ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo |
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 89号 2007.10.15
∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
†01 ■ドキュメンタリー映画のかたち
京橋三丁目、映写室からの眺め(1) 岡田 秀則
†02 ■映画時評
ヤマガタ2007をふりかえって 萩野 亮
†03 ■neoneo坐10月後半の上映プログラム
†04 ■広場
■新・クチコミ200字評!(62)
『映画の都 ふたたび』『バックドロップ クルディスタン』
『反射スル眼』 (以上の評、清水浩之)
■上映:土本典昭監督が東京国際映画祭に登場します!(10/25)
■上映:神戸映画資料館 11月のドキュメンタリー上映(11/3〜5)
■募集:「自作を語る」などの原稿募集!
■上映の告知の有料化とカンパのお願い 伏屋 博雄
†05 ■編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://blog.mag2.com/m/log/0000116642/
melma!配信 http://www.melma.com/backnumber_98339/
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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■京橋三丁目、映写室からの眺め(1)
┃ ┃■岡田 秀則
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●映画 やられたらやりかえせ
2001年4月から今年6月までの6年3か月、東京国立近代美術館フィルムセンターの上
映企画を担当してきた。それ以前から、副担当としてジャン・ルノワールやハワー
ド・ホークスなどの大型特集に関わってきたし、実際にはもうちょっと長い。フィ
ルムセンターはここ十数年、上映事業を主とする組織から、本格的な国立の“フィ
ルム・アーカイヴ”へと脱皮しようとしている。まだ10年ほど働いたに過ぎないが、
それでも、フィルムセンターの仕事がいつも同じ形をしていないのは分かる。これ
からも誇り高く映画保存運動の旗を振ることは間違いないが、デジタル時代への対
応も近くに迫っていたり、まあ「永遠の過渡期」と呼ぶのが適切なのだろう。
それでも、世間から見た際にフィルムセンターの「顔」が上映企画であることに変
わりはない。映画アーカイヴィングという任務の価値を理解していただくにも、ま
ずはその成果を見せる必要がある。上映のために適切に保存するのは当然だが、そ
の逆も大切で、未来に映画を残すための活動として上映事業は不可欠だ。
というような、原則論から上映の話をしてもあまり魅力的ではなさそうだ。今回は
「neoneo」という場をお借りして、自分のいくつかの経験からアーカイヴ上映に関
するとりとめもない話をしたい。編集部からは、ドキュメンタリーのことでなくて
もいいですから、とのお言葉をいただいているが、やはり「neoneo」に敬意を表し
て最初はドキュメンタリーのことから。
『山谷 やられたらやりかえせ』(1985)は、1980年代の後半に学生時代を送った
私にとって、なじみの深い題名だ。山谷だけではない、日本各地の「寄せ場」労働
者の情況をめぐる闘争のドキュメンタリーとして当時から話題になっていたが、私
も友人に誘われてどこかの大学での自主上映に足を運んだ記憶がある。この映画で
は、「撮る」という行為そのもののために、暴力団の襲撃によって2名の監督が命
を失っている。自然、撮られた映画自体にも暴力の匂いがまとわりついていて、映
画を「良い」「悪い」と捉えること自体に反省を迫るような一本だ。
そんな『山谷』のオリジナル・ネガフィルムを、フィルムセンターに寄贈したいと
いう電話を受けたのは、私がフィルム・コレクションの担当をしていた2000年のこ
とだった。最初のお話は、山谷制作上映委員会のメンバーである赤松陽構造(ひこ
ぞう)さんからだった。映画の末尾のクレジットをじっと見る習慣のある方なら、
この風変わりなお名前には見覚えがあるだろう。現代日本映画のタイトル・デザイ
ンの第一人者で、1990年代以降、数多くの題名文字をデザインしているほか、『ゆ
きゆきて、神軍』や北野武の『HANA-BI』などのダイナミックな手書き文字も赤松
さんのお仕事だ。いまや「映画書道家」の趣きさえある。
ほどなく、同じく委員会メンバーの小見さんという方がいらっしゃって、ネガ寄贈
の話はまとまった。さて、ネガ寄贈といっても、永遠にフィルムセンターの保存庫
からフィルムが出せなくなるわけではない。その作品の権利所有者であれば、所定
の手続きは必要だが、現像所に出してニュープリントやビデオ原版などの複製素材
を作ることもできる。今でこそ、保存経費の削減とフィルムの安全保管につながる
ことを理解され、寄贈に踏み切る会社も増えているが、当時はまだほとんどそんな
