ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo |
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 46号 2005.11.1
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†01 日本のドキュメンタリー映画のかたち
(4―最終回)山形ドキュメンタリー映画祭に個人映画で参加して
鈴木 志郎康
†02 ワールドワイドNOW ≪サンパウロ発≫
緊急報告 NHK『ハルとナツ』の疑惑 (2) 岡村 淳
†03 列島通信 ≪高知発≫
難題に直面する 藤田 直義
†04 neoneo坐通信(26) 11月前半のプログラム
†05 広場
投稿:山形映画祭に参加して
ヤマガタの新潮流 日野 慎介
『生れなかった映画たち』評 越後谷 卓司
『ルート181』『水没の前に』『忘却』評 萩野 亮
新・クチコミ200字評!(21)
『軍需工場は、今』『長崎の子』『森の朝ごはん』
(以上の評、清水 浩之)
告知:上映の告知の有料化とカンパのお願い 伏屋 博雄
†06 編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
melma!配信 http://www.melma.com/mag/39/m00098339/
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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■(4―最終回)山形ドキュメンタリー映画祭に個人映画で参加して
┃ ┃■鈴木 志郎康
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●私映画の受け止め方の違い
山形ドキュメンタリー映画祭2005の「私映画から見えるもの」という特集に、わたし
は自分の作品『極私的に遂に古稀』を持って参加した。この特集は、スイスの「ヴィ
ジョン・デュ・レール映画祭」と共同企画によるもので、日本とスイスの「セルフ・
ドキュメンタリー」が三日間でそれぞれ八本づつ、交互に上映された。そして、三日
間連日上映された作品の監督が夕方から夜に掛けて場所を変えてディスカッションが
行われた。わたしは、わたしの作品が上映された最後に日にディスカッションに参加
した。その時はカメラを持つとものの見方が変わるということで、カメラは魔法の力
を持つというようなことが論じ
られた。
「一人称ドキュメンタリー」といっても、十六本の作品はそれぞれ、作品のスタイル
も制作意図も違っていて、それなりに面白かった。わたしに面白かったのは、日本の
作品では前田真二郎さんの『日々“hibi”13 full moon』の方法と、園部真実子さん
の『ガールフレンド』の虚と実の曖昧さというところだった。『日々“hibi”13
full moon』は、満月の正午を基準に、毎日1時間ずつずらして、その時、目の前にあ
るものを15秒間撮影するという方法で1年間撮影された作品で、映像は撮影者と偶然
に出会ったものの集積ということになる。その映像が語るところは、作者の主観では
なく、作者がその出会ったものによって語られるということだった。15秒の映像だか
ら記憶には殆ど残らないが、全体でぼんやりとした空間が残り、そこに作者の息遣い
のようなもの感じられる。クールでいい印象だった。
園部真実子さんの『ガールフレンド』は、女友達と同性愛的関係になって行く過程を、
部屋の中に置いたカメラで撮影して、自分の彼女に対する気持ちの持ち方の変化を、
恋人に書き送って行き、彼女と関係が成就した時に、恋人と別れる結果になるという
筋立ての作品だった。見ていて、肌を見せたり、キスしたりする彼女との関係が本当
なのか演じているのかが分からなくなってくる、そこにスリルを感じてしまう、とい
うのが面白かった。話の筋となる虚実は本当はどうでもいいので、実は映像の意味合
いの広がりの曖昧さが、脳の中の「信憑性に拘る機構」を刺激することとして問題な
のだ。信じ切るためには何が要るのか、嘘と決めるには何が必要なのか、スクリーン
を前に観客はそういう形而上的領域に引き込まれる。作品はスクリーンをそういう遊
びの空間にしていた。
スイスの作品では、ピーター・メトラーさんの『ギャンブル、神々、LSD』と、ピー
ター・リエヒティさんの『気ままなヤツ』が面白かった。『ギャンブル、神々、
LSD』は、一人の男が精神的なリハビリのために空港に降り立つところから始まり、
熱狂的な宗教集団の集会、ハリウッドの女性用のセックスマシンの発明者、スイスの
