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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 42号 2005.9.1
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†01 日本のドキュメンタリー映画のかたち
新しい観客を育て、多様な映画体験を持つために(4−最終回)
大久保 賢一
†02 ワールドワイドNOW ≪ソウル発≫
『Welcome to Dongmakkol』 の興行成功―
―韓国映画にみる北朝鮮のイメージの変化 チョン・スワン
†03 列島通信 ≪名古屋発≫
「吉田喜重ドキュメンタリー特集」に向けて 越後谷 卓司
†04 neoneo坐通信(24) 9月前半のプログラム
†05 広場
投稿屋台『クチコミ来来軒!』(18)
新・クチコミ200字評!(17)
『オレを覚えていてほしい〜ガン漂流・作家と読者の850日〜』
『日本鬼子 リーベンクイズ 日中15年戦争・元皇軍兵士の告白』
(以上の評、清水 浩之)
『シリーズ憲法 第9条・戦争放棄〜忘却』クロスレビュー募集!
『第9条・戦争放棄〜忘却』(是枝裕和)を観て 脇阪 亮
アルバイト急募!「EARTH VISION 地球環境映像祭」
「ドキュメンタリーどんどん」欄の新設のお知らせ 伏屋 博雄
告知:上映の告知の有料化とカンパのお願い 伏屋 博雄
†06 編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
melma!配信 http://www.melma.com/backnumber_98339/
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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■新しい観客を育て、多様な映画体験を持つために(4−最終回)
┃ ┃■大久保 賢一
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●覚醒を支える源
2005年の夏は、東京で外国のドキュメンタリー作品の劇場公開が相次いだ。ジョナサ
ン・カウエットの『ターネーション』はアメリカの若い俳優が自身の幼年時代からの
記録映像と彼の好む音楽とを(どちらも膨大な量だ)パソコンの編集ソフトでまとめ
あげ、家族の中で悲惨な状況に追い込まれた母親と自分との関係を描いたもの。この
作品は、デジタル・ビデオのフッテージをコンピューターによって編集するという、
現在多くの若い作家が行っているやり方の一つの典型を示している。ポイントは極限
まで細かいカットを再現なく編集し続けてしまうという陥穽にどこまで意識的である
かということだ。俳優という職業につきもののナルシシズムに自覚的であるこの作家
は、この陥穽にも意識的だ。『皇帝ペンギン』(リュック・ジャケ監督)は南極ペン
ギンの産卵と子育てを記録したもの。人間から見れば特異に見える種族の行動を説明
するために、この作品では俳優がペンギンの(内面の)声を演ずるという形式を取っ
た。声はきわめてドラマチックに、太古の昔から続く営巣地への過酷な行進を語って
みせる。ここでは皇帝ペンギンの独特の姿形も、ぬいぐるみの小さな人形に見える雛
の「可愛らしさ」も、水中でのアザラシの襲撃も、CGではなく本物だという一点に保
証されて「驚異」を謳う。
そして、ブラジルの『バス174』(監督ジョゼ・バジーリャ)はリオデジャネイロの
繁華街で起きたバスジャック事件を映し出しながら、犯人を生んだ社会の矛盾を(事
件後の長期取材によって)あぶりだしてゆく。事件を写し出す最初の映像は街頭の監
視カメラのものだ。そして停止したバスをTVカメラが囲むことによって、事件当日、
ブラジル中の視聴者が「TV画面」を見つめることになった。この作品が描き出すのは、
日常の中で「事件」として差し出される「映像」を消費している我々が、「何を見て
いるか」ということだ。事件後の乗客(事件の被害者)の証言から、車内での彼女た