ことをする製作主体は存在しなかった。なんという柔軟で合理的な判断だろう、と
私は感嘆した。
日本社会を底辺から撃たんとする痛烈な批判者が、国立の機関に大事なオリジナル
・フィルムを寄贈しようとは。委員会の中でどのような議論が行われたのか私には
知る由もないが、かくして、『山谷』のただ一本のオリジナル・ネガは、フィルム
センターの保存庫の中で半永久的に保存されることになった。
その後、私はフィルム・コレクションの担当から上映企画の担当に変わっていた。
次から次へと企画の進行を司ることになったが、とりわけ日本のドキュメンタリー
史をたどるシリーズ企画「フィルムは記録する」に関われることは嬉しかった。す
でにシリーズは3回を終えており(戦前篇、戦後篇、1960年代篇)、2回目からは自
分も作品セレクションに関与していたが、残るは1970年代以降のドキュメンタリー
を特集する最終回だけだった。1970年代以降といえば、小川プロダクションや「水
俣」シリーズをはじめ、企業・官公庁のスポンサリングを否定した自主製作ドキュ
メンタリーが花開いた時代だ。ならば、ここに『山谷』がいなければならない、と
思った。一本の映画のために、ひとかたまりの人間たちが20年も集い続けた稀有な
スタイルの自主製作作品である。オリジナル・ネガは受領したが、上映用のポジフ
ィルムはいまだに所蔵していない。そんなもったいない話があるだろうか、今こそ
保存用のアーカイヴァル・プリントを一本作るべきだろう、と考えてフィルム収集
の担当研究員に話をつけた。
そして久々に、委員会の方に電話をかけた。委員会の方々はさっそく議論をまとめ
て、承諾の旨を伝えてくれた。しかも先方からは、1985年の公開当時以来、ある事
情によりずっとカットされていた部分を補った完全版のプリントを作りたいとの提
案があった。アーカイヴとして、これほど嬉しい申し出はない。こうして、「フィ
ルムは記録する2005」の一プログラムとして、大変珍しいことだろうが、運動とは
関係のない文脈で行われる『山谷』完全版の上映が決まった。
完成した上映カレンダーを知人に見せると、ほぼ一様に「わっ、『山谷』をフィル
ムセンターでやるんだ…」という反応が返ってきて、密かにニヤリとした。こうい
う場所でこの映画が上映されることが、作品にとって幸せかどうかは分からない。
しかし、潜在的に関心を持っていながらも、この映画にこれまで出会えなかった方
々は思いのほか多かったことが分かった。2005年3月1日、大ホールは予想外といえ
る194名もの入場者を集めた。2回目の27日は、日曜日だったせいもあり272人とい
う記録が残っている。これは現在のビルが開館した1995年以来、ドキュメンタリー
としては最多の入場者数だ。
会場にいた、フィルムセンターの常連としてこの映画を観た友人の一人は、私にま
ったく抜け落ちていた視点を提供してくれた。大雑把に要約すれば、この映画では、
労働者たちを暴力的に支配する側が画一的な「やくざ」としてしか描かれていない
が、この「加害者」たちも、在日コリアンなどマイノリティに対する差別の中から
背負わされた仕事である例も多く、それを生んだ日本の社会構造の歪みにまで表現
が至っていないのではないか、というのだった。こんな意見を友人たちから聞ける
なんて、こういう場所で見せることにも意義はあるな、と自信を持った。
『山谷』は、映画の保存と公開活動がうまくリンクした一例だ。そこから、この拙
文の題名の意味もお分かりいただけたと思う。つまり、最初の「やる」はご寄贈の
ことで、二つ目の「やる」は上映を意味している、つもりだ。
■岡田 秀則(おかだ・ひでのり)
東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員。山形映画祭の科学映画特集、ご
来場ありがとうございました(今これ書いてるのは映画祭の前ですけど)。佐藤真
さんの自死には、一つしかない大切な宝を丸ごと失う、という途方もない喪失感を
抱きました。目に見えるものより目に見えないシステムの方が大きな力を握るよう
になったら、ドキュメンタリーは何をしたらいいのでしょうか。
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┃02┃□映画時評
┃ ┃■ヤマガタ2007をふりかえって
┃ ┃■萩野 亮
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●はじめての全日程参加を終えて
山形国際ドキュメンタリー映画祭2007が閉幕した。わたしは今回はじめて全日程に
参加して、長短編あわせて32本のフィルムを見ることができた。すこぶる個人的な
ヤマガタ体験を、しばらくつづってみたい。
映画の学科を出たわけではないわたしは、ついぞ「映画青年」(すでに死語でしょ
うか)の存在を認めたことがなかった。映画について語り合う、そんな機会がある
とすれば、それは自分よりはるかに年長の人たちとであった。ヤマガタでわたしは、
はじめて同世代の「映画青年」の何人かと香味庵などで杯を交わすことができたの
だが、これには感動した。一本のフィルムを語るために何本ものフィルムを約束の
