ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo |
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 31-2号 2005.3.1
∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
†01 日本のドキュメンタリー映画のかたち
ドキュメンタリーの新しい夜明け (3) 阿部 嘉昭
†02 自作を解剖する
『ぼくらのハムレットができるまで』 山本 良子
†03 ワールドワイドNOW ≪ニューヨーク発≫
サンダンス映画祭の旅(2) 一難去ってまた一難 東谷 麗奈
†04 ドキュメンタリー時評
日本映画、その現状−2004年 藤原 敏史
†05 neoneo坐通信(16) 3月前半のプログラム
3月4日、11日、12日「山ドキ! 東京予備校」
―山形映画祭・アジア千波万波を中心に5作品上映
3月9日「短編調査団」(子供の巻、『ぼくのいる街』など4作品)
3月23日「短編調査団」(数学の巻、『数学』など5作品)
※31-1号より
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†06 広場
投稿屋台『クチコミ来来軒!』(7)
新・クチコミ200字評!(6)
『箏の物語』『辺野古の闘いの記録『不安な質問』 清水 浩之
私のオススメ三品!(その3)
『エイズ〜間違いだらけのSEX知識〜』
『ファミリー・ポートレイト』 村上 賢司
投稿:「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」レビューリレー(6)
岩山に鉄塔が出来たそうです。 金森 誠
その中にいるかのように 荒井 陽子
†07 編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
melma!配信 http://www.melma.com/mag/39/m00098339/
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┃06┃□広場
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■投稿屋台『クチコミ来来軒!』(7)
■屋台引き:清水浩之(ゆふいん文化・記録映画祭)
ここはメルマガ上に出店した「投稿屋台」です。皆様の投稿をお待ちしております。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアドレ
スor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィールや近
況も)を付記してお送りください。
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839
■新・クチコミ200字評!(6)
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビなど
皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オススメし
ない映画とその理由!」もOKです。
B-079『箏(こと)の物語』
2004年/池田プロ/監督:池田達郎/監修:小島美子(国立歴史民俗博物館)
DVD・VHS発売元:邦楽ジャーナル http://www.hogaku.com/
雅楽から現代音楽まで、日本の箏の歴史を「演奏そのもの」で語る明解な76分。箏曲
界各流派が垣根を超えて結集し、当代きっての顔ぶれが演奏する12曲を巧みに配置し
た構成・編集の歯切れが良く、とっても気持ち良く見られます。演奏人口30万人に向
けて制作された「専門書」的な作品ですが、『越天楽』と『春の海』くらいしか思い
浮かばない門外漢な私でも、三十絃(デカい!)の重低音と、26人合奏のド迫力には
惹き付けられました。
(清水浩之/東京/「琴」と「箏」は別種の楽器だそうです。知らなかった…)
B-080『辺野古の闘いの記録 その1〜その5』
2004年/Jユニオン/撮影・編集:大島和典
ビデオ発売元:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック http://www.jca.apc.org/HHK/
昨年4月以来300日以上の座り込みが続く名護市辺野古の海上基地建設阻止闘争を、参
加者の視点で報告し続けるシリーズ。全国に闘争支援を呼びかける映像資料として重
要な役割を果たしていますが、このタイプの作品が陥りがちな「集会の羅列」にはな
らず、日々の天候から「団結弁当」のメニュー、座り込みテントへの来訪者など、闘
争ライフのビデオ日記として楽しめるのが最大の特徴。見た人は確実に現地に行って
みたくなりますよ。
(清水浩之/東京/37歳/シリーズを見続けると"顔馴染"もできます)
B-081『不安な質問』
1979年/たまごの会映画製作委員会/監督:松川八洲雄
3月19日(土)16時よりフィルムセンター「フィルムは記録する2005」にて上映!
インディーズの農場運営に挑む都市生活者集団「たまごの会」を、会員でもある松川
監督が私物のカメラで記録した作品。受け身の消費者のままなら、豚の出産から屠殺
まで付き合う必要もない筈だし、彼らは無駄な苦労をする「おめでたい」集団にも見
えますが、そんな「おめでたい」作業で得るのは決して食べ物だけではない!という
発見を、ナレーションによる理論誘導をせず、必然として撮れた素材だけで語りきる
構成が実に見事です。
(清水浩之/東京/37歳/松川監督は新作準備中とのこと…すごく楽しみです!)
■私のオススメ三品!(その3)
ゲスト選者をお招きして、ひとつのテーマにちなんだオススメの三作品をご紹介して
いただくコーナーです。ゲスト選者募集中!