LSD常用者とLSDの発明者、インドの宗教的な行事へと展開して、河のほとりを走るイ
ンドの少年の姿で終わるという180分の作品だった。人間がそれによって恍惚とした
状態のなるものをドキュメントしている。従って扱っている対象は、個人というより、
個人個人が生きるよりどころとするところを描き出して、映像による人間論の試みと
いうものなっていた。個人を描くのではなく、個としての人間論を抽象的に語るとい
うことで、180分の長さは西欧的だな、と思った。上映後、作者にあなたの夢中にな
る宗教的なものは何ですか、と聞いたら、「映画を作る」ということが、自分には宗
教になっているのかも知れないという答えだった。
『気ままなヤツ』は、作者のピーター・リエヒティさんが「タバコを止めるために歩
く」ということを実践して、80歳の老女やヨーデルを歌う農民の友人などを尋ねて行
き、その途中で出会った人などを撮った作品だった。タバコを止めるという個人的な
ことを切っ掛けに一本の映画を作ってしまう。歩いては撮り歩いては撮りの展開で、
そこにその時考えていたことが延々とナレーションで語られる。というより、ぶつぶ
つ一人で文句を言っているような感じだ。ここでは個人的な営為がそのまま映像とし
て実現されていた。意図から実践して観客に手渡すまではっきりしている。その個人
の明確な輪郭が、同じく自分が登場して個人的な営為を語るわたしの作品とは異なる
感じがした。わたしの場合はどうもその自分の輪郭が曖昧になってしまう。
今回のスイスとの共同プロジェクトで、作品を並べて見て、個人というところに軸を
置く作品が世界的な広がりで作られていることは分かったが、「作品」という形の受
け止め方がかなり違うことも分かった。この違いがあるということが自覚されたこと
が、わたしには刺激的だった。(了)
☆鈴木志郎康作品の上映会をneoneo坐で行います。
11月26日(土)『風の積分』
11月27日(日)『15日間』『眺め斜め(宗教学者・中沢新一)』
『極私的にEBIZUKA(彫刻家・海老塚耕一)』
『日没の印象』『極私的に遂に古希』。
詳しくは、下記のneoneo坐サイトをご覧ください。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/kato_takanobu/neoneoza/index.html
■鈴木 志郎康(すずき・しろうやす)
わたしは来年の3月で現在勤めている多摩美が定年になる。10月25日から30日まで
「My多摩美上野毛」と題して、魚眼レンズでキャンパスを撮った写真展を開いた。
わたしの極私的な感慨を込めた写真展は、多摩美の上野毛校舎は余り意味がないが、
写っている学生たちの表情が語る親密感は心を和ませるものになったと思う。
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┃02┃□ワールドワイドNOW ≪サンパウロ発≫
┃ ┃■緊急報告 NHK『ハルとナツ』の疑惑 (2)
┃ ┃■岡村 淳
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●NHKの刺客
ここまでNHKがデタラメかつお粗末だとは思わなかった。
NHKの放送80年記念ドラマ『ハルとナツ』のパクリ疑惑について、私がNHKの橋本元一
会長宛てに9月末に質問状を送った際は、およそ1週間で担当プロデューサーから回答
があった。その回答が質問の答えになっていないことは、並みの国語能力のある人間
なら明らかだ。
その後、私は先方の5日間にわたるドラマの放送に付き合った上で、本稿(1)(注:10
月15日号に掲載)で掲げたドラマの根幹部分の3点の設定の他に、4、半世紀以上経っ
てブラジル移住をめぐって離別した姉妹が、日本側の女性は邸宅に住むにもかかわら
ず、いきなり温泉宿で旧交を温める
以上もドラマのプロデューサーが事前に試写していた私のビデオ・ドキュメンタリー
『60年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り』(1996年、東京メトロポリタンTV
放送)の実話そのままだったことについて、『ハルとナツ』は私の作品を参考にした
のかの再質問状を送った。また先の回答で、類似の番組は数多く制作されている、と
いうのがNHK側の私の作品をパクっておらず、両者は「まったく」共通する部分がな
いという理由として掲げてあったので、NHKが私の作品以外に「参考」にした類似の
番組を証拠としてひとつでも具体的にあげることを再質問状に記し、ドラマ放送終了
の10月6日にNHK会長宛に送付した。
