ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo |
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 48号 2005.12.1
∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
†01 日本のドキュメンタリー映画のかたち
8ミリの生きている場所(2) 山崎 幹夫
†02 ワールドワイドNOW ≪ニューヨーク発≫
アメリカ温泉田舎町のドキュメンタリー映画祭 東谷 麗奈
†03 列島通信 ≪東京発≫
「アジア千波万波」を中心に
山形国際ドキュメンタリー映画祭2005を辿る 濱 治佳
†04 neoneo坐通信(27) 12月前半のプログラム
†05 広場
新・クチコミ200字評!(23)
『きのこの世界』 『野中兼山 流れる河は生きている』
『婉という女』以上の評、 清水 浩之
前田真二郎から2点、告知!
『日々“hibi” 13 full moons 』の東京ライブ上映
DVDレーベル SOL CHORD(ソルコード)
告知:上映の告知の有料化とカンパのお願い 伏屋 博雄
†06 編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
melma!配信 http://www.melma.com/mag/39/m00098339/
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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■8ミリの生きている場所(2)
┃ ┃■山崎 幹夫
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●ホームムービーの日
今年の8月13日、私は夕方から降り出したどしゃぶり雨のなか、東京芸術大学の裏手
の住宅街をうろうろしていた。めざしているのは「旧市田邸」なる古い家屋。そこ
がこの日、「ホームムービーの日」の東京会場になるという情報をいただいたのだ
った。ここに集まって、他人のホームムービーを鑑賞しようという企画だというこ
とだ。
ここは「東京会場」ということは、日本の他の街でもやっているわけ? そうです。
東京の他に京都、名古屋、そして山梨県山中湖町の4か所で開催されたということだ。
それにしてもいったい誰が8月の第二土曜日を「ホームムービーの日」って決めたの
か。はい、それはアメリカの「映画アーキヴィスト協会」と「ホームムービーセン
ター」だそうです。それぞれホームページがあるけれど英語だから読むのが面倒く
さい。いちおう貼っておこう。
http://www.amianet.org/
http://www.centerforhomemovies.org/
ということは、世界的な催しであるわけで、なんとっ、世界45か所で開催されたと
いうことだ。みるとほとんどはアメリカ、そしてヨーロッパとオーストラリア。な
ぜかブラジル。そうだ、むかしむかし東京オリンピックより前は、8ミリでホーム
ムービーを撮っているなんて金持ちだけだったわけでして、それが貧乏な大学生の
映像表現メディアになったのは、70年代に入ってからのことでした。おっと脱線。
あいかわらずのどしゃぶりのなか、ようやく旧市田邸を見つける。いやー、これは
古い日本家屋ですなー。築90年だとか。関東大地震と東京大空襲を生き延びた建物
なのね。そのなかに人がぎっしりいるよ。冷房設備はないので、戸を開け放ち、蚊
取り線香を炊き込めています。大広間の後方には8ミリと16ミリ映写機が鎮座してい
る。あらかじめ配布された出品用紙には「9.5mm」という項目もあった。9.5mmです
よ! 60年代半ばまで使われていたフォーマットだけれど、私は9.5mmのフィルムと
9.5mmの映写機は見たことあるけれど、それが動いて映写されているのは見たことが
ない。
残念ながらこの日は9.5mmフィルムのホームムービーが登場することはなかったが、
アカの他人のホームムービーを鑑賞することは、なんともワクワクする体験だ。
ちょっと背徳的な行為であるような感じもする。そう感じたのは数年前、私も「ア
カの他人のホームムービーの上映会」を催した時の体験から来ている。国分寺の小
さなスペース(もと寿司屋の2階)で、末岡一郎氏の収集したホームムービーを上映
した。そのなかに、新婚旅行を記録したフィルムがあった。それを見ているうちに、
私は非常に興奮してしまった。性的に興奮したのではなくて、映画的にソソられた
のだった。
ホームムービーはそもそも見知らぬ他人に見せることは想定されていない。つまり
身内の記録であって、表現物ではない。しかしそこにはどんな映画でも見たことの
ない表情やしぐさ、風景が見いだされ、人の心を揺らすこともある。そう、この日、
だらだらと撮られた結婚式の記録フィルムを持参した若い女性がいた(この人はneo
neo坐での小川プロ上映でも見かけた人なので、このメールマガジンの読者でもある
と思う)。ちょっと観客がうんざりしていた時、司会者が気をきかせて「おや、こ
の可愛い女の子はどなたでしょう」と尋ねると「それは私です」と持って来た女性
