ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
☆━┓ ┏━┓ ┏━┓
┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
┗━┫e┣━┫n┣━┫o┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○
┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 29-2号 2005.2.1
∽∽∽∽∽∽ HEADLINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
†01 日本のドキュメンタリー映画のかたち
ドキュメンタリーの新しい夜明け (1) 阿部 嘉昭
†02 自作を解剖する
『アマゾンの読経』 岡村 淳
†03 ワールドワイドNOW ≪台北発≫
『生命(いのち)-希望の贈り物』現象で欠落したもの 吉井 孝史
†04 ドキュメンタリー時評
ゴダールの『Notre Musique(私たちの音楽)』 水原 文人
†05 neoneo坐通信(14)2月前半のプログラム
2月4日(金)〜2月19日(土)「山ドキ!東京予備校」
―山形映画祭・アジア千波万波を中心に上映
2月6日(日)『またの日の知華』公開記念
―「原一男と70年代」上映&トークショー
2月9日(水)「知られざる短篇映画を見てみる」上映会(2)
猫の巻『猫の散歩』他3本
2月12日(土)「オトコの青春」とは・・・
『コミット?』『anfang』『えてがみ』
※29-1号より
◇────────────────────────◆◇◆
†06 広場
アンケート「わが一押しのドキュメンタリー映画2004」追加発表
佐藤 真・水野 祥子
投稿屋台『クチコミ来来軒!』(5)
私のオススメ三品!(2) 浅川 志保
新・クチコミ200字評!(4) 清水 浩之
投稿:「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」レビューリレー(4)
『三里塚の夏』&『パルチザン前史』 佐藤 寛朗
†07 編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
melma!配信 http://www.melma.com/mag/39/m00098339/
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃06┃□広場
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「わが一押しのドキュメンタリー映画2004」アンケート追加発表
■佐藤 真(ドキュメンタリー映画作家)
(1)「わが一押しのドキュメンタリー映画2004」
『わたしの季節』(監督:小林茂、2004年)
私も編集スタッフとして関わったため、やや手前みそで恐縮ですが、障害者を扱った
映画としては新たな世界を切り開いた快作といえる。重度心身障害者の入所型施設
(第二びわこ学園)という古いタイプの閉鎖社会に3年間通い詰めた結果、それぞれの
個性豊かすぎる障害の有り様を大胆にも不思議ワールドとしてとらえて、その奥行き
を描ききった。
『チーズとうじ虫』(監督:加藤治代、2004年)
癌を宣告された母を5年に渡って看取った記録というプライベートな視点で始まりな
がら、母の死後何もカメラを廻せなくなった逡巡から宇宙的な魂の記録へと一気に昇
華した快作。必見の作品です。
(3)「私の2004年」
3月に12年振りに古巣の新潟に、カメラマンの小林茂らとともに戻って撮った『阿賀
の記憶』を完成。今年5月からポレポレ東中野で『阿賀に生きる』などの旧作ととも
に公開予定。4月にロンドン研修のエッセイを「まどろみのロンドン」(凱風社)とし
て上梓。その後小林茂監督の『わたしの季節』の編集スタッフとして8月の完成にむ
けて邁進。3月の初めての中東ロケハンの成果を『アラブの人々から見た自衛隊イラ
ク派兵』として6月にまとめる。8月からエドワード・サイードの記憶と痕跡を追う
『OUT OF PLACE』(仮題)のロケが本格的に始動し、シリア、レバノン、カイロ、イス
ラエル、ニューヨーク、などのゆかりの地を都合10週ほどロケで走り回る。2005年
1月に最後の中東ロケを敢行し、3月末には映画は完成の予定である。
■水野 祥子(映画史研究、UCLA映画・TV・デジタルメディア批評研究科博士課程)
(1)「わが一押しのドキュメンタリー」
厳密に言えばドキュメンタリーではなく、新作でなく過去に何度も見た作品ながら、
その新しさは少しも衰えていない、と昨年再確認したのがトッド・ヘインズの未公開
処女作、『スーパースター:カレン・カーペンター ・ストーリー』。 60年代を飾
ったカウンター・カルチャーが呈した混沌、戦闘的、反抗的イソスをすっかり洗い流
してしまう歌声とメロディーで、70年代のポップ・ミュージック・シーンを飾ったカ
ーペンターズのシンガー、カレンのスターダムへの道と、32歳で拒食症で亡くなるま
でを、8等身のバービー人形を使って脚色し再現したバイオピック。カーペンター家
の反対や曲の版権問題などで今だに配給することができない幻の映画といわれている
けれど、口コミで噂が広まり、現在なぜか海賊版コピーがあちらこちらに出回ってい
る事実もこの映画が生み出した面白い現象。生の映像やお金がなくても凄いドキュメ
ンタリーをつくることは可能なのだと教えてくれます。
(3)「私の2004年」
米国ではドキュメンタリーは多作、豊作の年と言われましたが、11月のブッシュ再選
以降いまひとつ配給側、観客の側にも勢いの衰えが感じられます。今年は、ドキュメ
ンタリーという既存の枠組みに挑む狡賢い作品、批評家、評論家が言い当てる言葉に
困るほどの作品を期待しています。
◇────────────────────────◆◇◆
■投稿屋台『クチコミ来来軒!』(5)
■屋台引き:清水浩之(ゆふいん文化・記録映画祭)
ここはメルマガ上に出店した「投稿屋台」です。皆様の投稿をお待ちしております。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアドレ
スor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィールや近
況も)を付記してお送りください。
※今月から宛先が変わります!