『あるいはこれも?ドキュメンタリー』
選者:村上賢司(映画監督)
1.『エイズ〜間違いだらけのSEX知識〜』
1987年/にっかつ/監督:廣木隆一/監修:増田豊(医学博士)
出演:前川麻子、千田浩
近所のセルビデオ店で100円で購入。『ヴァイブレータ』の廣木監督が演出した啓蒙
ビデオ。婚約中の男女がニャンニャンしながら、エイズについての素朴な疑問を制作
当時、エッチな情報番組によく出演していた増田先生にぶつける構成。意外と真面目
な先生の解答は今でも活用できるかもしれないが、作品全体を包む80年代的な空気感
は、お尻がムズムズするほど恥ずかしいです。とにかくキッスでは感染しないので御
安心ください!
(村上賢司/埼玉/34歳/当時、高校生。エイズ検査はまったく必要なしだった…)
2.『ファミリー・ポートレイト』
1988年/アメリカ/監督:ブラッド・シェラディー
3.『ショッキング・トゥルース』
2000年/イギリス/監督:デヴィッド・グレゴリ−
DVD『悪魔のいけにえドキュメンタリーパック』に収録
http://suleputer.capcom.co.jp/suleputer/special_site/texas/index.html
2作とも『悪魔のいけにえ』(監督・トビー・フーパー)のドキュメンタリー作品。
『ファミリー〜』は本編で殺人鬼一家を演じていた4人の役者のインタビューがメイ
ン。真夏の撮影だったため、美術の剥製や動物の骨などが腐り大変だったそうです。
特に臭かったのがレザーフェイスの衣装で、血ノリやよごれの位置を厳守するため、
撮影中、一度も洗濯しなかったとか。映画史に残る作品に出演したわりには役者達の
受け答えもなんだか覇気がないのが不思議でした。それで、その答えは『ショッキン
グ〜』にありました。『悪魔のいけにえ』は世界中で大ヒットしたが、過激な作品だ
ったため、当初、公開に漕ぎ着けるまでは大変でした。やっと契約できた映画会社は
マフィアが牛耳っていて、結局、ピンハネされまくりでギャラがほとんど支払われな
かったそうです。そのためインタビューでは金の恨み言が多くてなんだか、詐欺被害
の報道番組のみたいでした。続編の苦労話も満載で、気が滅入ってきてしまいました
が、DVDの特典映像にありがちな作品礼讃メイキングよりは映画制作の実状がキチン
と記録されていて、本編のファンにはたまらない作品だと思います。ちなみに、初代
レザーフェイスを演じたガンナー・ハンセンは現在、産業映画の製作者だそうです。
清水さん興味おありですか?
(村上賢司/『スペース・バンパイア』好きの巨乳好き/34歳/今回、紹介したDVD
には私のインタビューも収録されています。興味のある方はぜひ!)
■村上 賢司(むらかみ・けんじ)
『川口で生きろよ!』がついに3月11日(金)・12日(土) アテネ・フランセ文化セン
ターで上映さます。実は東京初公開!詳しくは私のブログ
( http://d.hatena.ne.jp/MURAKEN/ )かイメージリングス
( http://www.imagerings.jp )まで。あと3月25日に『怪奇大家族』
( http://www.tv-tokyo.co.jp/kaiki/ )のDVDが発売されます。
一家に一ボックス!よろしくお願いしま〜す。
レザーフェイスが作る産業映画って…『ドキュメンタリーパック』というネーミング
とともに、なんだか憂鬱になりました(笑)。ではまた次号!
◇────────────────────────◆◇◆
■投稿:「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」レビューリレー(6-1)
■その中にいるかのように―『三里塚・第二砦の人々』を見て
■荒井 陽子(大学生)
小川町の駅を出てコンビニの裏の道に入り、自動販売機がたくさん並んだ道を右に曲
がると、スペースneoは見えてくる。友人に誘われneoneo坐の企画する上映会に足を
運ぶようになってからまだ日が浅く、少しの緊張感と不安さえ抱きながらスペース
neoに足を踏み入れた。なにせ「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事 (第四弾)」の
上映会が行われた1月29日、この日で私のneoneo体験は2度目だったのである。
この日のプログラムは、『三里塚・第二砦の人々』と『三里塚・岩山に鉄塔が出来
た』の2本立てだった。私は大学で多少とも映像というものを学んではいるが、その
知識、映画体験ともに貧しいものであるために、正直「小川紳介は、成田空港建設に
関するドキュメンタリー映画を撮っていた監督である」という文字上の知識だけでし
かなかった。自分がこの作品を消化できるのか、という気持ちが先に書いたような緊
張と不安とあいまって、異常な興奮をしているという状況の中で『三里塚・第二砦の
人々』は始まった…。
息苦しい!!