が答えた。会場のみなさんは「おお!」とどよめいた。そんなことを応用すれば、
どうということないホームムービーも娯楽映画に変身可能だろう。私は嘘つきの烙
印が押されているのでダメだけれど、まじめそうな人間がありがちなのホームムー
ビーを映写しながら、笑顔に包み隠されたドロドロの人間関係(もちろん創作)を
語ったらけっこうイケるかも。
そんなことを想像してムフフとしているうちにプログラムは次々進み、鉄道記録8ミ
リや戦前のヨーロッパ旅行記録フィルムなどが登場する。なぜかどさくさまぎれに
劇映画がまざっていたりして、あんたホームムービーの意味わかってんのか。まあ
いいや、フィルムがこんな古い日本家屋で映写されているというだけで許される。
さて、この催しを主宰している「映画保存協会」のホームページを紹介しておこう。
http://www.filmpres.org/
「ホームムービーーの日」開催以外にもさまざまな活動をしてますな。とりわけ
「家庭でもできるフィルム保存の手引き」はテキトーな場所にフィルムを保存して
劣化するがままにしている個人製作の映像作家のみなさまには一読してもらいたい
内容だ。
来年の開催は8月12日。次回はどんなフィルムに出会えるのか、今から楽しみだ。
■山崎 幹夫(やまざき・みきお)
現在、シングル8フィルムのR25Nが在庫切れになっています。フジフィルムの説明で
は「予想外に出荷して在庫がなくなってしまった」とのこと。どういうことなのか、
憶測がいろいろ乱れ飛んでいますが、私としては作品づくりができなくてただデレ
デレと過ごす日々。これではいけない。
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┃02┃□ワールドワイドNOW ≪ニューヨーク発≫
┃ ┃■アメリカ温泉田舎町のドキュメンタリー映画祭
┃ ┃■東谷 麗奈
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●クリントンの生まれ故郷だった
これまで、アメリカの映画祭をいくつか紹介してきたが、今回は少し趣を変えて地
方、つまり田舎の映画祭に赴くこととなった。場所は、アーカンソー州ホット・ス
プリングス。その名の通り、アメリカでは珍しい温泉で知られる静かな観光地であ
る。町の中心の通りには、温泉場が軒を連ねているが、日本のそれとは随分風情が
異なる。青空にくっきりと映える真っ白のギリシャ風の瀟洒なバスハウスが並んで
いる。ところどころにある石造りの噴水からも湯気が上がっていて、ここそこで温
泉が湧いているのが分かる。蛇口をひねると天然水が流れ出す公共水汲み場があり、
地元の人が次々と大きなタンクを運んできて給水しているのに倣って、私もボトル
に注いでみたがやはり生暖かい。
そしてその温泉と同じぐらい、いやそれ以上かもしれないこの土地の自慢が、元ア
メリカ大統領クリントンの生まれ故郷であることだ。市に入った途端、「ようこそ
ビル・クリントンの故郷へ」という看板が出迎えてくれる。クリントンが少年期を
過ごしたという家などは、町外れのやや貧しい地域にあって、一体こんな田舎のは
ずれからどうやって一国の大統領まで上り詰めることができたのか、急に彼の生い
立ちに興味がそそられるようなところだった。町にはクリントンの名を冠した博物
館や図書館があったり、似顔絵が飾られていたりして、何だか町の名士を奉るこの
ベタ臭い雰囲気が妙に日本の田舎と同じような気がしておもしろい。町全体が歴史
的区域なので、チンチン電車のようなトロリーがゆっくりと往復している。歩いて
いる旅行者は、随分とお年寄りが多いようだ。
●アダルトに支えられた映画祭
さて、そうしていよいよ到着したのが、ホット・スプリングス・ドキュメンタリー
映画祭だ。会場は、温泉通り沿いに位置する1935年に建てられたアール・デコ調の
古い劇場で、普段はマジックショーに使われているそうだ。2スクリーンで約1000人
を収容し、10月21日から30日までの10日間、長編と短編合わせて約100本のドキュメ
ンタリーが上映される。コンペティションもなく映画祭としては中堅、規模は決し
て大きくはないが、ワシントンDC近郊で行われるシルバードックス、ノース・カロ
ライナ州の フル・フレーム・ドキュメンタリー映画祭と並んで、アメリカ三大ドキ
ュメンタリー映画祭のひとつとみなされている。もともとは、ハリウッドのメジ
ャー作品以外を見る機会のない地域の人たちに、アカデミー賞にノミネートされた
ドキュメンタリー映画を見せようと、十数年前にある家のリビング・ルームから始
まったというだけあって、数百人のボランティアたちに支えられているというまさ
に家族的な雰囲気のする映画祭だった。映画祭が何百人ものボランティアに支えら
れていること自体は一般的だが、ここのボランティアたちは、私が出会った限り全
員が中年以上の男女だった。つまり、近所のおじさん、おばさんたちが、一年に一
度遠くからやってくるゲストたちを精一杯もてなしてくれるので、何から何までと
にかく親切に面倒をみてくれる。空港への送迎から、観光案内、映画館では切符の
もぎりはもちろん、ポップコーンやTシャツを売っているのも彼らだ。
●想定外の歓待
さて、私たちニューヨークのメディアセンター、ダウンタウン・コミュニティ・テ
レビジョン・センター(DCTV)からの一行だが、なんと三つものプログラムで招待を