ように召喚する彼らにわたしは一歩を譲ってしまい、コンペ作品『紙は余燼を包め
ない』(リティー・パニュ監督)の雨や行水や涙といった水の描写を美しいといっ
たわたしの評に対して、「俗情との結託」というたぶん大西巨人が使っていたかな
り古い批評言語で一刀両断されたときは、やり返すことも忘れて新鮮な体験を味わ
った。
わたしにとって、映画を観ては書き続ける営為がともすれば孤独なものになりかけ
ていたとき、ヤマガタのそこここで、映画が人とともにあることを実感できたこと
は、これから大きな力となるだろう。「ドキュメンタリーとは人と出遭う作業であ
る」とは土本典昭監督のことばだが、山形映画祭という開かれた磁場は、それじた
いがドキュメンタリーフィルムのような美しい出会いにあふれているとはいえない
だろうか。いくつもの出会いをくれた山形映画祭に感謝したい。
●大賞作品『鳳鳴?中国の記憶』について
ロバート&フランシス・フラハティ大賞を受けた王兵監督『鳳鳴?中国の記憶』を
観たのは、開会式から一夜明けた10月5日。今回2本目に観たこのフィルムの圧倒的
な余韻を超えるものは、その後のプログラムに現れることがなかった。四角い何も
のかをふいに飲み込んでしまったかのような硬質な異物感を喉もとに抱えて、わた
しはその日から七日町を歩くことになる。
183分の上映時間を思わず「短い」とつぶやかせてしまうのはもはや王兵とタル・
ベーラくらいかもしれないが、全部で18カットしかない『鳳鳴?中国の記憶』は、
上映時間のほとんどを和鳳鳴(ホー・フォンミン)という老いた女性の語りを真正
面からとらえることに終始している。
冒頭のショットでは、さびしい路地を宅へと向かう彼女の背中を一定の距離から追
跡するが、フレームの中の彼女は、キャメラに気づかぬかのように振り向くことを
しない。
和鳳鳴の語る半生は凄絶きわまりないものだ。反右派闘争に未来を託した青春時代、
右派のレッテルを貼られた夫ともども巻き込まれてゆく悲劇――。彼女は当時の言
葉の一字一句を暗誦し、朗読劇を演じるかのようでさえある。「自分に話すように
」語る彼女は、聞き手=撮影者に何をおもねるでもない。というよりも、言語や感
情による対話に、両者はまったく無関心である。語り手は思う存分を語り、聞き手
=撮影者は、むしろ語りの行為を顕在化させる。語り手が席を立ってさえショット
を継続させることにおいて、王兵自身が述べているように、この映画の主眼が少な
くとも歴史的事実の検証といったようなものにはないことが、はっきりと宣告され
る。
一度もよどむことなく語る彼女、室内は徐々に夕闇に包まれてゆき、彼女の眼鏡に
反射する小さな光だけが不気味に輝き続けている。インタビューというありふれた
手法と、被写体を中心に据えた素気ないフレームによって、『鳳鳴?中国の記憶』
はもはや記憶の表象という一義的な目的を超えて、ひとりの女性が生み出すよどみ
ない語りの時空を、文字通り時間と空間において直写する。ここからはもはやどん
な隠喩を読むこともできない。感情が、不動のフレームにおいてひたすら物質化さ
れ続けるという、生成の運動が記録されているのみなのだ。キャメラを覗く王兵が
「暗いので照明を…」と告げるとき、彼は画面の暗さに堪えられなかったのではな
く、映画が映画でなくなってしまう瞬間を畏れていたとさえ思えてしまう。その意
味において、照明の点るあの瞬間、長らくフィルムで撮られてきた映画の歴史は、
その臨界に立っていたといえるのかもしれない。
語りを終えて、薄明かりの点る書斎で書き物をしている彼女。背中から始まったこ
の映画は、真正面の長いショットのいくつかを挟んで、ふたたび彼女の背中を画面
に写し出している。和鳳鳴が自分の世界へ帰っていったように、わたしたちも会場
の暗がりからそれぞれの世界へと帰ってゆかねばならない。
それぞれ前作において新たなDV映画の地平を拓いた王兵とペドロ・コスタの新作が
上映された今年のヤマガタは、まさにDV映画のさらなる可能性を占うものになった
といえるだろう。その反面、35ミリで撮られたロン・ハヴィリオ監督『旅―ポトシ
へ』のような大作が存在感を示していることにも、注意を払っておきたい。
☆(注)『鳳鳴?中国の記憶』については、藤井仁子氏の卓抜な批評がすでに山形
より発信されています
( http://www16.ocn.ne.jp/~oblique/texts/JinshiFUJII/fengming.htm )。
これは映画同様に震えのくるものです。それでも自分の見た『鳳鳴』を綴ってみた
いと思い、今回の寄稿に至りました。執筆にあたり、参照させていただいたことを
ここにお断りします。
■萩野 亮(はぎの・りょう)
1982年生まれ。和光大学表現学部卒。東京に帰ったら帰ったでイベントや映画祭が
目白押しの秋ですね。うれし忙し、次は東京国際映画祭で上映のキム・ギヨン『高
麗葬』に駆けつけます。
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┃03┃□neoneo坐10月後半の上映プログラム
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会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩
1分、JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。
詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さい。 http://www.neoneoza.com/
■10月17日(水)・18日(木)
大木裕之 Work In Progress 最新Version作品上映会
10月17日 20:00〜
『木(ナム)』2004〜2007年/71分/ビデオ
『ウム/オム1』2005年〜/40分/ビデオ
上映終了後、「OOKI BAR」開店
大木裕之がホストを務める「Ooki Bar」。より深く大木裕之の真髄に触れてくださ
い。
10月18日 20:00〜
『メイ4』2004年〜/50分/ビデオ
『TRAIN』2007年10月VERSION/30分/ビデオ
『カム』2006年〜/20分/ビデオ
上映終了後、「OOKI BAR」開店
【料金】一日券 1,000円
OOKI BAR 1,000円(1ドリンク・食べ物付)
【お問合せ】スペースneo E-mail: spaceneo@tcn-catv.ne.jp Tel:03-5281-7820
■10月19日(金)
19:00〜『月刊『もっちょむ』十月集壕』〜あがた森魚月刊映画上映会〜
(18時より開場・開場中に『もっちょむうすけしぱあぷるへいず8月號』を上映し
ます)
『もっちょむうすけしぱあぷるへいず9月號』
上映後、トークあり あがた森魚 来場予定
【料金】当日券2,000円(『月刊映画9月號』DVD-R付)
【お問合せ】月刊ぱあぷる(倉科)Email: purple@agatamorio.com
■10月20〜21・25〜28日
8ミリフィルム映画祭 2007 秋
1日目 10月21日(土)
14:00〜 山崎幹夫セレクション1
澤井俊明『現世(うつしみ)』8ミリ/35分/1982年
内村茂太『多摩川 暮らしの手帖』8ミリ/37分/2007年
16:00〜 山崎幹夫セレクション2
森永規不児『PATINKO』8ミリ/30分/1982年
大川戸洋介『撮るのは俺だ』8ミリ/56分/1983年
18:00〜 山崎幹夫セレクション3
松田有史『小江戸川越蚤の市』8ミリ/6分/1985年
山田勇男『プリズム』8ミリ/29分/1999年
長屋美保『ハル』8ミリ/56分/1995年
2日目 10月21日(日)
14:00〜 山崎幹夫セレクション4
片桐努『そのあくる日』8ミリ(ビデオ上映)/26分/2002年
五十嵐友行『土よ、笑う土よ』8ミリ(ビデオ上映)/18分/2002年
大谷高美『小庭歌』8ミリ(ビデオ上映)/12分/2003年
伊藤有希『コドモノ町』8ミリ(ビデオ上映)/25分/2004年
ヤジマチサト士『ワイルドホーシズ』8ミリ(ビデオ上映)/20分/2004年
16:00〜 山崎幹夫セレクション5
栗栖里衣『無水の泉』8ミリ/14分/1984年
江口幸子『べっくんは くまです』8ミリ/80分/1994年
18:00〜 山崎幹夫セレクション6
栗栖里衣『うみ月ふみ月』8ミリ/12分/1984年
緑川珠見『GARNET』8ミリ/32分/1996年
石井秀人『風わたり』8ミリ/30分/1991年
3日目 10月25日(木)〜
20:00〜 シネマトレイン傑作選+
大西健児『ハードキャンデイ』8ミリ/17分/1998年
帯谷有理『毛髪歌劇』8ミリ/64分/1994年
4日目 10月26日(金)〜
20:00〜 シネマトレイン地獄選+
大西健児『ウサギ狩り』8ミリ/11分/1998年
小林ひろこ『序破急』8ミリ/9分/1997年
永井英之『君のハグキ』8ミリ/14分/1998年
小口容子『2010年、夏』8ミリ/40分/1994年
5日目 10月27日(土)〜
13:00〜 『往復』を一日で見る試み1
山田勇男・山崎幹夫『往復1』8ミリ/46分/1986年
山田勇男・山崎幹夫『往復2』8ミリ/90分/1988年
16:00〜 『往復』を一日で見る試み2
山田勇男・山崎幹夫『往復3』8ミリ/80分/1993年
18:00〜 『往復』を一日で見る試み3
山田勇男・山崎幹夫『往復4』8ミリ/60分/1999年
山田勇男・山崎幹夫『往復5』8ミリ/50分/2006年
6日目 10月28日(日)
14:00〜 山崎幹夫セレクション7
高遠瑛『星の葬(まつり)』8ミリ(ビデオ上映)/25分/2003年
山田勇男『銀河鉄道の夜』8ミリ/45分/1982年
16:00〜 山崎幹夫セレクション8
村上賢司『水心』8ミリ/50分/1993年
寺嶋真里『緑虫』8ミリ/42分/1991年
【料金】全プログラム 1,000円(各プログラム入替制)
【BAR料金】全日程、上映終了後TALK BARあり 1,000円(食べ物+1ドリンク付)
【お問い合せ】スペースneo E-mail: spaceneo@tcn-catv.ne.jp
Tel:03-5281-7820(佐々木)
■「短篇調査団」(55) スポーツの巻…秋たけなわ 汗と涙の4本立て(計96分)
10月24日(水) 20:00〜