ちと犯人とのやり取りが、窓越しに外から見て想像されたもの(メディアが伝えよう
としたストーリー)とは大きく異なっていたことが分かる。このドキュメンタリーが
伝えるのは、「悲惨な境遇、警察の腐敗」という背景である以上に、監視カメラが
我々の映像をストックし続けるという「予防検束」の状況と同時に、メディアによっ
て我々が「何を見せられているか」ということに我々が醒めた意識を持たねばならな
いということだ。
以上の外国映画三本は、「私語り」「動物」「犯罪とメディア」とそれぞれ異なった
ドキュメンタリーの方面を表わし、「劇化」という点でも意識は大きく隔たっている。
しかし、「皇帝ペンギン」がシネコンで封切られ、他の二本はミニ・シアターでの単
館公開だったが、秋以降も数本のドキュメンタリーが公開を控えていることも合わせ、
海外作品の劇場公開は例外的ではないという状況が来ているといっていいだろう。
では日本の作品はどうか。
今年は原一男が劇映画に挑んだ『またの日の知華』を先陣として、佐藤真『阿賀の記
憶』、小林茂『わたしの季節』、玄真行『シャウト・オブ・アジア』、ジャン・ユン
カーマン『日本国憲法』などの作品が劇場で公開され、海南友子は旧日本軍が中国に
残した「遺棄兵器」による現在の被害を描いて日本政府を告発する『にがい涙の大地
から』の上映を継続している。この作品は鎌仲ひとみ監督『ヒバクシャ 世界の終り
に』(2003)や土本典昭監督『もうひとつのアフガニスタン』(2003)などの作品と
同様、歴史と地理において我々が情報としては排除してきた「苛酷な事実」、当事者
だけでなく人間にとって切実な問題を(これを「リアルな物事」と呼びたい)報告し
ようとするものだ。そのような作品を見せていこうとする意志は、限定された形での
上映であっても必ず観客に届く。持続することで、他者の意識とのリンクは密度と千
からを増大させる。
アクチュアルな政治的課題だけでなく、『阿賀の記憶』や『わたしの季節』は、記憶
と現在の関わりについて、映画の描きうる限界に迫ろうとする。『阿賀の記憶』では
失われた人々の映像も、現在のその場所の事物も、どちらもアクチュアルなものとし
てその存在を主張し、『わたしの季節』では、我々が喧騒の映像情報のなかで「ひと
の顔を見ること、その言葉を聞き取ろうとすること」を失っていることに気づかされ
る。
ドキュメンタリーは、いや映画は、何に抗するべきか。「映像情報」に、なのだ。
映像の氾濫の中で、我々が「見た」と思い込んでいることがメディアの操作によって
作られた錯誤であることを突きつけること。
人間の歴史と地理は「語られる」ことによって作られる。作り上げるのはかっては権
力であり、今は大きくメディアがその役を演じている。個人に発し、小さな規模の行
動が、我々の覚醒への意識を支えている。たとえば下高井戸で日本のドキュメンタ
リー映画の上映を継続している「優れたドキュメンタリー映画を観る会」のような活
動が。
大久保は数年間、「国際交流基金・財団法人国際文化推進協会(エース・ジャパン)
の組織したコミュニティシネマ支援センターの活動で、シネコンが占有しつつある日
本の上映状況をもっと多様な映画作品が観られるように帰るための活動を続けてきま
した。日本中の独立館・ミニシアターと組んで、インディペンデントの映画の作り手
の作品を東京以外にも届ける、そして子供も含め、新しい観客を育て、多様な映画体
験を持てるようにすることを目指しています。
多様な視点を育てるために、力のあるドキュメンタリー映画が必要です。作り手の
方々との共働を望みます。(完)
■大久保 賢一(おおくぼ・けんいち)
1950年東京生まれ。大学在学中の1970年代初頭に映画上映と16ミリ映画製作の活動を
始め、映画雑誌、新聞に原稿を書き始める。'80年代から海外の映画祭やシネマテー
クに日本の若手インデペンデントの映画を紹介、映画祭審査員なども経験。著書「荒
野より ウォーレン・オーツ」(立風書房)「カルチャースタディーズ映画:二極化
する世界映画」(朝日出版社)他。 多摩美術大学講師。
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┃02┃□ワールドワイドNOW ≪ソウル発≫