受けていた。監督たちを含めて参加するメンバーは全員で12人、私は映画祭配給担
当として全プログラムに立ち会う。一番初めに上映されたのが、十代の少年少女の
メディア・トレーニングプログラム、PRO-TVの生徒が作った5作品で、1978年より他
に先駆けて青少年のメディア教育に取り組んできたDCTVの実績が評価されて特別に
組まれたプログラムだった。作品を作った生徒たち5人と、学校の先生、PRO-TVプロ
グラムのディレクターが出席する。15歳から17歳というあどけなさの残る生徒たち
にとっては初めての映画祭参加で、フィルムメーカーとしてのフリーパスをもらい、
ポスターにサインを頼まれ、ホテルにチェックインすればおみやげ袋をもらい、大
人の映画作家たちと同様に扱われて皆おおはしゃぎだった。
上映には、近隣の中高生たちが約150人ほど見に来ていたが、おもしろかったのは、
ニューヨークから来ている生徒たちというだけでどうも憧憬の眼差しで見られてい
るようで、都会での生活はどんなものかといったことに質問が集中したことだった。
作品で扱った題材も、ホームレスや学校での登校時のセキュリティチェックの問題
など、地方の生徒たちにとっては馴染みがないのか随分と興味を引いたようだった。
更に、私たちのプログラムは、経済的に恵まれない家庭の子供たちを対象としてい
るために、アフリカ系やヒスパニック系の生徒が多い。ここ南部の田舎で、観客の
大多数を白人が占めている中に数十人いた黒人の生徒たちが、自分たちと同じよう
な少年、少女が前に立ち質疑を受けていることに一種の誇らしささえ感じているよ
うに見受けられた。都会で上映するのとは異なり、観客側が作品や作り手に興味を
持ち、多くの意見を交換したいと思っていることがひしひしと伝わってくる充実し
た上映会だった。
翌々日には、DCTVの共同設立者でありディレクターであるジョン・アルパートの新
作『The Last Cowboy』が上映された。他の多くのプロダクションを手がける傍ら、
24年の歳月をかけて地道に撮られたこの作品は、サウス・ダコタ州のある老いてい
くカウボーイの姿を、失われつつあるアメリカの原風景と重ねて描いている。特に
宣伝をしたわけではないにもかかわらず、あっという間に会場は2階のバルコニーま
で満席となった。他の映画祭でも上映しているが、主人公であるカウボーイの一挙
一動に笑い、泣く、これほど反応のいい観客を見たのは初めてだった。農村で身近
な経験をしている人が多いのか、所変わればこんなにも受け止め方が違うものかと
思う。普段は、映画祭にあまり参加することのないジョンも、今回はDCTVに焦点が
あたるということで、強行なスケジュールを組んで飛行機に飛び乗り質疑応答に出
席した。ドキュメンタリーに特化している映画祭だけあって、彼の過去の作品(多
くが非常に政治的なもの)をよく知っている観客からカンボジアや湾岸戦争での取
材にまで質問が及び、半ば講義の様相を呈するほどの熱心なやり取りが続いた。
●満場の拍手喝采
それが終わると、すぐ隣の会場に移動する。いよいよ、私たちスタッフにとっては、
今回最も楽しみにしていたプログラムが始まるのだ。上映されるのは、イラクに派
遣されたアーカンソー州兵たちを従軍して2年余り追いかけた、ブレントとクレイ
グ・ルノー兄弟のシリーズ作品『Off to War』の最新作『Welcome to Baghdad』だ。
この作品は全部で三編になる予定だが、昨年上映したものに続いてこれが二編目と
なる。
都市の主要映画祭ではなく、アーカンソー州で開かれるこの映画祭を、本作の世界
プレミア場所として選んだのは、何よりも出演した兵士と家族たちの地元であるこ
とに敬意を表してのことだ。また、アーカンソーは監督のブレントとクレイグの出
身地でもある。二人に加えて、出演者のほぼ全員が出席するこの上映会は、早くか
らチケットが売り切れ、映画祭のメインプログラムとして扱われている。カタログ
にも、「Our soldiers(私たちの兵士)」と紹介されていることからも観客の期待度
が窺える。
この第二編では、同時多発テロとイラクが何の関わりもなかったことをようやく知
った兵士の姿や、他の駐屯地での兵士による捕虜への暴行が報じられるシーンも捉
えられている。そして故郷に残された家族との意思の疎通がいかに困難になってい
くかも丹念に追っている。ごく一般的な家庭がどのようにして戦争に巻き込まれて
いくのか、情報社会の中でいかに意識が操作されていくのか、その止めようのない
巨大なうねりが見えてくる。見慣れた近隣の風景で語られていく物語に、地元の人
たちは自分や身近な人たちを重ねずにはいられないのだろう。1時間40分余りの上映
後は、観客が総立ちで満場の拍手喝采となり、期待を上回る熱狂に迎えられた上映
会となった。
●注目すべき作品
ところで、多くの他の作品を見られるのが映画祭に参加することの楽しみでもある。
プログラムを一読すると、都市では既に劇場公開されているような今年の注目ドキ
ュメンタリー作品が多く含まれていることに気づく。地方では配給されない作品を
上映するという設立当初の目的に沿っている故だろう。その中で私がまだ見ていな
かったのが、今年のアカデミー賞ノミネート最終選考に残っている『39 Pounds of