この作品を通して私はそう感じていた。それは次の作品に移ると同時に、消えうせて
いた。なぜだろう。そう考えても、すぐには自分で答えを見つけることはできなかっ
た。ただはっきり分かるのは、「これはさっき感じていた緊張や不安などとはまった
く違う。興奮しているんだ!」ということだけだった。.
ただ私は家に帰る途中も、アグレッシブとも思えるカメラの動きが印象的で忘れられ
なかった。全体を映すには、空から地上を見るように、少し離れたところでカメラを
回すというのが普通考えそうなことである。しかし、この作品に関しては問題のまさ
に「中」からというのが伝わってくる。扱っている問題は深刻であり大きすぎるほど
であるが、小川はその問題自体ではなく「人」というものに興味があったのではない
だろうか。人々の自分たちの生活の場を守ろうとする必死な姿、砦を守るために案を
練りだす姿。その一つ一つが、生きる証だと言わんばかりに。人々の怒号や叫びが耳
から、そして酔ってしまいそうなほどに激しく動くカメラ。それは真正面から人々を
とらえている。人々の必死な姿に、あたかも自分がその中にいるかのような錯覚さえ
覚え、こうも観客をひきつけるのではないだろうか。.
しかし「内から」という印象が強いこの作品だが、それだけではドキュメンタリー映
画として成立しないのではないだろうか。そんなことも考えた。小川は人々と親しく
なり談笑を交わすまでになり、住民たちとの距離は近いはずである。あの薄い「カメ
ラレンズ」が、この作品を「ドキュメンタリー映画」として成立させる大きな要因で
あると思う。とても安易かもしれないが、あの数センチのレンズによって、世界を隔
てることができ、小川はそれを効果的に利用する術を心得ていたのではないだろうか。
カメラが人々に近すぎるだけでは、おそらくこんなにも印象深い作品にはならなかっ
ただろう。
私は、小川の「眼(め)」は主観性と客観性を同時に持ち合わせているのではないだ
ろうか。そのために、私はこんなにも興奮し、息苦しかったのだろう。私は、この作
品をみてそう感じたのだった。
貴重な映画体験をすることができるneoneo坐。これからも、あのたくさん並んだ自動
販売機を何度も見ることになるだろうと、私は思うのである。
◇────────────────────────◆◇◆
■投稿:「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」レビューリレー(6-2)
■岩山に鉄塔が出来たそうです。
■金森 誠(大学生)
『青年の海』『現認報告書『三里塚の夏』『三里塚の冬』『第二砦の人々』、そして
『岩山に鉄塔が出来た』と見ていく中で、この作品は明らかに異質の作品である気が
した。まず『第二砦の人々』からの流れとして、ずっと落ち着いた画になっている。
それ以前の『現認報告書』では見ていて疲れるほどの極端なクロースアップがあり、
『三里塚の夏』や『三里塚の冬』では農民も機動隊も執拗にクロースアップでとらえ
られていることに、違和感を覚えざるを得なかった。
つまり以前の作品では、カメラが一人歩きしていくような印象を受けたのである。し
かし『第二砦の人々』からは、カメラではなく小川紳介の視点で対象を素直にとらえ
ているということに強い共感を覚えた。撮影が田村正毅に変わったということ以上に、
小川プロ自体が少しずつ変化していったことでそういった結果になったのではないだ
ろうか。今後見られる後期の作品が楽しみである。.