┃ ┃■『Welcome to Dongmakkol』 の興行成功
┃ ┃―韓国映画にみる北朝鮮のイメージの変化
┃ ┃■チョン・スワン
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●敵視から友好へ
最近、韓国と北朝鮮の連合軍を題材とした『Welcome to Dongmakkol』が公開4週で観
客五百万人を動員して話題になっている。自閉児の人間的勝利を描いたヒュマンドラ
マ『マラソン』を除いては、あまり話題作がなかった今年の韓国映画界では、第二の
黄金期がこのまま終わってしまうのではないかという杞憂が広がっていたが、
『Welcome to Dongmakkol』の成功によって、不安が払拭されたといえる。
ここで、私が興味深くおもうのは沈滞していた韓国映画界を活性化する切っ掛けにな
った『Welcome to Dongmakkol』が北朝鮮の問題を扱っている映画であることだ。
振り返ってみると韓国映画の活性化と北朝鮮は深く関係している。1999年、韓国映画
界の新しい流れを作るきっかけになったのは、イデオロギーを越えて北朝鮮の女性ス
パイと韓国秘密工作員との愛を描いた『シュリ』であった。また、去年、韓国映画史
上初めて観客1千万人を動員する記録した『シルミド』も、金日成主席の暗殺という
特殊任務のため訓練されている684特殊部隊の非人間的な訓練課程を扱ったで映画で
あった。ちょうど今週から北朝鮮に関するダニエル・ゴドン(Daniel Gordon)監督
のドキュメンタリー(2本)が公開されるので、今回は簡単に韓国映画にみる北朝鮮
のイメージの変化をみてみよう。(今回公開されるダニエル監督の作品は1966年ロン
ドンウォルドカップではじめて8強に進出した北朝鮮のサッカーチームの活躍を記録
した『千里駒サッカーチーム、2004』と北朝鮮の戦勝記念日に行われるマッスゲーム
に参加する二人の女子学生の練習過程と彼女の家族の日常生活を記録した『ある国、
2002』の2本である。)
さて、北朝鮮を題材とする最初の韓国映画とは?に関しては種々の説があるが、朴正
熙政権下の1960、70年代には‘反共映画’といって、休戦中の韓国社会を反映する一
つのジャンル映画としてたくさん作られた。この‘反共映画’のなかで北朝鮮は明ら
かに韓国と理念が違う、戦って勝たなければならない‘敵’として登場していた。
例えば、主題歌とともに1965年最高の興行成功作になった『南と北』は、韓国に戻っ
た妻を捜しに北から越南して来た北朝鮮の軍人と、すでに彼の妻と結婚している韓国
の軍人との葛藤を描いているメロドラマであるが、この映画でも依然と南と北のイデ
オロギーの壁を越えることが出来なかった。
この後、‘離散家族捜しがさかんに行われた1980年代を背景に, 離散家族の痛みを通
して南と北に分かれている韓国社会をヒューマニズム的に描いた『ギルソツム、
1985』など、以前の反共映画とは異なる立場で北朝鮮を理解しようとする映画が作ら
れたりもした。そして、イデオロギーを超えて、新しい視点で北朝鮮を描き始めたの
は1999年の『シュリ』であった。続いて『JSA』、『スパイ リチョルチン』など、
北朝鮮を素材にする映画が続々と作られたが、映画の中で描かれている北朝鮮人は、
今までの残忍で冷たい人間ではなく暖かい心をもつ人間味あふれる面白い人になって
いる。
このように、同じ人間として描かれた北朝鮮人は最近の『天軍』と『Welcome to
Dongmakkol』では敵ではなく一つのチームにまでなっている。しかし、ここで注目す
べき点は、映画の中で北朝鮮を変わって新しい‘敵’としてアメリカが登場している
ことである。現在の南北連合軍が過去の朝鮮時代に戻って、そのとき朝鮮の名将軍リ
スンシンを助けて、夷である女真族を退けると言う話である『天軍』で、実際の敵は
北朝鮮も女真族もなくアメリカである。南北が共同で開発した核爆弾である飛檄震天
雷がアメリカに渡されるのに抵抗して過去の戻るという映画前半の設定は、最近敏感
になっている北の核保有に関して韓国の立場を示していると思う。