Love』で、イスラエルに住む体重が14キロしかない障害を持つ青年のアメリカ縦断
の旅を追ったものだ。若い作り手たちが、被写体と彼の家族、友人たちと協力して
一緒に旅をしながら撮っており、クラフトとしての未熟さを情熱で圧倒しているよ
うな清清しい作品だった。
一方、メディアに関わる者としての深い自省を促されたのが、ジャーナリストであ
るダニー・シェクターの『WMD: Weapons of Mass Deception』だった。ブッシュ大
統領が繰り返すWeapons of Mass Destruction(大量破壊兵器)をメディアによる大
衆の欺きと読み替えたタイトル通り、対イラク戦争をアメリカのメディアがいかに
操作的に報道したかを辛辣に批判している。シェクター自らの雄弁な語りとテレビ
界出身のテンポの良い編集は、マイケル・ムーアの手法にそっくりで、聞くところ
によるとムーアに対抗心を燃やしている人物らしい。エンターテイメント的な作り
であることは確かだが、膨大な情報源にあたってまとめた内容は必見に値するもの
で、一般の観客には脅威を感じさせ、メディアに携わる者はその責任を問われるこ
とになる。テレビのニュースがいかに効果的に音楽を使っているかを批判しておき
ながら、自らの作品に音楽をふんだんに使っているあたりが何とも皮肉っぽい。こ
の他、上映以外にもワークショップなどが開かれていて、中でも約4時間にわたる注
目の討論会は、シネマ・ヴェリテの1960年代アメリカでの動向を担ったロバート・
ドリューなどが招かれ、ドキュメンタリーがいかに真実を伝えるかといういわば永
遠のテーマについて議論が交わされていた。
●都市と地方の反応の違い
初めての地方映画祭参加は、想像していたよりも明らかな都市と地方の観客の違い
に度々驚かされるものだった。主要な映画祭で受賞しているような作品と、ローカ
ルな題材や政治的な題材の作品が同時上映されているときには、決まって後者の方
が観客が多い。都市に比べると情報が少ないせいなのか、世間で話題になっている
作品より、純粋に自分が見たいテーマに沿って作品を見に来る観客が多いようだっ
た。その熱心さは、作り手にとって遠くまで足を運び反応を確かめる意義を十分に
感じさせるものだったし、映画祭スタッフやボランティアたちの温かなもてなしぶ
りは最後まで変わることがなく、お勧めのバーベキューレストランの特製ソースを
ディレクターのジョンの部屋まで届けてくれたり、帰りは早朝4時半の出発にもかか
わらず空港まで送り届けてくれるほどだった。ところで、温泉町といいながら、今
でも機能しているバスハウスは実はたった一軒だけということが滞在中に分かった。
しかも入浴は午後3時まで、夕方に商店街が閉まると何もすることがない。それにも
かかわらず、また来年戻ってきたいなと思わせる、温かな魅力に満ちた忘れられな
い映画祭だった。
■東谷 麗奈(ひがしたに・れいな)
ほぼ3年をかけてようやく初めての長編作品が完成。またいずれご報告の予定。
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┃03┃□列島通信 ≪東京発≫
┃ ┃■「アジア千波万波」を中心に山形国際ドキュメンタリー映画祭2005を辿る
┃ ┃■濱治佳
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●山形国際ドキュメンタリー映画祭2005開幕!
10月7日、山形国際ドキュメンタリー映画祭2005(以下、山形映画祭2005)がついに
開幕を迎えた。これから13日まで、映画の祭典が毎日どんな花を咲かせていくのか、
スタッフも準備段階での寝不足・疲労はどこかへ吹き飛び、日々の昂揚と喧噪に身
を任せ映画祭生活に邁進していく。今年のオープニング・フィルムは、故小川紳介
監督の未完成作品『肘折物語』(1992)と新庄にて3年の撮影後完成した『雪国』
(1939)。両作品とも山形を舞台にした作品ということも相まってか、600人のホー
ルは超満員。上映前に山根貞男氏と『肘折物語』撮影の加藤孝信氏によるトークを
観客は熱気を持って見つめる。
山形映画祭2005は全7プログラム145作品を上映。映画祭の柱であるふたつのコンペ
部門、世界中から応募された950本より選ばれた珠玉の15本を上映する「インターナ
ショナル・コンペティション」とアジアの新進ドキュメンタリー作家を紹介し応援
する「アジア千波万波」。そして、戦後60年という節目を迎えた日本の思考を拓く
新作ドキュメンタリーを上映した「ニュー・ドックス・ジャパン」。映画祭の目玉
でもある特集プログラムは、4つ。歴史の中に様々な形で日本映画に関わった在日映
画人の足跡を辿る「日本に生きるということ−境界からの視点」。先見と個性を持
って作り手たちを支援し観客を育てている昆明の映画祭と教育機関を紹介する「雲
南映像フォーラム」。台湾のインディペンデント・ドキュメンタリーを牽引してき
た映像制作集団・全景が、台湾大震災を地震発生直後から製作をスタートさせ、グ
ループ全体で全7作品から最新完成作品を上映した「大歩向前走?全景の試み」。私
的ドキュメンタリーの醍醐味を楽しみ、その秘密の解明に試みるニヨン映画祭との
共同企画「私映画から見えるもの スイスと日本の一人称ドキュメンタリー」。
どのプログラムも強烈な独自性を発しながらも、縦に横にそして時に斜糸で柔軟に