すでに3週間以上が経つが、NHKは沈黙したままだ。この問題について調査をしたジ
ャーナリストによると、NHKは「回答に対する疑問の提示(再質問)は受け入れられな
い」とのこと。答えになっていない回答をよこして、後は問答無用。これがNHKの一
連の不正・腐敗の一掃を目的に就任した橋本元一新会長体制の実態である。先回、報
告したNHK職員によるブラジル移民資料の持ち出し・横流し事件の告発の無視・もみ
消しも、同じ橋本体制によって行なわれているのだ。最近のNHKのサイトを開くと
「NHK まっすぐ、真剣。」とキャッチがあるではないか。笑いも取れない下品なブ
ラックジョークだ。
そんななか、NHKはとんだ刺客を放ってきた。ブラジル日系社会の大御所作家といわ
れる醍醐麻沙夫である。醍醐は『ハルとナツ』のロケハンの時に脚本のチェックを依
頼されたという。NHK御用達である。この作家がブラジルを代表する日本語の日刊紙
「サンパウロ新聞」に4回にわたって岡村批判を展開したのである。作文としてはNHK
の回答よりいただけないレベルだ。サワリを紹介しよう。
「もし、利用されるのが嫌なら、発表しなければいいのです。」「私は、映像作家と
しての岡村さんの存在価値を認めていないわけではありません。」こんな調子である。
私はいずれの批判にも即日、反論を書いて同紙に掲載してもらっている(これらの経
緯・資料は本稿末に掲げた私のサイトに紹介している)。
日本では「NHKの『ハルとナツ』に多大な影響を与えた」岡村ドキュメンタリーを上
映しようという機運が盛り上がっている。なかには、これまで岡村作品の上映会を開
いたさる大学から、今後、岡村作品の上映は一切禁止、という連絡もちょうだいして
いるが。本稿執筆中に入ったニュースによると、東京メトロポリタンTVそのものが12
月に岡村作品の再放送を予定しているという。NHKは笑うべき手口で疑惑のもみ消し
を図ってくるため、私も発言・発表を控えてきたが、もう世論はとめられない。皆さ
ん自身の目で「本物」ならではの迫力と感動を確かめていただきたい。意外だったの
は、日本のドキュメンタリー関係者がこの事件を知らないか、知っても関心を示さな
いことだった。
neoneo発行者の伏屋さんも岡村が報告するまでご存じなかった。疑惑問題は読売新聞
を嚆矢に、産経、東京などでも報道されたが、伏屋さんによると、neoneo読者は朝日
の購読者が多いから知らないだろう、とのこと。果たしてそれだけだろうか。昨今、
日本のドキュメンタリー界はセルフ・ドキュメンタリーが主流の風潮が続いているよ
うだ。私映画に没入されている皆さんには、無名・無冠・移民のドキュメンタリー作
家の痛みなど無縁かもしれない。
今回の問題で私のサイトに1日のアクセスが1万件も殺到するようになって間もなく、
山形国際ドキュメンタリー映画祭が開催された。臨機応変の利く、まさしく現在進行
形のドキュメンタリーの問題に取り組む力量のある映画祭なら、緊急プログラムを組
むことも可能だったかもしれない。
私の11月の訪日に合わせて、すでに3箇所の首都圏の大学、そして3箇所の地方都市で
の『60年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り』上映と講演会が決定している。
いずれもドキュメンタリー映画とは無縁の人たちの主催である。
黒澤作品のパクリ告訴を裁判で下し、岡村作品のパクリ告発を門前払いで無視する大
NHK。増長するばかりで自浄機能を持たない欺瞞と傲慢の組織は、今後も同じことを
繰り返すだろう。次の被害者は、そんなNHKの受信料をご負担のあなたかもしれない。
■岡村 淳(おかむら・じゅん)
記録映像作家。在ブラジル。1958年東京都生まれ。日本映像記録センターの番組ディ
レクターを経て、自らブラジル移民となる。近年は小型ビデオカメラを用いたひとり
取材で、主にブラジル移民をテーマにした記録活動を続けている。11月初旬に訪日、
最新作の上映の他、NHK疑惑を告発する上映会を各地で行なう予定。
詳細は「岡村淳のオフレコ日記」 http://www.100nen.com.br/ja/okajun をご参照
ください。
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┃03┃□列島通信 ≪高知発≫
┃ ┃■難題に直面する
┃ ┃■藤田 直義
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毎回行こうと思いつつ今年も山形ドキュメンタリー映画祭に行くことができなかった。
美術館ホールの仕事に就く前に一度行ったものの、まさか10年以上も出かけることが
