| >> 記事トピックス一覧 |
中学受験の質問箱(No.423)
発行日: 2006/12/31○○○○○○○○○○ 「中学受験の質問箱」 ○○○○○○○○○○
第423号 2006/12/31 発行 発行者=ジンパチ
このマガジンは保護者からメールでいただいた質問に
中学受験を体験した方が答える方式のものです。
(なお、塾の講師の方々からの回答も含めます)
///////////////// 今回の質問と回答 //////////////////////////////
0688 東海地方 もっしさん
Q:小六男児のことで教えてください。
偏差値が5〜10上の中学を目指しています。
過去問は2回目で合格点をクリアしてきました。
他校の過去問に比べてやりやすいようなので、期待しているのですが、
いまだに暗記分野、理科の計算分野等、穴だらけの状態で、
どうしたものかと困っています。学校と塾に時間がとられ、
とても苦手分野の補修までする時間がないと思っていたところ、
学校の担任から「今は間近に迫っている事に対してベストを尽くすべき時、
3学期は午前中は登校して、その後早退もしかたがないね」
(もちろん、こちらがそうしたいのなら)と言われました。
願ってもない事ですが、学校を休むことについて賛否両論あると思いますが、
学習面で不安がある場合はどうなのでしょうか。
本人は家で頑張りたいと言っています。
あと、過去問が6年分完璧にできたら合格が見えてきますか?
それとも、過去問というのは、それに基づいた類題までこなして初めて
「できた」と言えるものなのでしょうか?
これから受験本番までのおすすめの学習法などありましたらご指導願います。
------------------------------------------------------------------
回答者:埼玉県 ゆーかりさん
A:長男中3・次男小6・長女小2の母です。
もっしさんが持っていらっしゃる入試に対する不安がひしひしと伝わってきます。
私も3年前(長男が受験の時)、言いようのない焦りのような不安で一杯でした。
まず、過去問との相性が良いということは、その学校とも相性が良いということで、
その学校が求めている能力をお子さんが持っているということだと思います。
自信を持って下さい。
入試直前のこの時期にあまりあれこれ新しいモノに手をだすよりも、
これまで使ってきたテキストをおぼえ直したり、
公式や計算の仕方を確認したりする方が、
お子さんの精神的ストレスを考えると良いように思います。
ただ、短時間の間におぼえられる歴史や人名、植物の構造、
四字熟語・ことわざ、志望校の計算問題や一行問題は、入試ギリギリまで取り組む方が、
お子さんの意欲を保つのではないかと思います。
そしてその中でできない問題や知らないことが出てきたら、
必ずできるようになるまでやり直しをして、
お子さんに「成功体験」をさせておくことも大事だと思います。
過去問は志望校から「こんな問題が解ける子が欲しいんです」
という大事なメッセージが入っていて、
その学校の問題の解き方や答え方に慣れることが目的だと思います。
逆に、過去問に出た問題は二度と入試には出ないわけですから、
問題文のクセや志望校の求めている解答方法を分析できるようになることを
目的に取り組むと気が楽になると思います。
なので、過去問は同じ年度のものを1度だけではなく、
2回くらい取り組むと得点力がグンと上がり、
解答方法にも慣れ、自信にもつながると思います。
我が家も勉強大嫌いの次男にかなり手こずっていますが、
本人には目標の中学(偏差値7も上(^^;))があるので、
なんとか最後まで頑張って乗り切って欲しいと思っています。
お互い頑張りましょう。
------------------------------------------------------------------
回答者:関西 元・塾講師さん
A:小学校の欠席については、2006年−60番・73番での回答を参考にしてください。
質問箱倉庫に未収載の最近における回答は、「メルマ!」のサイトで読むことができます。
2006年−73番での回答(11月19日メルマガ発行)
http://www.melma.com/backnumber_75993_3432214/
小学校の担任の先生に、中学受験に対するご理解が得られて良かったと思います。
特に私立中学を卒業して公立小学校の教師をしていると、
中学受験に対して複雑な心境になるようです。
公立中学の内情を知っているので、自分の子どもも公立中学へは
進学させたくないと思う反面、自分の教え子たちが私立中学へ進学していくと、
「なぜ公立中学へ進学しないのだ?」と自己矛盾を認識しながらも寂しく感じるようです。
