田坂広志氏が主催する「社会起業家フォーラム」で紹介されたメルマガです。経営学、心理学、歴史など様々な分野をおりまぜ“人”を中心に考える元気の出るリーダーへの応援歌です!本のプレゼントもやってます!
- 最新号:2008-10-10
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『リーダーへ贈る108通の手紙』【83通目】
発行日: 2003/11/12
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『リーダへ贈る108通の手紙』
earthship-c.com
03.11.12
83通目
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リーダー様へ
拝啓 霜月に 白い息みて 襟正す
如何お過ごしでしょうか?
さて、本日も、昨日からの続きでございます。
時代を越えて心得るべきものがある。
そんなテーマで進んでおります。
二つの話がございました。
かつてのGMの社長スローン氏の話。1920年代から1930年代
の話です。もう一つは、棟方志功氏(1903〜1975)でした。
…………………………………………………………………………………
■小我:自分一人にとらわれた狭い我。利己的な立場の主体性。
○大我:利己的な立場を克服し、より広く公共的な立場をとる主体性。
(「大辞林」より)
…………………………………………………………………………………
といったこと。そして、GMの社内文書から垣間見えたスローン社長
の苦悩の言葉。そこから
★問題と対峙する礼儀作法
そんな言葉も出てまいりました。
それらを思いだして頂きまして、さてさて論を進めさせて頂きます。
〜〜〜
今年、2003年は、棟方志功生誕100年の年です。
その一環なのか分かりませんが、今年の春頃テレビで特集がありまし
た。その時に、氏が作品を制作する風景を見ました。
そこで、何が驚いたかと言いますと、その姿勢なのです。
生来、弱視というハンディキャップを背負っていたためだと思います。
版画となる板を床にしき、彫刻刀などを手にもち、膝をつきます。
それでもって、顔をその板すれすれまでもっていきます。それで彫る
のです。視界は半径10cmもないのではと思うほどです。
見方によって、顔と板がくっついているようにも見えます。
作品は、その殆どが即興で作られたと言われていました。
つまり、その場の思い付き、考え、想い、それらによって世界の人々
を驚かせる作品が出来上がったというのです。
ですが、最近、作品の下絵が発見されました。それで、即興で作られ
たとされていたものの中にも、ある程度の準備があったのではと言わ
れています。
さて、それはよいのですが、とにかく、その近視眼的な、全体をまる
で見ることなしに、作品がどんどん出来上がっていくその姿。
これは圧巻でした。
彫っていくその箇所は数センチメートルです。ですが、実際の作品は
高さ1メートルほどのものもあります。
つまり、細部を掘りながら、常に全体像が頭の中にあったのだという
ことです。
★部分をみながら、全体を考えている
何やらリーダーが心掛けるべきものに通じてきます。
テレビをみていましたら、そんな姿勢でどんどん、どんどん、それこ
そ即興と思えるがごとしに、彫っていくものですから、やはり、
「神業」のようなものに思えてなりませんでした。
そして、その時に、氏は、
★「大我」
とともにあったのだろうと思うと、何やら震えるものがあるのです。
〜〜〜
★「経営者意識を持て」
よく言われることです。
ですが、課なり、部なり、それぞれ思いがある。それぞれにエゴがあ
り、それに従い動いていくこともある。
そして、問題が発生すれば、やはり、隠したいもの。
それが人間の心理です。ただ、その時、胸に潜むもの、それは「小我」
とよばれるものでしょう。「自分一人にとらわれた狭い我」です。
だからといってそれは、無くなりはしない。致し方のないもの。
わたしはそう思います。人間ですから。
ただ、エゴには、力があります。ですから、その力をうまく良い方向
へ活用すればいいのです。それはそれで、いいことです。
「自分自身の成長のために仕事に取組む」
「自分自身の未来をみすえ資格をとっておく」
「自分自身のことを考えて、人脈づくりに励む」
エゴを克服する、無くす、というのではなく
(もちろんできればいいのでしょうが)むしろ、
小我>大我 → 小我<大我
といったように、双方を共存はさせながらも、「大我」の割合を大き
くしていく。または、「大我」なる視点を「小我」とともにいつも
チェック機能として持つ。そんな事が肝要だと思うのです。
なんだか、抽象的ですので、ビジネスの場面で具体的に言うならば、
「会社全体として考えた時にはどうなんだろう?」
という視点に立つということ。さてさて、話しが戻りまして、まさに
★「経営者意識を持て」
ということでございます。さらには、社会全体として、地球全体とし
て、または、次の世代を考えた時、現在の事業は、取組んでいるプロ
ジェククトは、果たして、是か非か?
