SHIZA旅 3年4ヶ月世界一周ひとり旅 |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
SHIZA旅(ブラジル・スリ襲撃)
2006.10.18 01:55作成:日本
2006.10.20 23:28貼付:日本
2006.10.21 02:00配信予定(日本時間):時差0時間
--------------------------------------------------------------
【メルマガ相互紹介】
「世界ぷらぷら 世界一周バックパッカー旅行記」
http://blog.mag2.com/m/log/0000143572
旅の病がぶり返して会社を辞めた踊り好きなタカさんと、
やりたい事はやらないと気が済すまないマユさんが未踏の大地を行く!
WEBサイトの更新より一足先に旅の情報をお知らせします!
<SHIZAコメント>
トルコのイスタンブール、ブルガリアのソフィアでお会いしました。
takaさんには、メルマガ発行のアドバイスをいろいろと頂きました。
あの頃が懐かしい。
--------------------------------------------------------------
【目次】
1.太鼓の音
2.ぐいぐいと人垣が
3.駆けていく
4.人ごみから叫び声が
5.編集後記
--------------------------------------------------------------
【1.太鼓の音】
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
どこか遠くから太鼓の音が響いてくる。
ここは、サルバドールの下町。
旧市街から、急な坂道を下ってくると、海沿いの道にでる。
この辺りは、夜は強盗などが多くて危険な場所でもあるのだ。
ブラジルのサルバドールで、子供のスリ集団に遭遇してから数日後。
カルナバル(カーニバルのこと)前日、
バーハ海岸(地名)近くで、祭りがあった。
その祭りを見るため、私は出かけていった。
その祭りでは、日本人グループの
「太鼓部隊」が演奏するということを聞いていた。
日本人の旅人などを含む人々がグループを作り、
太鼓の演奏を行なうのだ。
海辺の近くにある道に私は立っている。
道路のすぐ向こうには、砂浜が広がり、
渚には人びとが波と戯れている。
太陽はギラギラと輝き、立っているだけでも暑い。
短パンと靴という格好で私は立っている。
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
30分ぐらい待っていると、日本人の太鼓部隊がやってきた。
日本人部隊は、太鼓を叩きながら行進して行き、
その周りを、見物人たちが取り囲みながら進んでいく。
私は、見物人たちの後ろから付いて行った。
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
太鼓は、軽快なリズムを叩いている。
--------------------------------------------------------------
【2.ぐいぐいと人垣が】
太鼓の音のする周りを、多くの人が取り囲み、
太鼓部隊の歩く早さに合わせて歩いていく。
周りにいる人たちは、勝手に体を動かして、サンバを踊っている。
ブラジル人は本当に踊りが好きなのだ。
そういう人たちと一緒にいると、
こっちまで何故か、うきうきした気分になるから不思議だ。
人垣がどんどん膨れ上がり、
私の後ろにもたくさんの人が集まりだした。
急激に人の数が増えていく。
そしてあっという間に私は囲まれてしまった。
まるで、満員電車の中にいるような気分だ。
一瞬、私の周り全てが人の波になり、
後ろからグイグイと押され、私は、よろめきながら歩いた。
最後に、バンッと、後ろから体当たりされ、
バランスを崩して倒れそうになる。
おっと危ない。
辛うじて踏みとどまると、私はまた歩きだし、
その瞬間、頭の中がパッと白くなるような感じがした。
「あっ、しまった!」
反射的に、左のポケットに手を当てる。
「やられた!」
ない。無くなった。
左のポケットは空になっていた。
スリにやられたのだ。
--------------------------------------------------------------
【3.駆けていく】
本能的に右を見ると、人ごみの果てに、一人の男が見えた。
その男が手にしているものが・・・私のポケットの中身だった。
「このやろっ!」
そっちに向かって駆け出した。駆け出した。
人ごみを手荒く掻き分けると、男のそばに駈け寄り、
右腕をつかんだ。
「それを返せ!」
私の左ポケットに入っていたもの、
それはサルバドールの街の地図だった。
祭りの実施場所が分からないので、一応ポケットに入れていたものだ。
まあ、冷静に考えれば、それを盗まれたからと言って、