清水浩之 E-mail: shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839
■私のオススメ三品!(その2)
ゲスト選者をお招きして、ひとつのテーマにちなんだオススメの三作品をご紹介して
いただくコーナーです。ゲスト選者募集中!
『寒波を乗り切るためのドキュメンタリー!』
選者:浅川志保(シネマトリックス・山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局)
1.『生命(いのち)?希望の贈り物』2003年/台湾/呉乙峰監督
http://www.cinematrix.jp/inochi/
2.山形映画祭機関誌「Documentary Box」
http://www.city.yamagata.yamagata.jp/yidff/docbox/docbox.html
3.『ヴァンダの部屋』DVD/2000年/ポルトガルほか/ペドロ・コスタ監督
http://www.cinematrix.jp/vanda/
寒波を乗り切るためのドキュメンタリー…とテーマを掲げつつシネマトリックスの宣
伝となって恐縮ですが、旬をお届けするならやはりこの3つということでご紹介を。
『生命(いのち)』はneoneoの読者なら吉井孝史さんの記事で既知のかたが多いと思い
ますが、台湾ドキュメンタリー界の重鎮・呉乙峰(ウー・イフォン)の渾身の一作。な
んとこれは2004年に台湾の国内映画観客動員数No.1となった作品。ドキュメンタリー
がまさか?と思っているかたもぜひ、29日からポレポレ東中野で上映をいたしますの
で足をお運びください。
「Documentary Box」も知る人ぞ知る山形映画祭の機関誌で、2年に4冊というサイク
ルでもって発行しています。世界中から論者を招きドキュメンタリーにまつわる情報
・批評を掲載。次号のインタビューは音楽家の松村禎三さん。「ドキュメンタリーの
変遷」シリーズの復活記念第一弾として山形映画祭1999ヨリス・イヴェンス特集・共
同コーディネーターのケース・バカー氏が「善と悪、そしてドキュメンタリー表現の
義務論と解釈の倫理について」というタイトルで寄稿してくれました。などなど盛り
だくさんで、2月中発行をめざし目下作業中。バックナンバーは山形映画祭HPで公開
しています。読んだことのない方は、ぜったい損はしません、ぜひ一度お試しくださ
い!
最後は奇才ペドロ・コスタ監督の『ヴァンダの部屋』がDVDとなり、皆さんの物足り
ない夜を刺激的なものに。監督本人は3月19日から29日までせんだいメディアテーク
で行われる特集上映にあわせて来日する予定です。近県の方はお見逃しなく!
