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週刊アラブマガジン [Vol. 23]
発行日: 2003/12/31Vol.23 2003.12.31発行
◆◇◆ 『週刊アラブマガジン』 ◆◇◆
【今週の目次】
1.編集長のごあいさつ
2.アラブ青年の日記 【私のジハード!】
3.アラビア語会話ワンポイントレッスン【またお会いしましょう】
4.イスラーム文化 【イスラームと女性】
5.預言者ムハンマド伝 【政治的手腕】
★★1. 編集長のごあいさつ ★★★★★★★★
読者の皆様
【週刊アラブマガジン】をご愛読いただきましてありがとうございます。
2004年1月からは内容を一新いたしますので、引き続きご愛読下さい。
それでは、皆様方、良いお年をお迎え下さい。
編集長
【シリーズ : 2004年前期】
●日本のシンドバッド
アラビア諸国を訪れた日本人の旅行記。
●アラブ女性
在日サウジ女性が書く女性の歴史と現状。
●クルアーン道
クルアーンの内容を知りたい方にお勧めのコーナー。
●正統カリフ伝
アラブ世界が伝えるアラビア歴史です。
●アラビア語:とっさの一言
すぐに使えるアラビア語が身に付きます。
●中東学生会議
日本人大学生が素直に語る中東での体験。
●読者の声
読者の皆様から寄せられた記事を紹介します。
★★2.アラブ青年の日記 ★★★★★★★★
【私のジハード!】
周りの友達が知らない間に、私は毎日日本でジハードをしています。多くのメ
ディアはジハードのことを聖戦という意味で捉えるのですが、それは決して正し
いとは言えません。ジハードの本当の意味は【努力】で、イスラームには大きな
ジハードと小さなジハードがあって、常にがんばることが大きなジハードになり
ます。
つまり、お父さんが自分の家族を養うために、仕事に励むのがジハードですし、
学生が熱心に勉強をするのもジハードです。親孝行も、子供の教育も、忍耐する
ことも、不正を止めることも、弱者を助けることも、他の方と丁寧に接すること
も、義務を完璧にこなすことも大きなジハードに当たります。人間が常にいい人
であり続けるために努力をしなければならいということです。“日本でのジハー
ド”はいわば自己鍛練のようなものです。
一方、小さなジハードは防衛の手段として戦うことです。自分の家族、土地、財
産を守るために戦って、亡くなられ方は殉教者だとみなされているのです。
その他、海に沈んで亡くなる方も、胃の病気で亡くなられた方も殉教者なので
す。とはいっても、我が手で自分の命を無駄にしてはいけないので、自殺するも
のは地獄に行くことが決まっています。
なぜかと言えば、命の価値が非常に高いからです。預言者ムハンマドの話による
と、ある人が一匹の猫を殺したために地獄に行くことになりました。一方、ある
人が一匹の犬の命を救ったため、天国に行くことになったそうです。
動物の命がそこまで大切にされていれば、人間の命を大切にするのが当然のこと
でしょう。イスラームではあの聖なるマッカモスクよりも、一つの命の方が重要
なのですから。
昔でも今でも、個人利益を目当てにして、多くの人を騙すために、あらゆる宗教
や考え方を利用した人は少なくありません。その宗教の教えに違反する行動で
も、何も知らない人が間違ったイメージを持つことになります。
将来、より平和で公正な世界を築くには、互いの文化を理解して尊敬し合うこと
が欠かせないのです。もちろんその過程にいたるまで沢山の問題に直面して、痛
い目に会うこともありますが、それもジハードの一つですから。
執筆:ブカーリ イサム
早稲田大学 大学院理工学研究科
アラブ・イスラーム学院文化・広報担当
┏━━━━━━━
┃3.アラビア語会話ワンポイントレッスン
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【またお会いしましょう】
友達と別れる時、
“イラッ・リカー”
(意味)「またお会いしましょう。」
アラビア語の発音を聞きたい方は下記のリンクをクリックしてください。