『日本の卓球―実技と練習法―』
1957年/18分/白黒/制作:日本大学芸術学部
◆日本独自のペンホルダーグリップによる卓球の技術を、具体的な練習法を通して
指導する。各打法の技術の要点や利点、練習方法をスローモーションも混えて解説。
『魔女のバレーボール―技術の分析―』
1966年/20分/カラー/制作:学研映画/
脚本・監督:垣内健二/撮影:岡崎宏三・並川達雄
バレーボールを基本編と技術編に分けて解説。基本編は基本プレーをスローモーシ
ョンを多用して分析し、技術編は世界選手権、オリンピックに出場したニチボー貝
塚チームのプレーを紹介する。
『スポーツと禅』
1968年/24分/カラー/制作:日本フィルムセンター/
企画:曹洞宗宗務庁/プロデューサー:金子睦/脚本・監督:矢部正男/
撮影:江連高元・中山正治・田端弘
◆技を競い勝負を争うスポーツは、技の修練はもちろん、精神面の修練もおろそか
にされてはならない。スポーツにおける坐禅の効用を科学的に解こうとする。
『闘魂こめて―読売巨人軍―』
1963年/34分/白黒/制作:読売映画社/企画:読売新聞社/
プロデューサー:島田昌一/脚本・監督:坂巻昇/撮影:近藤良治郎/音楽:俣賀
秀実
◆日本プロ野球の名門読売ジャイアンツの創立30周年を記念して製作された映画。
ジャイアンツの誕生、揺籃期から現在までの歴史が記録されている。〜
【料金】鑑賞無料! カンパ歓迎!
【お問合せ】清水 E-mail:shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp
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┃04┃□広場
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■新・クチコミ200字評!(62)
■清水浩之(短篇調査団・10/24はスポーツの巻!
http://d.hatena.ne.jp/tancho/ )
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビな
ど皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オスス
メしない映画とその理由!」もOKです。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアド
レスor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィール
や近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839
B-238『映画の都 ふたたび』
2007年/制作:アムール/監督:飯塚俊男/撮影・編集:渡辺智史
見た場所:山形国際ドキュメンタリー映画祭2007 http://www.yidff.jp/
10回目のヤマガタは市主催からNPO主催に移行して初の映画祭。その成否に各方面
が注目する中、地元組織・YIDFFネットワークが後援したこの作品は文字通り「映
画祭民営化物語」の葛藤を綴ったタイムリーな佳作。"8日間の非日常"を支え続け
てきた722日の日常を(修羅場込みで)丹念に追う構成と、運営スタッフの心象風景
まで反映してみせる撮影が見事。全国の映画祭関係者のみならず、文化活動に携わ
る人なら確実に身につまされます!
B-239『バックドロップ クルディスタン』
2007年/制作:BDK製作委員会/監督:野本大
山形国際ドキュメンタリー映画祭2007 アジア千波万波 奨励賞・市民賞
http://www.back-drop-kurdistan.com/
ちょっとルー大柴似のお父さん率いるクルド人一家が、日本政府に難民申請を蹴ら
れ漂流の末に家庭内国家「クルディスタン」を築くまでの大河ドラマ。彼らの苦境
に遭遇した作者が自らの足でトルコ本国を奔走し難民が生まれる原因を探り当てる
展開が面白い!四ヵ国に分断された"世界最大の少数民族"の歴史は知らなくても、
いつまでも差別や迫害がなくならない現状を反中嫌韓の「ジャパニスタン」に置き
換えれば他人事とは思えません。(清水浩之)
B-240『反射スル眼』
2000年/制作:STUDIO ANIMA/監督:亀井武彦
見た場所:山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー
http://www.yidff.jp/library/
映画祭会場からバスで約20分の場所にあるライブラリーは、これまでの応募作が
2000本余り、入選・落選を問わず無料で鑑賞できるお宝スポット!『バックドロッ
プクルディスタン』の原型と思しき前回応募作『優しい嘘』や、宮川一夫さんとア
ンリ・アルカンさんが京都で撮影ごっこしたり天ぷら食べたりするだけ(笑)のこの
作品など“映画史からこぼれ落ちた存在”と遭遇できる、ドキュメンタリー界屈指
の「魔の三角海域」と化しています!(清水浩之)
◇────────────────────────◆◇◆
■上映:土本典昭監督が東京国際映画祭に登場します!