小学校の卒業生たちがどの中学へ進学するかを生徒名簿でチェックする際に、
公立中学へ進学しない生徒が多いことを改めて思い知らされるようです。
受験テクニックは塾で学んだにせよ、
公立小学校での基礎学力が土台になっているのですから、
小学校を軽視するような言動は控えるように子どもさんに伝えておくべきです。
小学校を欠席してまで受験勉強しないと合格できない生徒は、
中学入学後に授業についていけなくなる危険性があるという一般論があります。
中学入試で潔く勝負したいと思われるのでしたら、小学校も休まない方が良いです。
小学校を欠席するかについては、
あくまで子どもさんと親御さんのお考えで決められるべきことです。
過去問については、2005年−52番・60番、2006年−81番での回答を参考にしてください。
2006年−81番での回答(12月14日メルマガ発行)
http://www.melma.com/backnumber_75993_3465751/
過去問は間違えた問題を重点的に復習し、
入試直前のペースメーカーとして使うことができます。
各年度に出題された分野について、過去問を解くごとに復習するのです。
特に理科や社会は、分野・単元ごとに復習しやすいのではないでしょうか。
「過去問が6年分完璧にできたら合格が見えてきます」が、
「それに基づいた類題までこなして」合格の可能性を更に上げます。
合格へ向けての効率面から最も優れている教材が過去問です。
さて、ここからご質問には関係の無い中学受験後のことを書きますので、
ご関心がなければ読み飛ばしてください。
小学校受験→中学受験→高校受験→大学受験→大学院受験
・資格試験・就職試験の流れにおいて、小学校受験や中学受験の成績が必ずしも
大学受験と相関しない理由については、
質問箱倉庫2004年−06番での回答でも書いてありますように、
入試までに費やした時間差が一因となりえます。
以前は中高一貫教育といえば、中2までに中学過程を終えて、
中3から高2までで高校課程を習い、高3に大学受験勉強に入るパターンでした。
現在では先取り教育する塾へ通う生徒は、数学は中1で中学過程を終え、
中2・中3で高校課程を学習しています。
そして、高校の各学年で高校数学を繰り返し学習することになります。
すなわち、数学の高校課程については、
中学1回+高校3回=計4回も学習することになるのです。
これだけ先取り学習させても、東大・京大・国公立大学医学部へ
全員合格できないのは情けない話ですが、
大学合格の目的のために手段を選ばないことによって、
中学受験の成績を大学受験に相関させようとしているわけです。
さらに、大学受験は資格試験に必ずしも相関しないのですが、
このことについて先取り学習に奔走する大学受験生や保護者は無防備であると思います。
資格試験の中で司法試験と医師国家試験については、
2006年−77番での回答において触れています。
2006年−77番での回答(12月03日メルマガ発行)
http://www.melma.com/backnumber_75993_3450538/
今回は資格試験について、もう少し詳しく書きます。
ただし、私は受験の視点からしか述べられません。
実務に必要な素養は、受験勉強以外から学ぶものだと思います。
まず大学受験と旧司法試験には相関がみられます。
東大の旧司法試験合格者数は多いですし、
官僚を引退してから合格する方もおられるので、さすがだなと思います。
短答式試験・論文式試験を終えてから、論文式試験の合格発表までは
勉強しなかったにもかかわらず、口述試験もクリアして最終合格した大学生もおり、
それぐらいの豪胆さがなければ法曹は務まらないのかもしれません。
合格率の極めて低い旧司法試験は難しくても、
司法書士試験なら論点をきっちりと押さえて勉強すれば合格に近づけます。 民
法などが難しくて得点できなくても他の受験生も解けませんから、
そのときは民法以外の問題を確実に得点すれば合格できます。
これらの資格試験に求められるのは暗記力で、
法学部をはじめとする文系学部にリンクした試験スタイルになっています。
他方、医師国家試験も暗記力を求められるのであって、
医学部という理系学部にリンクしない試験スタイルになっています。
医学部ほど大学受験と資格試験が、
性質的に乖離(かいり)している学部は無いかもしれません。
大学入試の二次試験で小論文しか課していない大学医学部の卒業生でも、
医師国家試験の合格率が極端に低いことはなく、
数学が解けなくても暗記力さえあれば合格できる資格試験であることがわかります。
純粋に理系の理工学部とは異なり、医学部は文系寄りの理系学部なのです。
医学部受験生たちは、医師国家試験問題を見たことがあるのでしょうか?
