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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 83号 2007.7.1
∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
†01 ■ドキュメンタリー映画のかたち
小川紳介と戦後日本ドキュメンタリー史が英語になった:
阿部・マーク・ノーネス著「Forest of Pressure: Ogawa Shinsuke and
Post-War Japanese Documentary」読後のノート 水野 祥子
†02 ■映画時評
『ブリッジ』 萩野 亮
†03 ■neoneo坐7月前半の上映プログラム
†04 ■広場
■新・クチコミ200字評!(56)
『地球ドラマチック インド・走り続ける少年』 (脇阪 亮)
『声の壁―発言できない議員』『Cuba/Okinawa サルサと
チャンプルー』『コマンダンテ』 (以上の評:清水 浩之)
■『映画は生きものの記録である』ニュース(10)
■投稿:中村のり子さんの連載を読んで 石橋 星志
■『満山紅柿』『出草之歌』神戸初上映のお知らせ(7/21、22)
■募集:「自作を語る」などの原稿募集!
■上映の告知の有料化とカンパのお願い 伏屋 博雄
†05 ■編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://blog.mag2.com/m/log/0000116642/
melma!配信 http://www.melma.com/backnumber_98339/
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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■小川紳介と戦後日本ドキュメンタリー史が英語になった:
┃ ┃ 阿部・マーク・ノーネス著『Forest of Pressure: Ogawa Shinsuke and
┃ ┃ Post-War Japanese Documentary』読後のノート
┃ ┃■水野 祥子
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●見たくても見れない小川作品
タイトルにある 今春出版された阿部・マーク・ノーネス著Forest of Pressure を
巡るエッセイを、以下の2つの個人的エピソードで始めたい。ちなみに私はアメリカ
に13年住む日本人であり、映画を真剣に見出してからは10年ぐらい経つ。現在UCLA
にて映画史研究に携わっており、ドキュメンタリーは専門のひとつであるので、で
きるだけいい映画を見る機会をさがしてきたが、ニューヨーク、ロサンゼルスとい
う都市に暮らしてきて、米国で小川作品を見る機会にはまだ一度も恵まれていない。
まずは2003年ニューヨーク州北部にあるヴァサー大学で開催されたロバート・フラ
ハティー・セミナーで『ある機関助士』(1963)が上映されたときのこと。見てい
た観客は、土本典昭の仕事について、PR映画という戦後日本における特有のノン・
フィクション映画の様相について、この映画に前後する日本ドキュメンタリーの歴
史についての知識は殆どなかっただろうと思う。それでも、居合わせた私には、観
客の興奮は手にとるように感じられた。 響きとともに黒煙をたなびかせながら蒸
気機関車が向かってくる冒頭から観客を釘付けにする『ある機関助士』は、国鉄の
PRという命に背き、映像の力を前面に押し出し、かつ、時間と安全性の死守を強い
られている鉄道員の重労働の裏側を見せてくれる。
一度だけ刹那的に楽しむなら、文化的、映画史的文脈を知らなくても映画的魅力は
たっぷり享受できる。しかし予想どおり、観賞後の討論会では、『水俣:患者さん
とその世界』(1971)を見てさらに驚愕していた観客は、土本とはどういうドキュ
