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ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo 85号 2007.8.1

発行日: 2007/8/1

 
 
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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  ┗━┛ ☆━┛ ┗━☆    85号  2007.8.1


∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

 †01 ■ワールドワイドNOW ≪ベルリン発≫
     隣の姫たち・ドキュメンタリー映画『Prinzessinnenbad』を観る
       梶村 昌世
 †02 ■映画時評
     『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』(シドニー・ポラック)
       萩野 亮
 †03 ■neoneo坐8月前半の上映プログラム
 †04 ■広場
    ■新・クチコミ200字評!(58)
     『一万年、後…。』『遭難フリーター』『籠の中の緑』
     『新宿ガムテープ道案内のこと』(以上の評:清水 浩之)
    ■告知:「EARTH VISION 第16回地球環境映像祭」作品 募集中!
    ■募集:「自作を語る」などの原稿募集!
    ■上映の告知の有料化とカンパのお願い  伏屋 博雄
 †05 ■編集後記  伏屋 博雄


    ★バックナンバー閲覧はこちらまで
   まぐまぐ配信   http://blog.mag2.com/m/log/0000116642/
   melma!配信    http://www.melma.com/backnumber_98339/


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┃01┃□ワールドワイドNOW ≪ベルリン発≫
┃ ┃■隣の姫たち・ドキュメンタリー映画『Prinzessinnenbad』を観る
┃ ┃
┃ ┃■梶村 昌世
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●映像の中の現実

今年の夏ベルリンで話題になっているドキュメンタリー映画がある。ベティーナ・
ブリュームナー(Bettina Blumner)監督の『Prinzessinnenbad』だ。このドキュ
メンタリーはベルリン・クロイツベルグ地区に住む3人の15才の女の子たちを描く
ポートレートであり、1975年生まれのブリュームナーの長編映画としてのデビュー
作だ。今年のベルリン国際映画祭で初上映を迎え賞を取り、大きなメディア反響を
呼び、5月末に劇場公開された。

主人公の3人クラーラ、ミーナとタヌーチャは幼なじみの友人で、みんなベルリ
ン・クロイツベルグで育っている。クラーラは学校をあまりにさぼったために「さ
ぼり魔企画」で中卒に向かって基本教育を受けている。男友達のために自分の祖母
から現金を盗み、その罰としてあるカフェで無料で働いている。タヌーチャは電話
チャットで男性と遊ぶのが趣味のひとつで、クラーラとクロイツベルグの街を遊び
歩き、誰にも媚びず思ったことを言う。ミーナは3人の中ではいちばん優等生で、
ジョージに恋している。ジョージの1年間の南米旅行を前にミーナは彼といたいと
いう気持ちと彼を行かせてあげたいという気持ちの狭間で葛藤する。3人とも15才
にしては早熟で、ドライに現実を見つめる。クラーラは資格がなくては将来の見通
しがつかないことを良くわかっている。ミーナは母親の新しい恋愛関係を批判的か
つ落ち着いて分析し、タヌーチャは母親の教育方法の改善点を指摘する。スタイル
を強調する服装に濃い化粧、鼻や歯茎にピアシング、手にはいつも煙草と携帯電話、
そんな格好で3人たちは生まれ育った街へ繰り出す。

3人のホームグラウンドのクロイツベルグ地区はここ数年問題地域としてマスコミ
に取り上げられた。貧困層と移民が多いこの地域の地元学校の崩壊が全国的に注目
を浴び、ドイツで議論されている教育問題や移民融合問題のケースとして騒がれた。
その一方でクロイツベルグ地区は昔から多文化でオールタナティブな地域として知
られている。学生運動の世代、アーティストや学生が多く住む街で、サブカルチ
ャーが栄え、多くの文化施設、クラブ、有機農業の食品店がトルコ移民のモスクや
ホームレスのスープキッチンと肩を並べる。

このパッチワークのような街が3人の人生と生活にも反映されている。3人はオール
タナティブな人生観を持つシングルマザーに育てられている。クラーラの父親はパ
ナマに移住し、ミーナのドレッドヘアのイタリア人の父はレストランを営んでいる。
タヌーチャはイラン人の父親と連絡を取っていない。暴力的な若者のギャングも少
なくないこの街の荒っぽい口調で3人は遠慮なくカメラの前でしゃべりまくり、15
才という思春期を生きる。