つながり、<ドキュメンタリー>そして<映画祭>として、自由に織りなす紋様と
なって立ち現れている。
●アジア千波万波 アジアから放たれる<個>そして<記憶>の映像群
今年の「アジア千波万波」では、15の国と地域から短編長編合わせて26作品を上映。
上映作品から、もう一人のコーディネーターである若井真木子と私は、今年の「ア
ジア千波万波」に<ワンダーアジア! Wonder / Wander Asia! >というキーワー
ドを見いだした。60年〜80年代生まれの監督たちは、地図上の<アジア>を柔軟に、
それぞれの個人史と国家史を映像という手法を使って結び、解き放ち、絡み合わせ
ていく作業を多種多様な表現方法で試みている。
「アジア千波万波」会場として定着しているミューズの初日は8日土曜日。緊張の面
持ちでご挨拶をさせて頂き、朝一番の満員御礼上映を迎える。(余談だが、嬉しい
ことに今年は、どの会場も観客の入りがとてもよかったようで、全体の上映回数は
減ったのにも関わらず入場者数は、前回を上回っていた。)
初回の上映作品は中国二作品。『蒋氏の家』(監督:干超(ガン・チャオ)、梁子
(リャン・ツ))は、時代ともに移りゆく上海の歴史をひとつの家に住む男を主人
公に描いた上海テレビ作品。干超と同じく上海出身ながら対照的な作品を作り上げ
た孫悦凌(スン・ユエリン)の『風経』は、天真爛漫に雲南省の聖山をラマ僧と一
緒に旅する。観客からのチベットと雲南省のチベット族を混同したような質問にも
真摯に答える若い監督の姿が印象的であった。
各作品上映後に質疑応答を予定しているミューズ1では、短い時間ながらも活発な応
答が繰り拡げられる。スケジュール構成の都合上、時間は15分くらいしか取れず、
さらに通訳が入るので時間はどんどん短くなってしまう。質疑応答で議論を深める
ことが難しくとも、上映後にロビーや会場外でも続く熱心なやり取りを毎日見てい
ると、製作者と観客のダイレクトな反応こそが映画祭の醍醐味だと何度も痛感する。
また、初の試みとして質疑応答に手話通訳者をお願いした、中国・河南省を舞台に
のろう者の恋愛群像劇を描いた『白塔』(監督:蘇青(スー・チン)、米娜
(ミー・ナー))の上映では、作品さながら音のない世界で繰り広げられる熱気に
包まれた。
中国語・日本語・英語言語に、日本語手話・中国語手話が交わされ、集中した緊張
感ある空間が演出された。上映後も、両監督を囲んで数時間続いた監督とろう者と
の交流は、中国語通訳者の秋山珠子さんのご尽力の賜物。
そして、ドキュメンタリーだからこその製作者の政治性を問う質問は頻繁に出てく
る。奨励賞を受賞した「アジア千波万波」初のイスラエル作品『ガーデン』は、テ
ルアヴィヴのストリート・チルドレンであるアラブ系イスラエル人とパレスチナ人
ふたりの少年の内面を丁寧に描写し、イスラエル・パレスチナの現実を友情という
側面から見せる秀逸な作品であるが、「所詮イスラエル人のヒューマニズム的作品
ではないのか」を率直に問う意見や、中東出身監督からの反発などもあった。そこ
には、過去から脈々と繋がっている<いま>の現実があり、理屈だけでは容易に克
服できない歴史を、いかに(製作、上映を含めた)映画を通じて理解し、人間の叡
智と連動させていくのかを考えるのに、とても示唆的な一面であった。
もうひとつの奨励賞受賞作『大統領ミール・ガンバール』(監督:モハマド・シル
ワーニ)は、イランの片田舎で大統領選に何度も立候補をするクルド系のおじいさ
んを主人公に、イランの田舎社会のユーモアと悲哀を描いている。ロッテルダム映
画祭のHubert Bals Fundの助成を受け製作された本作は、山形でも観客や監督から
の人気を博していた。ロカルノ映画祭などでは、ミール・ガンバールが赤旗振って
の参加があったりで多いに盛り上がったとか。各国の映画祭でも上映され続けてお
り、日本での配給の話も舞い込んでいる。
特別賞を受賞した『25歳、小学二年生』(監督:李家〓(リー・ジアホア)も、観
客と他の上映監督双方から評判のよい作品のひとつだった。作品作りを通して、8歳
のときに自分が起こした事件がトラウマのままに成長してきた自身の傷を開き、癒
していく。映画製作経て手にした“自身”台南藝術学院卒業で現在博士課程在籍の
監督は指導教員であり、今年のコンペ審査員のひとりでもある呉乙峰(ウー・イフ
ォン)の強い後押しに支えられて、作品を完成させたと言う。海外映画祭からの参
加者からも注目された本作、来年のニヨン映画祭で上映されるようだ。
今年は、山形映画祭と釜山国際映画祭の期間が全く重なってしまったこともあり、
韓国からの監督たちは短期滞在がほとんどだった。両映画祭スタッフとも悔しい思
いをしたこのスケジュールだが、連続的に両映画祭で上映されたことで作家にとっ
ては刺激的であったのではないだろうか。釜山からの凱旋上映作品は特別賞を受賞
した『Dear Pyongyang』(監督:梁英姫(ヤン・ヨンヒ))と特別招待作品の『あ
んにょん・サヨナラ』(監督:キム・テイル、共同監督:加藤久美子)。両作品と
もその後にソウルで開催されたソウル・インディペンデント・ドキュメンタリー映
画祭でも上映された。全く異なるタイプの作品だが、韓国と日本の歴史を巡り<い
ま>を考える視点を持った重要な作品であることは間違いない。