http://www.aii-t.org/j/maqha/magazine/lesson/audio/20031231.ram
アラビア語についてさらに詳しく学習したい方はこちらをクリックしてくださ
い。
http://www.aii-t.org/j/maqha/frame/index_hadeth.htm
基本から実践までアラビア語会話を学ぶことができます。
執筆:ムハンマド アルモヘセン
アラブ・イスラーム学院秘書
4.イスラーム文化
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【イスラームと女性】
1 イスラームによる女性解放一般
他民族の間では女性が魂のない動物、あるいは悪魔とみなされていた時代、イス
ラームは人間性において女性が男性と平等であること、男女とも祖先はアーダム
一人であり、また彼らの母親はハウワー(イブ)であると説きました。
アッラーはアルフジュラート章13節において次のように仰りました。
『人びとよ、われは一人の男と一人の女からあなた方を創り、種族と部族に分け
た。これはあなたがたを、互いに知り合うようにさせるためである。アッラーの
御許で最も貴い者は、あなたがたの中最も主を畏れる者である。』
またアルクルアーンは男女の得る報奨は同じであるとしました。
『誰でも正しい行いに励む者は、男でも女でも信仰に堅固な者。彼らは楽園に入
り、少しも不当に扱われない』(アンニサー章124節)
また他のある民族は女性に対し姦通を許していましたが、イスラームはその逆で
した。そしてムハンマドは男性たちと契約を結んだのと同様女性たちとも次のよ
うな契約を結びました。
『預言者よ、あなたの許へ女の信者がやって来て、あなたに対しこう忠誠を誓う
ならば、「アッラーの他は何ものも同位に崇めません。盗みをしません。姦通し
ません。子女を殺しません。また手や足の間で、捏造した嘘は申しません。また
正しいことには、あなたに背きません。」(と誓うならば)彼女たちの誓約を受
け入れ、彼女たちのために罪を赦されるようアッラーに祈れ。本当にアッラーは
寛容にして慈悲深くあられる。』(アルムムタハナ章12節)
またある民族は女性を蔑視し、彼女たちを社会的活動において男性のパートナー
とはみなしませんでした。イスラームは男女が社会的には平等であると言いまし
た。
『男の信者も女の信者も、互いに仲間である。かれらは正しいことをすすめ、邪
悪を禁じる。また礼拝の務めを守り、定めの喜捨をなし、アッラーとその使徒に
従う。これらの者に、アッラーは慈悲を与える。』(アッタウバ章71節)
2 イスラームによるアラブ女性の解放
アラブの幾つかの部族は女児を生き埋めにする習慣を持っていました。というの
も貧しさを恐れ、戦争によって女性捕虜になる不名誉を恐れたからです。
『彼らの一人に、女(児の出産)が知らされると、その顔は終日暗く、悲しみに
沈む。彼が知らされたものが悪いために、(恥じて)人目を避ける。不面目を忍
んでそれをかかえているか、それとも土の中にそれを埋めるか(を思い惑う)。
ああ、彼らの判断こそ災いである。』(アンナフル章58、59節)
イスラームはこの悪習を禁じ、さらに殺人者たちに(女児の)彼女が一体何故殺
されたのか問われるだろうと言っています。
また、アラブでは女性と年端のいかない子どもたちは遺産を相続しないことと
なっていました。
アルクルアーンではこう述べられています。
『男は両親および近親の遺産の一部を得、女もまた両親および近親の遺産の一部
を得る、その際遺産の多少を問わず定められように配分しなさい。』(アンニ
サー章7節)
また、アラブでは女性が金銭と同等に遺産として相続されることもありました。
『あなた方信仰する者よ、当人の意思に反して、女を相続してはならない。あな
たがたが、彼女らに与えたマハルの一部を取り戻すために、彼女らを手荒に扱っ
てはならない。』(アンニサー章19節)
『あなたがたの父が結婚したことのある女と、結婚してはならない。過ぎ去った