できないとは夢にも思っていなかった。もちろん理由はある。県に対する翌年度の予
算要求と助成金の提出期限が10月上旬に重なっているためだ。さらに来年4月からは
高知県立美術館に指定管理者制度が導入されることが決定しているため、その対応に
も追われている。実際制度導入による内部の動揺は相当大きなものがある。
幸い向こう3年間は知事の鶴の一声で高知県文化財団の直接指定が決まり、目先の働
き口の心配は無くなったが、運営予算面では相当厳しい金額が提示される見通しであ
る。当美術館の映画上映も年6回から4回に減りつつもそれなりに継続できているが、
いずれスタイルを変えないといけないかもしれない。地元高知新聞では現在指定管理
者制度の記事を連載中で、その記事でも指摘されているとおり、指定管理者制度につ
いては県民は置き去りにされたまま導入が進んでいるのが実態だ。
手をこまねいてばかりではだめなので、今年11人の方に委員になってもらい「高知県
立美術館ホール活性化計画」を策定した。内容は本当に実現可能なの?と思えるほど
項目が盛り沢山になってしまったが、その中では定期上映会だけでなく子ども映画教
室も施策の中に位置付けた。
暗い話題ばかりだが、今月、そして来年1月と高知市中心商店街の映画館が相次いで
閉館する。これでシネコン以外は2番館とピンク映画上映館が残るのみになった。今
月閉館する映画館は、大手チェーンが撤退した後ミニシアター系の作品を上映するこ
とで、高知に一時の春をもたらしていたが長くは続かなかった。先月「ウイスキー」
を見に行った時、売店のお菓子の種類が少なかったので大丈夫かなあと思っていた矢
先の閉館だった。
一方、昨年来中心商店街に市民映画館を作ろうと活動している「こうちコミュニティ
シネマ」は、さまざまな動きを見せているものの場所がネックになりあまり進展して
いないようである。しかし「こうちコミュニティシネマ」の動向が高知の映画状況に
次の変化をもたらす可能性が大きく、粘り強い活動を期待したいと思う。
■藤田 直義(ふじた・なおよし)
(財)高知県文化財団企画課長、高知県立美術館アートコーディネーター。高知県立
美術館ホールの事業企画を10年以上担当してきました。来年4月に導入される指定管
理者制度に向けて、今年「高知県立美術館ホール活性化計画」を策定しました。11月
中には冊子の発行に漕ぎ着けたいと思っています。
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┃04┃□neoneo坐通信(26) 11月前半のプログラム
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neoneo坐の11月前半の上映をお知らせします。
会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩
1分、JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。
詳細と地図は下記のneoneo坐サイトをご覧下さい。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/kato_takanobu/neoneoza/index.html
【FPS勉強会 vol.3 ホームムービーの日について考える日】
11月6日(日) 12:30〜14:30
8月の第2土曜日は知る人ぞ知る「ホームムービーの日」。今年も世界7カ国40都市以
上、国内4会場(東京、山中湖、名古屋、京都)にて、家族旅行の記録、小学校の運
動会にちょっと恥ずかしい学生時代の自主映画など、懐かしの映像がスクリーンに蘇
りました。フィルムという素材のもつ強さと美しさを体感してもらい、その保存の大
切さを訴える役割をも担うこのイベント。来年こそは参加したいという方、地元での
開催をお考えの方、なんとなく興味をお持ちの方も、ぜひこの機会にFPSの勉強会に
ご参加ください。過去に上映したフィルムの中から計7本を上映し、「ホームムー
ビーの日」のこれからについて考えます。
◎上映作品(順不同、すべて8mm サイレント)
旅行、運動会、夏休日記 第三部、自動車ショー(以上、撮影年不詳)、
東京タワー(1959)、冬の光景(1971)、AQUA(1981)
参加費:600円(お茶・お菓子付) ※FPS会員は会員証提示で100円引
主催:映画保存協会 http://www.doblog.com/weblog/myblog/12357
【科学映画特捜隊 vol.5 秋の昆虫映画採集】
ロマン!スペクタクル!!そしてファンタジー!!!
ミクロな視点で描いたマクロな物語!古今の昆虫映画の傑作6本を特集上映!
