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売れたま!戦略編Vol.061 2008/05/29 蒸気でホットアイマスク:「何で無かったの?」という新商品

発行日: 2008/5/30

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.061 2008/05/29
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 ■_蒸気でホットアイマスク:何で無かったの?という新商品_■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●新商品が売れるかどうかの基準の一つは、「何で無かったの?」と
 言われるかどうか。

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◆蒸気でホットアイマスク
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●この商品、どう思いますか?


とりあえずこのニュースをお読みいただけますか? どんな印象をお
持ちになるか、考えてみてください。


-----------------------< 記事要約 >-----------------------

○花王が「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」という温熱アイマ
 スクを昨秋発売


○パッケージから取り出すだけで、蒸気を含んだ温熱を発し、目元を
 暖めて緊張をじんわりとほぐす。空気に触れると酸化して発熱する
 独自開発のシートを採用。シートの内部には水分も含ませており、
 熱で蒸気が発生する。


○花王の調査では、20〜30代の働く女性は1日平均7時間以上も
 液晶画面と向き合っていおり、目を酷使している。20代女性では
 半数以上が「ストレスを受けている」という。


2008/01/30, 日経産業新聞, 28ページ


-----------------------< 記事要約 >-----------------------


さらに具体的な情報が必要であれば、花王のサイトへどうぞ。


http://www.kao.co.jp/megurism/eye/merit/index.html


あなたはどう思われました??



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◆新商品の判断基準
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●新商品は社内から異論がでることが多い

このような今までに無かった新商品を出そうとすると、特に社内から
は様々な反応が返ってくるでしょう。

ちなみにこの場合は、同紙によると、「社内から『こんな商品が売れ
るのか』という声」があがったそうです。そういう商品が無かったか
らのようです。


マーケターが主として気にすべきは社内の反応ではなく(社内の意見
は政治的な意味で対応しなければつぶされるので、対応する必要はあ
りますが)、お客様の反応ですよね。


おそらくはこの商品の潜在顧客であるあなたはどう思われましたか?


私の反応は……「そんな商品、何で無かったの?」でした。もちろん
ポジティブな意味です。

私も1日10時間はパソコンの画面と向かい合いますので、目が疲れ
ます……なので、このニュースをみた瞬間に、「そりゃあっていいよ
ね。何でそういうのが今まで無かったの? 試してみたいね」と反射
的に思ったわけです。


そう思ったのは私だけでは無いようで、


-----------------------< 記事要約 >-----------------------

○「爆睡するほど気持ちいい」「目の疲れがとれた」などの反応がブ
 ログなどで広がり、「販売数量は目標を約3割上回る」滑り出し。

○主要顧客に想定していた働く女性はもちろん、男性客の購入も目立
 つという。


2008/01/30, 日経産業新聞, 28ページ

-----------------------< 記事要約 >-----------------------

と、売上はそれなりに好調なようです。



●新商品を開発する、発売する、の判断基準は?


新商品を開発する・しない、販売する・しない、という決定は、会社
にとっては非常に重要です。やってみて売れなければ、損失が発生し
ます。逆に、売れるはずだったのにやらなければ今度は機会損失が発
生します。


通常は綿密な市場調査、商品評価などを行うことが多いですよね。そ
れは無論必要なのですが、数字だけを信じていいかどうか、難しいと
ころなのです。

定量調査では売れると出たのに売れなかったり、などの例は枚挙にい
とまがありません。

ですから、定量調査を補完する「何か」が必要です。

その「何か」が、


「何で今まで無かったの?」


というお客様の反応がどれくらいあるかどうか、ですね。


定量調査はアタマで考える調査です。「欲しいですか?」と聞かれて
欲しいと回答したのに買わない、欲しくないと回答したのに買う、と
いうことがままあるのは、その「アタマで考えた回答」と、感覚で感
じたことが一致しないから、というのも一因です。


「何で今まで無かったの?」

という反応は、アタマで考えた反応ではなく、反射的に浮かぶ反応で
すよね。

全てのヒット商品がそうだというわけではありませんが、

「何で今まで無かったの?」

と多くの人が応えてくれる、考えてくれる新商品は、かなり成功の確
率が高いはずです。

同じ花王でいえば、クイックルワイパーなんかはそうですね。いちい
ちそれがなぜ必要なのかを説明しなくても、

「フローリングの掃除に便利だよね。何で今までなかったの?」

と思いましたよね?


古くまでさかのぼると、カルピスウォーターです。

カルピスウォーターが1990年代初めに発売されたときもそうでし
た。それまでカルピスは、原液を薄めて飲む飲み方しか無かったので
すが、缶ジュースとして、あらかじめ一番おいしい濃さに調節して販
売された瞬間に大ヒット。

そのときも、「確かに何で今まで無かったの?」という会話が頻繁に
交わされていたように記憶しています。


「何で今まで無かったの?」

は、ヒットの保証とは言いませんが、かなり確度の高い質的情報なん
ですね。




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◆「ありそうで、なかった」
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●ひものメインの居酒屋


居酒屋というと色々なものがありますね。今は肉を目の前で焼いたり
するような居酒屋もありますが、こういうのはありました……?

