ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo |
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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┗━┛ ☆━┛ ┗━☆ 28号 2005.1.15
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†01 特集「わが一押しのドキュメンタリー映画2004」アンケート発表
岡田秀則・正木俊行・久保田智子・阿部嘉昭・本田孝義・田井肇・
小西晴子・田中誠一・今田哲史・越後谷卓司・松江哲明・波多野哲朗・
笠原美保・脇阪亮・村上賢司・村山匡一郎・石坂健治・春田実・
佐藤寛朗・細見葉介・安岡卓治・清水浩之・井口みどり・
中村のり子・丸谷肇・江利川憲・梶村昌世・藤原敏史・高田亮・
大嶺沙和・山下治城・伏屋博雄(到着順)
†02 neoneo坐通信(13)
1月26日(水):『短篇調査団(1)海の巻』
1月29日(土):「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」(第4弾)
『三里塚 第二砦の人々』『三里塚 岩山に鉄塔が出来た』
2月4日(金)〜2月19日(土)『山ドキ!東京予備校』
―山形映画祭・アジア千波万波の秀作を中心に上映
2月6日(日)『またの日の知華』公開記念
―「原一男と70年代」上映&トークショー
†03 広場
†04 編集後記 伏屋 博雄
★バックナンバー閲覧はこちらまで
まぐまぐ配信 http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
melma!配信 http://www.melma.com/mag/39/m00098339/
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┃01┃□特集「わが一押しのドキュメンタリー映画2004」アンケート発表
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正月が終り、また慌しい日々が始まりましたが、皆様お元気でお過ごしのことと思い
ます。
さて、年末恒例の読者アンケートを募集しました。設問は次の3門でした。
(1)「わが一押しのドキュメンタリー2004」(旧作も可)
(2)「ドキュメンタリーの現状について、考えること」
(3)「私の2004年」
各地の32名の方々から回答が寄せられました。誠にありがとうございました。では、
さっそく到着順に発表いたします。
伏屋 博雄 (neoneo発行・編集)
■岡田 秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究官)
(1)キューバ映画特集で上映したサンチアゴ・アルバレスの『79歳の春』(1969年)。
単なるホー・チ・ミンの伝記映画と思ったら大間違い。反則技の美学である。引き裂
かれたフィルムの画像に銃声が重なるラストが衝撃的。キューバ映画は、イタリアの
ネオレアリズモを摂取しながらも、独自のアマチュアリズムが開花した稀な映画だと
思う。国がアメリカにいじめられ、ソ連に食いものにされても、映画はよく持ちこた
えたのではないか。
(2)いまジャーナリズムへの従属を強めている“映画”が自らを回復してゆく可能
性を、ひとりの観客として探ってゆきたい。上映については、「neoneo坐」の健闘も
あって小さな主体が徐々に増えているが、もっと騒がしくなると面白い。
(3)バタバタしていても、毎年何か新しいことをやりたいと思っている。2002年が
個人ウェブサイト開設。2003年はささやかだけど映画でない文章(ビール、文芸と
か)を書いた。で、2004年は「科学映画特捜隊」参加。楽しそうなので便乗しただけ
で、あまり仕事してませんが。宣伝ですが、フィルムセンターは2月22日から「フィ
ルムは記録する2005」です。1970年代ノンフィクションの一大祭典になります。乞う
ご期待。
■正木 俊行(編集デザイナー)
(2)本田孝義監督の『ニュータウン物語』や、ドキュメンタリーからドラマに走っ
た(!) 土屋豊監督の『PEEP“TV”SHOW』などを見て、「ドキュメンタリーにおけるフ
ィクション的要素」がここしばらく心に引っかかっている。そんなことはもう論じ尽
くされたことなのか? だったら文献等教えてほしい。そうでないなら、これからじ
っくり考えてみようと思う。
■久保田 智子(編集者)
(3)ドキュメンタリーや劇映画の録音技師として、45年のキャリアをもつ久保田幸
雄の著作『聞こえてますか、映画の音[サウンド]』(ワイズ出版)を10月に発刊。私
は、この本の企画・編集に携わりましたが、妻としては長年の懸案をクリアーし、大
好きな作品の数々を取り上げることができて、とても幸せな年でした。この欄でも本
をご紹介くださり、感謝しています。本がきっかけで、映画の「音」にも耳を傾けて
くださる方が増えるといいな、と思っています。
■阿部 嘉昭(映画評論家)
(1)音楽ドキュメンタリーの充実=04年はタナダユキ『タカダワタル的』、サン・
マー・メン『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』という強力な2本があっ
た。対象ミュージシャンへの愛が大前提。そこに時代精神の把捉がさらに加わると、
音楽の高揚と認識の高揚が同時的になる。製作契機に「発掘」が入っている点も落と
せない。向こうの『永遠のモータウン』にもそれがあった。ヴェンダース『ブエナビ
スタ・ソーシャル・クラブ』から続く傾向。現在、「音楽的ドキュ」とはかくも複合
的な様相を帯びだしている。
(2)作家(職人)の仕事に迫る=映画美学校の教材として撮られた井川耕一郎『伊
藤大輔』は伊藤大輔の映画細部を主題系別に引用しながら、そこに井川のナレーショ
ン解説が乗る。「全ての映画は恐怖映画である」という大和屋竺的認識が、ジョナサ
ン・クレイリー『観察者の系譜』に詳説された「眼の本来的な映画的欲望」(それが
モダンの実質となる)と出会う。「映像による映像解析」という点ではゴダール『映
画史』、『吉田喜重が語る小津さんの映画』をも凌駕した特異作。
対するにオーソドックスな取材によって照明技師・熊谷秀夫の仕事の秘蹟に肉薄した
のが伊藤正治『照明熊谷学校』。録音を橋本文雄が担当している。「照明による演
出」「照明を削る」といった熊谷照明のキーワード中の「照明」を「音」の語に代え
ると、それはそのまま橋本録音の秘蹟に転じる。その瞬間、日活が生んだ精鋭スタッ
フたちの歴史的位置が明確化する。『照明熊谷学校』は長谷川隆による聞書き本『照
明技師熊谷秀夫 降る影 待つ光』と不思議な対もなす。この名著の読後感も『ええ
音やないか 橋本文雄録音技師一代』といい意味で酷似している。
稲川方人『たった8秒のこの世に、花を』は枯れた植物を描く日本画家・福山知佐子
に関わる美術ドキュメンタリーに一見おもえる。ただ冒頭/末尾に登場する短詩めい
た稲川のナレーションによって癌と闘う福山の個性全体が挟みこまれたとき、「作品
が作品たりうるためにどんな最小条件が必要か」という鮮烈な問題が浮上してくる。
この作品で何が描かれていないか。この作品で何が過剰に配剤されているか。この作
品で何が映画作家・稲川の「練習」になっているか。稲川はそれら苛烈な宿題をここ
で提示してもいる。
セルフ・ドキュメンタリーの新展開=この点こそが現在的問題なのだが、三角みづ紀
の詩集『オウバアキル』に匹敵する映像作品に出会えなかった。単にこちらの出無精
