ニューヨーク・ブラックカルチャー・トリヴィア |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
New York Black Culture Trivia #134
ニューヨーク・ブラックカルチャー・トリヴィア
最近観た映画2本
2002/11/05
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
久々に最近観た映画2本の感想文といきます。ネタバレはなし。でも
NYBCTならではのポイントはちゃんと押さえてありますよ。
●バーバーショップ
Barbershop
アイス・キューブもこれで映画出演17作目。『ボーイズン・ザ・フッ
ド』(91)、『フライデー』シリーズ(95, 00, 02)、『ハイヤー・ラーニ
ング』(95)、『アナコンダ』(97)、『スリー・キングス』(99)と、と
ても良い感じで大人になってきているなぁと、思わず嬉しくなりまし
た。なんといっても今回の『バーバーショップ』、コメディなのにギャ
グはすべて他の役者に任せ、自分はひたすら押さえた地味な演技で床屋
の三代目を演じています。これが功を奏し、いずれも個性の強い床屋た
ちのアンサンブルが引き立つこと!その床屋たちとは、コメディアンの
セドリック・ザ・エンターテイナー、ラッパーのイブ、『セイブ・ザ・
ラスト・ダンス』のショーン・パトリック・トーマス、ジェーン・フォ
ンダの息子(!)であるトロイ・ギャリティ他です。
このキャストに馴染み客たちが加わり、シカゴのゲットーにある床屋
の一日が描かれています。黒人コミュニティの床屋とは、男たちがくだ
らない冗談やスポーツの話を交わし、お互いにウソだと分かっているホ
ラを吹き合う場所。セドリック・ザ・エンターテイナー演じるベテラン
理髪師エディのまくし立ててるホラとヨタとギャグには爆笑必至です。
加えて、なんとも“地元”というか、ローカルな雰囲気がよく出ていて
和めることこの上なし。ちなみにエディのヨタ話のひとつとして、彼が
偉大なる黒人運動のリーダーであるキング牧師やローザ・パークスをお
ちょくるセリフがあります。これに対して現役黒人リーダーであるジェ
シ・ジャクソン師とアル・シャープトン師が本気で怒ってしまい、映画
をボイコットしろだの、VHS/DVD化の際にはシーンをカットしろだの
と、大人気ないことを言ってます。賛同者はあまりいないみたいですけ
れど。
この映画について本筋以外で面白いと思えるところは、キャラクター
のエスニック設定です。床屋も客も当然ほとんどがアフリカンーアメリ
カンなのですが、床屋の一人はヒップホップ・ファンの白人だし、下働
きをしているのはアフリカ移民で、近所の食料品屋のオーナーはインド
人。これ、今のアメリカではとてもリアリティがある設定なのです。特
に床屋たちが「食料品屋のオーナーはインド人かパキスタン人か」で言
い争ったり、嫌な二枚目野郎がアフリカ移民のディンカを馬鹿にしたり
するあたりは、あ、本当にあるある、こんなこと、という感じ。もっと
もディンカが底抜けのお人好しでノロマ風に描かれているところは議論
の余地があるでしょうけれど。
とにかく楽しさ満点、プラスちょっぴり浪花節っぽいストーリーで、
公開第1週、第2週とボックスオフィス1位をさらったのでした。ギャン
グ・モノでもない、リッチ&おしゃれ系でもないブラックムービーが
ヒットしたことは、かなり良いことですよね。
●ボリスティック:エックス vs セヴァー
Ballistic: Ecks vs. Sever
なんというか、ある意味すごい作品でした。監督が見せたかったのは
ルーシー・リューのアクション!アクション!アクション!だけなので
した。あらゆる種類の銃を撃ちまくるルーシー、もの凄くかっこよかっ
たですけれど…。その撃ちっ振りは、共演のアントニオ・バンデラスの
名作『デスペラード』(95)を思い起こさせました。
ストーリーはここでは明かしませんが、実はほとんどありません。過
去の事件が原因で復讐の鬼と化したセヴァー(ルーシー・リュー)がと
にかく銃を撃ちまくり、スティックを使って闘い、爆弾を爆発させる。
これだけです。一応ストーリーの核となる超ハイテク秘密兵器があるの
ですが、これのデザインは爆笑ものでした。…え?注射器を持ったカエ
ル?
さらに相手役も何故アントニオ・バンデラスなのか、いまいち不明。
憂いを帯びた元FBIジェレミー・エックスの役なのですが、上記『デスペ
ラード』で見せた激しさはまったくなく、ルーシーの引き立て役に終始
していました。これも監督の意図なのでしょうね。それにしても悪役の
ボス以外はキャストのほぼ全員に演技力がないというのも特筆モノで
しょう。もっともルーシーはセリフらしいセリフがほとんどないのです
が。
ところで、ハリウッド製アクション映画なのに、なーんか全体的に
ちょっと違う気配の漂う作品だなぁと思っていたら、監督はなんとタイ
人のカオス(本名:Wych Kaosayananda)という人でした。ちなみに
タイ人監督による英語作品はこれが史上初めてだそうです。監督がマイ
ノリティと聞いて納得できたのがキャスティング。主演は中国系アメリ
カ人とスペイン人。他にもラティーノ、アジア系、黒人が出ていまし
た。私はアフリカンーアメリカンの夫と観に言ったのですが、口の悪い
友人が言いました。「チンクとスピックの映画を、ニガーとジャップで
見に行くのか?」。(チンクとは中国人の、スピックとはヒスパニック
の蔑称です。これはアメリカ人が場をわきまえて(身内だけのジョーク
として)口にしても問題を起こしかねない言葉ですので、日本人は絶対
にマネしないでくださいね)
友人の発言はとんでもないものなのですが、黒人以外のマイノリティ
によるハリウッド映画がマイノリティの観客を相手にしてビジネスにな
る時代になったのかなぁと、ちょっと感慨深いものを感じたのでした。
================================
ハーレムに来てください! その1
ハーレムYMCAの宿泊 学生1週間175ドル、一般1週間275ドル
以下に詳細&予約フォームがあります。さらにハーレムYMCAのある135
丁目の写真をたくさん掲載したQ&Aのページもアップしました。
ハーレムYMCA 宿泊予約(日本語)
http://yousworld.com/ny/ymca/
135丁目の写真とQ&A
http://www.nybct.com/ymca_pictures.html
部屋の内部と施設の写真
http://www.nybct.com/ymca_pictures-2.html
================================
ハーレムに来てください! その2
日本人ガイドによる
ハーレム・ゴスペル&ソウルフード・ツアー
ハーレム・ゴスペル・ワークショップ
ハーレム・アポロシアター・ツアー他全10種
http://www.nybct.com/11-tour_tommy.html
================================
発行人:堂本かおる Keideee@aol.com
バックナンバーはホームページで http://www.nybct.com
================================
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
