上の行数の場合は加算します。

(2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。
送金方法:郵便振込み:00160-8-666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782 (有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせく
ださい。)
以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。



┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃05┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●岡田秀則さんが担当されていたフィルムセンターでの仕事ー上映作品の解説文を
巡る話は面白い。「フィルムセンターは間違わない」という暗黙の前提の背後には、
書き手の重責が伴うことになる。しかし岡田さんは業務を楽しんでこなしておられ
たことが窺われる。それは部署が異動したアーカイブにおいても変わらない。、岡
田さんの個人サイト「アトリエ・マニューク」の「日記」を読めば明確だ。私の愛
読サイトだが、ここには映画の発見がある。それは読者にとっても、映画の視野が
グーンと広がる大きな喜びでもある。

●先ごろ「マドモアゼル・シネマ 2007旅するダンス」の日本公演で来日した」梶
村昌世さんとお会いした。今号には最近の活動がレポートされているが、相変わら
ずお元気で、短い時間ではあったが、近況を語り合った。梶村さんは生まれも育ち
もベルリンで、さまざまな国籍を持つ人たちとの仕事が多いようだ。それだけに仕
事を結実させていくプロセスには、スタッフ間に軋みが生じることもある。私は、
問題意識を抱えながら、仕事に向き合おうとする梶村さんの姿勢に刺激を受けた。

●今号の「列島通信」は≪埼玉発≫の村上賢司さんの予定だったが、長編作品を製
作中なので、掲載を断念した。ご了承ください。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■発行:ビジュアルトラックス  visualtrax@jcom.home.ne.jp
■責任編集:伏屋 博雄
■編集デザイン:能川 悦子
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す。
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