毎週水曜日に更新。自費出版コンサルティング・勝どき書房の編集長が文化・スポーツ・芸術・政治問題などを切れ味よくコメントする週刊コラム。現在「狭山事件・取材ノートから」連載中。
- 最新号:2008-10-15
- 発行周期:週間
- 読んでる人:79人
- 創刊日:2003-06-27
- Score!:-点
- コメント数 : 2
- メルマガID:93767
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
コラム・ゆりかもめ(265)「狭山事件・スコップ」「宝井琴桜」
発行日: 2008/7/9━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□ 第265号 2008/07/09■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆「狭山事件・さらにスコップについて考察」◆◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「日映ライブラリー」の「朝日ニュース昭和映像」の「長引く犯
人の割り出し」に出てくるスコップの映像をもう一度見てみよう。
明らかに捜査員が見つかったばかりのスコップを両手で持っていて、
ニュース・カメラマンの前で裏表を見せている映像だ。
撮影をしたのは、善枝さんの死体発見から7日後の5月11日の
ことだろう。場所は麦畑だ。スコップを手にしている捜査員の背後
に麦の穂が見える。死体のあった農道の近くの麦畑で撮影したのだ
ろう。
さて、カメラマンはどのようにして、この映像が撮れたのだろう
か。カメラマンが広大な地域の山狩りの中に独自で入り込んで、偶
然スコップの発見時にそこにいたのだろうか。現地へ行ったことが
ある人は分かるだろうが、とてもそんな偶然に立ち会うことはでき
ない。死体発見から7日も過ぎていたら、そんな重要な証拠が見つ
かると、マスコミのほとんどは考えていないだろう。カメラマンが
山狩りに同行するはずがない。それが、重要な証拠となるスコップ
を発見した直後に、発見した警察官がどこのだれだか分からない、
ニュース・カメラマンの前で、スコップの撮影を許すのは納得がい
かない。これは、おそらく、ニュース・カメラマンは偶然来たのでな
く、警察幹部から「死体のあった近くの麦畑でスコップが見つかっ
たから、記者のみなさん、撮影したかったら現地へ行ってごらんな
さい」と情報を発信しているのだろう。広い畑の中で偶然、スコッ
プの発見に立ち会えることは考えられないからだ。「朝日ニュース
昭和映像」は、まさに「どうぞ、撮影してください」という感じで
スコップを見せているように見える。
その後、このスコップが森養豚場(仮名)から盗まれたものとし
て、森養豚場関係者が調べられることになる。しかし、4日に死体
が見つかった時点で、この付近はほかになにか落ちていないか、徹
底的に調べたはずだ。それが、11日までなにも出てこないで、突
然、ニュース・カメラマンの前に出てくるというのは出来過ぎでは
ないか。
スコップの発見は捜査範囲を絞る、決定的な事実だった。だが、
それほど重要な証拠が見つかったなら、ニュース・カメラマンの前
で撮影を許すようなことはしないはずだ。
むしろ、死体を埋めるために使ったスコップが見つかったことを
世間に印象づけるために、あえてマスコミの前で見せたのではない
だろうか。
そして、このスコップの実況見分は、その日の夜に行われたこと
になっている。順序が逆ではないか。本来なら、スコップが見つか
ったらすぐに捜査本部が実況見分をするはずだ。それまではマスコ
ミの前に出さないで、せいぜい記者会見で「スコップが見つかった
らしい」と報告するのが普通だろう。犯人が特定できていない事件
では、証拠はだれにも見せてはならないからだ。見せるとしても、
写真だろう。発見した場所で、実況見分前にカメラマンに現物を見
せるというのは、あえてそれが重要な意味を持っているとマスコミ
に分からせるようにした、スタンドプレイに見えてくる。
麦畑にはマスコミ関係者らが自由に出入りできた。それは、一般
市民も出入りできたのだろう。死体発見から7日も過ぎて、何が出
てきても、それはもう証拠とはいえないのではないか。すべては、
死体発見の4日前後に捜査員が山狩りで徹底的に調べているはずだ
からだ。スコップが埋めてあったなら別だ。しかし、麦畑の中に置
いてあった。
その後、証拠品が次々とバラバラに見つかるが、いずれも捜査員
が捜索したはずの場所からだった。これはいったいなにを意味し
ているのか。 (つづく)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注意・当メルマガに掲載されているすべての文章の無断転載、
転用を禁止します。文章は著作権法によって保護を受けています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
参考図書 『狭山事件の真犯人』 著者・殿岡 駿星
狭山の女子高生殺人事件、真犯人に迫るノンフィクション推理小説
◆勝どき書房編集・46判1800円/税別・購入は「アマゾン」で。
http://www.amazon.co.jp/ (勝どき書房直売は送料込み1700円)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆「宝井琴桜の『安藤昌益 発見伝』を聴く」◆◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6日、千代田区半蔵門の国立演芸場で行われた第40回、講談か
ぶら矢会の中で宝井琴桜(きんおう)が講談「安藤昌益 発見伝」
を演じた。