ゆえだろう。なかで松江哲明『アイデンティティ』が素晴らしい。「これはAVだ」
「否、AVではない」「AV従事者の国籍問題に迫っている」「否、迫っていない」――
作品に接すると不穏な自問自答が渦を巻く。アイデンティティを問われているのは鑑
賞者のほうだ。
(3)著書は『椎名林檎vsJポップ』『68年の女を探して』2冊。立教後期サブカル講
義の主題は「少女」。その講義草稿集と01年以来の邦画レビュー集の単行本化を、画
策しだした。映画書では高橋洋『映画の魔』に衝撃を受けた。邦画ベスト2は廣木隆
一『ガールフレンド』と田尻裕司『淫らな唇 痙攣』。どちらも女性による写真撮影
行為が主題だが、それらを串刺しにする女子大生の長大な卒論を指導したのが最もス
リリングな体験だった。
■本田 孝義(映画監督)
(1)『÷船越桂』(監督:藤井謙二郎)
1本のノミと一体のデジタルビデオカメラが向き合って生まれるスリリングな瞬間。
シンプルな構成だからこそ見えてくる、彫刻家・船越桂の人間性。「見つめる」とい
うことはどういうことか考えつつ、画面からは彫刻家の目と作品の独特な目に見つめ
られる不思議な空間が漂う。一つの作品が出来る過程に立ち会うことが出来るのも、
ドキュメンタリー映画ならでは。
(2)2004年は画期的な年であった。なぜなら、自分でも正確に数えるのが面倒くさ
いほど、映画館でドキュメンタリー映画が公開されたからだ。こうした現象には様々
な要素があるのでまとめて語ることは出来ない。多分、ブームでもない。私見では、
ドキュメンタリー映画を映画館で見ることが「普通」になったのだと思う。このこと
は喜ばしいことであるはずなのだが、何か府に落ちない点もあり、説明がつきにくい
複雑な思いがある。
(3)春、『ニュータウン物語』を映画館で公開したことが大きいのだが、消耗度も
大きかった。初夏から夏にかけて、写真家の石川真生さんと沖縄で「沖縄ソウル」と
いう展覧会をやり、大きな刺激を受けた。秋にはneoneo坐の映写を頼まれ、久しぶり
に小川紳介と小川プロの作品を見ることが出来た。2005年春からの新作の撮影に向け
て、気持ちを新たにしている。
■田井 肇(大分の映画館「シネマ5」代表)
(1)『永遠のモータウン』
楽しめたという点で選びました。やはりそこに映されている人の人間の魅力にかなう
ものはないなあ、と。
(2)『華氏911』『ディープ・ブルー』という大ヒット映画をはじめとして今年ほど
一般興行においてドキュメンタリーが注目された年はない。僕の映画館でも年間上映
本数80本のうち、10本がドキュメンタリーだった。劇映画もまた『誰も知らない』を
筆頭に「実話の映画化」が少なくない。ドキュメンタリーにとっての問題は、むしろ
大いなるフィクションの不在にあるように感じる。
(3)個人的には「自分のダメさ」にヘキエキとした年だった。2005年は、阪神大震
災、地下鉄サリン事件、そしてウインドウズ95の発売から10年の年だ。この10年間が
何だったかをちゃんと振り返ってみたい。
■小西 晴子(So-net チャンネル749 プロデューサー)
(1)『Hearts & Minds』(監督:Peter Davis、1974米製作、112分)
アメリカ人であるPeter Davisがアメリカのベトナム戦争の意味を描いたナレーショ
ン一切ないドキュメンタリー作品。人にすすめられてツタヤでビデオをレンタルして
見たのであるが、現在のイラク戦争の現状とあまりにも似ていることに愕然とした。
捕虜であったアメリカ兵士の故郷への生還と凱旋パレード 、火が放たれた家を、言
葉もなく見つめるヴェトナム人、ベトナム戦争は民主主義を守るための正義の戦争と
して始められたと語るアメリカ高官、そして、戦場での恐怖と悔恨から心身の正常さ
を失ったアメリカ人元兵士…べトナム人の視点は欠落しているのであるが、1974年に
こんなすごい映画を作っていたアメリカが何故また、同じことを繰り返すのか、そし
て何故戦争は無くならないのであろうかという疑問が私を今も低い基調低音で揺さぶ
っている。
(3)『ドキュメンタリスト 綿井健陽〜The Little Birds バグダッド父と子の物
語』というTVドキュメンタリーを製作した。監督は、アジア・プレスの綿井健陽氏、
映画プロデューサーである安岡卓治氏に参加して頂いた。プロデューサーである安岡
さんが編集に心血を注いで下さったことが多きかったが、人の原点を描くことのでき
たドキュメンタリーをやっとつくることができたと思い、支えてくださった」という
方々に感謝する次第です。今、安岡・綿井コンビでこのイラクの映画を作っており、
2005年5月に上映されますが、是非ひとりでも多くの人に見て頂きたいと心から思っ
ております。
■田中 誠一(京都の自主上映企画「CINEMA ENCOUNTER SPACE」
http://www.geocities.jp/positionwest3/ )
(1)最近「これこそドキュメンタリー」と意識すること自体がなくなって、なんだ
かよくわからないものばかりに引っかかってました。稲川方人『たった8秒のこの世
に、花を』は今年制作された日本の作品では最もよくわからない強度に満ちた作品で
した。これはもはやドキュメンタリーじゃないと思う。ウワサの『トロピカル・マラ
ディ』はフィルメックスで見ましたが、席が後ろの方で、あの会場(朝日ホール)だ
と非常灯の光などけっこう気になって、気になっているうちに終わってました。
(2)最近、やっぱり世代のことを問題にしてからでないと「世代は問題じゃない」
と言えないような気がしてます。というか「時代」でしょうか。今どういう時代なの
かというのは、その渦中にいるから分かりづらいですが、過去を紐解き、未来をシュ
ミレートして見える相対的な差異として今を捉えることと、身近な、瑣末なところで
肌で感じる実感が大事だと今は思います。「私たちの時代」という感覚。それはネッ
ト上で見る香田証生氏の首切り映像なんかとは違うところにあるはずです。
(3)今夏に布川徹郎氏
( http://www.alpha-net.ne.jp/users2/planet1/nunokawa/nunokawa.html )と出会
いました。それから現在も布川氏と数名の共鳴者とで、新世界、釜ヶ崎などを中心に
とあるプロジェクトのため奔走してます。釜ヶ崎の越冬闘争の撮影で年越しです。い
くつかある難問をクリアしていければ、今年中に何らかの形で公開できるのでは。あ
と、京都で上映企画( http://www.geocities.jp/positionwest3/ )を続けています。
今年もなんとか崩壊せずに済みました。年明けの第一弾もドキュメンタリーがらみの
予定です。
■今田 哲史(映画監督)
(1)『不知火海』(土本典昭監督)。
自分でも理由は分からないのですが、土本典昭フィルモグラフィ展のパネリストに呼
んで頂きました。何はともあれ良い機会だと思い、土本監督の映画をまとめて観せて
頂きました。『ある機関助士』、『ドキュメント路上』、『水俣−患者さんとその世
界−』等々、映画学校時代に一回は観たことのある作品を、連日通してみて、1カッ
ト、1カットの表現力の豊かさとディティールへのこだわりに改めて気づかれました。
特に『不知火海』を観た時は、後半になるにつれて、その世界観に圧倒され、涙が自
然と目からこぼれてきました。スクリーンがあんなにキラキラと輝いて観えたのは、
生まれて初めてでした。
(2)ドキュメンタリーブームってそう言えばもう終わったのでしょうか?ブッシュ
の再選と同時に、こちらが気づかないうちに終わってしまいそうで…でも相変わらず、
劇場ではドキュメンタリーが沢山公開されていて、一観客としては嬉しいのですが。
もしドキュメンタリーブームが終われば、やっぱり観れなくなるのかなと少し心配で