今や試験期間は3日間に及び、あのような大量の問題を医学生たちは
解いていることに驚嘆させられます。
年度ごとの選択科目もなくなり、おまけに「禁忌問題」なる落とし穴まで作られています。
旧司法試験の短答式問題において存在が噂された、
「ゼロ解答」(正解がない)問題に似ています。
医師国家試験予備校では、
「大学受験が得意だった人は、医師国家試験で苦労することがある。」と教えています。
大学受験に比べると医師国家試験の範囲は厖大(ぼうだい)なので、
試験対策を完璧にすることはできないというのです。
ご質問の中で書かれているように知識が「穴だらけの状態」で、
マークシート形式問題で6割以上の得点をめざすのが医師国家試験なのです。
もちろん医師国家試験の過去問を中心に勉強するしかありません。
「電話帳」と呼ばれる全国中学入試問題集のような分厚い何冊かの問題集の中から、
類題が少しずつ出題されるわけで、完璧をめざすほど合格が難しくなります。
このことを知らないままに、医学部へ突進(?)している
受験生が多いのではないかと危惧します。
現役のお医者さんが医学部の内情を書いてくれている本もありますから、
ぜひ大学受験前に読んでおくべきでしょう。
「医師国家試験の合格率が90%もあれば、旧司法試験に比べれば易しい試験でしょう?」
というのは確かなのですが、2006年−77番での回答でも述べましたように、
医師国家試験に合格できなければ医学部へ進学した意味はゼロなのです。
たとえ医師国家試験の合格率が99%であっても、
残りの1%の人は医学部へ進学しない方が良かったことになるのです。
中学受験で志望校の出題傾向によって向き不向きがあるように、
医師国家試験予備校で真面目に勉強していても合格できない不運な医学生はいるのです。
旧司法試験に合格できなかったからといって、
法学部へ進学しない方が良かったとはならない点が、
「ALL OR NONE」の医学部と全く異なります。
医学部に進学しても最初の教養課程でドロップする人たちは、
商才があるとか、他に才能があるとか、医学部が嫌になった、などの理由なので救われます。
最悪なのは、医学部は卒業できたけど、医師になりたいのに年齢だけを重ねて
医師国家試験に合格できなかった人です。
医学部医学科卒の履歴書で、一般企業へ就職するのは困難です。
医学部入試が難しいだけに、その落差に苦しむことになります。
中高一貫校と同様に、医学部の6年間を医師国家試験に向けて
一貫教育してきたのが私立大学医学部です。
国公立大学における医師国家試験合格率が私立大学よりも高いのは、
主として医学生の質によります。
しかし、国公立大学では医師国家試験対策をしてくれませんので、
もし私立大学の医学生を国公立大学へ転校させれば、医師国家試験の不合格者は増えます。
逆に、国公立大学の医学生を私立大学へ転校させれば、医師国家試験の不合格者は減ります。
私立大学医学部は授業料が高いだけあって、医師国家試験対策に力を入れてくれますし、
休講すれば補講しなければなりません。 私立大学医学部は卒業認定が厳しく、
卒業できれば医師国家試験に合格できる可能性は高いともいえます。
国公立大学でも医学部6ヵ年一貫教育を最初に掲げたのが、筑波大学医学専門学群です。
専門課程4年間で学んでいた医学教育を、教養課程2年間にも先取りする方式です。
情報量が年々増えているのですから、当たり前の措置ともいえます。
附属病院が本学と遠くに位置する国公立大学では、
教養課程2年間と専門課程4年間での教育が分断してしまい不利です。
ですから、開業医の師弟で跡取りにしたい場合には、地方の国公立大学医学部に合格しても、
自宅から通える私立大学医学部へ進学させる傾向にありました。
特に関東であれば、医師国家試験予備校にも通いやすいからです。
国公立大学医学部の置かれている現状を考えれば、
とても医学生の教育に力を入れられる状況にはないでしょう。
中学受験して中高一貫校で塾通いしながら国公立大学医学部に合格できた・・・おめでとう
・・・その先には医師国家試験に向けての逆風が待っているのです。
医学部の進級試験や卒業試験そのものが、
私立大学では医師国家試験に準じているのに対して、国公立大学では無関係な出題形式です。
医学教育のカリキュラムも、私立大学では最終学年の6年生は
医師国家試験対策に充てられるのに対して、
国公立大学では6年生の12月頃まで医師国家試験に何の役にも立たない卒業試験があり、
翌年2月には医師国家試験を受けなければなりません。
国公立大学医学部の卒業試験は3日に1科目ぐらいのペースで、
約2ヶ月間に渡って20科目程度の筆記試験が施行されることになります。
このような試験スタイルに強いのは、中学・高校時代にクラブ活動をしていて、
定期考査直前に短期間で完璧ではないけれども集中して試験準備を終わらせていた、
公立中学・高校の卒業生です。 高校数学を4回も学習しないと
医学部に合格できないような低レベル(?)の中高一貫校卒業生は、
国公立大学医学部の進級試験や卒業試験に即応できない事態が起こりえます。
中高一貫校卒業生は中学・高校時代とは一転して、
国公立大学医学部においては不利な学習環境に置かれます。
それでも国公立大学は医師国家試験において、あれだけ優秀な合格率を上げているのですから、
医学生は逆風に耐えて泣きたくなるぐらいの努力をしているのでしょう。
中学・高校と同様に、当然ながら大学においても資格受験対策は国公立よりも
私立優位なのであって、大学受験生はこの認識に欠けているのではないかと思います。
東大理3の入試で面接を始め、進学振り分け時に
全員が医学部医学科へ進学することはできなくなり、
外から見ていても奇妙な制度変更があったのは、
中学・高校時代に自学自習の習慣がついていない合格者が増えたためかもしれません。
このように制度を変更するぐらいなら、東大は理系と文系に大別して入試を行い、