メンタリー作家なのか、35ミリの宣伝映画とはどういうことなのか、同時代の日本
の近代化がどういう形で進行していたのか、他にどのような作家、映画があったの
か、知りたくてたまらなかっただろう。この時代の日本のドキュメンタリーの変化
について自分でも知りたい、英語圏の観客にもっと知ってもらいたいという気持ち
がこみ上げてきたことを記憶している。
しかし、あれから5年も経つ今でも、米国でこのような、日本ドキュメンタリーにつ
いての知的好奇心を満たすことは容易ではない。 土本、小川らが画面で雄弁に語っ
たような復興や開発がもたらした歪みに焦点を当てた映画についての英語での言説
は断片的でかつ数えるほどしかない。悔しい状況だ。
●バーバラ・ハマーの『Devotion』
これに先立つ2000年、 ニューヨーク大学院在学中でニューヨークの実験映画に夢中
になっていた私は、マーガレット・ミード映画祭でバーバラ・ハマーの新作
Devotion: A Story about The Ogawa Productions (2000)を見ることになる。
neoneo読者の中にはご存知でない方はむしろ少ないだろうが、副題が言うようにこ
の映画の対象は小川プロである。しかし、その焦点は、ノーネスが指摘していると
おり、山形県牧野村でひとつ屋根の下に長い共同生活を続けた映画製作集団のなか
の人間関係だ。(ちなみに日本語の副題「小川紳介と生きた人々」のほうがこの作
品のテーマを言い当てている。)
長い間周辺化され差別すらされていたレズビアンのアイデンティティーを実験的手
法で映像化することを試み、既存の女性性の枠を無限に広げる創造的、散文詩的な
短編や女性史に関してのドキュメンタリー映画をつくり続けてきたハマーは、この
映画でも、小川プロの共同生活、製作活動において、フェミニストが重要視してき
た製作集団や家族というユニットのなかの女性の役割、父権性、社会的性差等の問
題を取り上げている。ハマーの過去の作品に見られる実験的作風は陰を潜めている
ものの、小川紳介が率いる集団の理想と目的達成のために献身的な活動と労働に犠
牲となった者として、家族関係や、映画製作の現場に積極的に出られなかった女性
の苦悩や小川の名が看板に立つ小川プロの中でその小川自身が繰り返し強調した無
名性を納得し受け入れようとした若手男性メンバーの心情があきらかにされる。
力量と経験のある作家らしく、彼女の伝えようとするテーマは積み重なる心情吐露
とアーカイブ写真、インタビューにおけるフレーミング等において明確化されてい
る。冒頭部分で川田弓子さんが日記を読み上げるショットは、閉じ込められている
ような部屋の隅の角であり、後に挿入される昔の写真は、彼女が山形時代に自問自
答しながら思いがけず多くの時間を過ごしてしまった台所にぽつんと立っているも
のである。それまでは聞こえてこなかった女性や若者の声を拾い、小川率いる父権
的映画集団のなかの失われた個人性を疑問視した衝撃的な映画だった。
観賞後、しかし、何か妙な後味が残っていた。上映後の質疑応答で、それがなんな
のかはっきりとわかった。学生風の若い観客の一人が小川紳介を「あの独裁者」と
言い捨てたときーこれは今日まで私には忘れることのできない瞬間となっているの
だがー私のなかでもやもやとしていた問題がふっと姿を現した。この映画が十分に
機能するには、前提として小川プロの映画が見られているべきだったのだ。おそら
く『三里塚の夏』しか見ていなかった私も含めて、その会場にいた観客たちは、小
川紳介と小川プロ作品を知らなかった。日本では伝説的に語りつがれているような、
若いスタッフが献身的な労働を自主的に担ってしまうほどの情熱、雄弁さ、カリス
マ性と人間的魅力があったことはこの映画だけからは伝わらない。
私は、この映画がそれを言うべきだったとか、言い足りないと言っているのはない。
『Devotion』は視点が明確で、いろいろな意味で必要な映画だ。残念なのは、もし、
これを見るものが、小川プロ作品を見て感じる興奮となにか行動に出なくては、と
いうような焦燥感を味わう体験を経ていたら、あの時代に小川プロが試みた反体制