『Welcome to Dongmakkol』でも、敵は北朝鮮からアメリカ人に変わっている。文明
から離れて昔のままの伝統的な生活をしている山奥の小さな町ドンマコル。1950年朝
鮮戦争の中で、この静かな町に米軍、韓国軍、北朝鮮軍が愚全に集まる。ドンマコル
で彼たちは理念を越えて友たちになる。しかし、失踪した米軍同僚を捜索するため町
を砲撃する米軍に対して南北軍は一つになって戦う。このように、映画はイデオロ
ギーゼロの場所としてドンマコルを設定し、そこで、南北軍が和解して一つのチーム
になっているが結局は米軍のため犠牲になってしまうと描いている。
…このように韓国映画の中で北朝鮮のイメージは時代によって変わっているのがわか
る。私は最近韓国映画の中の北朝鮮のイメージの変化を見ながら映画と社会の相互反
映すると言うことを実感した。最近、日本では「韓流」現象が起きている。日韓の社
会が、映画と文化の交流を通してお互いもっと理解できるようになってほしい。
■チョン・スワン((鄭秀婉)
ソウルの東国大学・大学院映画学科で“日本の小市民映画研究”という論文で博士号
を取得。2001年から早稲田大学大学院文学研究科で“日本と韓国の小市民映画の比較
研究”で博士論文。2002年9月に韓国に帰国し、現在、チョンジュ(全州)国際映画
祭のプログラマー。
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┃03┃□列島通信 ≪名古屋発≫
┃ ┃■「吉田喜重ドキュメンタリー特集」に向けて
┃ ┃■ 越後谷 卓司
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●劇映画とドキュメンタリーに連続する一貫性
7月2日から10日まで、テーマ上映会「アジアの実験映像Part2」を開催した。上映会
のタイトルに「Part2」とあるのは、1995年に愛知芸術文化センターが、「日韓音楽
祭」や「環流−日韓現代美術展」など、日本と韓国の芸術を多角的に紹介し、文化的
な交流を促した、複合型の企画の一環として、韓国や日本を始めアジア地域の実験的
な映像作品を上映した「アジアの実験映像」を開催しているからで、この上映会はそ
れを引き継いでいることに因る。今回も同センターにある、愛知県美術館で企画展
「アジアの潜在力 海と島が育んだ美術」が、同時期に開催されていることを踏まえ
て行う、センターの複合機能の発揮を考慮した企画だった。
現在、映像分野では、11月29日から12月11日まで開催する、「第10回アートフィル
ム・フェスティバル」のメインとなるプログラム、吉田喜重監督のドキュメンタリー
作品特集の準備に入っている。吉田監督のドキュメンタリーについては、以前、愛知
県が企画した『愛知の民俗芸能−聖なる祭り 芸能する心−』(1992年)と『同−都市
の祭り 芸能する歓び−』(1993年)の二部作が完成した1993年に、特集上映会「吉田
喜重 ドキュメンタリー映像の世界」を開催している。「アジアの実験映像」が10年
ぶりならば、当センターでの吉田監督特集は、実に12年ぶりのものとなる。
95年の「アジアの実験映像」で、プログラムのメインとなったのは、韓国出身でビデ
オ・アートの先駆者である、ナム・ジュン・パイクの作品だった。今年開催した「同
Part2」では、95年でも上映した、アジアにおいて、日記映画的手法のドキュメンタ
リーを手掛けた先駆者的存在である、フィリピンのキドラット・タヒミックを、プロ
グラムの起点とし、90年代以降に登場した様々な作家を紹介した。タイのアピチャッ
ポン・ウィーラセタクンなど、明らかに実験映画出身の作家もいるが、シンガポール
の陳凱欣(タン・カイシン)や、韓国出身のキム・ジナ、あるいはカンボジア出身の
リティー・パニュなど、どちらかといえばドキュメンタリーの文脈にある作家の方が
人数的には多くなり、この10年間における状況の変化といったものが、おのずとにじ
み出てきたことが興味深かった。
93年の「吉田喜重 ドキュメンタリー映像の世界」で思い出すのは、会期中に吉田監
督を招き講演会を行ったのだが、講演の終盤に入って思いがけず、小津安二郎との思