琴桜は1975年女性初の真打ちの講釈師として活躍。これま
でに。歴史上の女性を対象にした創作講談を自作自演している。
主な話としては、「瓜生岩子伝(社会福祉の先覚者)」「民権ばあさ
ん楠瀬喜多(女性と政治)」「与謝野晶子物語(仕事も家庭も)」
「連続講談・平塚らいてう(元始女性は太陽であった)」などが
好評だ。
そのほか、最近は安藤昌益についていろいろと研究し、これま
で足立区の「安藤昌益と千住宿の関係を調べる会」が主催するフ
ァーラムなどで、「安藤昌益 発見伝」を演じてきた。しかし、
一龍斎貞山や宝井琴梅ら宝井一門が演じる「かぶら矢会」では演
じてこなかった。今回は貞山が「怪談 お紺殺し」、琴梅が「男
の花道」など、それぞれ6人の講釈師はおなじみの古典講談を演
じた。
琴桜が安藤昌益という、あまり知られていない江戸時代の思想
家を国立演芸場で演じるのは、ある意味で冒険でもある。明治時
代に足立区の北千住に安藤昌益の著作「自然真営道」101巻93冊
が橋本律蔵宅に置いてあり、それが狩野亨吉によって偉大なる思想
であることが分かるまでのいきさつを語るのだが、ほとんどその事
実に関心のない演芸場の客たちに理解できるか不安な面もあったの
だろう。
わたしは、安藤昌益の会の事務局長である石渡博明さんの還暦の
会に参加し、同じテーブルにいた琴桜と知り合うことができて、こ
の日の招待券をいただいた。
これまで、千住での公演では、1時間ほどかけてじっくりと演じ
ていたが、今回は25分と短いのでどうなるか心配だった。しかし、
琴桜は短い時間を感じさせないで、見事に発見のいきさつを説明し
た。おそらく、多くの客は安藤昌益について初めて聞いたと思うが、
初心者にも分かるように易しい言葉で、演じたのでわたし自身もた
めになった。
終わると満員の300席は盛大な拍手だった。講談といえば、と
かく、分かり切った古典ものが多い中で、本当に勉強になる講釈を
聴くことができてうれしかった。まさに、歴史をひもとく講釈の原
点をみた思いだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★〜★〜★〜★〜★ 勝どき書房の本紹介★〜★〜★〜★〜★
『カエルの日曜日 末永泉童話集』著者末永泉 絵末永知恵子
家族の絆や、友情、恋を少年のような温かい心で綴る16編の童話
◆発行・勝どき書房 上製 定価1500円・税別
……………………………………………………………………………
『新聞記者はなぜ殺されたのか』著者・殿岡 駿星
秩父困民党を名乗る脅迫状、記者殺害の真相に迫るミステリ小説
◆発行・勝どき書房 並製 定価2300円・税別
……………………………………………………………………………
『平家物語の雑歌屋でぇござい』著者・山田 観風讃
平家物語を700余の短歌で詠み綴る歴史短歌作家の画期的歌集。
◆発行・勝どき書房 ・四六判上製 2000円・税別
……………………………………………………………………………
『桃咲く藁家から 橋本夢道傳』 著者・漆原伯夫
日本の暗い時代、反戦を貫いた自由律俳人橋本夢道の生涯
◆勝どき書房販売 税込み送料込み価格 1800円
……………………………………………………………………………
◇本の注文は勝どき書房へメールで katidoki_syobou@ybb.ne.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■雪・月・花■□7日は七夕祭りだったが、あいにくの天気で星
は見えなかった。「たなばた」を「七夕」と書くのはどう考えても理
解できない当て字だ。いろいろと調べてみると、どうも、「棚機」と
書くのが本来らしい。江戸時代は結婚できない若者がたくさんいた。
「棚機」とは家にいる娘を嫁に出さず、棚に上げて機を織らせたこ
とからくるらしい。また、農家の二男、三男の場合は、独立させず
嫁を持たせず、部屋住みの作男として生涯働かせたようだ。
そんな若者たちにとって、夏祭りの夜は年に一度の逢瀬を楽しむ機
会だった。織女と牽牛の物語は、おとぎ話でなく実際にあったものと
思われる。棚機の娘と作男たちは、夏祭りの夜に一瞬の恋をした。結婚
には結びつかない。仮に妊娠しても、ほとんどの場合が間引きされた
らしい。江戸時代の300年間、日本の人口がほとんど変わらなかっ
たのも、そのような理不尽な因習があったからかもしれない。
●七夕の笹に願いはしあわせに(駿星)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- 言論NPOメールマガジン
- 現在、各政党によるマニフェスト(政権公約)の作成が提案されています。言論NPOは中立的な立場で評価し、責任と実行性のあるマニフェストの作成を各政党に...
- 私の主張 ひとりの日本人として
- 国を愛する心や日本人としての誇りを喪失させる風潮を作り上げた偏向マスコミや反日日本人に憤慨し、日頃から思いつくまま書いています「今日のコラム」をメー...
- 経営コンサルのマジな時事問題
- 練熟コンサルタントの経営手法やビジネスマンに必要な知識を基に、はずしてならない原理原則をふまえた上で、現代の時事問題のメカニズムを力説。世の中で起こ...
- 花岡信昭メールマガジン
- 政治ジャーナリスト・花岡信昭が独自の視点で激動の政治を分析・考察します。ときにあちこち飛びます。
- 世界の新聞「101紙」の視点
- 主要紙の社説もトップ記事も、このメルマガだけでOK! 表題のみ広く浅く眺めるもよし。気になる記事を深く読むもよし。各新聞の「エントランスマガジン」と...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/backnumber_article/melma_logo.gif)