第20回を迎えた東京国際映画祭(10月20〜28日)では、記念特集「映画が見た東
京」を開催します。戦後から現在まで、50本に達するさまざまな映画のなかにうつ
し出された“東京”の姿がスクリーンに甦ります。特集の目玉のひとつとして、下
記のとおり土本典昭監督の幻のTVドキュメンタリー『日本発見シリーズ 東京都
』(62)と、『ドキュメント路上』(64)を上映します。特に『東京都』はスポン
サーの意向でオクラ入りとなり、急遽、各務洋一監督が撮り直して放映されたとい
う“幻”の作品です。今回は土本版と各務版を連続上映するとともに、土本監督と
奥村祐治キャメラマンをお招きしてトークショーを行います。請ご期待!
東京国際映画祭アジア部門ディレクター 石坂健治
記
10月25日(金)
渋谷Bunkamuraル・シネマ1
12:50〜土本監督版『日本発見シリーズ 東京都』27分
各務監督版『日本発見シリーズ 東京都』27分
トークショー(土本監督、奥村祐治キャメラマン)
『東京1958』26分 ※羽仁進ら9人が演出した実験映画
15:50〜『ドキュメント路上』54分、ほか
「映画が見た東京」公式HP
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/title.php?lcat=6
東京国際映画祭公式HP http://www.tiff-jp.net/ja/
◇────────────────────────◆◇◆
■上映:神戸映画資料館 11月のドキュメンタリー上映
開館時間 10:30〜18:00(水曜休館)
問合せ 078-754-8039
最寄り駅 JR新長田駅より南へ徒歩5分
11月3日(土)〜5日(月・祝)撮影監督の仕事
2005年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映され話題となった『2つの名前を
持つ男』、そして『キャメラマン玉井正夫』が待望の関西初公開。4日には、故岡
崎宏三キャメラマンを師と仰ぐ田中文人監督をお招きし、“撮影監督の仕事”につ
いて講演していただきます。
★時間
3日(土)・5日(月・祝)
13:00『2つの名前を持つ男』
14:40『キャメラマン玉井正夫』『映画の天使』(二本立て)
16:10『2つの名前を持つ男』
4日(日)
13:00『2つの名前を持つ男』
14:40『キャメラマン玉井正夫』『映画の天使』(二本立て)
16:10 田中文人監督による講演(入場無料)
17:00『2つの名前を持つ男』
★特別料金(1プロ券)
一般:1400円
会員・学生・シルバー:1200円(どちらかの半券提示で2本目は200円引き)
『2つの名前を持つ男キャメラマン金学成・金井成一の足跡』
(2005/81分/DVCAM)製作・監督:田中文人 撮影監督:長田勇市
編集:奥田浩史2つの名前を持つ偉大なキャメラマンの足跡を追う ――
日本が朝鮮半島を植民地支配していた1930年代、映画キャメラマンを目指して日本
にやってきた青年がいた。元学生ボクサー、俳優のような甘いマスク、そして映画
にかける人一倍の情熱。彼の名前は金井成一。本名金学成(キム・ハクソン)
ユ・ヒョンモク監督の『誤発弾』などの作品で韓国映画史にその名を残す名キャメ
ラマン金学成。彼は戦前、日本で金井成一の名前で撮影技師となり帰国。発展途上
にあった解放以前の朝鮮映画の向上に大きく貢献することになる。彼が育てた現在
の韓国映画界の重鎮たち、また家族の証言により、歴史に翻弄されつつ闘った、
2つの名前を持つこの偉大なキャメラマンの足跡を追う。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2005、チョンジュ国際映画祭2006上映作品。
『キャメラマン 玉井正夫』
(2005/22分/DVCAM)監督・構成・編集:佐藤央 撮影:芦澤明子
企画・制作:玉井正夫さんを記録する会
『晩菊』『浮雲』『流れる』などの撮影監督として知られる玉井正夫。これは
2005年の成瀬巳喜男生誕100年に合わせて制作された記録映画で、彼無しには成瀬
作品を語れないということの証左であろう。そして今年は、玉井正夫が生まれて
100年、没後10年目にあたる。
『映画の天使』
(2000/42分/16mm)
監督:高岡茂 撮影:広内捷彦 音楽:佐原一哉 製作:スタジオ・デルタ