独立集団としての映画製作と上映活動の困難さと今日まで受け継がれているものを
すこしでも知っていてこの映画を見ていたら、小川プロが加害者と犠牲者だけの二
面構造を持っていただけの抑圧的な階層集団であったという単純な結論には至らな
いはずだということ。私はすこしだけの歴史的文脈についての知識があり、幸い
『三里塚の夏』一作を見ていただけだったが、「独裁者」という声を聞いたとき、
その一度の小川プロ映画経験だけで気がつくことができた。それだけ三里塚シリー
ズのひとつひとつが激動の時代と結びついている力のある映画だったのだ。
ノーネスも書いているが、小川は、彼が自ら吹聴した虚飾だらけのプロフィールす
らも周囲に信じさせるような魅力の持ち主であった、という。ハマーが私たちに目
をむけさせるメンバーの自問自答や集団化への個の犠牲は、複雑なプロセスを経て
いる。彼らは小川プロの作品と活動への昇華として納得しようとしていた。
『Devotion』が出るまで、これら小川の誇張、虚飾性やメンバーの「犠牲」等の矛
盾は瑣末な問題とされていた。小川は、理想と自ら創りあげた小川神話に安住する
弱さを持った矛盾だらけの人間であったことが小川の死後、おそらくそれ以前も、
わかっていたことだった。しかしだれもそれを声高に言う者はいなかった。小川神
話を内側から崩すことはタブーだったのだ。そこへハマーがカメラとある明確な視
点を持って、既に存在していた神話に挑み、その既存の神話を公に解体する試みを
遂しとげる。さらに『Devotion』 はアメリカで小川を知らない観客の前で上映され
る。 しかし、小川紳介と小川プロ映画がドキュメンタリー史上にないアメリカでは、
『Devotion』が脱構築しようとした神話構築のプロセスがすっぽり抜けていたので
ある。『Devotion』は非常に重要なテーマを抱えており、来るべき映画だった。し
かし、その前にアメリカでは小川作品が先に見られるべきだった。
●待望の書「Forest of Pressure」
長い前置きになったが、この2つのエピソードは、アメリカにおいての日本のドキュ
メンタリー映画史編纂への試みの欠如、そして、ドキュメンタリー史と理論との未
遭遇、そしてさらに、ドキュメンタリー映画言説史(ドキュメンタリーがどのよう
に語られてきたかという分析)の欠如、という三重の窮乏状態を痛感した私の体験
からのものである。私が言いたかったことは、繰り返すようだが、アメリカでは、
日本ドキュメンタリーはほとんど見られていない。 (のちにこれについては触れる
が例外は最近の原一男作品である。) 十分に語られていない。残念なことに、少々
誇張に聞こえるかもしれないが、日本のドキュメンタリーを見ること、文献の窮乏
状態は否めない。英語圏での日本のドキュメンタリー映画研究が、(もちろんアジ
ア諸国、一般のドキュメンタリーもそうだが)、どれだけ立ち後れたプロジェクト
であるかということ、そして、Forest of Pressureが如何に待たれた書物であり、
今必要とされ、これからさらなる探求の出発点となる本であるかということをまず
知っていただきたい。
阿部・マーク・ノーネスが自らどこかで、なぜいつも小川と土本だけなのか、とい
う問いを投げかけていながら、敢えてこの「小川紳介についての批判的伝記」本を
執筆した背景には、まず英語で読む読者に日本ドキュメンタリー映画史への理解を
求めるとき、小川とその時代を語ることの重要性を痛感していたからだろう。
Forest of Pressure は小川プロについての本ではあるが、日本において、ドキュメ
ンタリーを変えたとまで言われる土本、小川プロ作品について語るときに不可欠な、
激動の時代、日本ドキュメンタリーの大きな転換期である60年代から、その余震が
消えていく70年代半ば前後の大きな流れ、その後の不安と、新しい「公から私」へ
の動きがおこるドキュメンタリーについて、その背後にある歴史的文脈を彼なりの
「ある視点」から一望させてくれる。 ノーネスが経験した、国境を越え日本とアメ