こんな3人を主人公にしてるこの映画は、一見挑発的または問題定義のように思わ
れるかもしれない。そして確かにある意味現在のドイツの現実を反映していると言
える。ドイツでは離婚率が日本よりはるか高く、パッチワーク家族はめずらしくな
い。移民社会であるために片親または両親ともが外国人の若者は増えている。階級
的とも言える教育システムは社会的不平等を支えると最近避難が多く、政治家や専
門家たちは改革を提案し続けている。教育問題、移民問題、家族問題だと社会を議
論するマスコミと違って、このドキュメンタリー映画は3人の女の子の毎日を一年
に渡ってじっと見つめ続け記録した。数字や理論で抽象的に問題化するのではなく、
複雑な現実の中で日常を生き、大人になろうと背伸びをする3人を、解説なしにダ
イレクト・シネマのようなスタイルで追う。カメラはいつも女の子たちと同じ高さ
の目線で、3人にぴったりくっついて街と人を眺める。地元ヒップホップの曲が多
いサウンドトラックは3人の主人公が選曲した中から作られたそうだ。

人生の転換期を描くこの映画には、思春期独特の儚さが漂う。ユーモアを持って自
分たちの人生を語り、大人びた表情で親の相談相手役をこなし、年上の男の子たち
に負けないタフな喋りっぷりでプライドを保ち、胸を張って街を歩く。それでもど
ことなく傷つきやすく、円熟でありながらナイーブで、行き所のないエネルギーを
持て余している風景は、思春期を生きる誰にも共通し、そしてまた観客はそれを追
体験できる。

こんなにあっさりと、同時に真剣に思春期のごく普通の若い女性を描く映画は新鮮
で、決して主流ではないが魅力的なために多くの観客の心を動かした。今では教材
としても使われている。3人は急に世間の注目を浴び、映画祭から映画祭へと引っ
張り回され、多くのインタビューに対応した。ところがスターぶらず、あっけらか
んと意見を言う。こんなに自分たちの人生をおおっぴらにされるのは抵抗がある、
あの言葉は冗談で言ったのに本気に聞こえるから誤解を招く、この要素は映画の中
で強調されすぎていて自分は実際そんなに過激じゃないなどと、自己イメージと映
画で描かれているイメージのギャップを話す。意見や視点が変わりやすい年頃なの
で、当然一年前の自分たちを遠く感じるし、映画がどんなに現実的であっても現実
でないということを指摘する。そして自分たちの人生が映画が終わっても続くこと
をちゃんと知っている。3人の対応を見ていると、映像として残された時間がどん
なに儚いかを思い知る。我々が映画を見ているころは、3人はとっくに先に進んで
いて、結局私たちが映像として観るものはいつも過去であるということを実感する。

『Prinzessinnenbad』というタイトルは「姫たちのプール」と言う意味を持ち、ク
ロイツベルグ地区にある公営のプール「Prinzenbad」の名前をなぞったものだ。夏
にこの街の人々のたまり場となる野外プールは「王子通り」沿いにあるため、市民
に「王子のプール」と呼ばれている。クラーラ、ミーナとタヌーチャの3人もこの
映画が撮影された夏は、しょっちゅうこのプールに通っていた。ある日ブリューム
ナー監督の携帯電話にクラーラからメッセージが届いた。「私たちはもう王子の
プールに行かない。バイ。」隣の姫たちは王子も映画も通り越し、歩いていく。


■梶村 昌世(かじむら・まさよ)

やはりドキュメンタリーとは人間を描くからおもしろいのだと思い直す今日この頃
です。またドイツ語だけですが、興味のある方はウェブサイトをご覧ください:
  http://www.prinzessinnenbad.de 



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┃02┃□映画時評
┃ ┃■『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』(シドニー・ポラック)
┃ ┃■萩野 亮
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●屈託のない横並びの関係性