1989年京都・朝日シネマで催された、日本映画史上記念的な出会いともいえる淀川
長治と宮川一夫両人の対談をベースに、黒澤明監督『羅生門』、『用心棒』、溝口
健二監督『雨月物語』、『赤線地帯』、栗崎碧監督『曽根崎心中』などの名場面を
検証。淀川氏の軽妙な語りを通して、宮川氏が残された偉大な映像の軌跡をたどる。
また名ライトマン岡本健一さんのインタビューによる『雨月物語』撮影現場の証言
も収録。
11月9日(金)〜11日(日)冒険記録映画特集
13:00『ジャングルの牙』(アメリカ/1935/74分/16mm)
監督:フランク・バック『マルガ』(34)など猛獣生捕り映画で有名なアメリカの探
検家フランク・バックが、34年から35年にかけてマレー地方で活動した記録。アメ
リカのアニメ開拓の一頁を飾ったヴァン・ビューレン・スタジオによる作品。
14:30『沈黙の世界』(フランス/1956/88分/16mm)
監督:ジャック=イヴ・クストー 、ルイ・マル探検家で海洋学者、そして
スキューバを発明したクストーが、ルイ・マルとともに作り上げた傑作海洋映画。
ドキュメンタリーでありながらカンヌ映画祭でパルムドール賞に輝いた。『ディー
プ・ブルー』は、『沈黙の世界』無しには生まれなかったであろう。
16:30『火山の驚異』(フランス/1959/82分/16mm)監督:アルーン・タジェフ
地質学研究家であるアルーン・タジェフが、世界各地の火山をめぐって作った記録
映画。1961年に英国アカデミーでフラハティ賞を受賞。ゴダールの評論でも言及さ
れている。
11月23日(金)〜25日(日)ブラジル映画とブラジル移民の記録
17:00《ブラジル移民記録映像集》(約105分/16mm)
『海外移住組合の 移住地実況』(1934頃/無声)
『ブラジルの農業』(大阪商船株式会社/カラー)
『南米踏査三万キロ 移民篇』(1957頃/産経新聞/カラー)
『希望をのせて 移民船の誕生』(大阪商船株式会社/カラー)
【同時開催】11月25日(日) ブラジル移民に関するドキュメンタリー
会場:旧神戸移住センター
入場料:1000円(1日券)
13:00〜
『Permanence/この国にとどまって』(2006/68分/DV)監督:エリオ・イシイ
神戸の日系ブラジル人についてのドキュメンタリー。この映画は在日ブラジル人移
民の子供たちの暮らしの中へ視聴者を導き入れる。個人的なエピソードやナレーシ
ョンのほかにも、2つの世界の狭間に生きることの障害や試練について、そして何
よりも少しだけ他者のことを、少しだけ我々自身のことを学ばせてくれる。
14:30〜(途中休憩あり)
『郷愁は夢のなかで』(2001年改定版/155分/DV)制作協力:細川周平
制作・構成・撮影・編集・報告:岡村淳
1992年、不思議な老日本移民の噂を聞いた岡村淳監督は彼を訪ねる。その人は世間
との付き合いを絶ってひとりで掘立て小屋に暮らし、自分のオリジナルの浦島太郎
の話を創作し続けていた。監督に乞われてカセットテープに語りを吹き込む老人。
テープには、彼の故郷と肉親への熱く複雑な思い、そして死生観から環境問題まで
が盛り込まれているのだった。岡村監督の初の長編自主制作ドキュメンタリー。
17:20〜 岡村淳監督によるお話
17:50〜 交流会
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■訂正
前号の水野祥子さんの論考の中で、下記の個所を訂正します。
1.「ローラ・マルヴィーの記念碑的フェミニズム理論言説『視覚的快楽と物語映
画』(1973)」を、「ローラ・マルヴィの記念碑的フェミニズム理論言説『視覚的
快楽と物語映画』(1975)」に訂正。
2.「前出の『視覚的快楽と物語映画』は、1997年の斉藤綾子の翻訳によって日本語
になるまで20年以上を待ったこと」を、「前出の『視覚的快楽と物語映画』は、
1998年の斉藤綾子の翻訳によって日本語になるまで20年以上を待ったこと」に訂正。
3.「マルヴィー自身は自身の理論を実践し『スフィンクスの謎』(1977)を製作し
ている。」を、「マルヴィ自身は自身の理論を実践し『スフィンクスの謎』
(1977)を製作している。」に訂正。
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■募集:「自作を語る」などの投稿歓迎!