などという考え方は、これからの時代、ますますその重要性を増して
いくことです。その事は、決して忘れてはならないと強く思っていま
す。
そう考えてきますと
小我を→大我へ
という風に、
★小我を大我へ大きく育て上げる。
そんな考え方もあるのかもしれません。
この時代「大我事業」などというコンセプトワードは、どこかの会社
の事業計画書にありそうです・・・・
…………………………………………………………………………………
私はスローンと1943年以降、氏が他界するわずか数カ月前まで
20年にわたって親しく交流を続けたが、その間、一度だけ本気で
怒りを向けられた。『ニューヨーク・タイムズ』掲載の書評で、
『GMとともに』を楽しい読み物だと称えたからだ。スローンは、
私があえて誤解を招く表現を用いたといって非難したのだった。
この本を決して「楽しく」読むために書いたのではない。
『GMとともに』を執筆したのは、職業経営者(プロフェッショナル
マネジャー)という新しい職業を確立して、そのリーダー、さらには
意志決定者としての役割を明確にするためである。
『GMとともに』(アルフレッド P.スローンJr.ダイヤモン社)
…………………………………………………………………………………
ここでの私とは、ピーター・ドラッカー氏のことです。
この言葉は、『GMとともに』におさめられた氏の寄稿文の一節です。
この書では、随所に社内文書が公開されています。そして、ちょっと
恥ずかしいのではと思うような、昨日(82通目)の文面もあります。
企業の年史などではよくあるのでしょうが、ビジネス書として広く
読まれているものに、こういった体裁をなしている点には、深く感銘
を受けます。
なぜならば、そこに「大我」を感じるからです。
スローン氏がそこまでして伝えてようとしたこと、その「志」の中に
自分の利益だけにとらわれないという経営者としての姿勢がみえてき
て、敬服するものがあります。
それは、また、私たちが、すっと理解できる、
★自利利他
そのことを体現していると感じるからです。
この言葉もまた、本来は仏教の言葉ですが、辞書(大辞林)でその
意味を拾ってみます。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
自らの仏道修行により得た功徳を自分が受け取るとともに、
他のための仏法の利益をはかること。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
もうあまり言葉はいらないと思います。
そして、そのことをそれぞれなりの置かれた環境の中で、現実に起き
ていることと関連させながら、心静かに考えていった時、
★問題と対峙する礼儀作法
このこととを考えるよき材料になるものと思っております。
〜〜〜
リーダーは、ある意味、自分が起こしたものでない問題を、自分の事
として処理していかなくてはなりません。
そこには、確かに何かしら理不尽さを感じてしまうことも、しばしば
のことでしょう。
ですが、自分の心の中にわき起こるその「小我」なる気持を睨みなが
ら、今日も、部下のためにひと肌ぬいでいった時、“あなた様”は、
確実に「大いなる我」を育て上げていっているのだと思います。
★時代を越えて心得るべきものがある。
どうぞ、その事を胸に秘め、“あなた様”がリーダーとして、本日も
勇往邁進されますことをお祈りし、終わりとさせて頂きます。
首の痛みは続きます。
どうぞ!どうぞ!お体だけは大切になさって下さい(笑)
本日はこれにて失礼します。
敬具
平成十五年十一月十一日
松山 淳より
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◆自問◆
1)私は、自分のエゴを見つめたことがあるだろうか?
2)私は、問題と堂々と対峙しているだろうか?
3)私は、どんな判断基準をもっているだろうか?
※今すぐ、目をとじて30秒だけ考えて下さい。今すぐ!席をたたないで!
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◆追伸◆
東京は今日も、雨でした。
ふと息を吐きましたら、白く宙に流れました。
秋が深まり、また、季節のページがめくれていくようです。
〜最後まで読んで下さいまして、本当にありがとうございます〜
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■発 行 者:アースシップ・コンサルティング 松山 淳(35)
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【ことば】 「プロフェッショナル・マネジャーは奉仕の精神にあふれて
いなくてはならない。高い地位にあるからといって、特権が
認められているわけではない。権力が与えられているわけで
はない。与えられているのは責任なのである。」
(ピーター・ドッラカー)
(『GMとともに』(ダイヤモン社)のより)
「肩書、名刺で仕事をするな!」
わたくしよく怒鳴られました。
今日も一日是非ともがんばって下さい!!
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