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[PSN:20030726] 第4回ROBO-ONE直前特別号-1

発行日: 2003/7/26



ポピュラー・サイエンス・ノード 
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P o p u l a r  S c i e n c e  N o d e ==2003/07/26 Vol.211 配信数:9,274 部==
                   Popular Science Node HOMEPAGE
                http://www.moriyama.com/popular_science_node/
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◆ 二足歩行ロボットのホビイストによる大会「ROBO-ONE」の第4回大会が
  8月8日、9日、10日の日程で行われます。
  詳細:http://robo-one.com/

  本誌ではその大会に向けて、前大会にて優勝した、
  A-Doの菅原雄介さん( http://www.kt.rim.or.jp/~suu/ )のインタビューを
  2回に分けて特別配信することに致しました。お読み頂ければ幸いです。

* なお、通常号はいつもどおり火曜日に配信予定です。

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◇菅原雄介さん インタビュー 1
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註:この取材はもともと雑誌SPA!別冊「PONG!」のために行われた。
 「PONG!」(扶桑社 http://spa.fusosha.co.jp/pong/)は
 大型の書店にご注文下さい。

2003/04/23 綜合警備保障 研究所(http://www.alsok.co.jp/r_d/index.html)にて

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[01 : 職場に「秘密基地」を作る方法]
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○菅原さんは職場の一室で趣味のロボット作りも行ってらっしゃるそうですが、まず
最初に、本業のほうと、どう折り合いをつけているのか伺えますか。実際にどう作業
をやっていらっしゃるのか。今回の取材は「秘密基地の作り方」というのが趣旨です
ので。最初はどうだったんですか?

■やっぱり内緒ですよね。夜中だけ作業して、朝には何事もなかったように片づけて
ましたね(笑)。うちの研究員にはじわじわと、あいつら何かやってるぞ、っていう
のがだんだん公然の秘密になってきてましたが。
 でも大会に出る前にはいちおう所長に、「こういう大会に出てきます」ということ
だけは伝えてました。会社の資材を持っていくことがあるので。パソコンとかです
ね。会社の資材を趣味の大会に持っていってもいいですか、ということを言いつつ…
…。でも、そのときもまだ言ってなかったですね。

○内諾みたいな感じですか? 口頭で……

■そうですね。ここの技術研究所(http://www.alsok.co.jp/r_d/index.html)は、基
本的には所長の承諾を得られれば、通常業務から離れた仕事でも了承が得られます。
本社の技術部門はかなり人数が多いんですが、ここは人数が少ないこともあって。
30人弱くらいのものが研究室のなかにいるだけなんで、大目に見てもらってること
が多いですね。もちろん、最初はストレートにお願いせずに、正直騙しつつ(笑)。

○ふーん。じゃあ、やはりそれほど大人数じゃなかったということが大きいんですか
ね。

■そうですね。もし自分が本社の技術メンバーで、夜中にそんなことやっていたら、
まずかったでしょうね。今の所長の加藤の前の所長のときには伏せてましたし。

○あれ? そのときはROBO-ONEの第一回は……。

■ありましたね。

○どうしてたんですか?

■パソコンを借ります、ということは言っておきました。パソコンをちょっと借りる
とは言ってましたが、会社のなかでそこまで作っているとは思ってなかったんじゃな
いですかね。所長の下の課長には言っていて、大目に見てもらっていたんですよ。
 かつ、ロボワンが良かったのは優勝してしまったということです。優勝したあとに
はかくかくしかじかです、とは言いましたが。

○なあるほど。優勝するってすばらしいですね(笑)。
 ROBO-ONEで優勝が決まったときに、僕はプレスのコーナーから拝見していました。
そのとき、すぐに誰かに電話を、と言っていたのを覚えているんですが、あれはどな
たに? 会社の方ですか?

