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「マガジン」はアラビア語が語源だということをごぞんじでしたか?週刊アラブマガジンはアラブ・イスラーム文化について幅広くご紹介します。中東及びアラビア語、アラブ・イスラム文化に興味のある方、必見です!
- 最新号:2008-06-26
- 発行周期:毎週1回
- 読んでる人:407人
- 創刊日:2003-07-22
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週刊アラブマガジン [Vol. 75]
発行日: 2004/12/29Vol.75 2004.12.29発行
◆◇◆ 『週刊アラブマガジン』 ◆◇◆
【今週の目次】
1.編集長のごあいさつ
2.Made In アラビア 【アッザフラーウィー】
3.詩の世界 【カリフと女性】
4.アザーンが聞こえる風景【祝福されたシャーム】
★★1. 編集長のごあいさつ ★★★★★★★★
読者の皆様
【週刊アラブマガジン】をご愛読いただきましてありがとうございます。
2005年1月からは内容を一新いたしますので、引き続きご愛読下さい。
それでは、皆様方、良いお年をお迎え下さい。
編集長
【シリーズ : 2005年前期】
●アラブ マイ ラブ
現在アラブ世界に留学している日本人のエッセイです。
●預言者たち
旧約聖書、新約聖書、コーランに登場される預言者たちの物語をコーランの視
点から紹介します。
●心の走馬灯
アラブやイスラームとともに生きてきた一人の人間の心の旅路です。
●アラブのことわざ
アラブ人の真の考えがここにあります。
●アッバース朝の歴史
アラブ世界が伝えるイスラームの歴史です。
●イスラームQ&A
皆様がイスラーム世界について疑問思っていることをQ&Aの形式で簡単に説
明します。
●アラブとの架け橋
時の人とのインタービューです。
●読者の声
読者の皆様から寄せられた記事を紹介します。
★★2.Made In アラビア ★★★★★★★★
【アッザフラーウィー】
1.出身と学問的背景:
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10世紀のアラビア医学者アッザフラーウィーを紹介しましょう。
彼の名は、アブー・カースィム・ハラフ・ビン・アッバース・アッザフラー
ウィー。アンダルシア・ウマイヤ朝がコルトバ北西部に築いた都市で、彼の故郷
であるアッザフラーゥに因んだ名前です。ヨーロッパ人たちは彼の名をさまざま
なラテン語で表しました。
アッザフラーウィーはアラビア医学において最も偉大な医学者、そして外科医に
数えられ、後世の医学のために偉大な足跡を遺しました。彼はアンナースィルの
名で知られるアンダルシア・ウマイヤ朝第8代目統治者、アブドッラフマーン3
世の主治医を務め、その後彼の息子で第9代目の統治者、アルハカム・アルムン
タスィルの主治医を務めました。西暦1030年頃に生まれ、1106年頃に没
したという説が有力ですが、彼の人生についての詳細は余り知られていません。
2.学問的業績:
----------------
彼が遺した著書には、「アッザフラーウィー」の名で知られる大書や、「著述を
不得手とする者のために」などがあり、何度も翻訳・出版されました。
アッザフラーウィーは高度な技術を持つ外科医であっただけではなく、非常に豊
かな経験を持つ医学者でもありました。彼は医学書の中で、近代の医学書のスタ
イルのように、異なる部位の病気を、それぞれ独立した項目に分けて論じまし
た。例えば目や耳、咽喉の病気に一項目、歯や歯茎、舌の病気に一項目、そして
女性の病気や助産術に一項目、また骨接ぎと脱臼や骨折の治療に一項目、といっ
たように分類して言及したのです。
アッザフラーウィーは、数々の病気に対する治療法も開発し、壊疽や出血症状に
対しては、患部を焼く治療法を施術しました。また彼は、初めて血友病を発見
し、描写した人物だとも言われています。
アッザフラーウィーは後のヨーロッパの医学に大きな影響を与えました。彼の
数々の著書は多くの言語に翻訳され、ヨーロッパの医科大学で学ばれました。実
際に彼の著書は、少なくとも15世紀の初頭から18世紀の終わりまで、ヨー
ロッパの医師たちの間で、確かな医学全書として用いられていたのです。
しかし残念ながら、アッザフラーウィーの医学的発見の中には、彼の名が発見者
として挙げられることなく、のちにそれを学んだヨーロッパ人たちの発見として
伝えられたものもあるのです。
執筆:サルワ サラーマ
┏━━━━━━━
┃3.詩の世界
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カリフと女性】
アラブ社会なら誰でも誇りに思う話がある。それはアンムーリイヤの開放だが、
なぜそこまで有名になったのだろう?