い出を語られたことだった。小津監督とは、吉田監督が松竹に所属していた当時、映
画監督のあり方を巡って激しく対立し、新年会の席上で互いに無言のまま酒を酌み交
わすという、異常な事態が起こったことが伝説的に語られており、映画ファンの間で、
当事者以外に触れてはならないことであるといった認識があった。そのことに、講演
の場で吉田監督が自ら言及するというのは、観客にとって大変な驚きだったと思う。
その後吉田監督は、94年にNHKのTVドキュメンタリーとして『吉田喜重が語る 小津
さんの映画』を発表、続く98年には、この番組で提示した小津映画における“反復と
ズレ”という観点を、さらに論考として深めた著書『小津安二郎の反映画』を上梓す
る、という展開を見せた。
『幕末に生きる−中岡晋太郎』(1987年)や『吉田喜重が語る 小津さんの映画』で特
徴的に用いられた、写真を引用する独特な手法が、劇映画の最新作である『鏡の女た
ち』(2003年)にも変奏されて流れ込んでいるのは明らかだろう。吉田喜重の作品世界
は、劇映画だけに目を向けた時、大きなブランクの時期があるのだが、ドキュメンタ
リーにも注目した時、実はジャンルを横断しながら、連続した一貫性を示しているの
ではないか。10月1日から14日まで、名古屋シネマテークで、先行して劇映画の代表
作を特集した「吉田喜重 変貌の倫理」も開催される。この特集とも併せて、そうし
た軌跡に触れる機会になればと思っている。
■ 越後谷 卓司(えちごや・たかし)
愛知県文化情報センター主任学芸員。 今年は、現在開催中の「愛・地球博」(愛知
万博)に併せ、8月のお盆前後に公演事業を開催したため、「アジアの実験映像」終
了後も慌しかった。9月10日・11日に当センター、大ホールで行うダンスオペラ『UZM
E(ウズメ)』は、ヴィジュアリストの手塚眞氏が演出を担当されるので、映像分野に
興味のある方にもぜひご覧いただきたい。
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┃04┃□neoneo坐通信(24) 9月前半のプログラム
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neoneo坐の9月前半の上映をお知らせします。
会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1分、
JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。
詳細と地図は下記のneoneo坐サイトをご覧下さい。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/kato_takanobu/neoneoza/index.html
■「知られざる短篇映画を見てみる」上映会(短編調査団)
毎月第2・第4水曜/20:00〜21:40 終映予定
16mm上映 鑑賞無料・上映カンパ歓迎
(14) 翼の巻…2005年9月14日(水) 20:00〜
『日本の翼』(1965/30分/カラー/製作:東京パブリシティセンター/企画:日本
航空/プロデューサー:藤井知至/
演出・脚本:武田敦/撮影:佐藤正・佐藤昌道/監修:亀井文夫)
世界に飛翔する日本の翼、日航の現状と将来を描きながら航空知識の普及と事業の発
展過程とを写し出す。
『とぶ 飛ぶと跳ぶの関係』(1985/20分/カラー/製作:岩波映画製作所/企画:
科学技術庁/
プロデューサー:片野満/演出:益田仁/脚本:牧衷/撮影:中谷英雄)
モンキーハンターの問題から人工衛星、飛行機、ロケット、更に体の大きさと飛び方
の関係、秩父の竜勢祭へと展開し、根本原理から眺めると思いもかけぬ現象の間の関
連が見えてくるという科学の目の面白さを伝える。
『のり平アメリカ紀行』(1965/40分/カラー/製作:日本ドキュメントフイルム/
企画:日本航空/
プロデューサー:鶴岡正夫/演出:小島義史/脚本:亀井文夫/撮影:関口敏雄)
言葉の弊害なしにアメリカ合衆国を旅行できるJALパックの実際的紹介。三木のり平
が案内してアメリカの各地をみて廻る。
【料金】鑑賞無料! カンパ歓迎!