■浅川志保(あさかわ・しほ)…現在、シネマトリックスで『生命(いのち)希望の贈り
物』な毎日を過ごしております。来日した呉乙峰監督のエネルギッシュさに目の覚め
る思いをしました。ほんとうにすごい熱量でした。監督、取材漬けにしてごめんなさ
い。
◇────────────────────────◆◇◆
■新・クチコミ200字評!(4)
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビなど
皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オススメし
ない映画とその理由!」もOKです。
『イラク駐留 アメリカ州兵部隊』
2004年/NHK/撮影:クレイグ・レナウドほか/構成:迫田崇ほか
放映:2004年12月18日「NHKスペシャル」 http://www.nhk.or.jp/special/
「解放後」のイラク警備に赤紙で駆り出されたアーカンソー州兵のお兄ちゃんたち。
おんぼろトラックのドアに防弾チョッキを巻き付けて国境を越える彼らも、イラク人
から見れば同じ「アメリカ兵」。♪アラブ平和の為ならば〜と射的のマトになりに行
き(!)揚句は戦死者23名。故郷のお母さんに電話で「ニュースは見ない方がいいよ」
とアドバイスする19歳の命運が、本土で指令を出した馬鹿どもに翻弄される、何とも
始末の悪い不条理劇。
(清水浩之/東京/37歳/亀井文夫作品に因めば『戦はされる兵隊』でした)
『日本の素顔 第102集 自衛隊』
1959年/NHK大阪/構成:荻野吉和/撮影:岩瀬峯治
放映:2004年12月19日「NHKアーカイブス」 http://www.nhk.or.jp/archives/
設立5年の自衛隊を紹介するナレーションは「かつての日本陸軍にも見られた風景、
ただ全てがアメリカ式です」「戦争を知らない若者に戦争の仕方を教えるわけです」
と一貫して"お説教"口調。「少年院出身の自衛隊志願者」というネタ選び自体、今な
ら安倍晋三さんが絶対黙っちゃいない『偏向』です。東西冷戦、核開発競争、何より
60年安保前年という空気が滲み、国営放送が"戦後史観のプロパガンダ"を果たした?
すがすがしい証拠品。
(清水浩之/今度のNHK問題…"なかったことにする"体質が一番マズいでしょう)
『激闘の地平線』
1960年/新東宝/監督:小森白/脚本:七条門/音楽:松村禎三
放映:チャンネルNECO・2004年12月特集「ようこそ新東宝の世界へ」
60年安保の年の新東宝製「芸術祭参加作品」。カミナリ族のボンボンが婦人自衛官・
三ツ矢歌子に一目惚れして入隊し、レンジャー部隊で活躍!…見事に潔い『自衛隊に
入ろう(by高田渡)』物語だけど、挫折した主人公が朝霞駐屯地前で自衛隊車輛の「力
強さ」に見とれる場面は、案外リアルな入隊動機かも。先輩隊員が強盗を企んだりす
るアナーキーな前半(よく自衛隊が撮影協力したな…)に較べ、レンジャー訓練が続く
後半はちょっと単調。
(清水浩之/東京/37歳/新東宝は"映画ならではのいかがわしさ"がいいですね)
neoneo坐「短篇調査団」調査報告をブログ( http://d.hatena.ne.jp/shimizu4310/ )
にて報告していますので、奇特な方のご来訪をお待ちしております。ではまた次号!
◇────────────────────────◆◇◆
■投稿:「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」レビューリレー(4)
■『三里塚の夏』&『パルチザン前史』(監督:土本典昭)を見て
―68年的状況、そして今
■佐藤 寛朗(neoneo坐プログラマー)
『三里塚の夏』と『パルチザン前史』の両方を同時に見るという稀有な体験は、この
一年「古典を学習するつもり」で小川・土本両作品を見続けてきた僕にとって、2人
の作家の個性の違いを改めて映画的に認識する良い機会となった。
結論から言えば、よく言われる2人の資質の差、すなわちこの後一連の『三里塚〜牧
野』『水俣』の連作の中で展開されていく、小川紳介・土本典昭の作家的方向性が、
1968年のこの時点で既に決まっていた、ということが、自分の中で再確認できたのだ。
もちろん有名な『三里塚の夏』のラストの空撮とか、『パルチザン前史』の火炎ビン
の作り方のシーンとか、両者の個性による描写の違いはいくらでもあるのだが、1968
年の後半から1969年にかけて相次いで作られた両作品は、構造的な類似性を持ちなが
ら、最終的に収斂されていく世界観の違いが際立っていて、特にそれぞれの余りに違
うラストシーンには改めて驚嘆を覚える。
時代ということで言うと、両作品の構造は驚くほど良く似ている。闘争の中、暴力と
して圧倒的に立ちはだかる国家権力。カメラはそれに対峙する事を明確にして、農民
や学生の側に立つ。状況が切迫し、不利な闘いを強いられると、彼らはそれぞれが