837年にアッバース朝のある街がローマ軍に攻撃された。男たちは殺され、女
たち子どもたちがローマ軍の奴隷となった。その時イスラーム教徒の女性が叫ん
だ。「ワー ムウタスィマー!!」意味は「ああ、ムウタスィムよ!!」。
当時アッバース朝のカリフであるアルムウタスィムがその話を聞くや否や、自分
の軍隊を集め、自国民を救出するために出撃した。人々を助けた後、二度とその
ような事件が起こらないよう、ローマ軍が保有するもっとも警戒が強い街を開放
することを決意した。その街がアンムーリイヤだった。「その時期に出撃するな
らば敗北する」と言った占い師の言葉には耳を傾けずに戦いに赴いた。そして8
38年8月12日にアンムーリイヤが開放された。
一人の女性のためにアンムーリイヤを開放したカリフとして、アルムウタスィム
がイスラーム歴史に輝き、アラブとイスラーム教徒の心に名前を残した。
当時の詩人であるアブー タンマームがその出来事を詩に書いた。その詩の一部
を紹介しましょう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
剣は本より真実を述べる
真面目と遊びを仕切る鋭利さにおいて
黒い記録ではなく白い記録に
疑いを取り除くその本文において
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
アラビア語の発音を聞きたい方は下記のリンクをクリックしてください。
http://www.aii-t.org/j/maqha/magazine/poem2/audio/20041228.wav
執筆:ブカーリ イサム
早稲田大学 大学院理工学研究科
アラブ・イスラーム学院文化・広報担当
4.アザーンが聞こえる風景
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【祝福されたシャーム】
「祝福されたシャーム(現シリア・レバノン・パレスチナを含む地域)」という
言葉がありますが、これは預言者ムハンマドの伝承『おお、アッラー、私たちの
シャームに祝福あれ…』からきています。
私が留学していたシリアはこのシャーム地方に含まれるわけですが、この地方は
昔から水が豊富にあり、緑や森、多様な果物が実る豊かな所として砂漠に住む者
たちから憧れの目で見られていました。
また、シャーム地方は多くの預言者たちがその地で亡くなっていたり、この地方
がイスラームの有名な学者たちを生み出した場所でもあるため宗教的・学問的に
も祝福された土地とみなされています。
ロシアのイングーシ出身の友人は、「昔はロシアのムスリムの中にはハッジに
行った後にシャーム地方に立ち寄り、土を持って帰った者すらいた。」と言って
いました。まあ、この土を持ち帰る、という行為自体はイスラームでは意味のな
い行為ですが、それくらい憧れと尊敬の意をこめてシャーム地方を見ていたとい
うことです。
これから書くことは数十年前までは実際にシリアのダマスカスで見られた光景
で、いろいろな先生方から聞いた事がある話です。
ダマスカスにはマルジェと呼ばれる地区があり、そのそばにはバラダ川という川
が流れています。水不足が続くと枯れてしまうのですが、数十年前まではこのバ
ラダ川には豊富な水が流れており、そのまわりには動物たちが余生を送る特別地
域がありました。その地域は隔離されていたわけではないとは思うのですが、今
まで人間たちに奉仕してきた家畜たちのうち、その義務を果たせなくなったもの
(怪我や老齢のため)たちが、ここで餌などの心配なく安らかに余生を過ごす場
所だったのでした。
想像してみてください。動物たちにそのような扱いをしていた人々ですから非常
に精神的に・社会的にどれくらい豊かな状態で暮らしていたのだろう…と。
またシャーム地方の中で私が知るのは、自分が留学していた時期のダマスカスの
一部でしかありませんが、通りを歩けばあちらこちらに冷水機や水道(道の壁か
ら出ている)が設置されています。これはダマスカス特有のものだ、と聞きまし
た。それ以外にも誰が飲んでもよいように、店の前などにはよくピクニック用の
水タンク(シリアではトルモズと呼ばれていました。)が置いてあったものでし
た。誰ものどの渇きで苦しまないようになっているわけです。
アッラーによるシャームの祝福は様々な面に現れていますが、生活費などもこれ
に含まれるのではないでしょうか?
まず物価の安さ。年々物価が上がってきているとは言え、他のアラブの国々に比
べると物価(特に食料品)は安いと言えると思います。
また多くの人が安月給あるいは無職で借金を抱えている状態であるにもかかわら
ず、何とか生活していけるということです。そして借金の存在があるにしても、
どう考えても支出のほうが収入を上回っているのに生活が成り立っている所で
す。まともに考えていたら頭がおかしくなるような経済状態ですが、何故か大丈
夫なのです!!
それからこれはシリアだけではないかもしれませんが、ホームレスがいないとい
うこと。どんなに貧しい人でも昼間は路上に座っている人でも夜がやってくると
それぞれの家に帰っていくのです。
「シリアにいた」というと、「大丈夫なの?危なくないの?」という人が殆どで
すが、はっきり言って今の日本よりよっぽど安全で安心です。この原因はイス
ラームの教えによるもの、ムスリムたち、あるいはムスリム以外の者でも自分た
ちの家庭・社会を安全なところにしようという意思と努力があるためではないで
しょうか?
「祝福されている土地だ」ということを、シリアに住み、そこを出た者は知ると
言われています。私自身も今回幾つかのことを書き連ねましたが、このページに
は表わしきれない「何か」、「数学的計算では理解できない何か」がそこにはあ
るのです。アッラーがシャーム地方の祝福を更なるものとしてくださいますよう
に…
筆者:ファーティマ佐久間
アラブ・イスラーム学院翻訳・文化講座担当
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