糸くずのような、細いくちゃくちゃっとした線が白い紙面に踊っている。少し引い
て見てみると、どうやら建物を描いているよう。その図案をもとにして、ボール紙
などによるいくつかの模型となり、ついには一塊の建築物として世界に実現してし
まう――。もちろんひとつの建築物が実際に建つまでには、莫大な時間や労力が費
やされることを、誰もが知っている。しかし映画は、そんなことはひとまず放って
おいて、ひとつの建築物が一枚のスケッチから成り立つものであることを、3度か
4度のカットで見せてしまう。人の手によって建物が建つということ、映画がその
プロセスを数回のショットで紹介できるということに、まず感動してしまった。

フランク・ゲーリーの描くスケッチは、素人目には本当に糸くずのようで、そこい
らにあれば間違いなくまるめて投げ捨てているかのような代物だ。しかし実際に建
った建物から遡及的に眺めてみると、ゲーリーがいかに現実化=物質化を前提に素
描しているかがわかり、その迷いのない線それじたいが、独特な、魅力あるものと
して見えてくるからふしぎだ。

監督のシドニー・ポラックは、もちろん『追憶』(1973年)や『トッツィー』
(1982年)などの名匠として有名だが、フランク・ゲーリーとは友人の仲だという。
おそらく年齢もそんなにかわらないのだろう。ポラックは「建築はまったくわから
ない」と言い、ゲーリーは「だから君が〔撮るのが〕いいんだよ」と言う。そんな
ふたりの屈託のない関係が、そのまま画面ににじみ出ているのがなんだかいとおし
い。

この映画は、35ミリフィルムとディジタルヴィデオ(DV)によって撮影されている
わけだが、ゲーリーの設計した建築物はフィルムで壮大に撮影され、そしてゲー
リーへのインタヴューなどは、ポラック自身がDVをまわしている。そのフッテージ
の違いによって、ゲーリーとポラックの親密さが、よりくっきりと画面に表れてい
るように思える。

このキャメラを通して伝わる親密さの感覚を、どこかでおぼえたことがあった。写
真家・中平卓馬に取材した『カメラになった男』(小原真史監督/2003年)だ。昨
年ようやく公開され、何度も追加上映がされている話題作だが、この映画はなんと
もふしぎな味わいを持っている。記憶を失ったあと何とか生活に復帰し、再びキャ
メラを携えて駆けまわる中平を、彼よりもはるかに若い小原監督が微妙な距離感で
追い続け、いっしょに沖縄までいってしまうという映画だ。彼らふたりの関係性を
観客は知らず、けれども単に映画を撮る者/撮られる者という二元構造には還元で
きない何ものかが画面には写っている。スチルキャメラを持った中平は、ヴィデオ
キャメラを抱えた小原監督に言葉を差し向け、最後のほうでは麦藁帽をかぶせて写
真の一葉さえ撮る。「カメラになった男」としての中平卓馬と、それを撮影する監
督のヴィデオキャメラとの、キャメラとキャメラとのゆるやかな対話がここに成立
している。わたしたちはふたりの関係がどのようなものであるのかは知らないけれ
ども、たしかな何かがそのキャメラとキャメラとのあいだにはあると思われたのだ。

『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』もまた、このようなたしかさを記録して
いる。それがもっともよく表れているのは車内でのシーンであるだろう。左座席で
運転する建築家の横顔を、映画監督は助手席から見守る。この横並びの位置取りこ
そ、まさにふたりの関係性を如実に述べている。映画のフライヤーでも、ソファに
腰掛ける横並びの二人の写真が使われているのを思い出すだろう。『カメラになっ
た男』では、中平卓馬と小原監督は横に居並ぶような関係ではなかった。

この映画は決して「偉大なる建築家」としてフランク・ゲーリーを称揚しようとす
るものではないし、その建築芸術を味わいつくすというものでもない。シドニー・
ポラックは、建築家の体験をときに映画監督としての自分の経験に置き換えながら、
横に居並ぶものとして創作のひみつをのぞきこむ。建築家に取材した映画としては、
ルイス・カーンを文字通り追った『マイ・アーキテクト』(ナサニエル・カーン監
督/2003年)のほうが感動的だと正直思うが、けれども『スケッチ・オブ・フラン
ク・ゲーリー』がいとおしいのは、シドニー・ポラックが素人ながら友人の仕事を
のぞきこむ、その屈託のない横並びの関係性が見えるからだと思われるのだ。
(2007.07.25 新宿武蔵野館にて)