す。すいません、気がつけば、観客としての意見でした。
(3)初の監督作品、『熊笹の遺言』の劇場公開を行いました。試写会の準備や呼び
込み、作品についてコメントしてくれる方を探すこと、チケットの販売、等々、全て
のことが初めてで、しかも苦手なことで…何とか劇場公開を終えることができたのは、
多くの皆さんのお力添えがあったからに他なりません。多くの人に助けていただき、
多くの人に迷惑をかけました。本当に深く感謝と反省をしております。映画を観ても
らうことの厳しさと楽しさを知った2004年でした。
■越後谷 卓司(愛知芸術文化センター・文化情報センター主任学芸員)
(1)映像作品それ自体ではなく、また厳密にはドキュメンタリーというよりも、TV
映画等を取り上げたルポルタージュということになるが、一年を振り返って最も印象
に残ったのは安藤健二著『封印作品の謎』(太田出版刊)だった。自主規制によって、
作品が次第に非公開の状況に追い込まれてゆくプロセスを詳細に追った本書は、森達
也のTVドキュメンタリー『放送禁止歌』(1999年放映)にも通じる、問題提起として意
義ある仕事だった。
(2) 一方、取り立てて封印されている訳ではないが、時の経過とともに作品を観る機
会が減少し失われてゆく現象がある。今年開催した「第9回アートフィルム・フェス
ティバル」の「特集:ドキュメンタリーの過去と現在」で、土居晴夏『なかのあなた、
いまのあなた』(1985年)や大木裕之の『遊泳禁止』(1989年)など、8mmフィルム作品
を意識的に取り上げのは、比較的最近ながら、気が付けばこれらの鑑賞機会が著しく
減少していたからだ。
(3) 「特集:ドキュメンタリーの過去と現在」では、近年議論を呼んでいるプライベ
ート・ドキュメンタリーを、実験映画における「私映画」と呼ばれる領域も含め、歴
史的に検証することを意図した。また同映画祭でプレミエ上映した、オリジナル映像
作品第13弾・槌橋雅博『動・響・光』(UGOKI・HIBIKI・HIKARI)における、監督自身
の体験に根ざした震災報道への問題提起は、ドキュメンタリーを考察する上でも示唆
に富むものだった。
■松江 哲明(映画監督)
(1)『オークション02 巨乳ちゃんと不思議ちゃん』(監督:カンパニー松尾)
http://www.hamajim.com/ にて発売中。
友人と酒を飲みながら、220分もあるから早送りしながら見ようよ、とDVDを再生した
のだが、一気に見終えてしまった。映っている風景が、人間が、壊れている。でも当
人たちはそのことを自覚していない。それが恐い。日本ってここまでぶっ壊れている
のか。そんなの笑うしかないよ。コメディなら『華氏911』のブッシュよりもこの作
品の方がお薦め。僕の中でドキュメンタリーの面白さのレベルが一段上がった。そん
な作品。
(2)04年はドキュメンタリーがやたらと特集されてたが、僕が本気で面白いと思っ
たのは真利子哲也とハマジム製作の諸作品、調布映画祭(ヤマガタより刺激的だった
!)で上映された『それでも妻は登った』。世間の評判と自分の好みとの距離感を痛
感した一年でした。こんな状況がブームと呼ばれるならどうでもいいや。他、好きな
作品は『NONFIX その先の日本を見に 鉄道と少女』『ワラッテイイトモ、』『東京裁
判(DVDで再見)』
(3)AV業界では賛否両論だった『Identity』がドイツのシネアジア映画祭で上映さ
れたことと、東京ファンタで予告編が流れた『ハメ撮りの夜明け完結編』。この2作
品は製作時の出来事も含めて思い入れが大きいです。一年に一度はこういう作品が撮
りたい。また週刊金曜日の映画評等、文章を書くのも楽しかったです。あと『悪魔の
刑事まつり』もあったなぁ。05年もマイペースでいきます。
■波多野 哲朗(映画研究家)
(1)『鉄西区』(監督;王兵)は、昨年の山形映画祭で見逃したために今年になっ
たまでのことで、いまさら「わが一押し」でもないと思うが、やはりいいものは押し
ておこう。むろんニュースヴァリューはゼロ。ニュースで言えば、ジャン・ルーシュ
の『人間ピラミッド』(1961)の劇場初公開があった。『ある夏の記録』と並ぶ映像
人類学の古典だが、いまなおみずみずしい。「ダンス・イン・シネマ」という真夏の
催しで、さりげなく上映されたのも良かった。
(2)ドキュメンタリーにとって、いま最も重大な問題は「映像のディジタル化」で
ある。ディジタル化は、ドキュメンタリーに限らず映像のあらゆるジャンルで進行し
ているが、制作過程に関してではなく、ジャンルの本質に関わるところで最も大きな
影響をこうむるのがドキュメンタリーである。「ディジタル化」が映像の現実感とそ
の信憑性を揺さぶるからである。「リアル」という名の、複製技術時代のアウラの消
滅である。
(3)映画の撮影であちこち出かけた。映画については別に書いたので省くが、キュ
ーバが素晴らしかった。「あかる〜い社会主義」を目の当たりにして、元気になった。
元来、社会主義というものは「あかるい」はず、というのが私の信条だった。なのに、
ソ連、東独、ポーランド、チェコ…どこへ行ってもみんな暗かったね。これはどこか
違う、と思った。やはり陽気であかるくなくちゃ、だれも社会主義など信じやしない。
■笠原 美保(フリーター)
(1)『コストニツェ』(監督:ヤン・シュヴァンクマイエル、1970年、チェコスロ
バキア)
カリカリという耳障りな金属音と共に始まる本作は、人物の登場は一切無く、人骨だ
けが只ひたすらフィルムに焼き付けられている。そのシンプルさは宝石の原石のよう
だ。「コストニツェ」とはクトナーホラにある納骨堂であり、そこには木彫師リント
によって装飾された4万人分もの骨が展示してある。厳しい検閲の嵐が吹き荒れてい
た当時、政府が文句を言う余地を与えない程シンプルにし、カット繋ぎだけで魅せる
構成は実に興味深い。
■脇阪 亮(行政書士兼ファイナンシャル・プランナー)
(1)森達也監督の『A』と『A2』。恥ずかしながらこの2本の映画を今年初めて観
ました。「衝撃」というのとも違う、なんともいえない、やりきれないような気持ち
にさせられる映画でした。「面白い」という、本来、映画にとって最高の褒め言葉が
なんとも軽薄な言葉に思えてくる映画です。映画を観終わった後の気分を表すのに、
どんな言葉を捜せばよかったのか?
(2)日本のドキュメンタリーの現状と深い関係のある問題を提起していたと思われ
る水原文人氏と佐々木健氏の論争が、あまり拡がりをもたなかったように見えた(こ
れは、私だけの印象でしょうか?)のは、やや残念でした。運動とドキュメンタリー
の関係など、水原氏は重要な問題を提起していたように思いますから。特に水原、佐
々木両氏以外の第三者が議論に参加しなかったことは残念でした。例えば、水原氏に
『アラブの人々から見た自衛隊イラク派兵』を批判された佐藤真監督やエドワード・
サイード氏の著作の翻訳者でもある中野真紀子氏自身のコメントなども、読みたかっ
た気がします。
(3)はてなを使ってブログを始めました。なんとかIT革命(死語?)についていっ
てます(そのつもりだけ?)。
■村上 賢司(映画監督)
(1)『それでも妻は登った』(監督:吉野和彦)
山岳映画と個人映画が分娩室で激突した驚異の作品。吉野さんが語る‘山哲学’にた
だただ頭を垂れるのみでありました。未見の人は一生後悔すべし!劇場公開作では
『永遠のモータウン』が良かったな〜。素敵な物語と演奏に思わず涙してしまいまし
た。裏方万歳!
(2)正直なことを言えばドキュメンタリー映画なんてどうでもいいのです。劇映画
でもアニメでもなんでもいいから斬新で心が動かされる作品と出会いのたいのです。
『オールド・ボーイ』でのチェ・ミンシクの圧倒的な表現はジャンルを超えて、とに
かく素晴らしかったです!