■そうですか。いや、会社じゃないのは確かですね(笑)。横浜桐蔭大学に、自分が
勝手に「師匠」って呼んでる小柳先生っていう方がいらっしゃるんですけども、その
方に電話したんじゃないかなあ。

○どういう方なんですか。

■もともと横須賀工業高校の先生で、色んなロボコンに出ると、とにかく優勝するよ
うな人がいるんです。その方にはとにかく連絡しようと思っていたんですけども。
「ロボコンマガジン」に書いた、「お前のロボットは70点だ」って言ってくれたの
も、小柳先生です。一番、ロボットをつくるときには尊敬している方ですね。たぶん
その方に電話していたんじゃないですかね。

○なるほど。

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[02 : 上司を巻き込む]
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○とにかく、最初は内緒だったんですね。

■内緒ですね。朝には片づけると。
 でも、だんだん片づかなくなってくるんですね。大会が近づいてくると。朝まで
作っていて、散らかし放題で。

○ははあ(笑)。

■良くも悪くも他のロボットの大会に出ていたメンバーが、ロボット開発チームの一
番上のものと、自分だったんです。自分はそのときナンバー2でした。だから、その
二人がやってる限り、部下の者は文句言えないですよね。先輩二人がやってるから
しょうがないなあって感じですよね。

○主任というのは?

■下笹という者ですね。ROBO-ONEにも出てました。第3回は決勝まで残りました。一
回戦で落ちちゃいましたけど。「U-knight」っていうロボットで。

○あれ? 下笹さんもROBO-ONE出てましたっけ?

■出てましたよ。

○気が付かなかった・・・そっか、ROBO-ONEのときは取材で伺ったときと違ってスー
ツ姿じゃなかったからだ。

■そうですか(笑)。ロボットチームを引っ張っていたナンバー1とナンバー2が、
ずっと大会出ていたんです(笑)。

○二人でやり出したのはいつごろですか。

■5年くらいですかね。自分はいま会社入って10年なんですけど、大学のときにも
ロボット大会ずっと出ていて、会社入った直後は一人でボツボツ出ていて、下笹が自
分の主任になったときに「出てみませんか」って話をしたら、どっぷりとはまってく
れて。

○何の大会ですか。

■会社入ってからは相撲ロボットですね。他の大会にも出たかったんですけど、相撲
ロボットなら大きさもまあまあ小さいんで、そこにあるもので作れるので。あと、小
柳さんが相撲ロボットですごく強い方だったので、小柳さんに教わりながら、毎回出
てましたね。相撲は毎回予選落ちなんですけどね(笑)。相撲はお客さんにうけるよ
うな捻ったことはやってないんですが、あれはやっぱりレベル高いです。ちっとや
そっとじゃ、運も実力も全部兼ね備えてないと勝てないような大会なので。

○ほう。

■だけれども、出ると楽しいねっていうので、うん、ずいぶん出てましたけども。
 あれは予選が全国転戦できるんで、5つくらいエントリーして2週間おきくらいに
出てました。

○そんなに? そりゃすごい。
 当時、下笹さんは、仕事のロボットだけしかやってなかったんですか?

■そうです。

○じゃあ、趣味のロボットをまず上司に敷衍させたわけだ。

■いま考えるとそうですね。そのときはあまり考えてなくて、「出ますか?」「あ
あ、一回くらい出てみたいね」というのがきっかけでした。それで負けたんだけど、
面白いなということになって、二人でどっぷりですかね。大会大会で。

○ふーん。じゃあ、本当にオフィシャルに認められたのは、優勝されたあと?

■いまは、そうですね。

○朝のテレビの生中継に出ていたじゃないですか。SOKの警備ロボット
http://www.alsok.co.jp/r_d/C4.html)と一緒に。

■ええ。あの時点では会社に報告をして、社長にも言って、趣味であいつらが出てい
るというのは所長経由で伝えてもらったんですけど。

○あれはROBO-ONEの二日後か3日後でしたよね。大会終了からずいぶんはやくて、見
ていたこちらもびっくりしました。会社のロボットと一緒に出ていらしたのが印象的
で、あ、許されてるんだー、と思ったんですが。意外な感じもしました。