「自分が闘う事の意味」をカメラの前で否応なく問われる。しかし同時にまた、彼ら
は闘うことによって「生きていることを実感する」と、しきりに口にするのだ。
『三里塚の夏』の農家のおばちゃんの言葉や、『パルチザン前史』の枕投げや突撃訓
練のシーンに象徴されるその高揚感は、それまでの緊迫した映像とは一転、見ている
我々にも伸びやかな空気を持ち込み、作品世界に潤いを与えてくれる。両作ともその
ような描写を組み込む事によって、ただ政治的な状況のみに収まらない多面的な人間
存在への洞察と批評がある。
しかしその批評性は、後半、彼らのルーツをどこに見出すか、という映画的展開にお
いて、その方向性をはっきりと異にする。小川さんはベートーベンの第九をバックに
三里塚を空撮し、そこに暮らす人間というものを、風土というコスモスの中に位置付
けることを示唆する。事実この傾向は、成田の赤土や花の開花のシーンなどを意欲的
に取り入れた次作『日本解放戦線 三里塚』へと続くのである。
一方で土本さんは、パルチザンの精神的支柱である滝田修という1人の人間の生活に
これでもかという位に添い遂げる。肉体労働をいとわず、大学解体を叫びながら予備
校で教える事の自己矛盾を赤裸々に話し、自宅ではローザ・ルクセンブルクの魅力を
語る滝田修。思想の体現者として、傾倒といっても良い位に密着したカメラワークで
たっぷりと彼の言葉を聞かせる土本さんのその手法に、その後の氏の連作にも現れる、
「人間的なるもの」に対するある一貫した信頼を感じるのだ。
学生運動が一番高揚した「68年的状況」を、小川・土本両氏はその作家的手腕を遺憾
なく発揮してきっちりと捉え、映画作品として止揚していったのだ…といういかにも
「古典を味わう」的な答えを用意しかけた僕だったが、上映後、ゲストであった阿部
・マーク・ノーネスさんのトークが、僕の意識を現在形に引き戻した。いずれ氏が著
作にする予定の小川プロ史、ひいては日本ドキュメンタリー史に展開しようとしてい
る理論が、余りにも挑発的だったからである。
氏によれば、日本のドキュメンタリーの重要な特徴として、「70年代のある時点で
『政治性』と『作家性』が分断されてしまい、それが今なお続いている」ということ
だ。『三里塚の夏』や『パルチザン前史』はまだ『政治性』と『作家性』が未分化だ
った頃の輝きを残した作品である、とも。そしてちょっと皮肉っぽく「今の日本のセ
ルフ・ドキュメンタリーは本当にセルフ、なんだよね」とも付け加えて、社会との関
係を問わず引き篭もっていることを指摘した。
どのような作品であれ、時代の空気というものは、否応なく写ってしまう。しかし映
画的止揚とでも言うのだろうか、もし本当に、作家がその個性を発揮しある独特の世
界観を映画に注入すればするほど、時代への批評性が薄らいでいくような傾向がある
としたら、両者は一体どこで「分断」されてしまったのだろうか?逆に「政治映画」
足りえぬ「政治性」を持った表現とはどんな形なのか?その意味では『三里塚の夏』
も『パルチザン前史』も決して古典ではないはずだ。
この上映会の数日前、僕はある大学で『辺野古の闘いの記録』の最新版(当時)の上映
に立ち会った。沖縄国際大への米軍ヘリ墜落を契機に、沖縄・名護沖の海上ヘリポー
ト建設の既成事実化を目論む日本政府が、ここにきて急にボーリング調査を強行、現
地が緊迫している。
座り込む住民達の前に突如として現れた防衛施設局の職員。通り一遍の説明の後、だ
んまりを決め込む局員達の列に、住民が入れ替わり立ち代り激しく詰め寄る。「地元
の声を無視するのか!」「アンタ方も故郷に親を持つ人間なら、なぜその言葉で答え
ない!」表情を変えまいと必死に歯を食いしばる局員達。
一方で、隣接するテント村では、おじぃおばぁが交代交代で座り込みにやって来る。
「若い人達がみんな、こんなに辺野古のことを考えてやって来てくれるんだから、我
々も頑張らなきゃ」海上では、調査船に近づこうとする抗議の小舟やカヌーに対し、
別の調査船を装った「ダミー船」が体当たりして追い払おうとする。さながら海の上
の肉弾戦である。
「国家は国民を平気で裏切ります!」はじめての国家の横暴を目の当たりにして興奮
気味に話す女子大生。会場のどこかで「これは現代の三里塚だ!」という声が漏れた。
よく言われる資質の差、すなわち小川・土本の作家的展開の方向性は、1968年のこの
時点で既にある程度決まっていたのだ、というのが自分の中の再発見であった。
◇────────────────────────◆◇◆
■上映
●『生命(いのち)希望の贈り物』(2003年、台湾、142分)
監督:呉乙峰(ウー・イフォン)
1月29日(土)より“静かな感動”のロードショー
1999年9月21日、台湾大震災、大切な人を失った時、あなたはだれに手紙を書きます
か。台湾大地震、被災者再生を描くドキュメンタリー。
東京:ポレポレ東中野(TEL:03-3371-0088)