☆『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』Sketches of Frank Gehry
(シドニー・ポラック監督/2005年/アメリカ=ドイツ/カラー/84分)
東京、大阪ほかでは上映終了。札幌シアターキノで8/11(土)より上映。


■萩野 亮(はぎの・りょう)

1982年生まれ。和光大学表現学部卒。井土紀州監督最新作『ラザロ』3部作公開記
念オールナイト(於:ポレポレ東中野)で『百年の絶唱』をようやく拝見。スゴ
イ!伏屋編集長も出演しています。



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┃03┃□neoneo坐8月の上映プログラム
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会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩
1分、JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。
詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さい。  http://www.neoneoza.com/


■NEO Gallege BAR(8)山崎幹夫「インド娯楽映画を味わいつくす」
ミュージカルシーンを中心に、ヒンドゥー語インド映画の娯楽のキモを味わいつく
しましょう。色モノなんかじゃない。これは娯楽映画の王道です。リスペクトの姿
勢で楽しみます。

【料金】1回参加 2,000円(軽食付・アルコール類は別料金/1ドリンク300円)
【申込・お問い合せ】スペースneo  E-mail:spaceneo@tcn-catv.ne.jp


■neoneo坐 8.15 特別上映『基地815』
8月15日(水) 15:00〜22:00
敗戦から62年にわたり在日米軍と一緒に暮らしてきた私たち日本人。冷戦後の世界
情勢の中で極東の要衝という日本の役割も変化し、今では「戦後体制からの脱却」
の名のもとに在日米軍再編と憲法改 “正” が同時に進められようとしています。
行き着く先は真の独立?それとも新たな占領??そして第三の道は???今年で三
度目となるneoneo坐の8.15特別上映は東アジアの端で「あの国」の港や滑走路とし
て機能してきた日本という国の過去と未来を考えてみるプログラムです。

2007年08月15日(水)
15:00〜16:45 『流血の記録 砂川』『基地はいらない どこにも』
17:00〜18:25  参考上映(無料)『基地周辺』『沖縄の母たち』
       『われわれは監視する―核基地横須賀―』
18:40〜20:25 『基地はいらない どこにも』『流血の記録 砂川』
20:30〜22:00  TALK BAR「おんぼろ」

8月15日(水)
15:00〜16:45
『流血の記録 砂川』  監督◎亀井文夫 1956年/55分/16mm/白黒
制作:日本ドキュメント・フィルム/企画:砂川斗争記録映画製作委員会/
製作:大野忠/撮影:武井大・植松永吉・城所敏夫・勅使河原宏・大野忠・亀井文
夫/編集:亀井文夫・渡辺正巳・豊富靖・岸富美子/録音:奥山重之助・大橋鉄
矢・大野松雄/音楽:長沢勝俊/進行:斎藤茂夫/解説:寺島信子
■1955年〜1956年の東京都下砂川の米軍基地拡張反対闘争を描く。「心に杭は打た
れない」を合言葉に、地元農民が労組・学生・文化人と一体になって武装警官隊と
対決し、勝利をかち取るまでの日々。亀井監督とスタッフ(若き勅使河原宏も参加)
は農家に泊り込み、労組員や学生と生活を共にして撮影した。


『基地はいらない どこにも』  監督◎小林アツシ2006年/46分/DVD/カラー
制作:日本電波ニュース社/企画・制作:野田耕造/取材:小林アツシ・古賀美
岐・星野堂夫/撮影:柿木喜久男・野間健・小林アツシ/
演出補:土屋トカチ・杉本健太郎/選曲:内倉巌/ナレーション:松丸智子/エン
ディングテーマ:大工哲弘 「命どう宝」
■沖縄、岩国、座間、横須賀、各地の自衛隊基地、そしてグアムで…米軍再編に対
する抵抗は続く。米軍再編の問題点や憲法との関係、各地で暮らす人々の生の声、
軍産複合体の実態などを現地取材と豊富なアーカイブをもとに作品化。