(3)私自身の作品ではテレビドラマ『怪奇大家族』の演出をしたことかな。科学映
画特捜隊の大進撃は記憶(記録?)に残すべき。故郷にミニシアターが出来たのも嬉
しかったな〜。シネマテークたかさき( http://www5.wind.ne.jp/tcc/ )はスクリ
ーンがよく見える、好劇場ですよ。
■村山 匡一郎(映画評論家)
(1)昨年も多くのドキュメンタリー映画や文化映画を見る機会に恵まれたが、一押
しは30数年ぶりに再見した土本典昭監督の『ドキュメント・路上』(1963)。学生の
頃に映画の見方を変えた作品のひとつであり、その生き生きとした映像は美しく、懐
かしかった。今回改めて驚いたのは音の使い方。映像の息遣いに対応して音の試みを
これほどまでにやっていたとは…。日本のドキュメンタリー映画の実験精神を再認識
させられた。
(2)DVカメラなどの普及で若い世代にノン・フィクションの新しい試みが見られる
ようになって久しいが、この傾向を拡大するためにも、小学生や中学生からドキュメ
ンタリー映画に対する興味や知識を養うことが必要だろう。美術や音楽と同じく、子
供の時からのドキュメンタリー映画の基礎学習は、将来の観客を育てることにもつな
がる。neoneo坐で「子供のためのドキュメンタリー映画教室」を開いてもいいのでは
ないか。
■石坂 健治(国際交流基金映像出版課)
(1)『Forget Bagdad(忘却のバグダッド)』(イラク=スイス=独、2002年)
昨年6月、パリのアラブ映画ビエンナーレでイラク映画20本の大回顧展が組まれた。
劇映画の重要作も多かったが、本作は亡命イラク人たちがなんとイスラエル映画史に
大きな足跡を残したことを検証するドキュメンタリー。古今の映画のフッテージを総
動員して論理を構築するアーカイヴァル・ドキュメンタリーのお手本のような作品で、
連日報道される「アラブ対ユダヤ」の単純な図式からは見えてこないエスニシティ
(民族模様)の複雑さに「映画史」の視点から踏み込んでおり、目から鱗、であった。
(国際交流基金主催のアラブ映画祭2005で上映すべく交渉中です。)
(2)既成映画館とは別に、シネクラブ、商店街、美術館、学校など公共(的な)団
体が協働して地域映画館を経営し、マイナー/オルタナティヴな映画を含む上映の拠
点を確保する「コミュニティシネマ」の運動が各地で立ち上がっている。これは映画
上映の現場における多文化主義、非グローバリズムの顕現であり、ドキュメンタリー
の上映にとっても重要な動向である。さらなる高揚を期待・支援したい。
(3)インド洋大津波の後、テレビ局は相変わらず年末年始の特番を垂れ流している。
メディアの多幸症=痴呆症である。少なくともニュースを頻繁にはさむとか、台風の
時のように画面を縮小して文字情報を流すとか、処方は色々あるではないか。結局、
BS1の諸外国のニュース(格段に真剣)とインターネットで細かい情報を得るしかな
い。あの地域に知人・友人がいる私だけの苛立ちだろうか。
■春田 実(アジアのミニコミ誌発行、
「恋するアジア」: http://www.geocities.jp/haruasia/ )
(1)『鉄西区』。長ければいいというものではない。そう反発して、私は03年のヤ
マガタ映画祭上映時にはこの作品は見なかった。が、その後、見た者全員が、いい、
というのを聞き、大いなる疑心を抱きながらも、今年の東京上映会のときに見てみた。
はたして、この作品は、素晴らしかったのである。鉄工所とそれをとりまく人々の姿
を描いたもので、強いテーマはないままの、9時間におよぶ作品なのだが、何がいい
かといって、この作品は見ていて心地が良いのである。それは、たぶん、監督と登場
人物(建物も含めて)の関係からかもしだされるもので、技量とか思想とか、そんな
ものより以前の監督の持ち味みたいなもので勝負されている作品だからだろう。
新しいタイプのドキュメンタリーだなあ、と思ったのだった。
(2)ひところ“私”ドキュメンタリーの議論が盛んだったが、その後そうした討論
はきかなくなった。いま思えば、“私”ドキュメンタリーは政治を抜いたところで作
品を作っていこうする作品群であったような気がする。そうした傾向は新鮮だったが、
しかししだいに、“私”の状況が悲惨であればあるほど作品は面白くなるということ
がわかり、より悲惨な”私”と”私”周辺の素材探しに走るようになった気がする。
それはそれで今でも有効であるが、作る側が未熟だと、こうした作品は描く側の主体
をつぶしにかかるので、ただただ作者は消耗して、小じんまりしたホームムービーの
ような作品に仕上げてしまう、という陥穽におちいりがちだったような気がする。
(3)本を書こうと、いくつか取材をはじめたが、日々の雑事に追われて1行も書かな
いで終わってしまった。この、日々の雑事というのは、しかし本当はウソで、怠惰な
だけだった。
■佐藤 寛朗(neoneo坐プログラマーズ)
(1)『海とお月さまたち』(土本典昭監督)
「暮らす」ということのディテイルを、かくもこれほど丁寧に、自然と人間に対する
畏敬を持って描いた作品という意味で、とりわけ印象深い。極端な美化が無く、私の
ような東京の人間でも、海に生きる人々のリズムに自然と入れる心地良さがある。技
術?話法?この圧倒的な説得力の所以をあれこれ考えていたら、この人達にどうして
「海で魚を取るな!」と言えるのか?という静かな怒りが込み上げてきた。
(2)自主上映会やネット配信等の地道な動きに確実な手応えを感じる反面、『華氏
9.11』の様なセンセーションを巻き起こすドキュメンタリーが、日本に無いのは何故
だろう?状況を活性化させる為にも、もっと「社会」を巻き込む映画を作らないと。
只今大ヒット中の『スーパーサイズ・ミー』の面白さは、発想が、誰もが考えるよう
な日常の延長線上にあるところにある。ヒントは案外、日々の暮らしの中にあるのか
も。
(3)neoneo坐での様々な出会いは、明らかに僕の世界を広げてくれました。20代最
後の今年は、より一層の実践が求められる年になろう。数多くの作品や人との出会い
の場を作ることで、状況を盛り上げたいし、自分の視野をも広げていきたい。今年も
プログラマーやりますんで、是非一度遊びに来て下さい!
■細見 葉介(大学生、映像研究者、港北映画研究所
http://documentfilm.at.infoseek.co.jp/ )
(1)『絵図に偲ぶ江戸のくらし』(1977年、時枝俊江監督、岩波映画製作所)150年
前の江戸を描いた一軸の絵図から、当時の庶民の生活を想像するもので、絵図の伝承
者の家の前で今も続く植木市等、現代に残る江戸の面影の紹介にも事欠かない。殺伐
とした空撮の現代東京と「150年後の人々に、私達は何を残せるでしょうか」という
ナレーションで迎えるラストは感慨深く、こんな作品が存在した事自体がとてもうれ
しい。「記録映画」にふさわしい最高傑作だと思う。
(2)映像環境の充実、また国際情勢の混沌化とともに、ドキュメンタリーにとって
題材の豊富な時代に突入した感がある。しかし若い世代は「自然」と「歴史」につい
ては積極的に避けている印象を受ける。自分と同世代、あるいはそれ以下の世代の動
向に注目したいが、観られる機会が少ないのが残念だ。neoneoの果たしていく役割に
期待したい。
(3)neoneoでの初の連載をさせていただき、良い映画でもすぐに内容を忘れてしま
う自分の悪い癖に気付かされた。それは「記憶」という視点の再発見でもあった。ま
た学生主催での『ショアー』の上映会の運営に携わったこと、湯布院文化記録映画祭
で前衛的な名作群に出会った事等、ノンフィクション映像関係は充実した1年だった。
■安岡 卓治(プロデューサー/安岡フィルムズ)
(1)綿井健陽監督作品『Little Birds イラク 戦火の家族たち』
2004年の大半を編集室で過ごし、年末ギリギリまでこの作品の編集に携わったことも
あって、他の作品に意識が向かいません。手前ミソですいません。ゴールデンウイー
クにロードショウです。請う御期待!
(2)創り手としては、とにかく一作一作に全精力を傾けて作り、送り出すしかない
と思います。批評や宣伝に関わる方々も、創り手との真剣勝負を心がけて戴きたいと
思います。力のある作品が重ねられることで、状況が創られてゆくのではないでしょ
うか?