上映時間 11:00/14:00/17:00/20:00
当日料金:一般¥1800/学生¥1500
大阪:第七藝術劇場にて2月26日(土)より、ほか全国順次上映予定
配給:シネマトリックス http://www.cinematrix.jp
●2月2日 14:08〜 フジテレビ
『われら!農民オーケストラ〜北の大地の賢治たち』
(北海道文化放送制作、2004年、48分)
プロデュース・構成:鈴木雅彦(uhb)、構成・演出:吉雄孝紀
第13回FNSドキュメンタリー大賞・特別賞
●「シネアストの眼」シリーズ第7回
『Wo a bele −もりのなか−』(監督:分藤大翼、2004年、カラー、ビデオ、30分)
http://www.seishinbunka.co.jp/edge.html
日時:2月5日(土)、深夜0:00−0:30(放送日時は下記のサイトでご確認ください。)
SKY PerfecTV! 216ch. ベターライフチャンネル
http://search.skyperfectv.co.jp/prog/channel/216.html
この作品は、SKY PerfecTV!(216ch.)で2003年から放映されている「シネアストの
眼」というシリーズ番組の第7作目として制作されました。このシリーズは、作家が
“自分”と“自分の世界”についてのドキュメンタリー作品を制作するというもので
す。
本作は、中央アフリカ、カメルーン共和国の熱帯林に暮らすBaka(バカ)という人々と、
文化人類学者でもある作者自身を対象としたドキュメンタリー作品です。Bakaは「ピ
グミー」という呼び名でも知られる狩猟採集民の一つのグループで、とくに民族音楽
で有名な人々です。
熱帯林にふりそそぐ陽光と、様々な生命が織りなすサウンドスケープ、そこに生きる
人々のしぐさや表情を見つめることで、同時代に生きる「森の民」の生活世界を感じ
とることができると思います。
●『ニュータウン物語』ロードショー
2月8日(火)〜18日(金) (連日 15:10、19:00の2回上映)
場所・問い合わせ:横川シネマ(広島)
〒733-0011 広島市西区横川町3-1-12 横川商店街ビルA棟1F
TEL&FAX:082-231-1001 http://ww41.tiki.ne.jp/~cinema-st/top.html
※2月8日19:00の回上映後、本田孝義(『ニュータウン物語』監督)と青原さとし
(『土徳』監督)のティーチインあり。
●コリアキネマ倶楽部 2005年企画
「韓国のドキュメンタリー」〜戦後六十年記念
日時:毎月第2土曜・午後6時半(9月のみ第1土曜)
前半・韓国の歴史
第1回 2月12日(土)『韓国の古代文化』 ほか
第2回 3月12日(土)『江戸時代の朝鮮通信使』
第3回 4月9日(土)『日韓併合への道』『朝鮮半島 植民地支配の実態』
第4回 5月14日(土)『千里馬の国』『ふるき美しき風土〜隣邦韓国』
第5回 6月11日(土)『いるむ〜名前』 ほか
後半・韓国と戦争
第6回 7月9日(土)『世界の人へ』『世界の友へ』
第7回 8月13日(土)『アリランのうた〜もうひとつのヒロシマ』
第8回 9月3日(土)『隠された爪跡〜関東大震災の記録』
第9回 10月8日(土)『はじけ鳳仙花』
第10回 11月12日(土)『忘却の海峡』
第11回 12月10日(土)『渡り川』
会場:文京シビックセンター 地下1階生涯学習センター
(丸の内線・南北線・大江戸線・三田線「後楽園/春日」駅直結)
料金:無料
※予定や会場は変更になる場合もあります。「ぴあ」やHP等でご確認下さい。
コリアキネマ倶楽部 http://homepage2.nifty.com/taejeon/
●映像で見る戦後日本の産業史
第2回 「電源開発〜暮らしと産業を支える電気 水力から火力・原子力へ」
2月13日(日) 13:30〜17:00
『佐久間ダム建設記録 第一部』1955/間組/英映画社/40分
『68の車輪』1965/日本通運/東京シネマ/32分
『原子力発電の夜明け』1966/第一銀行/東京シネマ/43分
解説:吉原順平氏(映像・展示プランナー)
会場:物流博物館(東京都港区高輪4-7-15/品川駅下車・徒歩7分)
要予約(物流博物館 TEL03-3280-1616 http://www.lmuse.or.jp )
費用:無料(ただし物流博物館の入館料として200円が必要です)
共催:東京産業考古学会 http://www.e-sprit.co.jp/tias-index.html
●『ヴァンダの部屋』上映&DVD情報
岡山:シネマクレール石関(Tel:086-232-2281) 2月19日(土)〜25日(金)
仙台:せんだいメディアテーク(Tel:022-713-3171) 3月19日(土)〜29日(火)
『ヴァンダの部屋』ほかペドロ・コスタ監督作品
および『ヴァンダの部屋ビデオ・インスタレーション』上映!!