■ええ、社内でも、一緒にしないほうがいいという人もいました。ですが広報は純粋
に、宣伝になるから出て欲しいっていう見解だったんですよ。それでそっちになった
と。かつ、上層部も別に問題ないよという話だったので。

○なあるほど。広報がそういう立ち位置だとやりやすいですね。

■それと、番組のディレクターの方が、絶対にうちのロボット(警備ロボット)と趣
味のロボットをくっつけて出したいと言っていたんです。それで、会社の許可が下り
たんでいいでしょうと。そういうことでした。

○なるほどね。

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[03 : 仕事としてのロボット作りと趣味のロボット作り]
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○ふだんやってる仕事とは違うわけですよね?

■うん、全く違うわけではないですが、違うことは違いますね。でもまあ、プログラ
ムも電気電子回路も、趣味もやっていたから、できるっていう部分はあるし、ガード
ロボットの中にも同じ部品や技術が入っているところは多いですし。逆に大会で使っ
た新しい部品を試してみるというのも日常茶飯事なので、どこかで繋がっています
ね。いちばんひどいのは仕事で買ったセンサーを、ちょっと使ってみようか、って
言ってそのままっていうのがありますけど(笑)。

○それは、オッケーなんですか?

■よくないですね(笑)。自分的には、これは壊れたものです、と。廃棄処分になっ
たものをもらってきたりとか。

○でもそれが許される会社と許されない会社の差はどこにあるんでしょう。

■ああ。たぶん、僕らが良くも悪くもメーカーじゃないからでしょうね。メーカーに
なると、モノの管理が非常に厳しいという話をよく聞きます。うちは小さな研究室で
すからね。メーカーじゃないところがいいのかもしれませんね。

○うん。話を伺ってると、大学の研究室みたいですね。

■ああ、近いですよ。外から見てると、大学の研究室みたいに見えるかもしれません
ね。若い研究者も多いですし。もちろん会社ですからコス面は言われますけども、コ
ストを意識しているのは副主任以上だけです。むしろ若い連中は「新しいものをつく
る」っていう部分があればいいんですよ。私はそう思ってやってますし、それが求め
られている部署だというのも確かですよね。

○なるほど。ふだんは何時くらいから働いて、何時くらいからオフなんですか?

■ええと、難しいですね。そうですね、忙しくないときでも朝九時には来て、九時く
らいまでは普通に仕事してますかね。そこまで会社のロボットの仕事をしていると。
 そのあと、終電で帰るときは一二時くらいまで趣味のロボットをやってーー帰らな
いときは泊まることも多いんですけどもーー、朝までっていうのが多いですね。ロ
ボットの大会の一ヶ月前くらいからは、ほとんど家には帰らないで、ここで寝泊ま
りっていうことになります。直前になると夕方6時くらいになって「ごめん!」って
抜けさせてもらったりしてます。

○ははは(笑)。作業部屋になってる部屋はもともと何の部屋なんですか?

■工作場ですね。普通の会社のロボットの作業もやりますし。もともとは「HRPプ
ロジェクト」が始まったときに、それをあそこでやるんです、といってもらった場所
なんです。

○ははあ、なるほど。

■そこで3人くらいがやってました。あそこは所長も入ってこれないような聖域だっ
たんですよ。(笑)

○SOKさんは、たしかHRP-1S(ハードはホンダP3)の腕で鍵をあけるためのオプション
パーツを作ったりしてましたよね。

■ええ。富士通さんといっしょに留守番等のアプリケーション開発に関わってまし
た。あのツールは、発表の流れ的に、最終発表ではデモンストレーションしなかたん
ですけど、HRP-1の不器用な手を補うために開発したツールだったんです。

○外部の人間としての個人的意見ですが、ロボットなんだからオプションをつけられ
ますよというのは面白いような気がしますね。プラント保守アプリケーションでは腕
パーツつけてましたし。

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[04 : オフとオンの区別]
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○ところで、オフの成果をオンにオーソライズする雰囲気は? たとえばヒト型ロ
ボット開発の方向に何か生かすとか……。

■ないかもしれませんね。

○認めてはいるけれど、別のことに使うといった雰囲気ではないということでしょう
か?

