インターネットを本当に必要とする高齢者や障害者に、ネットを通じて新たな世界を知っていただき、いろんな方との交流ができ、お互いが助け合えたらと思い、このメルマガの発行を思い立ちました。
- 最新号:2008-10-13
- 発行周期:週刊
- 読んでる人:102人
- 創刊日:2002-09-28
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「別冊 かんなべや」 第7号
発行日: 2002/12/24
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━━「別冊 かんなべや」━━ 第7号 ━━━━━━━━━━━━━━━
「かんなべや」みんなの広場 詩のページ 特集号
URL http://kannabeya.tripod.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2002.12.24(tue)━━
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「別冊かんなべや」を、ご愛読いただき、ありがとうございます。いつも、
短編小説を、掲載してまいりましたが、今回は趣向を変えて、詩のページ
からの抜粋を、お送りします。
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「明日の花の開く時」 炉暖
三つの花が有ります。昨日の花と、今日の花と、明日の花です。
昨日の花は、少し色褪せて、うつむいてひっそりと咲いています。
この花には、涙が似合いそうです。
今日の花は明るく色鮮やかに咲き誇っています。
蜜蜂や、蝶が忙しそうに、蜜を集めたり、花粉を集めたり
大変な賑わいです。
その隣に明日の花が有ります。まだつぼみです。
少し色が付いて、大きく膨らんでいます。
そよ風が吹いて、明日の花のつぼみが色鮮やかに開きました!
早速蜜蜂や蝶が飛んで来ていつもの営みが始まりました。
そして、昨日の花は一昨日の花となり、
昨日の花となった今日の花の陰でますますうつむいて、
ますます小さくなって咲いています。
そして、明日のつぼみが咲き誇る今日の花の隣で、
明日咲くための装いを続けているのです。
何時までも過去の花をめでてばかりいないで、
今日の花を大きく咲かせましょう。
今日の花が少し咲きそびれたら、
明日の花のつぼみを大きく育てましょう。
明日の花のつぼみは必ず大きく美しく咲き、
貴女の今日の花になるでしょう。
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「無題」 虎コ
アタシは謝ったが許してもらえなかった
自分の罪の深さを後悔した
そして過ちを冒さないように決心した
あのコは謝らず許してもらえなかった
自分が罪を冒したことより
他人の過去の汚点をみつめるようになった
そして貴方は全てを許す
罪を知っていれば過去の栄光も知る
笑ってくれるし泣いてもくれる
されど作らず残さず消えてゆくだけ
進化していく科学
退化していく我の精神
心を忘れた世界そして廃墟のような心
私はそれが悲しいのだ
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「出口に辿り着くのはいつ」 コスモス
長いトンネルを くぐり抜けたかと思えば
また ひとつ
いくつ こえれば
本当に自分のもとめていた
出口に 辿り着くのだろうか
遠くで ほのかに光る灯火・・・・・・・・・・・・
心は すぐそばまで かけて行ってるのに
なぜ こんなに険しく
遠い道なのか・・・・・・・・・・・・・
長いこのトンネルから
早く 脱出しなきゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・
待っていて欲しい
夢の入り口にいる
もう一人の わたし・・・・・・・・・・・・・
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「秋の終わり」 マロン
かえでやイチョウは、やさしいね。
私はこれでさようなら。
春に生まれる葉っぱのために、舞い落ちる。
杉や松は、強いね。
私がお守りしますと、幹をおおう。
山は、自然は、すごいね。
ちゃんと季節を知ってる。
そうやって幾年も、季節を越えてきた。
今、冬が始まる。
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「いろんな僕」 テルテルマン
氷のような 冷たい僕がいて
ひだまりのような 暖かい僕がいて
木枯らしのような薄情な僕がいて
そよ風のような 優しい僕がいて
線香花火のような 弱々しい僕もいる
そして 空に向ってそびえ立つ 猛々しい僕もいる
みんなみんな、一人の僕
だから僕のことを好きになったり、嫌いになったりするけど
いつだって僕は僕の心から飛び出せないんだから
心と歩くのが時々疲れたら