-----------------------< 記事要約 >-----------------------

○「干物」メインの居酒屋「ひもの屋」が人気を集めている。常時
 30種類の干物が並ぶメニューは一見中高年向けだが、20〜30
 代の若者客も多い。揚げ物を省いたヘルシーさや、ゆっくりと語り
 合えるように配慮した店作りが、幅広い層の集客に成功。


○ひもの屋誕生のきっかけは、同社運営の居酒屋で、揚げ物の注文率
 が年々落ちている点に気付いたこと。消費者の健康志向の高まりも
 あり、「揚げ物は重い」という中高年客が増え始めていた。そこで
 着目したのが魚の干物だった。干物はアミノ酸が豊富でうまみが増
 し、カロリー控えめで健康志向にも応える。少しずつ食べられ、酒
 を片手に語り合うにも最適で、味にうるさいが、健 康も気になる
 という中高年層にぴったりだ。


○店側の利点は、生から焼くよりも焼き方が簡単で、熟練の職人でな
 くとも調理ができ、かつ速く焼けて、素早く提供できる。干物は、
 人気商材の一つではあっても、干物専門の居酒屋は「ありそうで、
 なかった」(金子執行役員)。

2008/02/11, 日経MJ(流通新聞), 15ページ

-----------------------< 記事要約 >-----------------------


干物メインの店は、「ありそうでなかった」わけですね。「ありそう
でなかった」の、

ありそう



なかった

は分けて考える必要があります。


1)「ありそう」か?


「そういう店がありそう」、とは、

・どんな人が行くのか
・何のために行くのか
・どのような会話のあとに行くのか

という、お客様が行くシーンが容易に、直感的に想像できる、という
ことです。つまり、ニーズがありそう、という直感的な判断をどこか
でくだしているわけですね。


2)「なかった」か?

「そういう店がなかった」というのは、競合が無い(短期的には)、
ということですね。

もっとも、ニーズが無いから「なかった」のかもしれませんので、そ
れは注意しないといけませんが。



ですから、「ありそうでなかった」場合、ニーズが想像できるのに、
競合がいない、ということです。

ですから、この店も好調なのでしょうね。

さきほどのカルピスウォーターも、ありそうでなかった商品だったと
も言えますね。



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◆論理思考と「感覚」思考
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●量的調査と質的調査


新商品を出すときでも、新ビジネスを始めるときでも、


1)論理的・定量的な検証:定量的市場調査、積み上げ思考



2)感覚的・定性的な確認:定性的市場調査、肌感覚


の両方が必要になります。


そして、2)の肌感覚が

「何で無かったの?」

「ありそうでなかった」

という感覚があるかないか、ですね。


市場調査をするにしても、やり方は色々とあるはずです。おきまりの
アンケート調査やグルインに限りません。


「蒸気でホットアイマスク」で定量調査を行う場合は、この商品が売
れる・売れない以前に、


「目が疲れている人はどれくらいいるのか?」


という定量的な検証は必要です。そこは量的に把握しておきませんと
そもそもニーズが無い、ということになってしまいます。


それだけでは不十分で、特に売れる・売れない、という意味では、


暖かいおしぼりを疲れた目に載せてみて、

「これって気持ちいいですか?」

という感覚的な検証をすればいいわけです。この調査であれば、具体
的な商品開発に入る前でもできますよね。これは、感覚的・定性的な
検証ですね。

ちなみに、これを多くの人に聞けば「感覚」を「定量化」することも
できますよね。



●論理的な思考と肌感覚の両方が必要


ゴールデンウィーク特別号で「マーケティングの思考術」計3回をお
送りしましたが、マーケターに「感覚的」な思考は必須です。さらに
論理的・定量的なスキルも必要です。


結局、売れる商品をつくるには、


・論理的思考



・肌感覚

の両方が必要なんです。特に肌感覚においては、自分の買い物経験が
役に立ちます。

「何で無かったの?」

「ありそうでなかった」

というような感覚を自分が持ったのはどんなときか、考えてみればい
いんです。

私たちの毎日の生活がマーケティングなんです!!



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◆今日のまとめ
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●論理的思考と肌感覚のやりとりをしよう!



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▼今日の日記▲

今日はある若手ベンチャー起業の経営者の方とランチ。創業後順調に
推移しつつも、このあたりで見直しをしたい、なんていうお話をされ
ていました。ビジネスモデルの拡張・見直しですね。

ビジネスモデルの構築・修正、というのは経営者の醍醐味の一つだと
思います。私も一人でやっている会社ではありますが、立ち上げ時か
らある程度見通してやってきました。今月で2期目の決算が終わり、
おかげさまでそこそこ順調に終えられそうです。当社もそろそろ次の
手を色々と考えていこうかと思ってます。

見直しのポイントですか? もちろん戦略BASiCSです。私も自
社の戦略を戦略BASiCSで定期的に見直しています。そこでの気
づきなどが反映されてまた戦略BASiCSも進化し続けていくわけ
です。


●今日のiPod Tune:カバーされた名曲!

すっかり春ですね! 春といえば、転勤・異動……で、その後は、引
き継ぎの季節でもあります。

ということで、後生に引き継がれた、カバーされた名曲特集!

Jupiterもそうですが、名曲は、ジャンルを超えてカバーされますよ
ね。懐かしいところではこんな曲が……


キッスは目にして! by ザ・ヴィーナス


始めたきいたとき、「どこかで聞いたことが……」という、懐かしい
メロディでした。厳密な意味でカバーではありませんが、原曲は、あ
のベートーベンのピアノ曲、「エリーゼのために」です。

あれをポップにしたらまさにこうなります。慣れ親しんだ名曲を楽し
く仕上げ、1981年に大ヒットしましたね。春のウキウキ気分にぴ
ったりの1曲です♪



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