たいした損害じゃない。
しかし、そのときは、そんなこと考えている余裕は無かった。
「ああ、これか、こんなもの要らねえよ」
男は、サルバドールの地図を地面に叩きつけると去っていった。
くしゃくしゃにされた地図が、地面に落とされている。
道路は、ゴミやビールなどで汚れている。
捨てられた地図がやけに汚されたように感じられる。
私は急いで、くしゃくしゃになった地図を拾う。
その隙に、男は人ごみの中に消えた。
私は急いで男を追おうとした。
そのとき、彼の仲間数人が、私の周りを囲み、
ぐいぐいと押してきた。
また囲まれた。
そうだ。スリは「チームプレー」が重要なのだ。
一人が盗み、数人がその手助けをする。
具体的には、通行人を装って「狙った人物」を取り囲むことで
スリを実行した人物が逃走するのを助けるのだ。
「待て!」
その囲みを何とか脱して、男を追いかけていく。
だが、あたり一面人の波だ。サンバを踊る人の波だ。
誰がスリで、誰がそうじゃないかなど、全く区別が付かない。
逃げ足の速いプロフェッショナルのスリを追うのが無理というものか。
--------------------------------------------------------------
【4.人ごみから叫び声が】
後ろの方から、叫び声のようなものが聞こえてくる。
はっと、後ろを振り返ると、二人の男が格闘していた。
大男が人を掴み、もう一人を殴っている。
バシッバシッという音がこっちまで聞こえてくる。
私はそっちの方へと駆けていく。
殴られているのは、さっきのスリだ。
黒っぽいランニングシャツを着ている。
スリが、殴られている。
その後方で、ダッと逃げていく集団が見えた。
スリの仲間達だ。
そのとき、バタバタと警官隊が駆けつけた。
スリは、ハッとなって一瞬逃げようとしたが、
数人の警官に取り押さえられると、両腕を頭の上に上げさせられた。
両足を大きく広げ、頭の上に両手を組んでいる。
腰の辺りを警棒でグイグイと押され、
身動きが取れなくなっている。
まるで、映画の中のワンシーンのようだ。
男は、警官に身体検査されている。
ポケットの中から証拠品が出てくるかと期待して見ていたが、
証拠となるようなものは何一つ出てこないのだった。
頭の上に手を当てたまま、男は警官に連行されていく。
スリの男は、どこかに連れて行かれた。
その男は、逮捕され留置所に入れられるのだろうか?
それとも、証拠不十分で釈放されてしまうのだろうか。
この後、カーニバル期間中、警官に連行される男を何人も見てきた。
ある人は、顔を血だらけにして、ある人は私の目の前で捕まり。
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
「たたんた・たん・たん・んたんたん」
日本人たちが叩く太鼓の音は、もうずっと遠くに行ってしまった。
私は、その音がする方へと歩き始めた。
--------------------------------------------------------------
【5.編集後記】
「僕は幻のために生き、幻をめがけて行動し、
幻によって罰せられたわけですね。
・・・どうか幻でないものがほしいと思います」
(三島由紀夫「奔馬」豊饒の海・第二巻 新潮文庫p432)
--------------------------------------------------------------
旅の「日常」が急速に薄れて行き、日本社会の現実に直面している。
はっきりいって、辛いことばかりだけれど、
それはいつか私の成長に役に立つものになるだろう。
旅をしていて、辛かったことが役に立っているように。
とにかく、今出来ることを淡々とやっていくしかない。
旅のときもそうだった。
少しずつ進み、地球一周以上することができたのだったから。
--------------------------------------------------------------
「SHIZA旅」発行部数:284部(ご購読ありがとうございます)
--------------------------------------------------------------
【相互紹介募集中】
メールマガジン発行者の方へ。
相互紹介をしませんか?
相互紹介して下さる方は、このメールを返信して頂くか、
掲示板↓↓に書き込みください。お願い致します。
http://8707.teacup.com/shiza/bbs
--------------------------------------------------------------
・メルマガ登録・解除は過去ログ内からいつでも無料でできます。
http://www.melma.com/backnumber_87737/
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