□参考上映:短篇調査団(54)基地の巻(このプログラムは鑑賞無料です)
17:00〜18:25
『基地周辺』 1972年/14分/16mm/白黒 制作:東京都映画協会
■立川の自衛隊強行移駐、横田基地機能強化など、新たな東京の基地問題を現地か
ら報告する。


『沖縄の母たち』 1970年/30分/16mm/カラー
制作:桜映画社/企画:貯蓄増強中央委員会/原作:霜多正次/
製作・脚本:村山英治/監督:大島善助/撮影:加藤和三/音楽:山内忠/
解説:奈良岡朋子
■女性たちの生活や教育をめぐる問題をテーマに、本土復帰前の沖縄に取材した作
品。米軍基地で働きながら子どもたちに未来をかけ、たくましく生きる沖縄の母た
ちの姿を描く。文部科学省選定、芸術祭優秀賞受賞。


『われわれは監視する―核基地横須賀―』 1975年/38分/16mm/カラー
制作:横須賀を映画で記録する会/監督:荒井英郎/脚本:厚木たか/撮影:臼田
純一
■ベトナム戦争が最終局面を迎えていた1975年初頭、横須賀米海軍基地では空母
ミッドウェーを始めとする第七艦隊の慌ただしい出入りが続いていた。カメラによ
る定点観測は8ヶ月かけて核爆弾持ち込みの実相を少しずつ明らかにしてゆく。米
軍幹部や兵士の証言を織り込みながら構成する核追及のドキュメント。モスクワ映
画祭平和委員会賞、ライプチヒ国際記録・短編映画祭金鳩賞受賞。


18:40〜20:25
『基地はいらない どこにも』 『流血の記録 砂川』

20:30〜22:00  TALK BAR「おんぼろ」
今村昌平監督作品『にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活』にあやかって(?)突
如開店! 英霊と平和憲法が一緒になって日米安保に復讐する(!)「サイボーグ009 
太平洋の亡霊」、『大日本人』より20年早い究極の自虐史観映画『ゴキブリたちの
黄昏』など、「8月15日にふさわしい異色作」を語るお店です。

【料金】当日券 1,200円(参考上映は鑑賞無料)
【BAR料金】ビール&おつまみ付き 1,500円
【お問合せ】清水 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp 


■ナイトレイトシネマテーク・大西健児映画個展
8/16(木) 21:00〜『水槽都市』(1996年/90分/16mm)ほか
8/17(金) 21:00〜『スクエアワールド』(1995年/73分/16mm)ほか
8/18(土) 21:00〜『絶頂』(1997年/142分/16mm)
8/23(木) 21:00〜『焼星』(1996年/20分/8mm)ほか
8/24(金) 21:00〜『アウトオブフレーム』(2000年/69分/16mm)他
8/25(土) 21:00〜『イーストエンド』(2005年/34分/VIDEO)ほか
各日とも料金¥1,000
問合せ先:SPACENEO  spaceneo@tcn-catv.ne.jp 


■橘薫映像個展
8/19(日)15:00〜<映像実験への試み>
『クローン染色体』(1996年/5分/16mm)『Flesh』(1993年/6分/8mm)
『205号室』(1993年/18分/8mm)
『ときめきドッキン』(1994年/9分/8mm/サイレント)
『闇の影を透く』(1997年/22分/16mm/サイレント)

17:00〜<記憶の原野三部作>
序章(1994年/15分/8mm)
第一部『牙鳥の時間、鉄の声』(1993〜1994年/23分/8mm/サイレント)
第二部『夜より遠い星』(1994〜1995年/34分/8mm/サイレント)
第三部『彩に満ちる』(1996年/33分/8mm/サイレント)
各回¥1,000・二回券¥1,500
問合せ先:SPACENEO  spaceneo@tcn-catv.ne.jp 


■もっちょむうすけしぱあぷるへいず7月号』

8月26日(日)18:00 開場予定
上映後、トークあり 監督:あがた森魚、岡本和樹 来場予定
【料金】当日券2,000円(『月刊映画6月号』DVD-R付)
【お問合せ】月刊ぱあぷる(倉科)Email: purple@agatamorio.com 