■そうですね。スポンサーになっている板金屋さんとは相談して「売れるようになる
といいな」とか言ってますけどもね。あれで儲かりたいとは思ってないんで。自分で
は売ることはできませんし。

○じゃあ、たとえば会社にスポンサードしてもらって「綜合警備保障」ってロゴを入
れてもらうっていうお気持ちは?

■ありませんね。入れたくないです。やっぱり、どこかで会社とプライベートは線引
きをしておきたいんです。それと、僕は大学のときにも大会にも出ていたんですが、
成績がいいと大学のバックアップがつくようになったんです。でもそうなると、大学
の広報みたいな側面が強くなるんです。その結果、勝ってこないといけない、という
縛りが出てくるんです。それがすごく嫌な思い出として残ってるんで、だから趣味は
趣味でいきたいと思ってます。いまの状況で今後も甘えさせてもらえるなら、こんな
にいいことはないなあと思いますし。

○なるほどね。
 先ほどから伺ってると、菅原さんは周囲を巻き込んでいくのが非常に得意なんだな
という印象を受けます。

■ROBO-ONEは結構巻き込んでるかもしれません。下笹はプログラムをやってもらっ
て、森口もプログラムですね。去年くらいから彼はやってくれてるんですが。

○「ロボコンマガジン」にのってた「菅原先輩は出ないと後悔しますよ」って言って
くれた後輩っていうのは?

■それは中村って奴です。彼もプログラムですね。ハードもソフトもどっちも強い奴
なんですが。

○菅原さんご自身は?
 
■自分はハードですね。あとは「こういうことをしたい!」っていうことばかり言っ
てます。そうすると、まわりにいる先輩や後輩がノウハウ持ってるんで、やってくれ
ると。

○(笑)。
 職場ではいまどういう立場なんですか。

■いま、自分の上には所長しかいない立場なんです。ロボットチームのリーダーに
なってしまったんで。管理職の立場から、ロボット全体的なイメージと、先の話を考
えるのが仕事になってしまいましたね。下笹は本社の技術的なところにいきました。
もっと営業に近いところですね。量産とか、現場に出すときの全ての手順を踏む上で
いろいろなことを考える部門です。

○商品化部門ですか。

■そうですね。二人でじゃんけんをして、先輩が行くことになったんです(笑)。い
まも実際には一緒に動いていますが、うちのほうはもっと研究寄りの仕事です。

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[05 : ガードロボットの今後]
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○少し仕事のほうの話も教えていただけますか。


 * 次号へ続く……


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[from editor]
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◇編集後記
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今回はROBO-ONE直前特別号を配信させて頂きました。

ROBO-ONEに関しては、ネット媒体各誌も何度も取り上げていますが、
私が書いた「第3回ROBO-ONE」に関する記事は以下です。
ご覧頂ければ幸いです。

◇森山和道の「ヒトと機械の境界面」
 【特別編】2足歩行ロボット競技大会「第3回ROBO-ONE」観戦記
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0210/kyokai03.htm

弊誌では科学に関する寄稿をお待ちしております。いや本当に。

ではでは、今後ともよろしくどうぞお願い申し上げます。

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    新刊書籍情報・イベント告知情報ほか各種情報の掲載について
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本誌で掲載できます。moriyama@moriyama.com宛にお問い合わせください(無料です。
Popular Science Nodeの件であることを明記して下さい)。
なお編集人の独断で認めない場合もありますので、予めご了承下さい。
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Popular Science Node Vol.211  2003/07/26 発行 (配信数:9,274 部)
発行・編集人:森山和道【フリーライター】<moriyama@moriyama.com>
【独断と偏見のSF&科学書評】ホームページ:http://www.moriyama.com/
*本誌に関するご意見・お問い合わせはmoriyama@moriyama.comまでお寄せ下さい。
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上記フッダを御記載の限り、許可します。
ただし、許可なく特定の公開データベースに格納することは不可です。
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