発芽玄米Journal |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
■医日翻訳ノート
その3 メタボリックシンドロームとは?(2)糖尿病
内臓脂肪が溜まり、体の各部分が「エネルギー消費を抑えてもう
これ以上エネルギーを体に貯めないようにしよう」として行われる
ことの一つとして、「インスリン抵抗性が高まって糖尿病を引き起
こす」ことが挙げられます。これを、翻訳してみましょう。
【翻訳ノート】
・インスリン抵抗性が高まって糖尿病を引き起こす
インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り入れて血糖値を下
げる作用のあるホルモンです。(ブドウ糖は私達の細胞が外部から
取り込めるエネルギーの単位です。)人間の体を「ホテル」、ブド
ウ糖を「宿泊客」、血管を「廊下」、細胞を「部屋」に例えると、
インスリンは「部屋の鍵」の役割を果たします。ホテルの廊下を歩
いている宿泊客は鍵を使ってドアを開けて部屋に入りますよね?そ
れと同様に、血管を流れるブドウ糖はインスリンを使ってドアを開
けて細胞内に取り込まれるのです。血管を流れるブドウ糖が減れば、
血糖値は下がることになるわけです。
さて、エネルギー過多をホテルに例えるならば「部屋が満室」な
状態です。通常のホテルならば満室になれば「本日は満室ですので
ご宿泊はお断りします」とフロントが断るところです。人体ホテル
でも「お腹いっぱいだから」とお断りはするのですが普通のホテル
ほどは厳密ではないので、満室状態であっても宿泊客を受け入れて
しまいます。最初のうちはなんとか相部屋をお願いするなどして部
屋にどんどん鍵を持たせた宿泊客を送り込んでいきますが、部屋の
中にも「もう人が入れません....」状態になるとドアに少々細工が
施されるようになり、鍵を持った宿泊客が部屋に入りづらくなって
しまいます。
この、鍵はあるけどドアが開かない状態が、「インスリン抵抗性
が高まった」状態です。部屋に入れない宿泊客は、廊下にごった返
すしかありません。インスリンの作用が不足することで慢性的に高
血糖が続く病態を、糖尿病といいます。
さて、糖尿病の状態を宿泊客の立場で想像してみましょうか。廊
下に放置されている人の不満はいうまでもありませんが、部屋に入
れた人にしても本来ならお断りしたい相部屋を強いられるわけです。
ホテル内の宿泊客の不満度はものすごいことになっていることは想
像に易いのではないでしょうか。不平を言っても聴いてもらえなけ
れば、少々マナーが悪くなってホテルを汚したり傷つけたりしたと
しても無理は無いと思われます。
これと同様に、高血糖状態が続きますと、
・細胞内でのエネルギー処理系統が変わり、ゴミがたまって細胞の
機能が損なわれる
→相部屋を強いられた宿泊客の不満
・たんぱく質にブドウ糖が結合してしまい、たんぱく質の機能が損
なわれる
→廊下でごった返している宿泊客の不満
・さらに重くなると血液が酸性に傾く(ケトアシドーシス)
→相部屋を強いられた宿泊客の不満
などが起こってしまいます。もっとも高血糖にさらされているの
は血管ですから、糖尿病というのは、ものすごく血管が傷んでしま
う病気なのです。ダメージの影響を強く受けるのは細い血管からな
ので、まずは血管の細いところから様々な障害が起こり始めます。
血管が細いところの典型的なところに、眼、腎臓、手足の末端部が
挙げられます。
眼の血管が傷つくと網膜症を引き起こし、それが悪化すると失明
することにもなりかねません。また、腎臓の血管が傷ついて機能が
低下すれば、体の中の老廃物を外に捨てることの出来ない腎不全を
引き起こし、人工透析が必要な体になってしまいます。指先などの
末端部の血管が傷ついて血行が無くなれば、その部分が壊死を起こ
して切断しなければならなくなるのです。
こうした症状以外にも、血管の傷が引き金となって別の病気が引
き起こされてしまいます。
続きは、次回に...
■最近見た面白いニュース
ダイエット中は朝食に卵=ベーグルより体重減少−米研究チーム
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080814-00000027-jij-soci
卵の食べ過ぎに注意!?なニュースです。米国の研究チームがダ
イエットについての新しい知見を発表しました。
曰く、朝食の340kcal分をベーグルで摂る場合と卵で摂る場合と
では、卵で摂った場合の方が体重の減少幅が6割も大きかったのだ
そうです。これを見て「卵を食べれば痩せるんだ!」と短絡的に考
えてしまう人が多いのが日本の悲しい現状だと思いますが、最も気
をつけていただきたいのは、あくまでも「低脂肪メニューでカロリ
ー制限を行っているグループ内での話」という点です。カロリー制
限をしていない群では、差は見られなかったと報告されています。
ですから、この研究報告は「カロリー制限中のカロリーはベーグ
ルよりも卵で摂取したほうが良い」と解釈すべきなのですが、人間
の脳みそは、都合のいい事を、都合のいい様に解釈してしまうもの。
多くの人間が無意識のうちに「カロリー制限中の」の部分が無視さ
れてしまい、段階を追うごとに「卵を食べると痩せる」と加工され
てしまうこともしばしばです。
あ、決して卵の悪口を申し上げようとしてるわけではないですよ。
卵は非常に良質なタンパク源となります。栄養価も高いので適量摂
取はもちろん推奨されるべきです。問題としたいのは、「卵を食べ
ると痩せる」という勘違いだけが先走って、お腹がいっぱいなのに
卵を食べてカロリーオーバーになったり、卵だけを食べつづけて栄
養失調を起こしたりなどといったことが否定できないということで
す。
自らもメーカーの立場の人間ですから、売上を伸ばしたいという
気持ちはわかりますが、やりすぎると他人の健康を脅かすかもしれ
ません。食品の安全などに不安がある今だからこそ、きちんとした
情報提供がメーカーに求められていると思います。
■編集後記
前回、遅れをとりもどそうと...と書いていたところに、熱中症
と書いてあるのがなつかしいと思ってしまうくらい、涼しくなって
きました。暦とは大きくずれておりますが、大型の台風によって日
本全国広範囲にわたって被害が出たようでございます。この場を借
りまして、お見舞い申し上げます(ど)。
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