(3)『華氏911』のように、フッテージを掻き集め、申し訳程度にインタビューを添
えて仕上げたような作品にだけは関わりたくないと思いました。作家が体を張って撮
り抜いた映像と、真剣に向き合っていきたいと思っています。ドックンドックンと撮
り手の血流が聞こえるような映像と、また、出会いたいですね。
■清水 浩之(ゆふいん文化・記録映画祭)
(1)『チーズとうじ虫』(監督:加藤治代/映画美学校)
お母さんの発癌から死までを「撮るはずが撮れなかった」と言う加藤さん。でも残さ
れた家族の寂しさはしっかり撮れていて、『セカチュー』の一億倍は胸に迫ります。
国技館の桟敷席での「(お母さんに)見せたかったなぁ、チクショー」という作者の呟
きに涙しました。1月22日から24日までユーロスペースでレイトショー公開。
(2)漫画のイチオシなら断然『夕凪の街・桜の国』(こうの史代/双葉社)。“30代
が描いた反戦漫画”として絶品でした。さて今年は戦後60年ということで映画界は戦
争大作ラッシュという噂ですが、「それでいい」と思わない皆さんにはぜひ、今から
でも決して遅くはないので『自分にとっての戦後60年』をテーマにした作品にトライ
してほしいと思います。
(3)文化映画・記録映画・科学映画といった分野の映画も、ある所にはある!とい
うわけで、今年は日比谷図書館の膨大な16ミリフィルムライブラリーからお借りして、
neoneo坐で月2回“知らない映画を見てみる上映会”を開きます。
名付けて『短篇調査団』。第一回は1月26日(水)20時より4本立て90分・鑑賞無料です。
お気軽にお立ち寄りください。
■井口 みどり((社)映像文化製作者連盟)
(3)科特隊入隊。軍隊のようで抵抗があったが、おもしろかった。宣伝をクチコミ
でやっていると、それにまつわる話がにょろにょろ出てくる。それを手繰っていくと、
その途中で知った名前がいろいろ出てきて、最後は「世の中って、狭いのね」という
ことだった。その成果が、科学映画製作に結びつくかもしれない。感覚を研ぎ澄ませ
ることが肝要かな。科特隊のみなさま、楽しませていただき、ありがとうございした。
今年も、科特隊よろしくお願いいたします。
■中村 のり子(大学生)
(1)ゆふいんではじめて見た『三里塚・岩山に鉄塔が出来た』(小川紳介監督)は、
ものをつくる過程をアタマとオシリの混沌とした人間模様に挟みこむことで見せてし
まった構成の力。小川さん以外の何者でもない字幕の快さ。地から空へというタテ移
動は映画の異色です。それから同日に見た『もうひとつの教育』(是枝裕和監督)に
感嘆。子どもたちのかけがえのない表情を行動を発言を、戦後の岩波のように朗らか
な効果で生かしきった賜。
(2)映画館での波はたしかに、来ています。つくる人も見せる人も、観客の層をか
ってに狭めないこと。今いちばんのリクエストは、レンタルビデオ店におけるドキュ
メンタリー作品の差別の撤廃。ビデオ店で名作を知り得るご時世なのだから。
■丸谷 肇(映画監督)
(1)『メイン州ベルファスト』、『海とお月さまたち』。
前から見たかった2本。海に面した町の港から、前者は陸に、後者は海の中に向かっ
て行く。ベルファストにはこんな魅力的な人々がいて、水俣の海はこんなにも豊かな
んだとやさしく仔細に教えてくれる。
「好きなだけ捕っていいのです。海はみんなのものなのです。」 感涙。
(2)(3)2004年は、上記ワイズマン映画祭、土本典昭フィルモグラフィー展、山形
in東京とこれまで見逃していた、見たかったのに見られなかった作品を一気に見るこ
とが出来た有意義な年でした。そこに足を運ばなければ見ることの出来ないものの重
要性を感じます(映像レアグルーブ?)。一方で、新しいドキュメンタリーでは、
『華氏911』は劇場で見たのですが、DVD待ちしても良かったなと思ってしまう自分が
いて、じっくり観るというよりは、話題作を一応チェックしとかなくてはというノリ
になってしまう現状があります。
■江利川 憲(フリー編集者)
(1)シネ・ヌーヴォで見た王兵(ワン・ビン)監督の『鉄西区』。なぜか、冒頭か
ら見る者を画面にくぎ付けにする映像の生々しさ。対象となる人々の後ろ姿を慎まし
く追っているかに見えて、実は「見るべきほどのことは見」ている視線の確かさ。瀋
陽という街を丸ごと捉えようとする力業の骨太さ。何より、自分と同じ「弱者」のま
なざしを忘れない一貫した姿勢。などなど、美点はいくつか思いつくのだが、それだ
けでは足りない凄さがある。
(2)それについて云々できるほど多くを見ていないが、才能ある若手監督がどんど
ん輩出しつつあるようには感じる。許せないのは、「××警察密着24時」などの体制
に迎合するテレビ・ドキュメンタリーの存在だ。『プロジェクトX』にもその匂いが
ある。『報道ステーション』も骨抜きになったし、こんなところから再び翼賛体制が
つくられていくのかと恐ろしい。若手のドキュメンタリー作家たちには、そんな潮流
を跳ね返す力になってほしい。
(3)やはり、2004年1月24日から2月24日の丸1カ月間、手術・入院したことが大きい。
病名は、あまりカッコよくないので、ここには書かない。幸い、再発とか後遺症の心
配はなく、退院後は以前と同じように元気だ。しかし、この経験は、「死」が案外近
くにあることを思い知らせてくれた。それを知ってどう生きるのか、未だ答えは出せ
ていないのだが、残された時間が少なくなってきたことは自覚していきたいと思って
いる。
■梶村 昌世(映画作家、ベルリン在住)
(1)04年、ドイツ学術交流基金のアーティスト・プログラムでベルリンに滞在して
いた米作家エイミー・シーゲル(Amie Siegel)の作品『The Sleepers』(1999)が
映画館アーセナルで上映されました。夜のシカゴで住人たちを向かいの窓から覗くと
いうテーマで、見ること、聞くこと、私たちの感覚を繊細にする詩的でゆっくりした
美しい映画でした。機会があればぜひご覧ください。
(2)デジタルの時代、このフォーマットを生かしたいと思います。機材が小さく、
軽く、扱いやすくなった分、小さなチームで軽やかに動けます。この手法で現実世界
から染み出るような映像が撮りたいです。よくよく見て、丁寧に撮って、伝えたいで
す。撮る側、撮られる側、見る側の主観的感覚と考えを大切にしたいですね。
(3)世界は広いようで狭いな、とつくづく感じました。同じ地球上にいるので、み
んなどこかでつながっていますね。自分で一生懸命な毎日ですが、世界を見る視野を
意識していきたいです。
■藤原 敏史(映画監督、水原文人)
(1)2004年の一押しは、エロール・モリスの『フォッグ・オブ・ウォー マクナマ
ラ元米国防長官の告白』です。詳細はneoneoの「ドキュメンタリー時評」バックナン
バー(20号、2004年9月1日配信)をご覧下さい。
(2)経済的なことや機動性を考えれば、ドキュメンタリーの主流がフィルムからビ
デオ撮影に移って来ているのは当然であり、自分自身がフィルムで撮影するよりもDV
で作ることを選択し続けるだろうとは思います。これは当然の流れで、もはや逆行も
まずあり得ないでしょう。しかし一方で、DV撮影だとカメラの使い方がフィルム撮影
よりも安易な撮りっぱなし・強引に編集という感じになりがちで、画として訴える力
が弱い作品が増えて来てしまっているのもまた事実ではないかと思います。我々は技
術的な面でのドキュメンタリー史の大きな転換点にいるわけですが、その過去の歴史
をどう生かしながら、新しいメディアで本当に新しく力強い表現に到達できるのかが、
今我々が直面している大きな課題のひとつでしょう。なんと言っても、基本的にマク
ナマラ一人がしゃべっているだけの『フォッグ・オブ・ウォー』の、しかし考え抜か
れ、かつ相当に奔放でもある35mmフィルムによる映像表現の力が、今年のドキュメン
タリーのなかで群を抜いた映画的な力を持っていたことは否定しようがありません。
(3)年頭に皆様にもえらくご心配をかけてしまったことも含め、いろいろありまし
た…。CSとはいえ三本の作品が放映されて多くの方にご覧いただけたであろうことは
大きな成果だったと思います。また第1作の『インディペンデンス』に関しては、数
回上映会でも取り上げていただく機会があったのも貴重でした。 一方で自分でどこ
かの映画祭に出品するとうことをまったくやらなかったのはあまりにも怠け過ぎだっ
たかな、と後悔。自作の上映ではなく、降って湧いたような話として他人の映画の紹
介役で年末に台湾国際ドキュメンタリー祭に行けたのも含め、自分から働きかけたこ
とは何一つない、というのも困ったものです。
また土本典昭監督についてのドキュメンタリーが撮影終了。また完全自主・ゼロ予
算で脚本なし・登場人物はすべて出演者(プロではない)自身に基づき完全即興・ゲ
リラ撮影・主人公11人!で全シーンがワンショットの長廻しという極端に実験的な劇
映画第1作も撮影終了。2005年はこの二つを編集することが大きな課題です。また完
成させるための資金も集めなければなりません。もろもろ含め、「一年が終わった」
というよりはずっと継続中、という感覚で。
■高田 亮(映画監督)
(1)去年は観た映画の本数が極端に少なく、期待していた『鉄西区』も見のがして
しまい、印象に残っているのは立教大学で観た何度目かの『A2』だった。オウム、
住民運動、新聞記者、民間の監視小屋、右翼団体、次々と集団という垣根を横断して
ゆく森氏の視点が手振れ画面で示されてゆく様は目まぐるしくも刺激的で、何度見直
しても、集団と個人、常識や意識の違い、人間が作り出す集団の倫理的限界を感じさ
せて素晴らしい。
(2)増え続けるDVカメラ映画。そんな中で、真の過激さや自由を持ち得ているもの
が出てくる事を期待しているものの、やはり気になるのは観客の観る目のほうだ。映
画の歴史を振り返ると、傑作を撮りながらも評価されないままプログラムピクチャー
を撮り続けていた映画人は数多くいるが、彼等が再発見されるのはアーカイブの存在
があったからで、DV作品は数少ない上映の機会のみが発掘されるチャンスなのだ。そ
の時に、傑作を観る目を持つ人間に出会える確率はどれくらいなのか?