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┃04┃□広場
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■新・クチコミ200字評!(58)
■清水浩之(短篇調査団・8/15は基地の巻! http://d.hatena.ne.jp/tancho/ 
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビな
ど皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オスス
メしない映画とその理由!」もOKです。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアド
レスor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィール
や近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839

B-224『一万年、後…。』
2007年/制作:YYKプロ/脚本・監督:沖島勲/主演:阿藤快
9月8日よりポレポレ東中野にてレイトショー
  http://1mannengo.hibarimusic.com/ 
一万年後の未来に飛ばされた男が子孫の少年少女に出会い、未来の六畳間(笑)で自
分史を語る…往年の『まんが日本昔ばなし』を1400本執筆した沖島監督ならではの、
懐かしくて残酷なSFお伽話。一万年後から見れば聖徳太子もコイズミも同じ時代の
政治家で、子孫に言わせりゃ「どっちも傲慢」と切り捨てる世界観が痛快です。都
知事の美意識や漫才師の自尊心だけが映画じゃない!六畳一間でも宇宙を描けるの
が映画なんだ!と再認識。(清水浩之)


B-225『遭難フリーター』
2007年/監督:岩淵弘樹/プロデューサー:土屋豊/アドバイザー:雨宮処凛
見た場所:VIDEOACT!上映会  http://www.videoact.jp/ 
某大手精密機器メーカー(会長が経団連)の生産ラインで来る日も来る日も単純作業
に従事する臨時雇23歳の葛藤を綴った「平成のプロレタリアート文学」。“華やか
な東京風景→そこで浮いてる俺”をワンショットで見せるカメラワークが絶妙。彼
の境遇に“魅せられた”国営報道番組が「格差社会」を絵にしようとあれこれ“創
作”する姿もステキ。
個人的なリクエストとしては、数字や図解を使って労働の実態を詳細に描いた長編
版が見たいです!(清水浩之)


B-226『籠の中の緑』
2007年/制作:映画美学校ドキュメンタリー高等科/監督・撮影:丸谷肇
見た場所:アテネ・フランセ文化センター「映画美学校ドキュメンタリーセレクシ
ョン」  http://www.athenee.net/culturalcenter/ 
東京のオアシス・光が丘公園を往来する生き物(人を含む)の記録。そもそもは陸
軍の飛行場→米軍住宅地だった時代を経て、木や草や虫や鳥が暮らす「籠の中の大
自然」となった歴史を紐解きながら、そこに集まる人と動物(オオタカにはびっく
り)のライフスタイルを切り取っていく観察系ドキュメンタリー。欲を言えば“虫
博士”“草刈りおばさん”など個性的なキャラクターの紹介と整理をもっと際立た
せれば更に面白くなる気がしました。(清水浩之)


B-227『新宿ガムテープ道案内のこと』
2004-2007年/制作:トリオフォー/取材:山下陽光/出演:佐藤修悦
動画公開中  http://jp.youtube.com/watch?v=_tm0tQWmjSc 
新宿駅東口構内工事現場の道案内文字、ガムテープを素材に作られた書体のオリジ
ナリティに注目した乗客が、製作者のガードマン・佐藤さんにインタビューし“創
作の秘密”を解き明かす「結果としてドキュメンタリーになっちゃった」傑作。工
事完了とともに消えゆく運命だった存在が、“観客”によって新フォント「修悦
体」の展覧会になってしまう逆転が愉快痛快。ただいま“新作”がJR日暮里駅工事
現場で公開中とのこと。鑑賞はお早めに!(清水浩之)


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■告知:「EARTH VISION 第16回地球環境映像祭」作品 募集中!

今年度の「EARTH VISION 第16回地球環境映像祭」は来年2008年3月7日(金)〜
9日(日)に開催することに決まりました。現在、その「EARTH VISION 第16回地
球環境映像祭」の作品募集しています。テーマは「地球環境」に関するもの。ジャ
ンルや長さ、国籍は問いません。素晴らしい作品をお待ちしております。

【環境映像部門】
製作者が日本を含むアジア、オセアニア地域(ポリネシア諸島を含む)に在住して
いること。
 ・アース・ビジョン大賞(1点)50万円
 ・審査委員特別賞(1点)10万円
 ・最優秀賞(1点)10万円
 ・入賞(数点)記念品