11月6日(日) 16:00〜18:10
『蚊−日本百科映画大系−』
1954/12分/16mm/白黒/演出・撮影:吉田六郎/脚本:小口八郎
『モンシロチョウ』
1958/17分/16mm/白黒/演出・構成:石川茂樹/撮影:清水ひろし
『かいこ−自然観察映画大系(3)−』
1964/20分/16mm/カラー/演出・脚本・撮影:土屋祥吾
『草間の宇宙』
1999/17分/DVD/カラー/演出・撮影:栗林慧/音楽:富樫春生
『ムシムシ海へ行く』
1974/15分/16mm /カラー/演出・構成:阿部行雄
『自然界のつりあい 動物の数は何で決まるか』
1972/24分/16mm/カラー/企画・構成:布村建/脚本・撮影:川崎龍彦
映画はおとなもこどもも鑑賞無料!
18:20〜20:20 トークの時間 in neo BAR「秘伝!昆虫映画のつくりかた」
ゲスト:布村 建 氏(『自然界のつりあい』企画・構成)
neo BAR参加費:ドリンク&おつまみ付 一般2,000円/中学生以下1,000円
お問合せ:科学映画特捜隊 http://d.hatena.ne.jp/katokutai/
【短篇調査団 (18) 東京の巻】
11月9日(水) 20:00〜21:40/鑑賞無料・カンパ歓迎
『変わる東京地図〜赤坂界隈〜』
1967/20分/カラー/製作:日本技術映画社/企画:鹿島建設/プロデューサー・
脚本:岩佐氏寿/演出・脚本:大内田圭弥/撮影:長岡隆
東京はめざましく変貌してゆく。特に赤坂界隈は新しい東京の中心としてクローズア
ップされてきた。この附近の変貌の基礎作りに鹿島建設は大きな役割を果している。
『人間の土地〜多摩ニュータウン計画〜』
1968/21分/カラー/製作:日本映画新社/企画:東京都・日本住宅公団・東京都
住宅供給公社/プロデューサー:岡田弘/演出・脚本:粕三平/撮影:林田重男
都市の計画は一個の建築物の設計と異なり、より複雑な要素を把握、予見しなければ
ならない。そうした作業を現在ある街の姿の中から映像的に表現する事によって浮き
彫りにしたものである。
『東京の下町』
1975/24分/カラー/製作:日本記録映画作家協会・東京を記録する会/企画:
東京都教育庁文化課/演出:木村荘十二/演出・脚本:浅野辰雄/撮影:井上莞
江戸時代、隅田川に沿った神田、日本橋、京橋、浅草あたりは町人の住む町として誕
生し、今もいろいろな形で江戸が生き続けている。江戸町人のエネルギーが受け継が
れた無形文化財、伝統技芸の数々を紹介する。
『坂〜くらしの中の風景〜』
1985/32分/カラー/製作:岩波映画製作所/企画:文京区/
プロデューサー:陣内直行/演出:時枝俊江/撮影:成瀬慎一
文京区には100を越える坂があり、ほとんどが江戸時代のものである。文学と深いつ
ながりをもつ坂も多い。坂の名前のいわれ、朝昼晩、四季の中で変化する坂の表情を
追って、そこに生きた人々や暮らしをたずねる。
お問合せ:短篇調査団 http://d.hatena.ne.jp/tancho/
【『あしがらさん』上映+飯田基晴監督トーク】
11月11日(金) 20:00〜21:15 上映
『あしがらさん』2002/73分/VIDEO/カラー/監督:飯田基晴/音楽:梅津和時ほか
上映後、飯田基晴監督のトーク 終了後「neo BAR」開催
予約・会員1000円/当日一般1500円
予約E-mail: spaceneo@tcn-catv.ne.jp FAX:03-5281-7611
『あしがらさん』website http://www5f.biglobe.ne.jp/~ashigara/index.html
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┃05┃□広場
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■投稿:ヤマガタ映画祭に参加して
■ヤマガタの新潮流(ただし作品論ヌキ)
■日野 慎介
駅の構内や街灯にもポスターを吊るして、いかにも「市のイベント」らしかった山形
映画祭。しかし今回そうした公的な力(?)は影をひそめ、商店の軒下などを借りた
「足で稼いだ」告知のほうが断然目立った。聞けば、市の財政悪化もあって映画祭予
算は縮小傾向とか。いや、手づくりっぽさはむしろ心地よかったけれど、今後は地元
の納得に一段と配慮がいるだろうし、プログラムにも影響しそうだ。これまた「むし
ろよかった」となれば最高なのだが。