(3)自衛隊の行く末、北朝鮮問題、イラクの日本人人質事件、小子化、天皇世継ぎ
問題等、戦後日本がこれ程日本という国のあり方を考えさせられた事はないのではな
いのだろうか?まるですべてを曖昧のままやり過ごしてきた戦後日本の宿題が、一度
にやってきたかのようだ。不安が募る。
■大嶺 沙和(大学院生)
(1)『東京に原発がやってくる!?』森口豁さんの1981年作品です。これは地方に
ある原発を東京に持ってこようという活動を続ける集団が、街角や国会議事堂の前で
する署名運動を追ったものです。それを断る一般人や議員達の意見が曖昧かつ不当な
ものにも関わらす、結局は国家が原発を作り地方に押し付ける理由を浮かび上がらせ
ます。パロディに近いかなり笑える活動と映像が、私達の現状を無気味に糾弾してい
る点で圧倒されました。
(2)私は美術や映像の教育普及を考察していて、中学校や高校に上映会と講演会を
しに行くのも面白いのではないかと考えています。テレビが普及した現在、圧倒的に
映像をや美術を読みとる力が欠けているらしく、逆にそれを延ばすことで、子供達に
ものを考える力がつき、成績向上に繋がるというデータが出ています。それを口実に
高校等に出向いて上映の機会を得ることは、宣伝になる上に、新しい映像の世代の育
成にもなると思います。
(3)私には沖国大のヘリ墜落事件が一番大きな問題でしたが、日本本土であまり報
道されなかったことはショックでした。沖縄の中部地方では常に住居のすぐ側を化学
兵器や大量の銃弾を積んだ飛行機が当前のように飛んでいて、いつ墜落してもおかし
くない状況が続いています。この状況を沖縄に課しているのが日米安保条約である限
り、日本人としてこの状況から目を背けずに、解決策を考えなければならないと考え
ています。
■山下 治城(TVCM制作会社プロデューサー)
(1)「フレデリックワイズマン映画祭2004」
(@アテネ・フランセ文化センター)(アメリカ映画1967−2003)
ワイズマンのドキュメンタリー映画は、「NHKスペシャル」のようなドキュメンタリ
ーと違い、ナレーションや効果音、音楽、CG、もちろんボカシなどは一切入らない。
ただそこにあるがままのものを、あるがままに映し出されているに過ぎないのです。
しかし、これが退屈ではない。逆に刺激的でさえあるのです。それはワイズマンの好
奇心の視線と、練りに練った編集作業から生まれてくるものなのでしょう。ワイズマ
ンは知的好奇心ではなく生理的好奇心で対象を捉えています。彼の興味を惹いたもの
にカメラを憑かれたように向けています。身体感覚ではないが、この生理的な感覚が
彼の映画を興味深いものにしているのでしょう。
(2)ドキュメンタリーが様々な手法で、さまざまな場所で上映される機会が増えて
嬉しく思っています。それと同時に何を見るべきか、何が面白いかの選択肢があまり
にも増えてしまい、その情報の整理に困っています。2年に1回の「山形国際ドキュメ
ンタリー映画祭」や「アテネフランセ文化センター」「映画美学校」のチョイスがと
ても重要な意味をもってきます。
(3)2004年は、「宮沢りえ」の年だったと言いたいのです。今年の「宮沢りえ」の
活躍には目をみはるものがありました。まず映画『父と暮らせば』(黒木和雄脚本・
監督@岩波ホール)で父親役の原田芳雄さんとの長い長いかけあいのシーン。見事で
した。舞台「透明人間の蒸気」(野田秀樹作・演出@新国立中劇場)では、自らを犠
牲にしてまで、命の水を大地に返すという重要な役(ヘレン・ケラ)を好演していま
した。テレビドラマの「一番大切な人は誰ですか?」(大森寿美男脚本@日本テレ
ビ)での、宮沢りえも、とっても良かったです。岸谷さんと宮沢りえのかけあいがコ
ミカルで、愛情に満ちていて、時には愛憎相半ばするようで、見ていて微笑ましくも
哀しい。そんな関係がうまく描かれていました。
■伏屋 博雄(本誌編集長、プロデューサー)
(1)『レフト・アローン』は、1968年当時の新左翼の革命(運動)論を巡って、こ
の年生まれの井土紀州監督が論客の証言を集めていった作品。68年といえば、私が小
川プロに入った年でもあり、この前後の時代の空気や風景は今なお強烈に残っている。
私は登場人物の発言に共感したり時には疑問を持ったり、時を経て行なわれた思想の
検証に、固唾を飲んで見た。若い世代がこの作品をどのように受け止めるのかが、興
味があるところ。
(2)neoneo坐は、ドキュメンタリー映画をもっと見る機会をつくろう、ならば上映
する場を自らの手で作ろうとして創設。それは同時に相互の交流を通して、つくり手
と観客を育てる場としても機能することだ。小さくてもいい、各地に多発的に出来て
くれば、映画の環境はもう少し面白くなるのではないか。ドキュメンタリーを見る観
客の発掘が急務だと思う。観客は作家を育てる。劇映画との不均衡をなくしたい。
(3)2年前に本誌neoneoを発刊。昨年はneoneo坐を開設し、9名のスタッフと共に35
本のドキュメンタリーを上映。一方、『原一男、ゆきゆきて、ゆきゆきて‥』を制作
し、So-netチャンネル749で放送。2年がかりの『映画は生きものの仕事である〜土本
典昭の軌跡』(仮題)はようやくクランクアップの目途がつき、今春の完成を目指す。
昨秋から週1回、明治学院大学で院生とドキュメンタリー映画を論じあったのも刺激
的だった。
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┃02┃□neoneo坐通信(13)
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※ neoneo坐では1月下旬から2月にかけて、エキサイティングな企画が目白押し。今
回はその一部を紹介します。皆様には、一般会員(2000円、1年間有効)になること
をお勧めします。絶対お得です!