「自作を語る」欄は、監督自らが作品について語るコーナーです。制作した動機や
撮影のポイント、編集で心がけたこと等を内容に盛り込んで頂きたいと思っていま
す。その他の投稿も歓迎します。
「自作を語る」は1600字程度。監督のプロフィール(150字)、作品の仕様(制作
年度、時間、ビデオ又はフィルム、スタッフ等)、上映スケジュール、HP等をお知
らせください。
原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。
E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋まで
稿料:無料。
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■上映の告知の有料化とカンパのお願い
■伏屋 博雄(本誌編集長)
neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の
告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力
ください。
(1)上映等の告知の有料化 40字×30行(行数の空きも計算)以内につき、2,000円
です。それ以上の行数の場合は加算します。
(2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。
送金方法:郵便振込み:00160-8-666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782
(有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせ
ください。)
以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。
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┃05┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●山形国際ドキュメンタリー映画祭が終わった。私は10月8日から11日までのわず
か4日間の滞在だったが、それでもヤマガタの祝祭を満喫することができた。最終
日には見逃していた『鳳鳴(フォンミン)―中国の記憶』(コンペ大賞)と『稟愛
(ビンアイ)』(小川紳介賞)を見られて、大いに納得することができた。
『鳳鳴―中国の記憶』は、『鉄西区』で衝撃を与えた王兵が、次はどのような作品
をつくるのか期待を込めて待ち望んだ作品だったが、やはり王兵は只者ではない。
既に見終えていた人たちの評価では、問題作であることはおおむね認めるものの、
言葉の歯切れは悪かったように思う。しかしヤマガタが映画の未来を拓く映画祭な
らば、審査員が大賞に選出した英断を私は評価したいと思う。本作の素晴らしさは、
本誌に萩野亮さんが映評を書いているので、ご一読いただきたいが、『鉄西区』、
さらに『鳳鳴―中国の記憶』に到って、デジタルカメラ時代を確信させる傑作の出
現を、率直に喜びたいと思う。
『稟愛』は三峡ダムの建設によって移住をよぎなくされる一家を7年間にわたって
描いた作品だ。主婦の稟愛の逞しく生活知を持ち合わせた彼女の生き方にいつしか
声援を送っている自分がいた。私は監督である馮艶とは長年の友人で、彼女の前作
『長江の夢』をビデオ販売していたこともあり、小川紳介賞を受賞したことは感無
量だった。馮艶が最も影響を受けた監督は小川紳介であり、彼女と共に喜びを分か
ち合えたことができた。土本典昭監督が『ある機関助士』『海とお月さまたち』の
上映後、元気な姿で舞台に立ち,スピーチされたことも感動的だった。また、藤原
敏史の『映画は生きものの記録である 土本典昭の仕事』がクロージング上映され
たが、予想を越える大勢の方にご覧になっていただけたことは、企画・製作した者
にとって嬉しかった。
さらに私は出席できなかったが、シンポジウム:「明日への架け橋―山形に映画祭
は必要か」が10月6日に行なわれた。今年4月に山形映画祭実行委員会は、山形市か
ら独立しNPOとして発足したことを受け、その経緯や今後の「あり方」を巡って討
議された。このシンポジウムについては、観客として参加したお二人から投稿の内
諾を得ているので、次号に掲載する予定である。
その他、アジア千波万波は毎回補助椅子が用意されるほどの盛況さだったし、本誌
の「新・クチコミ200字評!」で健筆をふるう清水浩之さんの「ドラマティックサ
イエンス!科学やまがた科学劇場」や「交差する過去と現在―ドイツの場合」も大
変な賑わいだったと聞く。また香味庵では「佐藤真ナイト」として、東京で行なわ
れた「偲ぶ会」の模様が映像で報告された。
本誌では、こうしたヤマガタの活況振りを次号で伝えたいと思っている。作品批評
や特集の感想、さらに種々のシンポジウムの感想など、400字程度で投稿を募集し
ます。
●長年にわたり東京国立近代美術館フィルムセンターの上映企画を担当してきた岡
田秀則さんの連載が始まった。この7月より岡田さんが担当部署を異動されたとの
報に接し、ならばこれまでの仕事で培われた経験を開陳していただこうとお願いし
たところ、幸いにも快諾していただいた。果たして初回は、1985年製作の『山谷
やられたらやりかえせ』のスタッフがフィルムセンターにオリジナル・ネガフィル
ムを寄贈した顛末についてであった。
私もかってプロデューサー第1作として『どっこい!人間節―寿・自由労働者の
街』(1975)をつくったから「寄せ場」の空気は知っているが、『やられたらやり
かえせ』の場合は二人の監督が殺害されるという事件があり、その当時ショックを
受けたことを思い出した。作品が完成し、スタッフから上映について相談を受け、
銀座の喫茶店で話し合ったことがある。時を経て今日では『やられたらやりかえ
せ』のネガがフィルムセンターに寄贈され、さらに上映されるという事態に感慨を
覚え、同時にフィルムセンターの役割について考えさせられた。上映と保存は両輪
である。我々はこれらの問題を真剣に考えなければならない時代に直面している。
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■責任編集:伏屋 博雄
■編集デザイン:能川 悦子
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