作品の印象としては異質であるが、小川紳介が確かにそこにいた、ということはひし
ひしと伝わってきた。暗い壕の中で交わされるろうそくを灯した人たちの会話。若い
青年が会議室で泣き喚く姿や鉄塔の前で子供がじゃれているにもかかわらず語り続け
る人を長回しで撮影したショット。一見すると必要ないように思えるそれらのシーン
の一つ一つから、カメラを通して対象と接している小川紳介を始めとした制作スタッ
フと三里塚の人々の存在が感じられた。それよりもなによりも、鉄塔が組み上げられ
ていくことに感動した。法隆寺の五重塔もこのように作られたのだろうと思わせるよ
うな、ほとんど人力で60mほどもある高さの鉄塔を作ってしまったという事実は、感
動を通り越して可笑しい。
そもそも「飛行機が進入できないように障害物を立てよう!」というなんとも原始的
で安易な発想を聞いて(彼らは必死なのだろうが)笑ってしまったのは僕だけなのだ
ろうか。鉄塔を組み上げていくシーンでは、足を滑らせたらどうなるだろうと見てい
る方をハラハラさせておきながら、やっと完成したときにはなかなか鉄塔全体の様子
を見せてくれないもどかしさ、小川紳介はなんていやらしい人なのだろう。もうそれ
だけで素晴らしい。
◇────────────────────────◆◇◆
■上映
●京都 ドキュメンタリー・フィルム・ライブラリー 3月の上映会
http://dofil87.hp.infoseek.co.jp/index.html
山形国際ドキュメンタリー映画祭2003セレクション
『ビッグ・ドリアン』(マレーシア/2003/マレー語、英語、広東語、福建語/カラー、
モノクロ/ビデオ/75分)監督:アミール・ムハマド
作品情報:http://www.city.yamagata.yamagata.jp/yidff/2003/cat037/03c061.html
山形国際ドキュメンタリー映画祭2003アジア千波万波 特別賞受賞
「この国では真実はいつも謎のままだ!」監督が、マレーシア版『ランボー』事件を
手がかりに、自国の現代史を切り裂く!!
3月12日(土) 14:00 /18:00上映
料金:一般 1,000円、ドフィル会員 700円
会場:「ひと・まち交流館 京都」第1・2会議室(河原町五条下る東側)
(京阪「五条」駅下車徒歩8分 地下鉄烏丸線「五条」駅下車徒歩10分
JR京都駅から市バス17、205号系統「河原町正面」下車 約5分)
TEL:075-354-8711 FAX:075-354-8712
地図: http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html
主催・問い合わせ:ドキュメンタリー・フィルム・ライブラリー
TEL&FAX:075-344-2371 E-mail:dofil87@infoseek.jp
URI: http://dofil87.hp.infoseek.co.jp/
●毎月第一日曜よるは、日本映画専門チャンネル“ドキュメンタリー傑作選”
CSスカパー!&スカパー!2と全国のケーブルTVでお楽しみいただける日本映画専門
チャンネルでは、岩波映画の映像作家からCCDビデオカメラ世代の新映像作家まで、
時代と人間の真実を描いた秀作を特集し、ドキュメンタリーの魅力を検証します。
<3月放送作品>
3月12日(土)よる9時(再放送あり)
『クラッシュ』(2003年・カラー) CS初(監督:奥山和由 美術:太田哲也)
詳細は公式サイトからどうぞ! http://www.nihon-eiga.com/documentary
●「ドキュメンタリー映画の世界2005」(京都造形芸術大学)
イスラエル / パレスチナのボーダーを越えて
イスラエル軍の侵攻によって、ますます厳しい占領下の圧政が続く、ガザ地区。パレ
スチナ自治区のジェニンでの大虐殺。50年を越えたパレスチナ難民キャンプの日々の
暮らし。そうしたパレスチナ側の難民の実態とともに、イスラエルの矛盾に満ちた重
層的社会を鋭くえぐり出す作品を対置させた。
イスラエルとアラブ諸国との国境をめぐる様々なドラマ。ユダヤ教の厳しい戒律の葛
藤と痛み。イスラエル社会を切り裂く戦争の記憶。アラブ人労働者や新たなユダヤ人
移民との厳しい対立。イスラエルの若手監督の短編やオムニバス映画を始め、すでに
巨匠の風格をもつアモス・ギタイやアヴィ・モグラビなど様々な作家のドキュメンタ
リーを並べた。
また、イスラム教、キリスト教の微妙なバランスの上に成り立つレバノンの長い内戦
後の状況。女性の権利意識の芽生えが見えるイラン社会の現状。アルジェリアのユダ
ヤ人コミュニティの出自を問うジャック・デリダの旅の軌跡。そうした中東世界のめ
くるめき多様性を一望できるようなドキュメンタリー作品もある。.