『Dear Pyongyang』の製作スタッフは韓国での反応を、『あんにょん・サヨナラ』
スタッフは日本での反応を心配していたが、どちらも両国で温かく受け入れられて
いた。
そして、注目すべき小川紳介賞は、母の死を目前にした家族の愛を詩的な距離を持
って、映画に綴り込んだ『チーズ と うじ虫』(監督:加藤治代)に授与された。
作品が一定の距離を持って「母の死」を描いているからこそ、観客への感動は大き
いのだろう。上映後の質疑にも自分自身の経験と重ね合わせて話す人が多かった。
日本作品の初小川紳介賞に国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞のダブル受賞に製作
関係者の喜びも一塩であったのではないだろうか。これからの展開への期待を大き
く残した作品のひとつである。
●新しいアジア館である古いシネマ旭
ミューズから歩いて30秒のところにある、昔ながらの大きな映画館・シネマ旭が今
回初めて「アジア千波万波作品」を上映する映画祭会場となった。400人規模の会場
が満員になることはなかったが、飛び入りでの監督のトークなどもあり、ミューズ
とシネマ旭の往復は楽しいものであったはずだ。そして、11日には身体を使って交
流イベント「アサヒないと」を企画。監督たちにお気に入りCDを持参してもらい、
(期間中にたまたま持ってきていたCDを提供してくれた監督もいた)それを流しな
がら、みんなで踊ろう!という企画。ダンススペースがうまく取れなかったにも関
わらず、踊る人はオドル・オドルで盛り上がる。フリードリンク500円に釣られてか、
ほとんどのゲストの顔を発見できる。締めは中国語、アラビア語、日本語(他もあ
ったかもしれない)での『インターナショナル』熱唱。中国語は若い世代も歌えて
しまうのに衝撃! そして、興奮冷めやらぬ人々はカラオケへ流れる。今年は、呑み
好き遊び好きなゲストが例年以上のように思われたが、気のせいではあるまい。
●映画祭での様々な興隆・交流
映画祭全体の詳細をここで報告するのは、とても不可能だが、触れておきたいのは、
同時多発にユーモアと笑い、真剣さを持って映画祭は様々に興隆し交流していたと
いうこと。AZ6F中央公民館を満員にした上映もあった、フォーラムと2会場で続いた
「インターナショナル・コンペティション」、連日盛況の入りを見せていた「日本
で生きるということ」、AZ4F大会議室で行われた「私映画からみえるもの/all
about me?」、東北芸工大でも行われた「雲南映像フォーラム」、ミューズ1のレイ
ト・ショー、ミューズ2、AZ4F大会議室で濃密な上映が続いた「ニュー・ドックス・
ジャパン」、ミューズ2で連続上映しながら、お茶とお菓子を振る舞ってくれた「全
景」チーム、山形の伝統的お蔵を改造したカフェ・ギャラリー「瑳蔵」で連日繰り
広げられたシンポジウム?「スイスと日本の私映画」を巡るディスカッション、民
族楽器の演奏、「雲之南記録映像論壇2005」報告とシンポジウム「中国ドキュメン
タリーの新風」、シンポジウム「境界からの視線」など、参加者個々人がそれぞれ
の山形映画祭を、体験し感じとり帰っていったであろうことを確信を持って願う。
●「山形映画祭ならでは」、そして次世代とともに
今年の映画祭では、コンペやアジア千波万波の中国・台湾作品に加え、雲南映像
フォーラム、全景の特集、中国と台湾からのコンペ審査員がふたりということもあ
り、中国語話し手たちの姿が目立った。広大な中国大陸、そして台湾。各々の地か
ら来形した作家たちが、政治的枠組を超えて毎日肩を並べ、談笑している姿からは、
現在進行形で自らの手によって歴史を紡いでいく世代への期待を持たずにいられな
い。そして、若い中国の監督が一回り上の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)と、彼の新
作『世界』について討論しているという話を聞くと、山形映画祭だからこそ可能な
場であったと信じてしまう。
山形映画祭の夜の交流の場といえば、香味庵。今年も連日盛況だったようだが、今
回初めて酔い潰れた若者がでたそうだ。上映監督だけでなく、観客層も若い顔が目
立った今年の山形映画祭。幾重にも綴られていく山形映画祭の可能性を大切にした
い。その可能性を担う第一番手は、山形の若者だろう。朝に入ったコーヒー屋で、
見るからに映画祭スタッフだった私に話しかけてきた店員の若者は、昨日見た作品
と今日これから仕事後に見る作品について熱く語ってくれる。笑顔で「がんばって
くださーい」と送り出され、コーヒー以上の嬉しいスパイスを頂く。
そんな「山形映画祭ならでは」の個々の大小経験や思い出が、様々な形で山形映画
祭に関わったそれぞれ自身の財産となり、また多元的に還元していくことを確信し
ている。第10回を迎える2007に向けて、これまで17年間に渡って培われてきた映画
祭の財産を再確認し、そしてそれをどう活かしていくか。それは、平等に開かれた
山形映画祭2005の提言であった。
最後に、山形映画祭2005に参加してくださった観客・監督のみなさん、表舞台上だ
けでなく、様々なところで映画祭を支えてくださり、活躍してくださった通訳、翻
訳、映写、字幕投影、会場運営のスタッフのみなさんと多くのボランティア・スタ
ッフのみなさんに本当に感謝します!