■『生れなかった映画たち』(監督:ケース・ヒン)
■ 越後谷 卓司
多くの観客が詰め掛けたとか、質疑応答で多数手が挙がったといった反応から、社会
的な問題を取り上げた作品全般に対して、観客の関心が高まっていることは明らかだ
った。そんな中、ファンタジックな楽しさで、映画そのものへと言及する本作は、あ
まり観客の興味を引かなかった様だが、シナリオ段階で終わった映画を取り上げなが
ら、さりげなく環境問題や、監視社会への警句も発する構成は、ある意味社会派とい
ってもよく、こうした作品を楽しむゆとりが人々から消えているとしたら、残念でな
らない。
■『ルート181』 ミシェル・クレイフィ、エイアル・シヴァン(ベルギー、フラン
ス、イギリス、ドイツ・2003年)
■萩野 亮(大学生)
かつての国連決議181号で決定されたイスラエルとパレスチナの分割線を、旅はたど
る。パレスチナ問題において支配的な外部からのイデオロギッシュな言説と、この映
画は無縁だ。ロードムーヴィーの軽やかさ、旅人の視点はイスラエルにもパレスチナ
にも与せずその境界線を北上し続ける。その道すがら出会うひとびとの、複雑な思い
を、取り止めのない話を、瑞々しく捉えるその先に、泥沼化したこの問題を解きほぐ
す一助があるように思う。
■『水没の前に』 李一凡、鄢雨(中国・2004年)
■萩野 亮(大学生)
かつて李白が歌に詠んだ町・奉節。長江の水位上昇によってダムの建設が決まり、ま
もなく水底に沈もうとしている。キャメラは町とそこに住む人々の闘争を、一定の距
離をもって捉え続ける。そのあまりにザッハリッヒな画面には、すべてのものが均質
に映し出される。爆破され消滅する建造物。意味を拒むその唯物論的光景が記録する
のは、歴史を受け入れる人間の生そのものの強度と、その総体として変動してゆく中
国社会の現在であるだろう。
■『忘却』 ジェレン・バヤル、ディレキ・イイギュン、エリフ・カラデニズリ、オ
ズゲ・ケンディリジ、サヴァディシュ・イルハン(トルコ・2003年)
■萩野 亮(大学生)
ある刑務所。政府の決定した独房の導入に、ハンストによって抵抗し続けた囚人たち
がいた。そのひとり、飢餓状態の後遺症で記憶障害を患う男性。彼は忘却し続けるこ
とで、逆説的に歴史的事件の証人となるはずだった。しかし、彼を、事件を、民衆は
忘却している。ふたつの「忘却」が重ね合わされるとき、画面には「記憶」の持つポ
リティカルな両義性が刻印されるだろう。わたしたちは、この映画を「忘却」すべき
ではない。
◇────────────────────────◆◇◆
■クチコミ200字評!(21)
■清水浩之(科学映画特捜隊、11/6開催! http://d.hatena.ne.jp/katokutai/ )
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビなど
皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オススメし
ない映画とその理由!」もOKです。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアドレ
スor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィールや
近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839
B-120『軍需工場は、今』
2005年/日本電波ニュース社/ディレクター:小林アツシ
ビデオ・DVD発売中 http://www.ndn-news.co.jp/shop/index.html
12月7日(木)「第26回 VIDEO ACT!上映会〜軍事依存の果て〜」にて上映
http://www.videoact.jp/screening/051207.html
三菱、川重、石播など造船・重機メーカーと「日本の軍需」の深〜い関係を粘り強く
取材。ある日突然同僚に行き先も告げぬ「出張」を命じられて中東まで「軍艦」の修
理に行かされたとか、企業内でのフレームアップの実態、「軍港」に立候補した九州
の某市などなど、ナマ×2しい話題がゴロ×2出てきます。長崎造船所では戦艦武蔵と
同じ船台でイージス艦が作られているそうで、そんな皮肉に満ちた厄介な現実がいち
いち心に残ります。(清水浩之)
B-121『長崎の子』
1949年/大洋映画/監督:樋口源一郎
全国NHK各局の番組公開ライブラリーにて視聴可能!
