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□ ごかいの部屋〜不登校・ひきこもりから社会へ〜 No.150
発行日: 2008/2/13 2008.2.13[No.150]
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: ご か い の 部 屋
: 〜 不 登 校 ・ 引 き こ も り か ら 社 会 へ 〜
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元 当 事 者 の 教 育 相 談 員 が 語 る
体 験 的 不 登 校 ・ ひ き こ も り 論 と 解 説
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当メルマガは、ついに創刊150号に到達しました。読者の皆様のご
感想やおほめの言葉に後押しされてここまで続けることができ、感謝の
言葉もありません。
今年度から月刊になっていますので、200号到達にはあと4年かか
ります。何とぞ筆者に倍旧のご支持と励ましを賜りますよう、よろしく
お願い申し上げます。
ヒューマン・スタジオ
── ◆ 今 月 の メ ニ ュー ◆ ───────────────────
■ コラム:「関係機関を利用する」という対応
□ 来月のスタジオ:青少年支援セミナーの要項を発表
■ ごあんない
━━・● コ ラ ム ●・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「関係機関を利用する」という対応
─────────────────────────────────…
前号で私は、周囲の人々が不登校やひきこもりをどう捉え、彼らに対
応するうえでどのような基本方針を立てるかを、大まかにふたつの立場
に分けて比較してみました。
ひとつは、不登校・ひきこもりに対して「生きざま」という肯定的な
捉え方と「学校や社会に出られない」という“今の本人”を直視する見
方にもとづき、本人の意思に沿おうとする方針で対応を考える立場。
もうひとつは、不登校・ひきこもりに対して「異常」「病理」「悪事」
「甘え・ひ弱」などという否定的な捉え方と「学校や社会に出るのが当
然」という“あるべき人間像”を前提に、そのレベルから逆算して本人
を見おろす見方にもとづき、本人の意思をくじこうとする方針で対応を
考える立場です。
当然、不登校やひきこもりを支援する関係機関(心理カウンセリング
を含む相談機関、医療機関、フリースペースや就労支援活動などを有す
る支援団体、等)にも、上記ふたつの捉え方・見方・方針による違いが
あります。そこで、ご家族などが「関係機関を利用する」という対応を
行うとき、その違いを念頭に置いておくとよいでしょう。
前者の立場をとる関係機関を利用する場合、相談機関なら「まずは面
接で親御さんと一緒に考える」と、フリースペースなどの支援団体なら
「本人が希望すれば受け入れる」というふうに、本人が支援を受ける前
提としてご家族の対応を重視します。そのため利用するにしても、本人
への対応を判断する主体はご家族であることに変わりないわけです。
この対応は、本人が自分の意思で受けたり拒んだりできるものですか
ら、毎日をどう過ごすか、支援を受けるならどう受けるか、などを自己
決定する余地を奪いません。つまり本人にとっては、今歩いている“ト
ンネル“をそのまま歩き続けながら、自分の意思で支援を受けることが
認められるわけです。
したがって、本人が納得できるプロセスになりやすく、うまくいかな
かった場合にも取り返す余裕があります。
ただし、この対応は即効性がなく、多くの場合長期にわたって積み重
ねていかなければならないため、ご家族の根気が求められます。
後者の立場をとる関係機関を利用する場合「カウンセラーの指示どお
りに対応する」「精神科病棟に強制入院させる」「家庭訪問して連れ出
して入寮させてもらう」などというふうに、担当者の指示に従ったり担
当者に任せたりすることになります。そのため利用したら最後、本人へ
の対応を判断する主体は担当者になるわけです。
この対応は、専門家の指示や支援システムに、本人も家族も従うもの
ですから、毎日をどう過ごすか、支援を受けるならどう受けるか、など
を本人が自己決定する余地を奪います。つまり本人にとっては、今歩い
ている“トンネル”の途中に穴を開けて引っ張り出され“関係機関が敷
いた回復への道“を歩かされるわけです。
したがって、本人が納得できるプロセスにはならず、うまくいかなか
った場合には取り返すことが難しいというリスクがあります。
ただし、それらの点を本人が承知のうえで、進んで支援を受ける場合
や、本人の自由な意思表示が認められているところだった場合、あるい
