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SHIZA旅(戦闘の果て2)

発行日: 2008/4/21


SHIZA旅(戦闘の果て2)
2008.04.20 00:02作成:日本
2008.04.20 22:32貼付:日本
2008.04.21 02:00配信予定(日本時間):時差0時間
まぐまぐ:169部 melma!:461部
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【このメールマガジンについて】
これは、2003年4月から2006年8月まで旅をした経験などを元に
旅の思い出などを中心に語るメールマガジンです。

現在は、日本で再就職をしていますので、
お間違いないようにお願い致します。
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(まぐまぐ)
http://archive.mag2.com/0000206271/index.html

内容は同じです。
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【目次】
1.マザリシャリフ
2.アリー廟
3.マスードの街
4.ドスタム将軍
5.編集後記
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【1.マザリシャリフ】

乾いた風は熱を帯びつつある。

カブールから24時間以上かかって、
車は、マザリシャリフの街に滑り込んだ。

マザリシャリフ中心部に位置する「ハズラット・アリー廟」は、
強い光を浴び淡碧色に輝いている。

今は、廟のドームは、なめらかな曲線を描き、
入り口のアーチは、玉ネギ型の特徴的な弧を作る。

表面のタイルに描かれた複雑な紋様を眺めていると、
ついに、異国に来たのだなあという想いが込み上げてくる。

ラザルゴ(LAZALUGO)ホテルにチェックインして、
(ラザルゴホテルも、食堂の上の階に部屋があるタイプの宿)
ハマム(ハンマーム)へ行った。(15アフガニ=38円程度)


ハマムというのは、イスラーム圏によくある風呂屋のことだ。

「風呂」と言っても、アフガンのそれは、湯船はなく、
蛇口から温い湯がでるだけのものだった。

その湯を洗面器に溜め、体を洗うのだ。

コンクリを打ち付けただけの殺風景な個室に入り、体を洗った。
埃にまみれた全身が、清められていくようだ。

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【2.アリー廟】

「マザリシャリフ」というのは「聖なる墓」とかいう意味らしい。

その「聖なる墓」が、先ほど少し触れた、
「ハズラット・アリー廟」(ハズラト・アリー廟)だ。

「アリー」というのは、正統カリフ時代のアリー(656-661)
ムハンマドのいとこで、
かつ娘婿でもあるあの「アリー」のことのようだ。


アリーは、4代目カリフであり、同時に
初代「イマーム」でもあるから、ややこしい。

ちなみに、アリー廟(とされているもの)は、
イラクの「ナジャフ」を始め、各地にあるようで、
シーア派にとって、アリーが重要であることがよく分る。


そして、アリーと言えば、12イマーム派(十二イマーム派)。

12イマーム派と言えば、シーア派、そしてシーア派といえばイラン。
というように、連想されていく。

だから、シーア派のハザラ人(アザラ人)がこの街に居たのだった。

ハザラ人は、バーミヤン付近に主に住んでいるようだが、
このマザリシャリフでも影響力を持っていた。
(マザリシャリフのハザラ人については後述)

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【3.マスードの街】

そのアリー廟近くを歩いていて、「マスード将軍の肖像」を見つけた。

あれ?
それはおかしい。


アフガニスタンの現代史を学んだことがある方ならそう思うことだろう。

偶像崇拝を禁じるイスラームの教えに反するから?
という理由もあるが、それ以上に不可解なのは、

ここが、「マザリシャリフだ」ということだ。


マザリシャリフと言えば、「ドスタム将軍」の本拠地のはずだ。
(ドスタム将軍=ラシッド・ドスタム)


ドスタム将軍とマスード将軍は、必ずしも仲がよかった訳ではない。
(反タリバンで団結したときも確かにあったけれど)

彼らだけではなく、イスマール・ハン(ヘラートの盟主)、
ヘクマティアル(パシュトゥーン人主体の「イスラム党」代表)
などの軍閥同士は、決して仲がよかった訳ではない。

それからハザラ人勢力とタリバン。

これら軍閥が共同して国を統治できれば、
アフガニスタンの混乱は遥かに少なかったはずだ。

民族割拠の国を統治する難しさがここにある。


彼らはいがみ合いを続け、
一時的に強力関係にあったこともあるが、
勢力争いは止むことがなかった。

その勢力図を劇的に変えたのは、タリバンだったのだ。
(それでもマスード将軍は持ちこたえたが)

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【4.ドスタム将軍】

さて、話を戻すと、ドスタム将軍の本拠地であるはずの
マザリシャリフに何故?マスード将軍の肖像画があるのか?

その理由は、私が訪問したとき、
この街は、「ウスタ・アタ」副司令官の支配下にあったからだ。

「副司令官」とは、
新生アフガン政府の「北部五州軍管区」の「副司令官」のことで、
では「最高司令官」が誰かと言うと、
皆さんおなじみのラシッド・ドスタム将軍だ。

副司令官のアタ氏が、最高司令官以上の規模の都市を手にしている。
それが、政治の面白さであり、権力の怖さでもある。


アタ副司令官は、タジク人。

タジク人と言えば、マスード将軍。
そう、アタ副司令官は、マスード将軍に仕えていたのだ。

それが、現在ここにマスード将軍の肖像画がある理由だ。

余談だが、マスード派は、
タリバン崩壊後のアフガニスタンで重要な鍵を握る。
(だから北部の中心都市、マザリシャリフを支配しているのだろう)


それでは、
マザリシャリフを取られたドスタム将軍はどこにいったかというと、
マザリシャリフから100キロほど西の「シバルガン」という町にいる。

ここには、ドスタム将軍の肖像画が街にあるという。

最高司令官のドスタム将軍がシバルガンという小さい町にいて、
副司令官のアタが、マザリシャリフにいる。

改めて、政治の力は、複雑であると思わずにはいられない。

(1アフガニ=約2.5円:2003年7月)


クリックすると写真が表示されるはずです。
(飛べない場合はコピペして下さい)

これがマスード将軍の肖像画。後方がアリー廟
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/afghan45.jpg

アリー廟。ここは異教徒であることを理由に入場拒否された
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/afghan46.jpg

アリー廟の見事なタイル
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/afghan47.jpg

アリー廟のアーチ
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/afghan48.jpg

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【5.編集後記】

ガソリン価格に関して、興味深い内容が書かれていたので紹介する。

「たびそら」の三井さんのメルマガだ。
このメルマガは以前も紹介させて頂いたことがある。

「ガソリン価格引き下げの愚劣さをアジアから考える」
http://archive.mag2html.com/200804141130000000081465000.html

それから私は、ハイパーインフレのことが頭から抜けない。
ハイパーインフレの国をいくつも旅してきたからだろうか。

一例は、ジンバブエで、この国の凄まじさは、
ときどき、ニュースでも取り上げられる。

ジンバブエの場合、愚かな政治がハイパーインフレを呼び、
国は崩壊寸前だ。(政治的独立は保っているが経済は事実上壊滅)

独立している分、チベットよりはマシ
という見方もあるかもしれないが、
崩壊していく国に滞在してくると、
日本もいつ崩壊するか、気が気でなくなる。

旅をしていたとき、ある人と話をしていて、
「それじゃあ、お札をバンバン印刷すればいいじゃない」
という回答が返ってきたが、皆様はどう考えますか?

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発行者プロフィール

ペンネーム : SHIZA

  • 2003年3月に電機メーカを退職。約1200日(3年4ヶ月)かけて世界一周。帰国後は、再び電機メーカに就職し、時間を見つけて短期の旅に出ている。(訪問国数110カ国以上)

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