http://www.nhk.or.jp/nhk-archives/main.html
※「NHKアーカイブス 長崎 映像の証言」の後半に収録
来年三月に100歳のお誕生日を迎える科学映画の名匠・樋口監督。初期の代表作が全
国NHK各局の公開ライブラリーで視聴できます!長崎の爆心地近く、生徒の8割が犠牲
となった小学校の児童の手記を、現地で+本人で劇映画化。アメリカ占領下の表現に
はかなりの苦心が伺えますが、“閃光”のイメージ映像や「防空壕の外は人がばらま
かれているみたいでした」との語りなど、そのぎこちなさに潜む“思い”に想像力を
掻き立てられます。(清水浩之)
B-122『森の朝ごはん』
2005年/TOKYO FM/パーソナリティ:森達也
TOKYO FMにて毎週日曜朝6:10〜 放送中 http://www.tfm.co.jp/hs/index.html
森さんが自らご指名のゲストと二人、「オーガニック」な朝ごはんを食べながら
「アースコンシャス」をテーマに語り合う…よくわからないヨコ文字が並びますね。
休日早朝の爽やかなトーク番組かと思いきや、辛酸なめ子さんと「憲法9条への思
い」を語ったり、鈴木宗男議員から検察とマスコミの癒着ぶりを解説されたり、むし
ろ深夜に放送してほしい濃厚路線。自作のナレーターとしても際立っていた森さんの
美声ともどもお聴き逃しなく!(清水浩之)
◇────────────────────────◆◇◆
■上映
■第10回アートフィルム・フェスティバル《第一期》
吉田喜重のドキュメンタリー あるいはイメージの奇跡
今日、映画の世界では、劇映画とドキュメンタリーを分け隔てなく、ジャンルの壁を
越えて手掛ける監督が、少なからず存在します。ジャン=リュック・ゴダール、アッ
バス・キアロスタミ、マノエル・デ・オリヴェイラといった名前を、そこに挙げるこ
とが出来ますが、彼らが皆、世界的なレベルにおいて、映画の最前線に位置している
事実は、何を物語っているのでしょうか。それは、映画の本質は、劇映画やドキュメ
ンタリーといったジャンル区分とは無関係に、そうした認識を越えたところにこそあ
るのだと言えはしないでしょうか。
日本でも1960年代以降、大島渚や今村昌平、あるいは近年では青山真治といった監督
たちに、同じ傾向を見ることが出来ますが、劇映画とドキュメンタリーの両分野を継
続的に手掛け、その両者の境界を無効化する様な大胆さにより、独自の映画世界を構
築してきた作家としては、まず吉田喜重の名前を挙げるべきでしょう。一般的には、
「松竹ヌーヴェルバーグ」の担い手の一人として、あるいは『秋津温泉』(1962年)、
『エロス+虐殺』(1970年)、『戒厳令』(1973年)といった、先鋭的な劇映画の監督と
して認識されている吉田喜重ですが、美術ドキュメンタリー番組として放映された
『美の美』(1974−77年)を始めとする、ドキュメンタリーの分野でも多くの作品を残
しています。
劇映画の最近作『鏡の女たち』(2003年)での、写真を引用する大胆な手法が、ドキュ
メンタリー作品『幕末に生きる 中岡慎太郎』(1987年)や『吉田喜重が語る 小津さ
んの映画』(1994年)で試みられた実験を経て、導入されていることを見ても明らかな
様に、吉田喜重の中でこの二つ領域は、相互的に浸透し合い、融合して、映画の本質
とは何かを、一貫して追求しているのです。そして、これらの作品群が総体として、
映像とは何か、見ることとは何かという困難な問いを、イメージとして提示する、ひ
とつの奇跡的な出来事として成立していることに驚かされるでしょう。
〈上映作品〉
『美の美』1974−77年、16mm、各24分 ※ヨーロッパ美術編より32本をセレクト
『狂言師・三宅藤久郎』1984年、16mm、32分
『幕末に生きる 中岡慎太郎』1987年、35mm、57分
『愛知の民俗芸能−聖なる祭り 芸能する心−』1992年、ビデオ、31分
『愛知の民俗芸能−都市の祭り 芸能する歓び−』1993年、ビデオ、29分
『吉田喜重が語る 小津さんの映画』1994年、ビデオ、59分
『夢のシネマ 東京の夢 明治の日本を映像に記録したエトランジェ ガブリエル・
ヴェール』1995年、ビデオ、52分
『知の解放 知の冒険 知の祝祭 東京大学 学問の過去・現在・未来』1997年、ビ
デオ、59分
〈関連イベント〉
12月3日(土)14:00、『知の解放 知の冒険 知の祝祭 東京大学 学問の過去・現
在・未来』の上映に併せ、映画評論家・蓮實重彦氏の講演を行います。(約60分)