DVDも好評発売中!
定価:4935円(税込)/製品番号:GNBF-7089/映像特典:劇場予告編
発売元:ゼイリブ/販売元:ジェネオンエンタテインメント
http://www.geneon-ent.co.jp/movie/release/index.php
●「フィルムは記録する2005:日本の文化・記録映画作家たち」
期日:2月22日(火)−3月27日(日)
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター(大ホール)
料金:一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円
http://www.momat.go.jp/FC/fc.html
日本のノンフィクション映画の豊饒な系譜をたどってきたフィルムセンターの長期企
画「フィルムは記録する」は、実写撮影の草創期に始まり、「文化映画」の黄金時代
であった太平洋戦争期、産業PR映画や視聴覚教育が隆盛を迎えた経済成長期、そして
そうしたスポンサード映画の枠組みに抗する若いスタッフが立ち上がった1960年代を
経由して、さらに激しいうねりを見せる1970年代を迎えました。日本が達成した類い
まれな高度成長は、無数の産業PR映画に結実した一方、発展の裏面に生じた“傷跡”
に厳しく対峙する新しい“ドキュメンタリー作家”たちを生み出します。
戦後の代表的なプロダクションである岩波映画製作所が、科学映画・産業映画の発信
元として優れた力量を見せ続ける中、同社の自由な風土をジャンプボードとして土本
典昭(「水俣」シリーズ)、小川紳介(「三里塚」シリーズ)、東陽一、岩佐寿弥といっ
た旧「青の会」の演出家たちは、それぞれ自主製作に移行し、社会批判や実験性の強
い長篇を送り出しました。この自主製作の潮流は、衝撃的なデビューを飾った原一男
なども加えて、この時期のノンフィクション映画を席巻します。また顕微鏡撮影の名
門、東京シネマが1966年に製作活動を縮小した後、残されたスタッフたちによる新し
い題材や製作基盤の模索は、テクノロジーの深まりとともに科学映画の多様な拡がり
を実現します。一方でこの時期、民俗学の思潮が映画製作に結びつき、失われつつあ
る伝統的な生活様式をフィルムに収めるべく、多くの映画作家が国内各地や海外にま
で足を運ぶようになりました。
こうした複雑な道のりを、主に1970年代以降に製作された55本の作品を通じて振り返
るこの企画は、現代の映像製作へとつながる数々の問題や倫理をはらんで、刺激に満
ちたものとなるでしょう。
上映予定作品リスト
1■土本典昭[1]『パルチザン前史』(1969年、121分)
2■土本典昭[2]『水俣一揆 一生を問う人びと』(1973年、108分)
3■小川紳介[1]『日本解放戦線 三里塚』(1970年、142分)
4■小川紳介[2]『三里塚 第二砦の人々』(1971年、140分)
5■東陽一『沖縄列島』(1969年、91分)
6■岩佐寿弥[1]『叛軍No.4』(1972年、98分)
7■岩佐寿弥[2]『眠れ蜜』(1976年、100分)
8■松川八洲雄『一粒の麦』(1962年、28分)
『土くれ 木内克の芸術』(1972年、17分)
『不安な質問』(1979年、85分)
9■原一男[1]『さようならCP』(1972年、83分)
10■原一男[2]『極私的エロス・恋歌1974』(1974年、93分)
11■青林舎からシグロへ[1]『新せっけん物語』(1982年、54分)
『水俣の甘夏』(1984年、55分)
12■青林舎からシグロへ[2]『ゆんたんざ沖縄』(1987年、110分)
13■自主製作の広がり[1]『黄金の旅チュンドワ アフリカ東海岸文なし漂流記』
(1972年、90分)
14■自主製作の広がり[2]『山谷 やられたらやりかえせ』(1985年、110分)
15■亀井文夫『トリ・ムシ・サカナの子守歌』(1987年、166分)
16■柳沢寿男『そっちやない、こっちや コミュニティ・ケアへの道』(1982年、113
分)
17■勅使河原宏『動く彫刻 ジャン・ティンゲリー』(1981年、15分)
『アントニー・ガウディー』(1984年、72分)
18■羽田澄子と自由工房[1]『薄墨の桜』(1977年、42分)
『痴呆性老人の世界』(1986年、84分)