リカを往復し、ばらばらになった小川プロ関連資料やメンバーとの対峙を経て完了
した調査がいかに困難だったかは容易にうかがうことができる。 さまざまな情報と、
理論的考察と、批判的視点と情熱が共に宿る一冊である。
私の戦後ドキュメンタリーと小川プロについての調査経験と知識はノーネスのそれ
とは肩を並べられるものではない。だから、同じ英語圏で映画史に携わる私の立場
から見た、書評というより、 占領期のドキュメンタリー、「対象」を巡る言説、岩
波と小川紳介、小川プロとその映画、90年代に隆盛となる私ドキュメンタリーとい
うテーマを網羅した戦後ドキュメンタリー映画史についてこの本から考えたこと―
例えば、作家と集団について、小川プロの映画について、同時代のドキュメンタ
リーのパラダイムについて、日本ドキュメンタリー映画史編纂の方法論、異文化圏
の観客と読者についてなどを、綴ってみたいと思う。(つづく)
■水野 祥子(みずの・さちこ)
UCLA映画・テレビ・デジタルメディア学科にて、モダン都市映画、映画街の発展、
都市とジェンダーの表象、遊歩をキーワードとする、関東大震災以降から近代化す
る東京都市映画文化についての博士論文執筆中。将来ドキュメンタリー史は、さま
ざまな文化圏で同時代につくられた作品の比較という視点から教えたいと思い描い
ている。
近況:私にとってはじめてのmacである、mac book proを購入。どうしたらいいのか
わからないくらいうれしいが、真性mac音痴なのでほんとうにどうしたらいいのかわ
からない。まだ忙しく時間がないけれど、ちょっとずつ試行錯誤を繰り返して仕事、
仕事。
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┃02┃□映画時評
┃ ┃■『ブリッジ』(エリック・スティール監督、2006年)
┃ ┃■萩野 亮
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●死と表象をめぐる問題提起
アメリカ有数の観光地であるゴールデンゲート・ブリッジが、世界最大の自殺の名
所でもあるというその事実を教えるだけでも、あるいはこの映画の意味はあるに違
いない。
『ブリッジ』は、その橋の美しさ、その橋からの眺めのすばらしさを、ロング・
ショットや高速度撮影などのさまざまな映像でみせてくれる。サンフランシスコの
青い空と海に架かるその橋の風景は、たしかに絵葉書のような美しさと静けさに満
ちている。
自殺者の遺族たちは、なぜあの橋が最後の場所として選ばれたかを、しきりに考え
ようとしている。その答えの出ない問いに対して、映画は「それはこの橋が美しい
からだ」とでも言いたげなようだ。ひとはそこから身を投げることで、ロマンティ
ックな風景との同一化を計るのだろうか。
映画は橋の美しさを画面に何度も認めることで、その橋へ足を向けるひとびとの心
境を、あたかも追体験させるかのようである。この映画は自殺防止のキャンペーン
に基づいて製作されているわけだが、わたしの感想としては、むしろ映画が臆面も
なく画面にさらす橋のロマン化によって、そこからの身投げさえもロマン化してい
るように思えてならない。それは後述するラストシーンにおいて、全面的に認めら
れるものである。
監督のエリック・スティールは、自殺防止のためには、橋から飛び下りるその瞬間
の映像を見せることこそが大事なのだと、数々のインタビューで答えている。その
言葉どおり、『ブリッジ』は冒頭から落下し着水する身体を画面にとらえ続ける。
その映像がつきつける事実。画面を縦の方向によぎる身体は、橋のロマンティック
な風景を、文字通り裁断している。この限りにおいて映像の衝撃は、観客に自省を
促さずにはおかないだろう。
しかしその映像の強烈さをもってしても、90分間続く映画という制度の中で、観客
の瞳はじょじょに馴らされてゆく。繰り返されることで、それが映像でしかないこ
とが意識されてくるのだ。この映像と瞳との関係において、どれだけ問題を先鋭に
提起できるかこそが、『ブリッジ』の隠れた課題でもあっただろう。ここで批判し