昔のことは問わないが。それは、恥ずべき憎むべきこと。忌まわしい道であ
る。』(アンニサー章22節)
3 結婚に対するクルアーンの見解
クルアーンの中では、結婚は個人的にまた社会的に正しい形でなされなければな
らないと書かれています。結婚は人間を存続させるための社会的な義務であり、
男女間の愛情と慈しみとして精神的な安らぎとなります。
アッラーは次のように言いました。
『またかれがあなたがた自身から、あなたがたのために配偶を創られたのは、か
れの印の一つである。あなたがたは彼女らによって安らぎを得るよう(取り計ら
われ)、あなたがたの間に愛と情けの念を植え付けられる。本当にその中には、
考え深い者への印がある。』(アッルーム章21節)
またクルアーンには次のように書かれています。
『既に互いに深い関係もあり、彼女らは堅い誓約をあなた方から得ているのであ
る。』(アンニサー章21節)
ここでいわれる「堅い誓約」とは結婚の誓約であり、これは夫婦となった男女が
お互いに相手への義務を守るという誓約です。結婚の契約は売買契約や、レンタ
ル、または奴隷化ではありません。
『彼女らはあなたがたの衣であり、あなたがたはまた彼女らの衣である。』(ア
ルバカラ章187節)
衣服とは人間にとって、その身を守り、またその身を飾り立てるものです。
また預言者はそのハディースの中で次のように述べています。
『女性は4つのことがらによって結婚される―彼女の財産・家柄・美しさ・宗
教…―』
ちなみにここでの「宗教」とは礼拝をする、断食をするといったことではありま
せん。宗教によって彼女が自分の人格・礼儀をただし、羞恥心が彼女を守るとい
うことです。クルアーンでもハディースでも自分に相応しい人を選ぶように述べ
られています。
4 イスラームにおける結婚とは
イスラームにおける結婚は、他の契約と同じく宗教関係者たちの同席を条件とは
しませんし、パーティーが開かれることも条件には入っていません。イスラーム
では結婚を男女双方の相互理解の上に基づいた契約としています。その条件は
「義務付けと受け入れ」と「二人の証人の同席」です。
このようにイスラームにおける結婚はとてもシンプルに契約がなされます。しか
し、ムスリマ女性はムスリム以外と結婚することは出来ませんし、ムスリム男性
はムスリマ女性または啓典の民(ユダヤ教、キリスト教)の女性以外の女性とは
結婚することはできません。また、結婚が禁じられる間柄には乳兄弟、それに付
随する家族関係が挙げられます(ここでは詳しくは述べません)。
またイスラームでは結婚前に婚約がなされます。そこで男性は相手の女性への結
婚の意志を伝え、自分の置かれている状況(経済的なことなど…)を伝え、結婚
契約に関する交渉を始めます。可能であれば、その際婚約者の顔をみることが好
まれます。預言者のハディースでもそのほうが互いの愛情が芽生えるでしょう、
と書かれています。またイスラームでは女性の後見人は彼女の意志を問わなけれ
ばならないとしています。ちなみに当時のヨーロッパの女性に関して言えば、結
婚の承諾に関して父親が娘の許可を取る必要はありませんでした。
またこの婚約は双方から破棄することが出来、その際手元に残っているプレゼン
トなどは相手に返します。婚約期間中であっても、婚約者同士のみが密室で二人
きりになることは許されません。婚約はあくまで婚約であって、結婚ではないか
らです。
また結婚の際は、双方のレベル(知識・家柄・人格・財産など)が同じくらいで
あることが条件とされます。
5 結納金
イスラームの結婚は結納金を男性側に義務付けています。ただし、この額は決め
られていません。この結納金は、後見人も夫も、結納金の持ち主である女性(妻
になる者)の許可なくしてそれに手をつけることは出来ません。この結納金はあ
くまでも男性側からの女性へのプレゼントであり、この金額によって女性が売買
されるわけではありません。
6 夫婦間の平等
家族とは人間社会の核であり、人間の幸福は家族の幸福に比例します。家族は男
性と女性によって形成されていますから、それは双方の関係と家族間の双方の立