19■羽田澄子と自由工房[2]『AKIKO あるダンサーの肖像』(1985年、107分)
20■時枝俊江
『文教の歩みをたずねて』(1975年、30分)
『絵図に偲ぶ江戸のくらし 吉左衛門さんと町の人々』(1977年、32分)
『光った水とろうよ 幼児の知的好奇心をさぐる』(1979年、22分)
21■桜映画社
『伊勢型紙』(1977年、30分)
『歌舞伎の立廻り』(1981年、34分)
『にっぽん洋食物語』(1985年、35分)
22■産業映画の展開[1]:岩波映画製作所
『見えない鉄道員』(1970年、20分)
『はかる』(1973年、25分)
『水を創る』(1975年、30分)
『フィルムをつくる フジカラーの誕生』(1977年、21分)
23■産業映画の展開[2]:鹿島映画
『超高層霞ヶ関ビル』(1967年、44分)
『水のある沙漠 イラン』(1973年、38分)
『青函トンネル 本州側工事の記録』(1977年、34分)
24■科学映画の展開[1]:東京シネマ新社
『マリン・フラワーズ 腔腸生物の生活圏』(1975年、31分)
『ムーン・ジェリー ミズクラゲのライフサイクル』(1977年、33分)
『生きものは動く 微小管の機能』(1979年、25分)
25■科学映画の展開[2]:小林米作とヨネ・プロダクション
『ぜんそくを探る』(1969年、17分)
『脳と潰瘍』(1971年、22分)
『スキンカラー』(1974年、30分)
『感染病シリーズVol.1 つつが虫病』(1987年、18分)
26■科学映画の展開[3]:樋口源一郎とシネ・ドキュメント
『きのこ シイタケ菌を探る』(1980年、28分)
『細胞性粘菌の行動と分化』(1991年、22分)
『真正粘菌の生活史』(1997年、28分)
27■科学映画の展開[4]:シネ・サイエンス
『生体と大気汚染』(1972年、24分)
『染色体に書かれたネズミの歴史』(1975年、32分)
『たまごからヒトへ』(1976年、24分)
28■民俗学映画の展開[1]:野田真吉
『ゆきははなである 新野の雪まつり』(1979年、130分)
29■民俗学映画の展開[2]:姫田忠義と民族文化映像研究所
『チセ・ア・カラ われらいえをつくる』(1974年、57分)
『うつわ 食器の文化』(1975年、41分)
30■民俗学映画の展開[3]
『海南小記序説・アカマタの歌』(1973年、87分)[北村皆雄]
『私の人生 ジプシー・マヌーシュ』(1977年、60分)[大森康宏]
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃07┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●阿部嘉昭さんの連載が始まった。セルフドキュメンタリーの領域からドキュメンタ
リーの可能性を展望しようとする野心的な論考である。具合的には、松江哲明監督の
最近のAV作品を俎上にあげて検討している。私の全く未知の世界であり、興味を持つ
と同時に戸惑いも感じた。
松江さんがAV作品を作り始める前の作品『あんにょんキムチ』(1999年)は「韓国人の
血と日本の国籍を持つ自分自身のアイデンティティ探し」の作品で、「在日」の心の
揺れをナイーブして大胆に描いた傑作である。その後『カレーライスの女たち』等、
数本の作品をみたのだが、本誌で展開された最近のAV作品については未見である。だ
から率直にいって、阿部さんの論に、戸惑いを感じたのである。この戸惑いには、多
分にAV作品そのものに対する私の倫理に根ざしていることもあるに違いない。
少なくともこれまでのneoneoでは触れなかったテーマだ。しかし、そこにドキュメン
タリーの新しい可能性が見出せれば嬉しい訳で、今後の論の展開に期待したいと思う。
阿部さんが性の直接的世界を切開されていくことに、私はドキドキしながら、見つめ
ていきたい。
●台湾に住む吉井孝史さんが『生命(いのち)-希望の贈り物』ブームに警鐘を鳴らし
ている。台湾で未曾有のヒットした作品が政治の具にされていること、さらに呉乙峰
監督が率いる「全景」のメンバーが制作した、やはり台湾の大震災の事後をテーマに
した作品が、『生命(いのち)』の前に埋没されようとしている危機感を述べている。