なければならないのは、この課題において、『ブリッジ』がきわめて映画的なレト
リックに依拠してしまうという事実なのだ。
この映画は、何人かの自殺者をとりあげるなかで、あからさまにひとりの男性を特
権化して描いている。彼を映画が特権化する理由は他でもなく、彼の死の「作法」
が、背面から飛び下りるものであったというその映像的インパクトによるものでし
かない。さらにこの映像のみが90分間のなかで先送りにされ、映画的サスペンスさ
え生んでいる。結末でようやく画面に映される彼の死は、もはや観客にカタルシス
さえもたらしはしないか。すでに彼の死の映像は、単にキャメラがとらえたもので
はなく、映画的文体のなかにとりこまれ、虚構化=ロマン化を余儀なくしていると
いわなければならない。
かつてジャック・リヴェットは、『カポ』(ジッロ・ポンテコルヴォ監督、邦題
『ゼロ地帯』)のラストにおける、死の瞬間をキャメラがつぶさに追うシーンを痛
烈に批判したが、ここでもリヴェットの議論がわたしたちの指針となるだろうか。
グロテスクな死の映像が「スナッフ・フィルム」として地下で流通するいっぽうで、
ロマン化された金門橋からの身投げの映像は、各国の映画祭を馳せめぐっている。
死の表象はいかにして為されるべきか、あるいは為されてはならないものであるの
か、映像化する社会のなかで生きているわたしたちにおいて、むしろ死と表象をめ
ぐる問題こそが『ブリッジ』の投げかけているものであると思われた。
☆『ブリッジ』THE BRIDGE
(エリック・スティール監督/2006年/アメリカ映画/カラー/93分)
現在、恵比寿ガーデンシネマにて上映中。
■萩野 亮(はぎの・りょう)
1982年生まれ。和光大学表現学部卒。先日、伏屋プロデューサーの取り計らいで、
土本典昭監督に初めてお会いしました。少しお話ししただけですが、一言一言の重
みに、感動しきりのひとときでありました。
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┃03┃□neoneo坐7月前半の上映プログラム
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会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1分、
JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。
詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さい。 http://www.neoneoza.com/
■短編調査団(52) 花火の巻…2007年7月11日(水) 20:00〜
『七夕とまこも馬』
1984年/16分/カラー/制作:モロオカプロ/監督:諸岡青人
千葉県山武町埴谷に伝わるまこも馬は、車でつけて曳くという全国でも例を見ない
珍しいものである。まこもと麦を使って老人が作り上げるまこも馬の工程と、子供
達が繰り広げる七夕の行事を40年振りに再現。
『江戸風鈴―篠原儀治―』
1984年/19分/カラー/制作:鈴木プロ+金山プロ/
プロデューサー:鈴木勇/脚本・監督・撮影:金山富男
夏の風物詩、爽やかな音色のガラス工芸品「江戸風鈴」は、現在篠原儀治さん一家
のみが製造している。「江戸風鈴」の製造工程を篠原さんの語りで紹介。
『水遊び―泳げない子をなくすための楽しい水遊び―』
1976年/22分/カラー/制作:日本綜合映画社/監督:小川益生
初心者がおちいりやすい水への恐怖感、抵抗を自然にとり去り、積極的に水に親し
み泳ぎたくなるように楽しい数々の水遊びを紹介する。
『日本の花火』
1979年/35分/カラー/制作:アート東京/プロデューサー:野呂芙美子/
脚本・監督:斉藤彰/撮影:中島彰亮・山口誠
日本の花火を歴史的・風土的観点から見つめ直し、世界の数ある花火の中でも最も
完成された美しさを誇る「八重心菊花型花火」の製造技術を伝える。
【料金】鑑賞無料! カンパ歓迎!