■濱 治佳(はま・はるか)
アジア千波万波・コーディネーター。ただ今、ウェブ上にて2005年12月31日まで
山形映画祭アンケートを実施しています。調査の結果は、2007年に行われる第10回
山形国際ドキュメンタリー映画祭に向けた新しいビジョン作りに活かされます。
ぜひご協力ください。 http://www.yidffsurvey.com
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┃04┃□neoneo坐通信(27) 12月前半のプログラム
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neoneo坐の12月前半の上映をお知らせします。
会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より
徒歩1分、JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。
詳細と地図は下記のneoneo坐サイトをご覧下さい。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/kato_takanobu/neoneoza/index.html
■『小川プロ訪問記』&『帰郷―小川紳介と過ごした日々―』 同時上映会
12月3日(土)
19:00〜19:50
『小川プロ訪問記』(1981年/16mm/50分)
製作・演出:大重潤一郎/撮影:堀田泰寛/出演:小川紳介・大島渚
1960年代から1970年代にかけての日本は、政治、経済、社会、あらゆる面で激動の
時代であった。そうした中、日本映画界も時代に正面から取り組む先鋭的な作品が
発表された。その象徴的存在が、記録映画界の小川紳介であり、劇映画界の大島渚
であった。その二人が大島が小川を訪問する形で対話することとなった。今、思え
ば、両者とも最も元気があった頃で、その雰囲気を映画は半永久的にとどめてくれ
ている。映画が映画界の歴史の1コマに役割を担った希少な例といえよう。
20:00〜20:40
『帰郷 ―小川紳介と過ごした日々―』(2005年/DV/40分)
監督:大澤未来・岡本和樹/演出:大澤未来/撮影:岡本和樹/録音:田中絵里
出演:飯塚俊男・木村迪夫・木村シゲ子・漆山輝彦・花屋義男・木村正喜・
木村ミツ・木村義廣
山形県上山市にある小さな部落、牧野村。かつてこの村に、映画製作集団小川プロ
ダクションが約20年にわたり住み着き、稲を育て、共同生活をしながら映画を製作
した。長年、助監督として小川プロを支えた飯塚俊男さんにとって、小川プロでの
生活、監督小川紳介と過ごした日々は何であったのか。村人にとって、小川プロは
何であったのか。一人一人の心に残る小川プロの幻影。思い出を語る人々の姿から、
現在の人々の生を記録する。
上映後 飯塚俊男さん&大澤未来さんのトーク
【料金】
上映+トーク 前売り・予約・会員・・1,000円
当日・・・・・・・・・1,500円
忘年会・・・・・・・・・・・・・・・2,000円
【予約・上映へのお問い合せ】
予約先 E-mail fd1750@hotmail.com
お問い合せ 090-2664-9194(大澤未来)
■「知られざる短篇映画を見てみる」上映会―「短編調査団」
毎月第2・第4水曜/20:00〜21:40 終映予定/16mm上映
(20) 画家の巻…2005年12月14日(水) 20:00〜
『梅原龍三郎―北京―』(1973/24分)製作:岩波映画製作所/企画:吉井画廊/
プロデューサー:下村雅彦/演出:坂口康/撮影:八木義順
「美しい時代」のフランスに学び、ルノアールに師事し、西洋の油絵技法と東洋の
美の伝統を1つに結びつけた梅原龍三郎の画業のうち、最も充実した時期である北京
時代の作品を氏の回想とともに紹介する。
『ちひろの四季』(1979/28分)製作:独立企画/企画:いわさきちひろ記念事業
団/監修・脚本:松本猛/プロデューサー:増田健太郎/
演出・脚本:秋吉宣子/撮影:瀬川浩/音楽:あかのたちお/語り:高田敏江
「私には、子どもの魅力は限りないのです…」童画家、いわさきちひろが生涯描き
通してきた子どもへの限りない想いは、美しい日本の四季のなかで、自由に息づき
はばたいています。楽しい音楽とともに動く絵本として描きます。
『ゆうかんな守衛さん―プンプンおやじ―』(1960/10分)製作:おとぎプロ/
原作・監督:横山隆一/演出・作画・撮影:小松義幸・山本栄一(山本暎一)
ギャングに殺された守衛さんが、天使になってこれを退治し、安心して大きなくし
ゃみをしたところで生き返る。
『はだかの天才画家 山下清』(1957/35分)製作:日本映画新社/演出・脚本:西
沢豪/撮影:白井茂/語り:河合坊茶
才能の芽生えから、学園生活・放浪生活を繰り返し、画家としての地位を得るまで
の創作活動の足跡を辿り、永遠の少年の心を持った放浪の天才画家・山下清の実像
に迫る。貼絵の創作情景は丹念で几帳面な彼の生活を如実に物語っている。
上映協力:東京都立日比谷図書館/日本科学技術振興財団 科学技術映像ライブラ
リー →→→追加情報はblog版短篇調査団へ
【料金】鑑賞無料! カンパ歓迎!
【お問合せ】清水 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp
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┃05┃□広場
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■ 新・クチコミ200字評!(23)
■清水浩之(短篇調査団・12/14は画家の巻! http://d.hatena.ne.jp/tancho/ )
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビなど
皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オススメ
しない映画とその理由!」もOKです。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアドレ
スor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィールや
近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839
前々号でもご紹介しましたが、来年3月に百歳になられる科学映画の最長老・樋口源
一郎監督。お誕生日を記念しての特集上映をneoneo坐で開催しよう!と思い立って
只今準備中です。今回はこの企画に関連した三作品をクチコミします。
B-126『きのこの世界』
■ 2001年/シネ・ドキュメント/監督;樋口源一郎/撮影;石井董久
数ある樋口作品の中でも一番オススメしたいのが、監督が95歳で完成させたこの最
新作。森の木の根に生きるキノコの生活を微速度撮影や顕微鏡撮影で活き活きと紹
介しながら、様々な個性派がひしめくキノコたちの生活の知恵(胞子の飛ばし方あ
の手この手)を丁寧に解説し、ついには共生相手の森を枯れさせる原因である人間
社会を、キノコの立場から告発してしまう痛快さ!妖しいまでの美しさを誇るキノ
コのオールスターが実に魅惑的!(清水 浩之)
B-127『野中兼山 流れる河は生きている』
1987年/シネ・ドキュメント/監督;樋口源一郎/撮影;石井董久
江戸時代初期の土佐藩で未曾有の土地改革を成功させた家老・野中兼山の評伝映画。
急流を巧みに手なずけて灌漑用の水脈に作り変え、荒波打ち寄せる岩礁に港を開き、
黒潮に乗った魚を誘い込んで獲る湾まで作り出した土木技術の天才が4世紀前に活躍
した事実を、今も残る各地の施設を辿りながら語ります。時代の先を行き過ぎた兼
山は不遇な最期を遂げ一家も断絶…しかしそんな悲劇も押し流すような雄大な結論
があなたを待っています!(清水 浩之)
B-128『婉という女』
1971年/ほるぷ映画/監督;今井正/脚本:鈴木尚之/原作;大原富枝
DVD発売元:新日本映画社 http://www.espace-sarou.co.jp/
往年の名作も『野中兼山』の続編と思うと一層面白い!兼山の死後お家お取り潰し
となり40年間幽居を強いられた野中家の三女・婉の物語。世間と隔絶されたまま成
人した兄弟が婚姻も許されずに空しく自滅していく「監禁劇」の前半と、ご赦免後
に初めて接した世間とのズレ(なにせ河の音すら聞いたことがない40代女性です)
が切ない後半、共に岩下志麻さんの熱演と大袈裟な音楽が味わい深いです。『貞操
問答』ファンはぜひご覧あれ!(清水 浩之)
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■告知&上映
■前田真二郎から2点、告知させてください!