【お問合せ】清水 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp
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┃05┃□広場
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■投稿屋台『クチコミ来来軒!』(18)
■屋台引き:清水浩之(短篇調査団 http://d.hatena.ne.jp/tancho/ )
ここはメルマガ上に出店した「投稿屋台」です。皆様の投稿をお待ちしております。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアドレ
スor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィールや
近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839
■新・クチコミ200字評!(17)
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビなど
皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オススメし
ない映画とその理由!」もOKです。
B-109『オレを覚えていてほしい〜ガン漂流・作家と読者の850日〜』
2005年/NHK/ディレクター:西島昌子/語り:松浦亜弥
放映:2005年7月23日・NHK教育テレビ「ETV特集」
http://www.nhk.or.jp/etv21c/
召集令状が来るとこんな気持ちなのかな…。31歳で発癌したライター・奥山貴宏さん
の闘病日記と、彼の著書やブログを同時進行で見守った読者との交流の記録。「余命
二年=スター・ウォーズの新作に間に合わないこと」と語る奥山さんは、プロの物書
きとして「病気を売り物にした」非凡な死を目指しますが、その気負った姿勢が日を
追うごとに和らぎ、最後には「死にたくないな」と呟く平凡な素直さが、忘れがたい
印象を遺しました。(清水 浩之)
B-110『日本鬼子 リーベンクイズ 日中15年戦争・元皇軍兵士の告白』
2001年/「日本鬼子」製作委員会/監督:松井稔
見た場所:イメージフォーラムシネマテーク
戦争の相手は同じ人間ではなく「敵」なのだから、とにかく一人でも多く「敵」とし
て殺してしまえ!という理屈に辿り着くようです。村に火を点け、燻り出されてきた
者を機関銃で待ち伏せて皆殺し…「そりゃあひどい、けど面白いです」という呟きは
まさに「ゲーム感覚での人殺し」。でも最大の驚きはラスト、戦後10年の間に贖罪し
た彼ら証言者と安保体制に組み込まれた日本人全体との決定的な対立が『猿の惑星』
級の衝撃でした!(清水 浩之)
■『シリーズ憲法 第9条・戦争放棄〜忘却』クロスレビュー(3)
5月3日(火)深夜に放送されたフジテレビ「NONFIX」のシリーズ憲法『第9条・戦争放
棄〜忘却』(ディレクター:是枝裕和氏)の感想を募集します!今回はお一人様400字
以内を目安にお願いします。当日の放送を見逃した方や関東地方以外の方にもご参加
いただきたいので、録画したビデオテープを「お貸しする」用意もしております。
<録画した番組を売ったり配ったりする>のは犯罪だそうですので、郵便切手550円
分(送料+テープ実費)をお送りいただいた方に、あくまでも参考資料として「お貸し
する」企みです。ご希望の方は清水までメールにてご一報ください。
■『第9条・戦争放棄〜忘却』(是枝裕和)を観て
■脇阪 亮(大阪/行政書士、ファイナンシャル・プランナー)
是枝ディレクター自身と是枝ディレクターの父親の個人史から、憲法9条とその背後
にある戦争に対する加害責任を問おうとするドキュメンタリー。
このドキュメンタリーは、是枝ディレクター自身がナレーションを勤めている。ナ
レーションを語るその言葉はやや早口だ。是枝ディレクターは、やや早口で、倦むこ
となく全編、自らの考察と引用された様々な言葉を語り続ける。この映画のナレーシ
ョンでは、多くの政治家、文学者、映画作家の言葉が引用され続ける。観ながら(聴