※ 会場はいずれもスペースneoです。地図は下記のneoneo坐サイトをご覧下さい。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/kato_takanobu/neoneoza/index.html
■『短篇調査団(1)海の巻』
1月26日(水)20:00〜21:00/鑑賞無料
会場:neoneo坐(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1分)
『海の法則 Law of Sea』1975/7分/カラー/カナダ国立映画製作庁
『もっと大きな海』1972/29分/カラー/日本シネセル/演出・脚本:松川八洲雄
『くじら』1952/9分/カラー/千代紙映画社/演出・作画:大藤信郎
『海の生物誌 美しい自然の造化』1967/42分/カラー/演出・撮影:吉田六郎
上映へのお問合せ:080-5468-3251(清水)
■「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」(第4弾)
昨年10月から開始した「小川紳介のコスモス〜小川プロの仕事」は、お陰様で毎回満
員御礼が続いています。今回は三里塚作品の中でも極めて重要な位置にある2作品を
上映します。三里塚農民の創意と工夫に溢れた闘い振いぶりをとっぷりと味わってく
ださい。
1月29日(土)
program1 (14:00〜16:23)
●三里塚・第二砦の人々(1971年/16ミリ/カラー/143分)
製作:小川プロダクション
監督:小川紳介 撮影:田村正毅
破壊されるバリケード小屋。農婦らは自らを鎖で縛りつけて後退を拒む。地下深く掘
られた壕の中、ロウソクの灯の下で抵抗が続く。マンハイム国際映画祭で賞受賞の三
里塚シリーズの核を示す作品。
program2 (16:45〜18:10)
●三里塚・岩山に鉄塔が出来た(1972年/16ミリ/白黒/85分)
製作:小川プロダクション
監督:小川紳介 撮影:田村正毅
反対同盟を中心に計画された滑走路使用不能大作戦。滑走路南端にあたる岩山地区に
みるみる60メートルの大鉄塔が築かれていく。
※18:30〜20:30 トークと飲み会…2000円(飲み物+大皿料理つき)
トーク:伏屋博雄(元・小川プロプロデユーサー)
料金:当日―1プログラム1500円/通し券(1日券):2500円
一般会員―1プログラム1200円/通し券(1日券):2200円
(一般会員には入会金2000円で当日加入できます。1年間有効)
■GO!GO!山形国際ドキュメンタリー映画祭2005
neoneo坐presents『山ドキ!東京予備校』
いよいよ今年開催される「山形国際ドキュメンタリー映画祭2005」(10月7日〜13日)。
neoneo坐では8ヶ月連続・全20回予定の特集上映を独断で敢行!ヤマガタ名物「アジ
ア千波万波」 プログラムを中心に世界各国から若手ドキュメンタリスト達のインデ
ィペンデント魂あふれる力作が集結!上映後のトークイベントには映画作家、映画祭
スタッフ、映画祭の常連さんまで?続々登場予定。毎月替わるカリキュラムで「ヤマ
ガタ・その傾向と対策」をしっかり学習しておけば、10月の映画祭本番もバッチリだ
!
『山ドキ!東京予備校』2月のカリキュラム(金曜レイト+土曜マチネー)
Aプログラム●2月4日(金)20時〜/2月19日(土)14時〜
映画編集は引き算の勝負だ。そぎ落としに落とし、磨かれた真珠のような感動だけが
最後に残る2作品。涙腺の引き金は、脳性まひの少年の足首の微動(『一緒の時』)
と、父さんの鍋料理から上がる湯気(『雑菜記』)!
『一緒の時』“ Wellspring ”2002年/VIDEO/49分/中国
監督:沙 青(シャー・チン)/YIDFF2003 小川紳介賞
「精密でありながら決して冷たくはなく 同情的でもないカメラと、対象との関係が
際立つ。 また、 経済的な貧困の中で障害をを持った息子の介護をしている家族の協
力や葛藤が率直に描かれていて、共感を覚える」(審査員 キム・ドンウォン)
『雑菜記』“ Hard Good Life ”2003年/VIDEO/43分/台湾
監督:許 慧如(シュウ・ホイルー)/YIDFF2003 奨励賞
「初老の男の日常が静かに綴られる。インタビューや説明の為のナレーションは一切
ない。今は亡き母の墓参りを終えた瞬間、父が娘に向かって呟くささやかな思いやり
の言葉。饒舌すぎないこの世界からにじみ出る優しさを私たちがすくい上げる時、得
も知れない熱い想いが胸を衝く」(審査員 河瀬直美)
Bプログラム●2月18日(金)20時〜/2月19日(土)16時〜
麻薬に溺れる中国・成都のストリート・キッズ。カメラを向けるだけでは済まされな
い!と監督が立ち上がる。子供を食い物にする黒社会と警察を暴こうと孤軍奮闘する
が…。『ショート…』はタイの少年を描いて5分間に人生を凝縮。
『ショート・ジャーニー』“A Short Journey”2003年/VIDEO/5分/タイ
監督:タノン・サッタルーチャウォン/YIDFF2003 FIPRESCI(国際批評家連盟)特別
賞「非常に短い尺の世界だが、そこから想像される現実の行方を追いかけたくなる衝
動に駆られる。対象との関わり方、そこから選びとられた編集・構成のセンスから、
この監督の将来を期待してやまない」(河瀬直美+キム・ドンウォン)
『350元の子』“Three-Five People”2001年/VIDEO/85分/中国+アメリカ
監督:李 林(リー・リン)/YIDFF2003 FIPRESCI(国際批評家連盟)賞
「現代の社会問題を浮き彫りにした監督の行動と勇気、そして解決方法を提示する試
みに対し授賞する」(審査員 森谷巌+アネット・オールセン・スティーヴン・テオ)
会場:neoneo坐
(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1分、JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)
料金:各プログラム 一般1,500円/会員1,000円(入会金2,000円・1年間有効)
上映へのお問合せ:090-3271-5280(佐々木)
■緊急特集『またの日の知華』公開記念 「原一男と70年代」上映&トークショー
新作劇映画『またの日の知華』で新たな境地を開いた、ドキュメンタリーの鬼才・原
一男。この物語の主人公、4人の女優が演じるヒロイン知華が駆け抜ける舞台は1970
年代。それは、熱い時代と人間達の狭間から、「生きることの意味」を激しく揺さぶ
る彼の2本の映画が産声を上げた時代でもある。
『知華』の中でも繰り返し描かれる、70年代の空気。あれから30年、時代はどう変わ
ったのか?あの時代の問いは今、どのように受け継がれているのか?ドキュメンタリ
ーと劇映画の枠を越え、時に若い世代とも向き合いながら、そのことを原一男は今な
お映画で問い続ける。
今回は新作の公開を記念して、映像作家・原一男の原点であり、戦後日本ドキュメン
タリー映画史に燦然と輝く『さようなら、CP』『極私的エロス・恋歌1974』の2作品
を一挙に上映!さらにゲストに原監督・小林プロデューサーをお迎えし、「70年代世
代」の映画作りと生き方をたっぷりとお話していただく予定!
2月6日(日)
14:00〜『さようなら、CP』(1972年/83分)
15:40〜『極私的エロス・恋歌1974』(1974年/98分)※DVD版での上映
17:30〜 原一男トークショー「私と70年代(予定)」
ゲスト:原一男(監督)、小林佐智子(プロデューサー)
※トーク終了後、18:30〜より交流会(neoBAR)
【料金】 1回券 1000円(会員 800円)
2本通し券 1500円(会員1200円)
トーク(neoBAR)\1500 飲み物・大皿料理つき
上映+トーク+交流会(neoBAR)まるごとセット券 \2500(お得!)