理系の成績上位者から順番に希望する類へ入学させ、
進学振り分け時に学科ごとに面接試験などを施行すれば良いと考えます。
理3が最難関といっても、理3合格者を理1・理2合格者と混ぜて
理系成績上位90名で合否判定し直せば、理3合格者の顔ぶれも大きく変わるでしょう。
にもかかわらず、いまだに理3合格者を「天才」と呼ぶのであれば実に滑稽なことです。
もし中学入学後に子どもさんが医学部を志されたなら、
一般書店で売っていますから過去の医師国家試験問題をみせてあげてください。
自分が医師国家試験の受験勉強に耐えられる暗記力を有しているのかについて、
遅くとも大学受験前には認識しておく必要があります。
中学受験よりも高校受験の方が大学受験に相関することは受験業界でも知られていますが、
理系の医学部受験が暗記中心の医師国家試験に相関しないことは盲点になっています。
あるテレビ番組で名医として紹介された方は、医師国家試験予備校業界では高名な講師でした。
医学生の教育のみならず、診療の第一線でもご活躍されている姿があり、
非凡な才覚に感服いたしました。
またまた、ご質問の場をお借りして、
余計なことを長々と書いてしまいましたが、お役に立てれば幸いです。
では、来たる中学受験での子どもさんのご健闘を祈っております。
////////////////////////////////////////////////////////////////////
ここで取り上げる質問があれば下記までメールをお願いします。
hakokanri@yahoo.co.jp
「メールではちょっと」という方が多いと思いますので
質問と回答の投稿を完全匿名方式にしました。
詳しくはHPにて紹介しています。↓
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/k1134k/cyumail/magmain.htm
(注意事項)
1.質問内容は一つにしてください、複数の場合は番号を付けて。
2.名前をどうするか(匿名希望でも愛称でもOK)
無茶苦茶に長い名前はかんべんしてください。
3.ほとんど全国の方から回答が寄せられていますので
特定の学校名は出さずに質問をお願いします。
--------------------------------------------------------------
今までの質問の一覧はこちら↓
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/k1134k/cyumail/kakomain.htm
今までの質問の分類別一覧はこちら↓
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/k1134k/cyumail/category.htm
回答があって配信済みの質問も上記ページから御覧になれます。
--------------------------------------------------------------
********* 管理者より **********************************************
なお、管理者は普通の会社員です。仕事優先でメルマガを
発行していますので発行が遅れる場合もありますのでご了承願います。
中学受験情報については「質問箱」以外にもあります。
主なページは「中学受験の情報誌」「中学受験の参考サイト」
「入試用参考書、問題集」「低学年時の学習」「入試情報サイト」
「中学受験ニュース」「入試結果サイト」「自宅学習の勉強法」などです。
全て下記のメイン画面に整理されています。
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/k1134k/
*********************************************************************
----------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、下記のメルマガ発行システムより配信されています
☆まぐまぐ http://www.mag2.com/ (ID:0000078884)
☆めろんぱん http://www.melonpan.net/ (ID:003529)
☆melma! http://www.melma.com/ (ID:m00075993)
----------------------------------------------------------------------
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- 勉強の達人
- 小中学生の学習マガジン。効果的勉強法から時事問題まで学習に役立つ話題が満載。教育に興味のある方お子様の勉強のことでお悩みの方はぜひお読みください。
- 【算数合格トラの巻・メルマガ】
- 中学受験算数・プロ家庭教師【算数合格トラの巻】のメルマガをです☆ 良問をこなして、目標偏差値をクリアしよう♪ ☆算数☆家庭教師☆中学受験☆中学入...
- 成績がイイ子の親だけが知っている!新「勉強の常識」
- 学校でも、塾でも教えてくれない「勉強の常識」があります。できる子の親だけが知っている「常識」とは。ストロング宮迫が、大きな声でこっそりあなただけに”...
- 時事通信「内外教育」メールマガジン
- 時事通信社が発行する教育界の“定番”情報誌「内外教育」やコラム、教育ニュースなどを紹介。1行の見出しで、最新の教育界の動きがわかり、教育関係者や教職...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/melma_logo.gif)