ところで、私は前回の山形映画祭で『生命(いのち)』を見て大いに感動した。何より
災害を「対岸の火事」とは見ずに、我が身の問題として引き受けようとする姿勢、
それは過剰とも言える呉監督のナレーションに込められた想いと、被害者に同伴しよ
うとするカメラに十分表現されていたと思う。
一方で、本作品は1999年の大震災での撮影後、4年を経て完成した。異常に長い編集
の末完成したのである。私など短気な人間からすると、一刻も早く完成させ直ちに上
映を、と考えてしまうのだが、そこは呉乙峰である。急がず慌てず、じっくり腰を据
えて完成した。私は呉乙峰を知っているだけに、彼が他のメンバーの作品を見捨てる
とは考えられない。『生命(いのち)』の台湾に位置する情況を見極め、彼はここでも
じっくりと、今後の方向を探っているものと信じたい。本作品は日本でも公開が始ま
ったばかりである。
●neoneo坐が快進撃を遂げている。先日の「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」
も満杯だった。その前の科学映画特集は定員の倍以上の観客で賑わった。これらの現
象はもちろん、企画の魅力があってこそと思うのだが、宣伝の主流がインターネット
を中心に動いていることを痛感する。
例えばneoneo坐のサイトのアクセス数は、数ヶ月前までは1日30件前後だったのが、
最近では平均して70件前後、先月に限って言えば、77件。多い時には160件を越える
日もあった。私が小川プロに在籍していた当時は、チラシや新聞を始めとする告知や、
ぴあ等の情報誌に頼っていたことを思えば、確実に情況が変化してきた。また、チラ
シを媒介にしてインターネットに接続して情報を確認する、といった具合に、チラシ
の持つ意味も変わってきたのではないか。
…と言っても、やはりクチコミがいちばん効果を発揮することは昔からの定石だ。
neoneo坐では皆さんの口の端にのぼるような斬新な企画をどんどん立ち上げたい。
2月は山形国際ドキュメンタリー映画祭(アジア千波万波)の作品を上映する「山ドキ
!東京予備校」を始め、多彩な企画を提供します。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/kato_takanobu/neoneoza/index.html
また、フィルムセンターでは70年代の傑作を網羅する圧倒的な企画「フィルムは記録
する2005:日本の文化・記録映画作家たち」があり
( http://www.momat.go.jp/FC/fc.html )、その他、「広場」欄に意欲的な企画がた
くさん出ているので、じっくり眺めて欲しい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■発行:ビジュアルトラックス visualtrax@jcom.home.ne.jp
■責任編集 伏屋博雄
──────────────────────────────────────
★ご意見・ご感想はビジュアルトラックスまで
★いただいたメールには全て目を通しますが、必ずしも返信できるわけではありま
せん。また、いただいたメールをこのメールマガジンに掲載させていただくことが
ありますが、掲載不可の場合はその旨をお書き添えくださるよう、お願いいたしま
す。
──────────────────────────────────────
★バックナンバー閲覧、およびメールマガジン配信解除はこちらまで
まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
melma!配信 http://www.melma.com/mag/39/m00098339/
※編集部では配信解除、メールアドレスの変更などは受け付けておりません。
お手数ですが、ご自身でお願い致します。
注)デザインが崩れて見える場合は等幅フォント(MSゴシック、Osaka等)でご覧く
ださい!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright (C) 2003 visualtrax
当マガジンの記事を許可なく転載することを禁じます。
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
