「日本から飛行機を使わずにケープタウンまで行ってみよう」それが当初の旅の目的だった・・・3年4ヶ月世界一周半。累積訪問国110ヶ国以上。アジア、中東、アフリカ、中南米、中央アジア、ロシア。「辺境」を好んで旅した著者による記録。是非ご登録下さい。(無料)【相互紹介歓迎】
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SHIZA旅(パキスタンの霧3)
発行日: 2007/12/31
SHIZA旅(パキスタンの霧3)
2007.12.29 22:35作成:日本
2007.12.30 00:31貼付:日本
2007.12.31 02:00配信予定(日本時間):時差0時間
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【このメールマガジンについて】
これは、2003年4月から2006年8月まで旅をした経験などを元に
旅の思い出などを中心に語るメールマガジンです。
現在は、日本で再就職をしていますので、
お間違いないようにお願い致します。
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【目次】
1.峪
2.経緯
3.勝新
4.編集後記
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【1.峪】
扉を開けると、目の前には緑の峪が広がっている。
糸杉のような木々が天を向いて立ち並び、その向こうに川が流れる。
川の向こうには、栗色の山々が光り輝き、
遥か彼方に、純白の氷河を抱いた山脈が白い肌をさらしている。
冷たい風が、頬をかすめて通り過ぎ、
風に誘われて、ふらふらと部屋を出ると強烈な太陽光線が降り注ぐ。
日陰の冷たさと、日向の灼熱。
標高の高い、山地特有の気候だ。
空はどこまでも透明な紺碧に染まり、
彼方の山の嶺には、霧のように儚い雲が流れていくのが見える。
そして、夕方になると、
疲れた太陽が、遠くの氷河をアンズ色に染めるのだ。
雲は、真珠色に輝き、栗色の山肌に流れる襞がくっきりと浮かぶ。
眼下には石垣に区切られた畑が広がり、川向こうには小さな村が見える。
夜になると、その村の静かな灯りがチラチラと揺れていく。
月が出れば、ほの暗い明りが、氷河を薄っすらと青く染める。
静かに、静かに、時間は流れていく・・・
フンザの峪の風景は、疲れた心を溶かしてくれる。
ギルギットで点滴を受ける数日前に、私が居たのがフンザの峪だった。
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【2.経緯】
ギルギットで点滴を受ける数日前、
私はフンザ(カリマバード)にいた。
インドで下痢が始まってから、次第に体力が落ちていくのが分った。
アムリトサルを経由して、パキスタンに入国した私は、
一旦、ギルギットに滞在し、
それから、このフンザに来ることになった。
(フンザの後、ギルギットへ戻りそこで診療所へ行くことになる)
発端はこの言葉だった。
「SHIZAさん。済みませんが、寝袋を運んで貰えますか?」
と、ギルギットのケイコさんに言われたのだった。
(ケイコさんは、日本人宿のオーナー)
「寝袋をケイコさんの所に置きっぱなしにしてきました。
でも、フンザでトレッキングをすることになり、寝袋が必要です。
誰か、フンザに来る旅人が居たら、持ってきてもらえないでしょうか」
ケイコさんの宿からフンザに行った旅人が、
このような内容の電話をかけてきたらしい。
私は、しばらくギルギットの「ケイコさんの宿」に滞在し、
「いつかそのうちにフンザに行きます」と宣言していた。
そこで、ダラダラと本ばかり読んでいる私に白羽の矢が立ったわけだ。
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【3.勝新】
ビニール袋に入った巨大な寝袋を二つ手渡しながら、
ケイコさんは言う。
「これをカツシンのところにいるカップルに渡してください」
「カツシン?」
「フンザインのカツシンです」
話によると、「勝新太郎」とかいう有名な人に
良く似た人が経営している宿が、
「フンザイン」という名前のようだった。
テレビをあまり観ない私には、
カツシンがどんな人かよく分からなかったが、
とにかく「フンザイン」の勝新さんのところに行くことになった。
余談だが、「カツシン」の宿の隣には、
「爺(=ジイ)」の宿があり、その宿の名前は「ハイダーイン」という。
だから、「爺」は、正確には「ハイダー爺」と呼ばなくてはならない。
(たぶん)
当時は「ハイダー爺」のところに人が集まっていた。
カレーパーティとかマージャン大会とか、
そんなことをやってたらしい。
そのおかげで、私が泊まった「勝新」の宿は、
ほとんど人が居なくて、4人部屋を独りで使わせてもらっていた。
さらにもう一つ有名な宿があった。
「勝新の宿」から、「爺の宿」の前を通り抜け、
ちょっと山道を登ったところにある、
「コショウさん」とかいう宿だ。
当時この宿の食事が美味いという評判だった。
まとめると。
【勝新の宿】:私がカップルに寝袋を届けたところ
【ハイダー爺の宿】:勝新の隣
【コショウさん】:食事が美味しい
ギルギットから70ルピーのちっちゃなバスに乗り、
(バンを改造したバス)
私はフンザまで出かけたのだった。
(1パキスタンルピー = 約2.5円:2003年7月当時)
クリックすると写真が表示されるはずです。
(飛べない場合はコピペして下さい)
フンザの峪の風景
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/paki04.jpg
フンザから見た白い山
http://www.geocities.jp/shizatabi/top/paki03.jpg
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【4.編集後記】
今は、12月30日の午前0時を回ったところだ。
12月30日の昼の便で大連に飛ぶ。
明日の今頃は、中国にいることだろう。
もう、旅行の準備はほとんど終わり、
あとは忘れ物の再確認をするだけだ。
「海外旅行」に行く直前だというのに、その実感が湧かない。
中国は、何度も行っているからなのだろうか。
思えば、中国は本当に凄まじい発展をしてきたと思う。
10年前と比べると、その発展は恐るべきものがある。
2008年のオリンピックが終わった後、
この国はどうなっていくのだろうか。
どんな国でもバブルが崩壊したように、この国もバブルが弾けるか。
それとも・・・
実は、中国以上に私が気になっているのはパキスタンだ。
数日前ピンディーで起きた「ブット元首相の暗殺」。
(ピンディー = ラワールピンディのことをこう呼ぶ)
この事件を知ったときには、かなり衝撃を受けた。
未だに信じられない。
しかし、追い討ちを掛けるようにして衝撃を受けたのは、
日本のメディアの報道だ。
こんなにたいへんなことなのに、扱いが小さすぎる。
愕然とした。
日本人にとってみれば、パキスタンの混乱など
どうでもいいことなのだろうか。
私にとっては身近な国なのに、ほとんどの日本人にとっては、
当事者意識を持つことなんて、不可能なことなのだろうか。
そうえいば、今年の10月にもブット氏を狙ったテロがあった。
100人以上が亡くなったその事件は、私はフィジーで知った。
フィジーのニュース番組は、そのニュースでもちきりだった。
しかし、日本に帰ってみると。それほど扱いは大きくはない。
日本人が無関心過ぎるのか。それとも私の意識が過剰なのか。
今回の「ブット氏暗殺」事件は、対応を間違えると、
パキスタンとアフガンとの国境地帯も不安定になるし、
そうすると、イランや中央アジアも動揺するかもしれない。
インド、中国との関係を含め、
パキスタンは、意外に影響の大きい国なのだ。
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