は本人に合うところだった場合などは、リスクは軽減されます。
このように考えると、前者の立場は「利用者主体」であり、後者の立
場は「提供者主体」であるといえます(以後この言葉を使用します)。
ここでひとつお断りしておきます。じつは関係機関の多くは、どちら
の立場をとっているかがはっきりしていません。
たとえば「不登校・ひきこもりに対して否定的な捉え方をせず、本人
の意思に沿うことを基本にしているが、長引いてはいけないので積極的
に家庭訪問を行ってフリースペースなどの利用へと導く」(142号参
照)といった、両方の立場が混在しているような、中間的な立場の関係
機関がもっとも多いと考えられます。
そこで、そのような関係機関については「どちら寄りか」を見極めつ
つ、本人の性格や状態と合っているかどうかを判断したうえで選べばよ
いわけです。
最後に、以上のような、立場のはっきりしたところから中間的なとこ
ろまである多様な関係機関について、ふたつの意見を申し述べます。
まず、選択と利用の仕方は医療の場合と同じ、ということです。
つまり、選択時には正確な説明と本人の同意(インフォームド・コン
セント)を原則としているかどうかを重視する、また選択時も利用中も、
ほかの機関に意見を求める(セカンドオピニオン)、ということです。
いずれにしても「まかせなさい」「だまして連れてきなさい」などのよ
うな発言が出るところや、説明に嘘がありそうなところは要注意です。
次に「長引かせないため」という目的なら、前述した「“トンネル”
の途中に穴を開けて引っ張り出され〜」と本人が感じる支援(たとえば
連れ出すための家庭訪問)が、提供者主体の立場にかぎらず多くの関係
機関に認められている(温度差はありますが)ことへの疑問です。
確かに「本人の意思に沿って“トンネル”を歩かせ続けていたら長期
化してしまう」というリスクは、多くの関係機関が恐れています。しか
し、私は逆に“トンネル”を歩き通す力のある青少年、歩き通したい青
少年までが「長引かせないため」として歩き通す可能性を閉ざされてし
まうリスクのほうを恐れます。
事実、何年かかっても歩き通そうとしている、また歩き通した青少年
は、無視できる人数ではありません。人生は一回きりです。自分の力で
“トンネル”を歩き通せるなら、ぜひそれを応援したいものです。
:筆者:丸山 康彦(まるさん)
スクールソーシャルワーカー(訪問子ども援助職)。高校時代、
不登校と留年の末、入学7年後に卒業。高校講師・ひきこもりを経て、
1999年4月に個人事務所「教育対策研究所」を開設。2001年10月に
当ヒューマン・スタジオを設立し代表に。
━━・● 来月のスタジオ●・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
青少年支援セミナーの要項を発表
─────────────────────────────────…
◎次回セミナーは「就労支援」を考える
「青少年支援セミナー2008春夏」は、例年のスケジュールに戻っ
て5月最終日曜日に開催する予定です。
今回は「2007春夏」と同様「2006春夏」で取り上げた4種の
支援方法のなかからひとつをピックアップして掘り下げます。
その支援方法は「就労支援」。
すでに神奈川県内の主だった就労支援実施団体への参加依頼を始めて
おり、来月中に参加団体がすべて決まりしだい、詳細を発表します。
━━・● ご あ ん な い ●・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
────────────────────────────────…
◎ 当メルマガ執筆者丸山が代表をつとめる教育相談機関・・・
「ヒューマン・スタジオ」は、
スクールソーシャルワークという援助法にもとづき、面接のみならず、
相談員自ら家庭や学校を訪問し、本人を支えつつ周辺状況を改善する
ことで、当事者主体の問題解決をめざしています。
詳細は「ヒューマン・スタジオ」のホームページでご覧ください
→ http://homepage3.nifty.com/Husta/sodan/
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…─── ★ 次回発行は2008年3月12日です。お楽しみに ★ ────…
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: ご か い の 部 屋 〜 不登校・引きこもりから社会へ 〜
: 2008/2/13 NO.150 (発行:第2水曜 月1回)
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□発行・執筆者:丸山 康彦
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