【お問合せ】清水 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp
■7月12日(木)20:00〜23:00(開場19:30〜)
NEO Gallege Bar(6)
大木裕之「香川デジシリーズ」
1回参加:2,000円(軽食付・アルコール類は別料金/1ドリンク300円)
問合先:スペースneo 佐々木 TEL:090-3271-5280
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┃04┃□広場
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■新・クチコミ200字評!(56)
■清水浩之(短篇調査団・7/11は花火の巻! http://d.hatena.ne.jp/tancho/ )
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビなど
皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オススメ
しない映画とその理由!」もOKです。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアドレ
スor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィールや
近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839
A-058『地球ドラマチック インド・走り続ける少年』
2006年/制作:イギリス Touch Promotion
放映:2007年6月13日・NHK教育テレビ
http://www.nhk.or.jp/dramatic/backnumber/98.html
天才的なマラソン少年を描いたスポーツ・ドキュメンタリーかと思って見始めたが、
インドの宗教的な精神風土や多数の貧困層などの深刻な問題を内包しているドキュ
メンタリーだった。
スラムの現状を改善せずに、児童福祉の名において幼児が走るのをやめさせようと
する州政府の立場には公式主義を感じざるをえない。しかし、4歳児を水分を補給も
せずに、70kmも走らせようとするのはどうか。コーチの表情や発言に、やや異様な
ものを感じる。このコーチは、押さえつけられれば反発するタイプらしい。(脇阪
亮)
B-217『声の壁―発言できない議員』
2007年/制作:中京テレビ/ディレクター:大脇三千代/構成:樋口由紀雄
放映:2007年6月17日・日本テレビ「NNNドキュメント'07」
http://www.ntv.co.jp/document/
喉の癌の手術で声を失った共産党市会議員が、代読による発言を求めて闘った4年間
の記録。「治療に努力を」「ルールは守れ」と言い放つ中津川市議会のいじめ体質
に唖然。「ひとの身になって考える」という、人間として一番大切なことが「ひと
の為に働く」筈の議員たちにできないことを日本中に暴露された中津川市の皆さん、
ご愁傷様です。自己責任論を楯に逃げ回るクダラナイ先生方に笑顔で突撃する大脇
ディレクターが素晴らしい!(清水浩之)
B-218『Cuba/Okinawa サルサとチャンプルー』
2007年/製作・監督:波多野哲朗/構成:鈴木敏明
見た場所:SPACENEO(完成披露試写)
neoneo11号より連載されたドキュメンタリーが遂に完成!波多野さんが首都ハバナ
で偶然出会った日系キューバ移民の存在を追ううちに、あれよあれよという感じで
カリブ海と太平洋を往還する壮大な家族史に変貌していく展開が面白いです。アメ
車から監獄まで(!)見事な保存状態の「宝島」フヴェントウ島、日系3〜5世のお兄
ちゃんお姉ちゃんが合唱するサルサな君が代(笑)など、驚きと発見に満ちたチャン
プルー(ごちゃ混ぜ)な100分!(清水浩之)
B-219『コマンダンテ』
2003年/スペイン・アメリカ/監督・インタビュアー:オリバー・ストーン
渋谷ユーロスペースほか各地で上映中
http://www.alcine-terran.com/comandante/
他国の指導者を訪問し3日間インタビューするだけなら報道番組と一緒かも知れませ
んが、それを強引な力技で「王様主演のアクション映画」に仕立てようとする監督
の企みと、その思惑に見事に応えるカストロ氏=王様本人の類稀な演技力が融合し
た結果、アラカン先生や丹波哲郎氏が得意とした「演説映画」を見ている気分にな
ります。
『太陽』『クィーン』など王室モノが続く昨今、王様が王様のフリをするこの映画
もなかなか健闘です!(清水浩之)
追記:来る8月15日(水)、neoneo坐恒例の8.15特別上映はズバリ「基地815」!
『流血の記録 砂川』(1956年/亀井文夫監督)『基地はいらない どこにも』(2006年/
小林アツシ監督)をはじめ全5本を特集上映します。同時に資料集「基地映画クロニ
クル」も鋭意作成中!『豚と軍艦』『黒い雪』『Aサインデイズ』などなど米軍基地
が絡んだ様々な映画を探しております。邦画洋画を問わず情報をいただけますと幸
いです!