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┃03┃□広場
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■上映
●EARTH VISION 第13回地球環境映像祭
〜映像が映し出す「地球」〜
1992年から「地球環境」をテーマとした優れたアジア・オセアニアの映像作品を紹介
してきた国際映像祭、「EARTH VISION 地球環境映像祭」。今回の映像祭では、アジ
ア・オセアニアの14の国と地域から応募された映像110作品の中から、2度の審査を通
じて、選ばれた入賞16作品(インド2・オーストラリア2・韓国3・台湾1・中国-香港
1・日本7)を上映します。映像祭では、それぞれの作品の監督を招待、質疑応答や交
流の場も設けます。
日時:2月4日(金)14:00〜20:00
2月5日(土)10:00〜20:00
2月6日(日)10:00〜19:00(最長21:00まで)
会場:四谷区民ホール
(東京都新宿区内藤町87番地 四谷区民センター9階 TEL:03-3351-2118)
参加:協力費1日1,000円 中学生以下無料・事前予約不要
問い合わせ先:アース・ビジョン組織委員会 http://www.earth-vision.jp
【事務局】TEL : 03-5362-0525 FAX:03-5362-0575
E-MAIL: festival@earth-vision.jp
【本部】(財)地球・人間環境フォーラム TEL : 03-3592-9735
2月4日(金)
14:00
『プラスチックの家のヤドカリ』(台湾/21分/監督 : ウ・リヒョウ/2003)
背中に貝をのせ、ヤドカリは波打ち際を歩く。しかし、プラスチックの入れ物や割れ
たガラス瓶さえも‘宿'として使うヤドカリが増えている。
14:35『滅びゆく楽園ハワイ』(オーストラリア/54分/監督 : キャロライン・ベー
トラム/2003)
独特な環境を持つ美しき島ハワイ。しかし今、ハワイ固有の動植物が絶滅の危機に瀕
している。この事態に立ち向かう人々を追う。
16:00『ゴマフアザラシの不思議』(韓国/52分/監督 : キム・ソホ/2004)
ゴマフアザラシは、どこからやってくるのか。そして、どこで繁殖するのか。その謎
に包まれた生態を追う。
17:10『鈍色の聖域−サハリン油田開発とオオワシの危機』(日本/54分/監督 : 松
倉 英男/2004)
オオワシが絶滅の危機にさらされている。その繁殖のための森と越冬のための森で、
今、何が起こっているのか?
18:20『Loop Pool』(日本/3分/監督 : 鮎澤 大輝/2004)
小さな池で繰り返される生命のリズム。儚く、美しく、そして力強く生きる自然を描
いたアニメーション。
19:00特別プログラム「環境コミュニケーション大賞テレビ環境CM部門第1回受賞作
品」
2月5日(土)
10:00『にっぽんの“ゴミ”大陸へ渡るー中国式リサイクル錬金術』(日本/49分/監
督 : 浅井健博/2004)
行き場を失っていた日本のゴミが、利益を生む「資源」として奪い合いの対象に。知
られざるゴミ処理の最前線をルポルタージュし、リサイクル社会の行方を探る。
11:05『水、不足?』(インド/32分/監督 : サンジェイ・バルナラ、ヴァサント・
サベルワル/2003)
インドの農業地帯で深刻な水不足が起こっている。しかし、都市部では‥‥。
13:00『サイレント・ストーム』(オーストラリア/52分/監督 : ピーター・バット
/2003)
オーストラリアで行われた、イギリスの核実験。その影響を明るみに出そうとある科
学者が立ち上がった。
14:10『ヒートアイランド昆虫記』(日本/23分/監督 : 植田 裕久、三田 豊/2003)
急激に進むヒートアイランド現象によって、東京の昆虫たちの生態が大きく変化して
いる。
15:05『沈黙の森』(韓国/100分/監督 :ファン・ユン/2004)
韓国の山地から消えてしまった動物を求めて、一路、中国へ。しかし、そこで見たの
は、野生生物が絶滅への道をたどっている姿だった。
17:00『緑からのメッセージ』(日本/2分/監督 : 広島県の小・中学生/2003)
広島市の16人の小・中学生が、物語、脚本、キャラクター等全てを制作した、緑の大
切さを訴えるアニメーション。
17:30京都議定書発効記念 特別プログラム
『北極グマは立ち泳ぎできるか−地球温暖化の脅威』(イギリス/52分/監督:ローレ
ンス・ムーア)ほか
2月6日(日)
10:00『にがい涙の大地から』(日本/87分/監督 : 海南 友子/2004)
戦争が終わって60年。今も中国の大地には、日本軍が遺棄してきた毒ガスや砲弾が眠
り続けている。
11:45『恵みの雨』(インド/2分/監督 : ナンディダ・ダス/2003)
人々の上に、豊かな雨が降り注ぐ。雨水利用を呼びかける広報コマーシャル。
13:00『米軍基地の暗い影』(韓国/38分/監督:チェ・ビョンミン/2004)
韓国で、米軍基地が原因の環境汚染が30年にもわたり続いている。こうした環境汚染
は、フィリピンの閉鎖された基地跡でも起こっていた。
13:55『小さな町の大きな挑戦−ダイオキシンと向き合った川辺町の6年』(日本/51
分/監督 :山縣 由美子/2003)
鹿児島県 川辺町はダイオキシン汚染の実態を完全に情報公開。住民と共に新たな環
境対策に踏み出した。
15:00『ニュー・グリーン・ジェネレーション』(中国・香港/22分/監督 :ウィッキ
ー・イプ/2004)
自分たちが環境にできることは何なのだろう。香港の子どもたちが動き始めた。はた
して家族や地域住民の反応は‥‥?
16:00特別プログラム『クジラの島の少女』(ニュージーランド/102分/監督:ニキ
・カーロ/2003)
ニュージーランド、マオリの神話。一人の少女の無垢な魂が、奇跡を呼び起こす。
18:00表彰式、アース・ビジョン大賞作品上映/交流会
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スケジュール、内容は変更することがございます。ボランティア募集中。
●毎月第一日曜よるは、日本映画専門チャンネル“ドキュメンタリー傑作選”
CSスカパー!&スカパー!2と全国のケーブルTVでお楽しみいただける日本映画専門
チャンネルでは、岩波映画の映像作家からCCDビデオカメラ世代の新映像作家まで、
時代と人間の真実を描いた秀作を特集し、ドキュメンタリーの魅力を検証します。
2月6日(日)深夜2時(再放送あり)
『にっぽん零年』(1969年・モノクロ)
構成・演出:河辺和夫/藤田繁矢(敏八)
詳細は公式サイトからどうぞ!
http://www.nihon-eiga.com/documentary
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┃04┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
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●新年の初頭にあたり今号は、アンケート「我が一押しのドキュメンタリー映画
2004」の結果を特集した。ご回答くださった方々のご意見にはドキュメンタリー映画
への熱い想いが込められていて、私は何度も読み返したのだった。
そこでまず感じたことは、何と見落としている作品が多いことか、ということだ。こ
れはこちらの怠慢の表れであることは確かなのだけれど、一方で、ドキュメンタリー
映画が広く公開される機会がまだ少ないとも言えるのではないかとも思ったのだった。
いちど機会を失うと、二度と公開されないことが多いので見落としてしまうことも事
実である。
そしてもうひとつ感じたこと。新作に混じって、16ミリフィルムで制作された作品を
「我が一押し」として取り上げられるケースが多かったということである。すでに16
ミリ時代は終焉し、遥かに廉価にして簡便に操作できるデジタルビデオの時代に突入
している昨今、これは何を物語っているのか。作品の素晴らしさは勿論であるが、同
時に、先輩たちの映画づくりへの真摯な姿勢、映画をつくりたいという気迫を感じた
のではないかとも思う。私たちはデジタル時代の趨勢を受け入れながらも、それらの
作品は、今こそ、映画をつくることとは何なのか、と私たちに問いかけているようで
ある。
●本誌は創刊以来、読者は徐々に増え、登録者は1月14日現在で1403名を記録した。
創刊号が319名から出発したことを思えば、隔世の感がある。この増加を励みとして
今年も発行していきますので、ご愛読のほど、よろしくお願いします。皆様のご意見
や投稿も期待しています。宛先は次のとおりです。 visualtrax@jcom.home.ne.jp
次号からは、普段の誌面に戻ります。
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■発行:ビジュアルトラックス visualtrax@jcom.home.ne.jp
■責任編集 伏屋博雄
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