【子どものための環境映像部門】
その作品が「子どものため」の映像であること。製作者の在住する国・地域は問わ
ない。
 ・子どもアース・ビジョン大賞(1点)10万円
 ・子どもアース・ビジョン賞(数点)記念品

◆応募方法◆
必要事項を記入したホームページのオンライン応募フォームのプリントアウト、
DVDかVHSビデオにコピーした作品、と作品写真2点を下記に送付。※ホームページ
のオンライン応募フォームにて、申込書を入力することが出来ます。
URL: http://www.earth-vision.jp/ 

<締切> 2007年8月31日(金)

★作品の送付先・問い合わせ先★
アース・ビジョン組織委員会事務局

〒113-0033東京都文京区本郷3-43-16成田ビル3階
Tel: 03-5802-0525 Fax: 03-5802-0575  E-MAIL: festival@earth-vision.jp 


   ◇────────────────────────◆◇◆     


■募集:「自作を語る」などの原稿募集!

「自作を語る」欄は、監督自らが作品について語るコーナーです。制作した動機や
撮影のポイント、編集で心がけたこと等を内容に盛り込んで頂きたいと思っていま
す。

文字数:1600字程度。厳密な規定はございません。
監督のプロフィール(150字程度)
その他:作品の仕様(制作年度、時間、ビデオ又はフィルム、スタッフ等)
上映のスケジュール、HP等をお知らせください。

原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。
E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp  伏屋まで
稿料:無料。

その他、さまざまなご意見、投稿を募集しています。


     ◇────────────────────────◆◇◆    


■上映の告知の有料化とカンパのお願い
■伏屋 博雄(本誌編集長)

neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の
告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力
ください。

(1)上映等の告知の有料化 40字×30行(行数の空きも計算)以内につき、2,000円
です。それ以上の行数の場合は加算します。
(2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。
送金方法:郵便振込み:00160-8-666528 neoneoの会、又は、
     みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782
     (有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせ
 ください。)

以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。



┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃05┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●「ドキュメンタリー映画のかたち」の水野祥子さんの最終回(予定)は、次号に
掲載します。ご愛読の方には申しわけございませんが、次号をご期待ください。

●梶村昌世さんが今回取り上げたドキュメンタリーは興味深い。ベルリンの貧困層
と移民が多く、学校の崩壊が問題になるような地域を根城に、3人の15才の女の子
たちを描く作品だ。3人3様の青春が文章から伝わってくる。こんな感じを抱いた作
品としては、『鉄西区』パート2を思い出すが、日本でも公開されないものか。こ
の作品が制作可能になったのは、ひとつには彼らが不安定に見えながら、日本の
「個人保護法」のような足かせを越えて、実は彼らが自立しているからだろうが、
また次々と自己の殻を次々と脱皮してゆくから、ちょっと前のことも過去のことと
してある。「意見や視点が変わりやすい年頃なので、当然一年前の自分たちを遠く
感じるし、映画がどんなに現実的であっても現実でない」(梶村)という指摘は、
「映画の中の現実」を考えさせることでもある。

●私もよく利用する新宿駅東口構内の工事現場にガムテープの道案内文字が目に付
く。ユニークな文字だ。しかも分かりやすい。これがひとりのガードマンによって
考案され作られたものだとは、「新・クチコミ200字評!」の評者、清水浩之から
知った。そのドキュメンタリーがつくられ、動画を公開しているので、さっそく私
も覗いたが、なるほどドキュメンタリーの素材は到るところに偏在しているのだ。

●8月15日はお盆休みとし、休刊します。9月1日号より再開しますので、今までと
変わらぬご愛読のほど、よろしくお願いします。もうひとつ連絡が遅れましたが、
これまで「ワールドワイドNOW バンコク発」を執筆していただいていた吉岡憲彦さ
んが東京に転勤されたため、休筆されることになりました。バンコク滞在中はイン
ドネシアのドキュメンタリーの胎動に健筆を奮ってくださり、心より感謝申し上げ
ます。いずれまた海外に滞在される折があれば、再開していただきたいと、思って
います。



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■発行:ビジュアルトラックス  visualtrax@jcom.home.ne.jp 
■責任編集 伏屋博雄
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