こちらまでお願いします。 http://d.hatena.ne.jp/shimizu4310/20070701
◇────────────────────────◆◇◆
■『映画は生きものの記録である』ニュース(10)
公式ホームページ: http://www.tsuchimoto-eiga.com/
渋谷ユーロスペースでの上映は終了しました。ご来場の皆様、ありがとうございま
した。
今後の上映予定:
大阪(シネ・ヌーヴォ)― 今秋
名古屋(名古屋シネマテーク)― 今秋、
京都(京都シネマ)― 公開時期調整中
金沢(シネ・モンド)― 公開時期調整中
各地の上映を募集しています。ご一報をお待ちしています。
visualtrax@jcom.home.ne.jp
◇────────────────────────◆◇◆
■中村のり子さんの連載を読んで
■石橋 星志(大学院生)
以前、毎日新聞のキャンパる欄で、黒木和雄監督にもインタビューをしたことがあ
り、それだけに、黒木監督の訃報に驚き、悲しみ、再度黒木映画の意味や思いを考
えるようになりました。
今回、中村さんの連載を読ませていただき、非常に興味深く感じました。私は大学
院で日本近現代史、端的にいえば15年に及ぶ戦争の時代を中心に研究しています。
その中で作品から見る黒木監督の経験や思い、一方で作家としての黒木監督や作品
からも考えるヒントを与えられています。
派手さがないなかで、丁寧に作られた作品。他にもいくつもありますが、PR映画や
ノンフィクション、それらをベースにした作家という角度からも幅広く興味を持っ
ています。そうした点からも、中村さんの連載は参考になりました。今後もこのよ
うな連載を読みたいと思いました。
◇────────────────────────◆◇◆
■『満山紅柿』『出草之歌』神戸初上映のお知らせ
神戸・新長田の震災復興再開発ビルにこの春オープンした「神戸映画資料館」にお
いて、山形の映画祭でお馴染みの映画を上映します。いずれも神戸での初上映です。
関西方面でお見逃しの方はふるってご参加ください。
『満山紅柿─上山 柿と人とのゆきかい』
YIDFF2001 特別招待作品
監督:小川紳介、彭小蓮
7月21日(土)午後1時、3時半の2回上映
『出草之歌─台湾原住民の吶喊 背山一戦』
YIDFF2005 日本に生きるということ―境界からの視線上映作品
撮影・編集:井上修
7月22日(日)午後1時、3時半の2回上映
料金:1000円(資料館会員900円)
会場:神戸映画資料館(JR新長田駅より南へ5分)
問合せ:078-754-8039 http://www.kobe-eiga.net
なお、両作品とも上映ご希望の方は、下記へお問い合わせください。
プラネット映画資料図書館:〒530-0028大阪市北区万歳町3-41城野ビル206
TEL.06-6364-2165 FAX.06-6312-8232 planet1@m11.alpha-net.ne.jp
◇────────────────────────◆◇◆
■募集:「自作を語る」などの原稿募集!
