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2002年教育改革により様々な教育ニュースが跡をたちません。しかし、その本当の意味・背景がどれだけ語られているでしょうか?このマガジンでは今まで誰も語らなかった教育の本質を教育記事の中から解き明かしていきます。





教育記事から教育を考える

発行日: 2008/2/22

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【教育記事から教育を考える】 2008年2月22日(金) 
    作者:中土井鉄信             VOL.271
    (合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)
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『今日のテーマ』
 
文部科学省は、2002年の教育改革の総括と今後の教育行政の方向性
を示すべきだ!

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【記事】主要教科の授業1割増…新学習指導要領案

 読売新聞(2008年2/16)より以下抜粋

○文部科学省は15日、主要教科の授業を1割以上増やすことなどを柱
にした小中学校の学習指導要領改定案を公表した。 


○現行の指導要領が掲げた「ゆとり教育」で学力が低下したとの批判に
こたえることが狙い。小学校は2011年度、中学校では12年度から
実施されるが、算数・数学と理科は一部を先行実施し、09年度から授
業増に踏み切る。現行の指導要領で削減した学習内容も復活させ、算数・
数学と理科は、小中の9年間で15%程度増える見込み。 

○「ゆとり」重視の象徴とされた「総合学習」は、小学校で週3コマが
2コマになるなど、小中ともに削減。指導要領の全面改定は1998年
以来で、授業時間が増えるのも約40年ぶり。同省は一般の意見を募集
し、来月末に告示する。同時に改定する幼稚園教育要領は09年度から
完全実施、高校の指導要領案は秋ごろ公表する。 

○今回の改定案は、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」が1月に
出した答申に沿って策定された。現行の指導要領に引き続いて「生きる
力の育成」を基本理念に掲げる一方、指導要領は最低基準であると明記
し、学校の裁量でレベルの高い内容を教えることも可能にした。
 
○授業時間は、小学校が1、2年で週2コマ(1コマ45分)、3〜6
年は週1コマ増え、6年間で278コマ多い5645コマになった。中
学も3学年とも週1コマ(1コマ50分)増え、3年間では105コマ
多い3045コマとなる。増えるのは国語、算数、理科、社会などの主
要教科で、小中ともに1割以上の増となった。

○これによって、小学校では、算数と理科がほぼ「ゆとり」以前の水準
に戻る。中学も数学と外国語が「ゆとり」以前とほぼ同じとなり、理科
は大幅に上回って現行の33%増となる。小学校の英語活動も5年生か
ら必修となり、週1コマが充てられる。

○現行の指導要領で削減された学習内容のうち、小学校算数の「台形の
面積」や社会の「縄文時代」、中学数学の2次方程式の「解の公式」な
どが復活。小学算数で「円周率は場合によって3にできる」とした規定
は誤解を招くとして削除した。道徳の教科化は見送られた。
 
○2002年度に実施された現行の指導要領は、「ゆとり教育」を掲げ、
自ら考える力を重視するとして学習内容を3割削減した。しかし学力低
下を招いたとの批判が高まり、中央教育審議会も答申の中で「授業時間
を減らしすぎた」などと異例の総括をしていた。 
 
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*私からのコメント

◇私は、2002年の教育改革の本質を教育の自由化と教育の二極化だ
と思っている。その仕掛けとして、ゆとり教育を掲げ、世間を情報操作
した。つまり、学力低下問題を引き起こし、世間に学力問題=教育問題
だという構図を定着させ、学力偏重の下地を作った。総合学習の時間や
絶対評価は、学校離れを食い止めるための一つのリップサービスだ。


◇この教育改革の真の狙いは、エリート教育と大衆教育の複線化の下地
作りだ。しかし、戦前のような単純な複線化(二元的複線化)は、国民
の反対を巻き起こすから、巧妙に、結果的に複線化(一元的複線化)に
なるように仕掛けたのだ。


◇その前提が、教育の自由化の流れだ。学習指導要領をマキシマムスタ
ンダードからミニマムスタンダードにして、最低限の学習項目を示し、
学校の裁量で高度な内容を教えても良いとした。これにより、義務教育
でも学校間格差が生じた。ましてや、普通科高校は、エリート校と中堅
校では、教科書の名前は同じでも、学習している内容は雲泥の差になっ
ていて、暗黙のうちに大学受験の有利不利を生んでいる。しかし、大学
進学の道を中堅高校以下にも閉ざさないように、大学入試形態の自由を
確保している(AO入試や一般公募制や指定校推薦などの入試形態が、
幅を利かせている)。


◇そして、今回の学習指導要領の改訂だ。学力低下問題を受けて、授業
時間を増やし、選択科目を削減して、その分を学力向上のために使うよ
うに、学校の裁量権を増した。教育改革のスローガンは、なんだったの
か!「みんなが百点を取れる教育」を謳って、ゆとり教育を始めたので
はなかったか。こんなスローガンを誰も信じていなかったのに、これを
推し進めた結果責任を誰が取るのか。


◇文部科学省や中央教育審議会は、今までの教育改革を徹底総括し、自
己批判して、今後に臨むべきではないか。そして、今後の教育行政は、
どこに向かって進んでいくのかを示すべきではないか。どんな子どもを
育てるかという前に、どういう仕掛けで、学校制度を子どもが渡ってい
くのかを示したらどうだろうか。


◇美辞麗句を重ねても意味はない。日本の来るべきリーダーを育てるた
めに、エリート教育をしたい、と堂々と明言するべきではないか。そこ
から、私たちの教育に対する議論が始まるように思う。私たちに、教育
行政の真の狙いを公開するべきだ。戦前の二元的複線化も現在の一元的
複線化も私たちは、望んでいないように思えるのだが、どうだろうか。

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世界一平等な初等、中等教育が戦後の復興と繁栄を支えてきたことを軽視するのはおごりです。大学の責任と教育内容、方法の大改革で必要なエリートを育成することが早道と思います。がんばってくださいね。日時:2008年2月22日


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