母の胸で死んだように眠りたい
今はなき母の胸で
おさないころ眠ったように
ただ眠りたい
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「焚き火」 あさな ゆうな
薄くたなびく煙に誘われて ここまで来たのは
懐かしさのため
幼いころ 母が落ち葉を集めてたいてくれた
あの暖かさが こいしかったから
老婦人がくべる落ち葉と
それに混じる紙の束から視線がはずせないのは・・・
それは 私の心を覗いているから
あの束が 愛しい人からの手紙だったとしても
炎はもう あんなに弱くなってしまった
次の手が差し伸べられないかぎり この炎は消えてしまう
だから・・・・・
一言ください
私の炎を消さないでください。
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「きよしあんちゃん」 桜三四郎
きよしは山合いに住む、貧しい大工の長男だった。
よく遅刻して、教室のうしろに立たされていた。
きよしは兎を飼っていて
朝 露のあるうちに草を刈り
兎に食べさせてから登校していた。
きよしが教科書と弁当を包んだ風呂敷を
腰にまきつけて、走ってくるのが見えた。
始業のベルが鳴っている。
教室に入るのは、
きよしが先か、先生が先か。
一歩おくれた先生が
にやりと笑った。
きよしも笑った。
教室のみんなが笑った。
授業中にきよしが
手をあげて答えたことは一度もなかった。
教科書を読まされても
すらすら読めなかった。
先生と目が合わないように
いつも下をむいていた。
テストは、良くても50点どまり。
でも、きよしは明るく世話ずきで
クラスの人気ものだった。
きよしの晴れの舞台は運動会。
きよしは駆け足がはやく
あだなは“急行列車”。
運動会が近づくと
きよしの目はかがやいてくる。
運動会の朝は誰よりも早く登校して
ふくらはぎにマーキロを塗り
運動会用の色あせた
しろたびをはいて鉢巻をきりりとしめ
何度もスタートの練習を繰り返していた。
きよしの鉢巻きは、みんなとは逆で
うしろがあがっていて
いかにも精悍ではやそうに見えた。
きよしは100メートルに
障害に、リレーに大活躍。
一等の旗を持ってテントに
賞品を受けに行くと
校長先生が、また来たかと言う顔で
にこっと笑った。
運動会は きよしの最良の日。
昼休み、生徒と家族が一緒になって
ムシロの上で重箱を囲んでいる。
きよしは鉢巻きをしめたまま
教室で一人弁当を食べていた。
父は仕事。 母は病弱で
とても応援に来るのは無理だった。
運動会のフィナーレは
青年団も特別参加しての
部落対抗リレー。
きよしの活躍で、
きよしの部落は今年も優勝した。
賞品のノートと鉛筆を
大事に風呂敷に包んで
家にとんで帰ると
「きよし あんちゃああん」と、
幼い弟や妹がかけ寄ってきた。
きよしは賞品の鉛筆を
2本づつ分けてやった。
来年の運動会まで
学校は つまらないが
実りの秋は楽しい。
きよしの家のまわりには
栗があり柿があり、あけびがあり、
まつたけも出ていて、
きよしはまつたけの出る山を知っていた。
とったまつたけを、
町の八百屋に持って行き売っていた。
その金で駄菓子を
たくさん買って家路を急ぐ。
喜ぶ弟や妹の顔が、目に浮かんだ。
高等小学校を卒業したきよしは、
満蒙開拓青少年義勇軍を
志願して大陸に渡った。
そして、終戦。
きよしは帰らなかった。
あれから半世紀の歳月が流れ、
幼かった弟妹も還暦を迎える年齢となり、
戦争の記憶も薄れたが、
優しかった“きよしあんちゃん”の面影は、
ますます鮮明にまぶたに浮かび。
きっと何処かに生きていて、
いつかひょっこり走って
帰ってくるような気がしている。
(注) 『きよし』の時代、この地方の小学校では、
運動会になると男子生徒の多くは、足が軽くなり
早く走れるように、ふくらはぎにマーキロを塗り、
白足袋をはいていた。
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今回は、「みんなの広場 詩のページ」から、7人の方の作品を 掲載
しました。どれも、心に残る いい作品です。読者のみなさん、傑作が
出来ましたら「かんなべや」のみんなの広場に、投稿してみませんか?
いろんなジャンルに分かれていますので、お気軽に投稿してみてください。
担当者が、校正・編集をしてから発表しますので、誤変換があっても修正
致します。安心して投稿してください。
お知らせ─────────────────────────────
12月30日発信分は、お休みとさせていただきます。「週刊かんなべや」
来年1月6日に発行予定の第12号は、新年特集号といたします。
そこで、みなさんから お正月にまつわる思い出や、年の初めにあたり、
決意、目標などの投稿を お待ちしております。
新年特集号の投稿先アドレス
bickrimanseven@hyper.cx
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