●『日々“hibi”13 full moons 』の東京ライブ上映
山形国際ドキュメンタリー映画祭2005「私映画から見えるもの」に出品させていた
だいた『日々“hibi”13 full moons 』が、この12月に上映されますのでお知らせ
します。
12月4日(日)東京のICCにて「日々のための音楽/三輪眞弘」が上演されます。
三輪眞弘氏が映画音楽として作曲を行いました。ライブ上映の企画となります。
12月13日(火)東京のUPLINK FACTORYにて 「日々“hibi”13 full moons 」音楽付
きが上演されます。三輪眞弘氏作曲の映画音楽を team SZK が演奏するライブ上映
です。
上記、イベントの詳細につきましては、前田のHPをご覧下さい!
http://www.iamas.ac.jp/~maeda
●DVDレーベル SOL CHORD(ソルコード)
前田が監修をつとめるDVDレーベルがスタートしました。第一期として、3タイトル
がリリースされ、2003年の山形国際ドキュメンタリー映画祭「アジア千波万波」に
選出された、真田操監督『3rd Vol.2 2つの光の家』も発売となりました。未見の方
は是非、ご高覧ください。店頭出荷は遅れているのですが、オンラインでの購入は
可能となっています。年に2回のペースで続けていきたいと思っておりますので、
今後ともよろしくお願いします。HPを是非ご覧下さい! http://solchord.jp
◇────────────────────────◆◇◆
■上映の告知の有料化とカンパのお願い
■伏屋 博雄(本誌編集長)
neoneoは2003年11月1日の創刊以来、月2回(1日と15日)、購読料無料で配信してま
いりましたが、配信を継続する経費、その大部分は稿料ですが、ここに到って、皆
様の力をお借りしたく、下記の二点につきご協力をお願いする次第です。
(1)上映等の告知の有料化―1200字(40字×30行)以内につき、2,000円を頂きた
いと思います。但し、それ以上の字数の場合は加算します。
(2)カンパのお願い― 一口2,000円。何口でも。
上記の送金は下記の方法でお願いします。
郵便振込み:00160−8−666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782 (有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせく
ださい。)
以上、neoneoの継続と、今後一層の充実した内容を図るためにも、皆様のご協力を
何卒お願い致します。
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┃06┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●山形映画祭が無事終了した。このレポートを書いた濱治佳さんはアジア千波万波
のコーディネーターである。「嬉しいことに今年は、どの会場も観客の入りがとて
もよかったようで」、「入場者数は、前回を上回っていた」と喜びを率直に伝えて
いる。
私は都合が悪く参加できなかったが、周りには参加した人が多かった。しかも若い
世代が多く、世代交代を指摘する方もいた。こうした盛況に煽られたのか、映画祭
中止の懸念を払拭するかのように、次回の開催が高らかに告げられたことは、うれ
しい限りである。
さらに今回の映画祭を踏まえて、映画祭サイドではウェブ上にて2005年12月31日ま
でアンケートを実施している。濱さんも言っているように「調査の結果は、2007年
に行われる第10回山形国際ドキュメンタリー映画祭に向けた新しいビジョン作りに
活かされる」そうだ。 http://www.yidffsurvey.com 是非そうあってほしい。
(ところで少し残念なのは、アンケートの質問が参加者の分析や関心の拠り所に終
始しており、作品の選考基準など、映画祭自体の取り組み方に踏み込んだ質問がな
いことである。今回はコンペとアジア千波万波の応募規定が変更し、明確に線引き
されたこと…どちらか一方にしか応募できないと改正されたことを考えれば、参加
者がより主体的に関われるような質問が必要だ。映画祭は進化すべきだし、もっと
踏み込んだ質問をしてもらいたかった。この点が悔やまれる。また、私は本誌で予
備選考基準などの情報開示の必要性を述べてきたが、こうした問題提起にも主催者
は胸襟を開いて応答してもらいたい。こうした地道な対応が、観客のより積極的な
参加を促すものだと思う。)
●今回は映画祭報告が重なった。アメリカの田舎町のドキュメンタリー映画祭につ
いて、東谷麗奈さんがレポートしている。私たちは参加していないにもかかわらず、
映画祭の様子が手に取るようにわかる記事だ。この中で、24年の歳月をかけて撮ら
れた作品があることを知り、驚いた。世の中にはとてつもない作品があるものだ。
ぜひ見たいものだと思う。また、同じ作品でも、上映する場所よって著しく反応が
違うことが綴られていて面白く読んだ。
●寒さが一段とつのって、ここ数日のうちに窓辺の公孫樹の葉もすっかり黄ばんで
きた。本誌では年末恒例の「我が一押しのドキュメンタリー」のアンケートを募集
する。詳細は次号に掲載するので、皆さん、奮って応募ください。
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■責任編集 伏屋博雄
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