会期:2005年11月29日(火)〜12月8日(木) ※12月5日(月)は休館
入場料:
・「第10回アートフィルム・フェスティバル」《第一期》+《第二期》
1,000円(全会期通し、資料代実費相当、当日会場受付にて取り扱い)
・イベントークPart14(1)「映像の身体、演技する身体」
入場料:1,000円(当日券のみ、会場受付にて取り扱い)
会場:アートスペースA(愛知芸術文化センター12階)
主催:愛知芸術文化センター企画事業実行委員会
企画制作・お問い合わせ先:愛知県文化情報センター
Tel.052-971-5511 内線724、Fax.052-971-5644、
E-mail: bunjo@aac.pref.aichi.jp、
URL: http://www.aac.pref.aichi.jp
◆ 同時開催◆ イベントークPart14(1)「映像の身体、演技する身体」
日時:2005年12月4日(日)14:00−16:00
トーク:吉田喜重(映画監督)、岡田茉莉子(女優)
参考上映:『吉田喜重 オペラ「マダム・バタフライ」と出会う』(1993年、ビデ
オ、56分、監督:オリヴィエ・ホルン)
◆同時開催◆
イベントークPart14(1)「映像の身体、演技する身体」
トーク:吉田喜重(映画監督)、岡田茉莉子(女優)
参考上映:『吉田喜重 オペラ「マダム・バタフライ」と出会う』(1993年、ビデ
オ、56分、 監督:オリヴィエ・ホルン、出演:吉田喜重、ケント・ナガノ、
中丸三千緒
※1994年ユネスコ・アートフィルムコンクールグランプリ受賞作品)
−関連情報−
吉田喜重監督、岡田茉莉子さん、蓮實重彦氏が一同に会する特別鼎談が「第4回東京
大学ホームカミングデイ」の一環として行われます。
特別鼎談 日本映画の「過去・現在・未来」〜国際的な視点から〜
日時 平成17年(2005年)11月19日(土)14:00−16:00
(13:00からの記念式典に引き続き開催)
場所 東京大学 安田講堂(本郷キャンパス)
参加費 無料
観覧ご希望の方は事前にお申込ください。東京大学卒業生以外の方も観覧可能ですが、
お申込多数の場合、卒業生の方を優先させていただく場合があります。お申込方法・
詳細は、 http://www.alumni.u-tokyo.ac.jp/hcd.html よりご覧ください。
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┃06┃■ 編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●鈴木志郎康さんの連載が今回で終わった。毎回若い世代の作品を紹介していただい
たが、私映画といっても実に多種多彩であることがわかる。
鈴木さんが詩人として、映像作家として長年活動されてきたこと。さらに、後輩のよ
き指導者であることは周知のとおりである。鈴木さんとお会いすれば、毎回刺激的な
話を聞けるわけで、私としては長年の夢だった掲載が実現したことは、うれしい限り。
心より感謝します。
●NHKのドラマ『ハルとナツ』の盗作疑惑に関して、岡村淳さんが前回に続いて執筆。
岡村さんの作品『60年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り』が盗作されたので
はないか、という疑惑である。第3者の私たちからすれば、どちらに正否があるのか
直ちには分りにくい。しかし、ブラジルに長く暮らし日系ブラジル人の記録を何本も
制作し、彼らの信頼を得ている岡村さんを知る者にとって、岡村さんの質問に対する
NHKの態度は誠実といえるものだろうか?NHKはより詳しく情報開示すべきではない
か?
事態の経緯についてはもちろん岡村さんの原稿があるわけだが、もうひとつ参考にな
る資料として、ブラジル在住のジャーナリスト、美代賢志氏の「取材ノート NHK疑惑
に接して」を紹介したい。
http://www.brazil.ne.jp/contents/nikkey/nikkey000_2005102118.htm
●山形映画祭に参加した方からの投稿があった。ありがとうございました。次号にも
投稿を掲載する予定なので、楽しみにしてください。求む、原稿。
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■責任編集 伏屋博雄
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