「自作を語る」欄は、監督自らが作品について語るコーナーです。制作した動機や
撮影のポイント、編集で心がけたこと等を内容に盛り込んで頂きたいと思っていま
す。
文字数:1600字程度。厳密な規定はございません。
監督のプロフィール(150字程度)
その他:作品の仕様(制作年度、時間、ビデオ又はフィルム、スタッフ等)
上映のスケジュール、HP等をお知らせください。
原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。
E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋まで
稿料:無料。
その他、さまざまなご意見、投稿を募集しています。
◇────────────────────────◆◇◆
■上映の告知の有料化とカンパのお願い
■伏屋 博雄(本誌編集長)
neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の
告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力
ください。
(1)上映等の告知の有料化 1200字(40字×30行)以内につき、2,000円です。
それ以上の字数の場合は加算します。
(2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。
送金方法:郵便振込み:00160-8-666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782
(有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせ
ください。)
以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃05┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●今回から本誌の巻頭に、水野祥子さんによる「小川紳介と戦後日本ドキュメンタ
リー史」をテーマとする阿部・マーク・ノーネス著「Forest of Pressure: Ogawa
Shinsuke and Post-War Japanese Documentary」の読後ノートを掲載することにな
った。先日いち早くこの著書を読んだ水野さんから「面白くて興奮して読んでい
る」といった趣旨のメールが届いた。その後、数回のやり取りをするなかで、私は
主要と思われる小川作品(VHS)を送って見てもらう機会をつくり、執筆していただ
くことになったのである。
著者の阿部・マーク・ノーネスさんは、山形映画祭に深く関わっている方だからご
存知の読者も多いことと思う。現在はミシガン大学の助教授である。そもそも20年
ほど前にハワイ映画祭のスタッフだった彼を、『1000年刻みの日時計』で招待され
た小川紳介が見出し、山形映画祭に紹介した経緯がある。以来、彼は山形映画祭の
スタッフとして日本に滞在し、小川作品や小川プロに並々ならぬ関心を抱きつづけ
てきた。アメリカに帰国してからも時おり来日し、元・小川プロスタッフにインタ
ビューを繰り返してきた。そういう意味で、彼は小川紳介と小川プロについて語る
最良の著者である。事実、構想してから20年目にして新著は実現した。
書評するにあたり、水野さんはバーバラ・ハマーのドキュメンタリー『Devotion: A
Story about The Ogawa Productions』を取り上げて検証していく。小川紳介ならび
に小川プロについては、ともすれば神話的に語られる向きが多い。その点、
『Devotion』はその神話を徹底的に暴いた作品である。しかし今のところ、アメリ
カでは(どの外国でも)一般的に小川作品を見る機会がない。そのような環境で、
小川作品の世界を検証することもなく、小川の家父長制を批判し集団の矛盾をえぐ
る作品が投げかける一方通行は、小川(作品や小川プロ)にとっても『Devotion』
にとっても文化的貧困を感じざるをえない二重の不幸だ。阿部・マーク・ノーネス
の著書はその陥穽を埋める一書である。今後の水野さんの読後ノートの展開が待ち
遠しい。
●6月2日から29日まで渋谷ユーロスペースで行なわれた『映画は生きものの記録で
ある 土本典昭の仕事』の上映が終わった。幸いにも作品は好評で、見知らぬ方か
ら好意的な感想を伝える電話や手紙をいただいた。上映後のロビーでも去りがたく
寄って来られ、感想を多々いただいた。動員的には、右肩上がりだったことが嬉し
い。モーニングショーのためか、平日の動員がもう少し欲しかったが、土日はイベ
ントをしたこともあってか好評で、とりわけ土曜に3回連続で行なった主人公の土本
典昭監督のトークは、声にも張りがあり、盛り上がった。なかでも最終回(テーマ
は「だれでもドキュメンタリーを作れる時代だが…」)は、デジタルカメラが普及
し、誰でも安価に簡便に制作できる時代だからこそ、見失ってはならない「コミュ
ニケ―ションとしての映画」について、信念が語られた。土本さんの昂揚感が客席
に伝播し、異様な感動に包まれた。これらのトークは、いずれ文字に起こしして、
読んでいただこうと思う。
今後は各地の上映に移行するが、今のところ、大阪(シネ・ヌーヴォ)、名古屋
(名古屋シネマテーク)は今秋、京都(京都シネマ)と金沢(シネ・モンド)は時
期を検討中である。その他の地域でも、上映の胎動が感じられるのは心強い限りで
ある。近日中にホームページに貸し出し条件を開示するので、劇場に限らず,ホー
ル等の上映会もご検討くださるよう、お願いします。
公式ホームページ: http://www.tsuchimoto-eiga.com/
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