きながら)、ジャン=リュック・ゴダール監督を思い出した。さらに、その言葉の多
くが実際に文字として画面上に浮かび上がるのだから、ますますゴダール監督を思わ
せる。ナレーションと字幕という形で言葉が延々と続くので、セルフ・ドキュメンタ
リーというよりも、むしろビデオで「書かれた」エッセイ、とでもいうべきか。ただ、
ナレーション過剰だという感じはしない。それは、いわゆる客観性を装った「説明
的」なナレーションでないからだ。むしろ、このドキュメンタリーのナレーションに
は、是枝ディレクターの逡巡が直裁に示されている。この逡巡が視聴者への問いかけ
として機能しているのは評価したい。
撮影も是枝ディレクター自身が勤めており、おそらく是枝ディレクター自身の劇映画
『誰も知らない』の上映に関わる旅の際に撮影された映像が多いと推測される。その
意味でもこのドキュメンタリーは個人映画の色合が濃い。是枝ディレクター自身が撮
影した映像の多くは人間ではなく、風景である。人間が画面に映りこんでいても焦点
が当たっているわけではなく、風景となっている。その意味で、語り続ける1人の男
の姿を延々と映し出したドキュメンタリー『フォッグ・オブ・ウォー』(エロール・
モリス監督)とは、対極の映画作りだ。おそらく、このドキュメンタリーで関心があ
るのは、他者ではなく是枝ディレクター自身なのだろう。
引用が多いこともあり、冒頭では、歴史を啓蒙するドキュメンタリーなのか?と思っ
てしまったが、途中から、強力に是枝ディレクターの世界に引き込まれた。是枝ディ
レクターの個人的な考察や感慨を含んだやや早口のナレーションが、風景のショット
と相乗効果を上げている。撮影や編集、ナレーション用台本作成が優れているのだろ
う。人間に焦点をあてない風景のショットが、かえって視聴者の様々な思いれを誘発
する。このようなショットの使い方が実にうまい、と思った。特に、荒廃したユダヤ
人地区の墓地のシーンは印象深く、ドイツ人(オーストリアのウィーンでの映像だか
らオーストリア人と呼ぶべきなのか?オーストリアは、ドイツ語が公用語、宗教では
ローマ・カソリックが多い)によってユダヤ人に振われた暴力に「忘却」という暴力
が含まれていたことを感じさせられた。このシーンも撮影された映像だけの力ではな
く、是枝ディレクターの練り上げられた言葉のナレーションが付くことによって効果
を発揮している。
最後の台湾への旅は、是枝ディレクターの父親への鎮魂と旅となる。鎮魂や記憶、そ
してその反対としての忘却について考察するための旅を続けてきた旅が、最後には、
是枝ディレクター自らの父の鎮魂と記憶が問題となる。かつて台湾神社だった、グラ
ンドホテルの裏山で是枝ディレクターは、暴力と無縁の「忘却」を見出す。
この映画を観ていて気になったこと。「もはや戦後ではない」という言葉が経済白書
に書き込まれたのは1956年のことであり、自衛隊が発足し、『二十四の瞳』が封切ら
れた1954年ではない。おそらく、このドキュメンタリー制作作業のほとんどを是枝デ
ィレクター一人でしたために、チェックが行き届かなかったのか?これは確かにケア
レスミスなのだが、単なるケアレスミスにはとどまらない気もする。是枝ディレク
ターが引用する知識人(文学者や学者)の言葉は、ある時代以降からの言葉が多い
(藤原帰一氏、池澤夏樹氏、橋本治氏、大塚英志氏など)。小説家としてのキャリア
が長い石原慎太郎知事の言葉も比較的最近の書物からの引用だ。9条と9条のネガと
しての安保条約と自衛隊について知識人たちに熱く語られた、自衛隊発足(1954年)
から60年安保前後の知識人(例えば当時活躍した「戦後派」の文学者や「進歩的文化
人」)の言葉が、このドキュメンタリーからは、すっかり「忘却」されている。是枝
ディレクターの個人映画というこのドキュメンタリーの方法論上、仕方がないが。
このドキュメンタリーで引用されている知識人の言葉は、是枝ディレクターが憲法
9条や戦後史を考える上で、実際に参考にしている言葉だろうから。
参考文献
上野昂志『戦後再考』、朝日新聞社、1995年
歴史学研究会編『日本史年表増補版』、岩波書店、1993年
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(2)「EARTH VISION in 新宿御苑」