場の理解のうえに成り立っているわけです。
社会が女性の正しい役割を知る前は、長年、結婚とは男性による女性の奴隷化に
等しいものがありました。アルクルアーンでは、男性に夫婦間の協力に関して指
導者の立場にある権利を与えながらも、夫婦はその義務と権利に対し平等である
としています。アルクルアーン アルバカラ章228節には次のように述べられ
ています。『女は公平な状態の下に、彼に対して対等の権利をもつ。だが男は、
女よりも一段上位である』
夫である男性が何かを必要とした時、妻にも同等のものを与えなければなりませ
ん。男性でも女性でも、どちらかが自分の利益のために片方を支配し、奴隷のよ
うに相手を扱うのは公平ではありませんし、結婚という契約のもとに共同生活を
始めたのですから、特に夫婦が互いに相手に敬意を払い、お互いに相手に権利を
与えなければならないわけです。
さて、このクルアーンの節は1つだけ例外としていることがあります。それは
『だが男は、女よりも一段上位である』という箇所です。この一段については他
の節で説明がなされています。『男は女の擁護者(家長)である。それはアッ
ラーが一方を他よりも強くなされ、かれらが自分の財産から(扶養するため)、
経費を出すためである。』(アンニサー章34節)
ある女性が知能・体力的に関して男性と同じ力をもっていたとしても、それは妊
娠そして授乳期にはどうしても失ってしまいます。ですから、男性が生活全般の
責任者となり、女性に対して子どもの教育のために家にいる時間を与え、家庭で
の安らぎを可能にするのです。
また社会の一部である夫婦は社会におけるそれと同じように二人の間で異なる意
見がでてくるはずです。そのときにその意見をまとめる役が必ず必要となりま
す。
原文:ユースフ アルカルダーウィー氏
翻訳:ファーティマ佐久間
アラブ・イスラーム学院翻訳・文化講座担当
★★5.預言者ムハンマド伝 ★★★★★★★★
【政治的手腕】
預言者ムハンマドがマディーナに到着した時、彼はイスラーム国家の形成を手が
けていました。政治学、組合、マディーナ国家の権威を打ち立てた後、その町周
辺の様々な部族との交渉を始め、彼らと条約を結びました。
また、マッカの不信仰者達と10年間の停戦協定を結ぶ事ができました。この条
約は、預言者ムハンマドの役割上、事実上政治家としての傑作でした。様々な部
族の長や外国の支配者から使節を迎えた際の態度、また、彼らへ使節を送る際の
外交的手腕、裁判官を行う際の彼の公平さ、そして、マッカの解放時の寛大な恩
赦は、彼の高尚な政治的手腕のもう一つの証明です。
彼がマディーナで設立した国家は、偶然の出来事ではありませんでした。
アッラーの道を強く主張して国家を設立した事は、まさにイスラームの布教の本
質なのです。
人々は、新しい信仰を受け入れたかもしれませんが、習慣、風習、そして、生き
方を変えるのには時間がかかった事でしょう。
そして、たとえもし少数の人々が生き方を変える事に成功したとしても、これら
の人々の信仰の実行をさせないようにし、彼らを力ずくで阻止しようとする多く
の人々がいた事でしょう。ですから、イスラーム国家は、イスラームの生き方を
保護する事が差し迫って必要となりました。
預言者ムハンマドが設立した国家は全ての国家が必然的にそうなるように、侵略
と抑圧を阻止する機能を遂行する為に立てられました。イスラームにおいて、民
主的な組織は、シューラ(議会)という言葉を通して表現されます。アル・クル
アーンでは、次の様に解しています。:
『ラッブ(主)に答えて礼拝の務めを守る者、互いに事を相談し合って行う者、
われが授けたものから施す者。』(アル・クルアーン第42章38節)
ムハンマド アル・トゥワイジュリー著
「預言者ムハンマド(彼に平安あれ)人類への恩恵」の翻訳より
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■アラブ イスラーム学院
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