ここには、シャロン政権が世界中の批判を浴びながらも強行している分離壁のような
「目に見える壁」の他に、目に見えない無数のボーダーが様々な亀裂を生み出してい
る。そのボーダーを越える可能性は、その壁の双方の現状と実情をつぶさに見つづけ
たドキュメンタリーを見るのがその第一歩になりはしないか。今回、イスラエル /
パレスチナの双方の視点を敢えて並立させた意図はそこにある。(佐藤真)
3月25日(金)
13:00〜14:22
『モーゼからの権利証書』(30分・ビデオ)『ニュースタイム』(52分・ビデオ)
14:40〜15:57『ハッピー・バースデー、Mr.モグラビ』(77分・16mm)
16:15〜17:18『純粋なるもの』(63分・ビデオ)
17:35〜19:18『モーメンツ:イスラエル2002』(60分・ビデオ)
『アラブの人々から見た自衛隊イラク派兵』(43分・ビデオ)
19:35〜20:55
◆対談 臼杵陽×佐藤真 [パレスチナ/イスラエル問題の現在](80分)
3月26日(土)
10:00〜11:20『イラン式離婚狂想曲』(80分・16mm)
12:30〜14:14『戦争の記憶』(104分・ビデオ)
14:30〜16:13『シャティーラキャンプの子供たち』(47分・ビデオ)
『ボーダーズ』(56分・ビデオ)
16:30〜17:28『オレンジ』(58分・ビデオ)
17:45〜19:15
◆対談 鵜飼哲×佐藤真 [<不在>と<境界>をめぐって](90分)
19:30〜20:38『「デリダ、異境から」(68分・ビデオ)
3月27日(日)
10:00〜11:24『二人の間で… ベイルート』(52分・ビデオ)
『彼女と彼 ヴァン・レオ』(32分・ビデオ)
11:40〜12:48『ソルダート』(18分・ビデオ)
『ストロンボリ・テイク2』(50分・ビデオ)
14:00〜15:11『赤軍ーPFLP 世界戦争宣言』(71分・16mm)
15:30〜17:00 ◆対談 足立正生×佐藤真 [パレスチナからの/への映画](90分)
17:15〜18:45『灰』(36分・ビデオ)『ジェニン ジェニン』(54分・ビデオ)
19:00〜20:14『ガザ回廊』(74分・ビデオ)
会場:京都造形芸術大学 映像ホール
料金:1回券当日1,000円 1回券当日割引800円
1日券当日2,000円 1日券当日割引1,500円 1日券ぴあ前売1,600円
3日券当日5,000円 3日券当日割引3,500円 3日券ぴあ前売4,000円
問合わせ:芸術文化情報センター
〒606-8271京都市左京区北白川瓜生山2-116 Tel:075-791-9122(代表)
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┃07┃■伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●『カレーライスの女たち』(監督:松江哲明)についての論考の冒頭に、阿部嘉昭
さんは自家製のカレーの作り方を開陳している。実に本格的なものだ。かくいう私も
ほぼ毎日夕飯を作るようになってかれこれ10年なるが、時々カレーも作る。私が作る
カレーは、和風・洋風・エスニック風と3種類だが、調理はいたって簡単。だが、味
はすこぶる美味いと密かに思っている。しかし、いちど阿部さんちのレシピに倣って、
挑戦してみようかな。
さて、いつもながら阿部さんの作品への読み込みが凄いと思った。こんなに映画に対
して全感覚を開放して微細にわたって検討されると、もう一度作品を見たくなってし
まうから不思議だ。そして、カレーを作るという行為を通して、「世界の多様性が証
され、しかもここからセルフドキュメンタリスト松江の日常余白すら暗喩されてしま
う」という断言に到っては、もう阿部さんのテイストにはまってしまっている自分を
発見する。あと2回、連載していただける予定である。
●東谷麗奈さんの「サンダンス映画祭の旅」は今回で2回目である。前回のレポート
もそうだったが、今回もサブタイトルの「一難去ってまた一難」が示すように、ハラ
ハラドキドキの連続で、いつしか私たちはそこに居合わせたかのような臨場感に襲わ
れる。
一般的にも映画祭などでは、とかく映画祭サイドと出品者の間に相互の誤解からさま
ざまな齟齬(そご)が出ることはよくあること。さらにここにもうひとつ階級的・階
層的軋みが入ると、ことは単純ではない。今回のように黒人の低所得層の子どもたち
の作品が招待され、ハレの舞台に彼らを引率する役目を担った東谷さんたちが遭遇し
た出来事の数々は、非和解的なこととして眼前に露呈されていく。
しかし長い討議を経て、ようやく相互の立場を理解し合えて解決されていったのだだ
った。が、しかし…次回はまたもや何かが起こる予感がしてきた。私たちは事態の行
方にますます目が離せなくなってきた。最終回をご期待ください。
●仏誌「カイエ・デュ・シネマ」に執筆した藤原敏史さんの「日本映画、その現状−
2004年」を日本語訳で掲載できることとなった。ここで藤原さんは全力を傾けて昨年
を総括している。異論・反論があるかもしれないが、明日の映画に希望を見出そうと
する真摯な姿が彷彿していて、読み応えがある。ご意見をお待ちしています。
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■発行:ビジュアルトラックス visualtrax@jcom.home.ne.jp
■責任編集 伏屋博雄
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