毎月開催する定期上映イベントの企画、広報、運営など。
【応募書類】
・履歴書(ボランティア等の経験があれば、それも履歴に記入すること)
・志望動機(400字程度)
【応募締切】
2005年9月15日(木)(消印有効)
【審査】
書類審査と面接の上、採用者を決定します。
【問い合わせ・応募先】
アース・ビジョン組織委員会事務局 宇津(うづ)
〒160-0022東京都新宿区新宿2-2-4第10御苑宮庭マンション9D
TEL : 03-5362-0525 festival@earth-vision.jp
http://www.earth-vision.jp
※ただし、9月8日(木)〜15日(木)の期間の連絡は
(財)地球・人間環境フォーラム 桜井(TEL:03-3592-9735)へ。
■「ドキュメンタリーどんどん」欄の新設のお知らせ
■伏屋 博雄(本誌編集長)
本誌では、監督自らが自作を語るコーナーとして「自作を解剖する」欄を設けていま
したが、「ドキュメンタリーどんどん」欄として拡大し、読者にも積極的に参加して
いただくことになりました。監督が自作を語ることははもちろん、読者からも作品批
評を加えて、百家争鳴的コーナーにしたいと思います。どうぞ積極的に投稿ください
ますよう、お願いします。文字数は2000字程度。厳密な規定はございません。
作品の概容(製作年度、時間、ビデオ等、主なスタッフ)、氏名、お仕事を明記し、
visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛に投稿ください。
■上映の告知の有料化とカンパのお願い
■伏屋 博雄(本誌編集長)
neoneoは2003年11月1日の創刊以来、月2回(1日と15日)、購読料無料で配信してま
いりましたが、配信を継続する経費、その大部分は稿料ですが、ここに到って、皆様
の力をお借りしたく、下記の二点につきご協力をお願いする次第です。
(1)上映の告知の有料化―1200字(40字×30行)以内につき、2,000円を頂きます。
但し、それ以上の字数の場合は加算します。
(2)カンパのお願い― 一口2,000円。何口でも。
上記の送金は下記の方法でお願いします。
郵便振込み:00160−8−666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782 (有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛にお知らせくだ
さい。)
以上、neoneoの継続と、今後一層の充実した内容を図るためにも、皆様のご協力を何
卒お願い致します。
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┃06┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●大久保賢一さんの連載は、海外の映画祭に頻繁に出かけ貪欲に吸収した蓄積をもと
に、映画祭の動向と変容を論じ、今回は日本のドキュメンタリーについて記載された。
そこには観客を育てようとする意志が働いており、そのことがひいては「力のあるド
キュメンタリー映画」を生み出すことになるという、確固たる理念がある。
文化庁のここ数年の動向も合わせて、今後の大久保さんの活躍を期待したい。
4回の連載、ありがとうございました。
●…とここまで書いたのだが、8月30日の晩に自転車で自宅近くの坂道を駆っている
途中、突風で傘があおられハンドルの手元が狂って、地面にたたきつけられた。一瞬
あばら骨が折れたかと思ったが、幸いここは何事も無かったことが判明、頭も無傷だ
った。が、暫らくして体の節々が痛み、手首やら足などがヒリヒリする。体が痛くて
思うように動かない。‥という訳で、今回はこれ以上書けません。
次回は元気にお目見えします。
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■発行:ビジュアルトラックス visualtrax@jcom.home.ne.jp
■責任編集 伏屋博雄
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