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【BRASIL NEWS】ニッケイ新聞メルマガ版 309号
発行日: 2008/7/1■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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【BRASIL NEWS】ニッケイ新聞メルマガ版309号 2008/6/28
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これであなたもブラジル通!!! 様々な顔を持つこの国の魅力の一端を紹介
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ニッケイ新聞編集部
==コラム「樹海」==
聖市百年祭では盛大かつダイナミックな式典を挙行できた。パラナ州各地も大規
模な日本公園・広場を残すことができた。これらは間違いなく大成果だ。だが、今
からでも真剣に考えるべきは、何世になっても続くような永続的な文化継承・普及
の仕組み作りだ▼聖市とローランジア双方の式典を直接に見た感想からすると、出
し物の見応えに関しては聖市に軍配はあがるが、パラナ州の七万人もの動員力には
瞠目させられた▼全日系人口の七割を占める聖州より、たった一割のパラナ州の団
結力の成果だ。この結束を維持してこられたのは、リーガ・アリアンサという強固
な全州組織という〃仕組み〃があったからだ。このような組織作りを謙虚に学ぶ必
要がある▼従来のカラオケ、日本食に加え、この十年で和太鼓、YOSAKOIソ
ーラン、マンガ・アニメなど多くの日本文化普及の〃秘密兵器〃ともいえるものが
現れてきた。これらをいかに上手に使って、組織力と動員力を増すかが文化伝承の
鍵だ▼百周年を通して、伯国社会は日系人に日本文化を継承することを求めている
と痛感した。違いがあるから価値がある、エキゾチックな文化が見事に社会に統合
されているからブラジル自体の価値も高まる。そんな論調が目立った▼百周年協会
の上原幸啓理事長は、一連の行事の中で日系人の伯国社会への統合を強調するあい
さつに終始したが、伯国要人の言葉からはむしろ、それがすでに既成事実として認
識されていることが感じられた▼より多くの子孫が日系であることに誇りを持ち、
日系固有の特性を調和した形で残せるかが今後の課題だ。(深)
(2008年06月26日)
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****▽ニュース目次▲**********************************************
●今週のおすすめ記事●
○日系社会
■聖市=百周年式典、盛大に挙行=6世優太君「友情の灯」点火=皇太子さまもじ
っくりご覧に 〜喜び、感動、そして涙〜思い語る来場者ら〜
■パラナ、100周年祭典 ローランジアに7万5千人=州内にテレビ中継、挙げて
祝う=新たな日伯関係飛躍の土台に=皇太子さまを熱く歓迎=お言葉「ブラジルへ
の感謝忘れず」
■松尾執行委員長に訊く=百周年式典は及第点?
■皇太子さま お元気で=リオ=感動呼んだ伯国ご滞在=さわやかな笑顔残され=
「次はご家族でおいでを」
■記者の眼■新しいページは開かれた=皇室からの特別なご厚意
■旧サントス日語校=文化センターに=生まれ変わる=立ち退き後65年=100周
年の節目、皇太子さまを迎え
■百周年=リオの大空に浜松大凧=凧を通じて日伯交流
○ブラジル社会
■株価世界同時安=半年分利益が吹き飛ぶ=投資に時代の変化=米資産が途上国へ
移動?=移転先有望国はブラジル
■ドル1・60R切る=証券市場は一斉に売りへ
■中央銀行=目標インフレを6%に上方修正=中銀対策は的外れ=グロバル化で物
価高騰=通貨政策とは流通量対策
■EUが移民法制定=時代逆行法令で伯人虐待
■富豪の数は14万3千人=2017年には途上国一の金持ち国
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★日系社会
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■聖市=百周年式典、盛大に挙行=6世優太君「友情の灯」点火=皇太子さまもじ
っくりご覧に 2008年06月24日(火)
多くの人の心配を見事に裏切り、二十一日午後四時半から聖市のサンボードロモ
会場で、この百年間を象徴するようなダイナミックな百周年記念式典が執り行われ
た。あいにくの雨模様だったが、会場には約三万人が詰めかけ、日伯友好にとって
歴史的な式典の目撃者となった。千人太鼓や三千人のコーラスなども披露され、迫
力のある出し物に、惜しみない拍手が送られた。それを証明するかのように、ご滞
在予定時間を三十五分間もオーバーしながらも、皇太子さまは終始笑顔を浮かべて
興味深そうにご覧になった。
予定を三十分早めて開始された祭典が昼の十二時半から開始された。千三百人の
ラジオ体操を先頭に、沖縄太鼓、南中ソーランなど次々に出し物が披露された。
午後四時半、時間通りに到着された皇太子さまの乗ったお車は、細長いサンボー
ドロモ会場を歩く速さでゆっくりと行進し、大きな拍手で迎えられた。
続いて、神戸市の旧移住センターから送り出された友情の灯火をもったランナー
が会場に入ってきた。サッカー代表のカフー選手、個人最多メダル保持者の卓球の
ウーゴ・オヤマ選手、柔道で金メダルのアウレリオ・ミゲル現サンパウロ市議ら名
だたる有名選手や、各人種を代表するランナーが交代で友情の灯火をもって、点火
台に近づくと、突然、爆音を響かせながら四機の空軍機が百周年式典会場上空を横
切り、会場にあつまった約三万人の度肝を抜いた。これは、慶祝のために空軍が特
別に協力してくれたもの。
ランナーから火を受け取ったのは、大西三郎さん(73、京都出身)夫妻と六世
の孫、優太くん(3)の三人。三郎さんが点火、一世から六世までを象徴。大西さ
んの息子が五世女性と結婚したため、孫が六世となる。
最初にあいさつしたのはブラジル日本移民百周年記念協会の上原幸啓理事長で、
「私の人生でもっとも感動的な一瞬だ」と胸中をのべ、「連邦政府、州、市すべての
協力があったからここまでできた。新しい歴史が始まった」とし、受け入れてくれ
たブラジル社会への感謝の気持ちを繰り返した。
次にカサビ市長は「今日のサンパウロ市は日本人の努力なしにはありえなかった」
と高い評価をし、「市を代表して日本人と日系人に心からの敬意を表明する」と語っ
た。
皇太子さまは、雅子さまにもブラジル政府からの招待状が送られていたが来られ
なかったことに触れ、「心からのお祝いの気持ちをお伝えしてほしいと申しておりま
した」と代弁された。
ブラジルには百五十万日系社会があり、日本には三十万人のブラジル人が住んで
いることに触れ、「百年前には想像もできない緊密な関係になってきている」との認
識をしめされた。「両国の関係がさらに広く、深くなり、ともに未来を見つめるもの
に」とのご期待をのべられ、最後に「ムイント・オブリガード(ありがとう)」と締
めくくられると、大きな拍手が沸き起こった。
続いて、サントスに停泊中の海上自衛隊によるパレード、州軍警バーロ・ブラン
コ士官候補生や州警騎兵隊による見事な行進も皇太子さまの前で披露され、さなが
ら両国にとっての王室のような扱いだった。
三千六百四十人のコーラス隊は「さくらさくら」「アクアレーラ・ド・ブラジル」
を大合唱した。そして、百周年記念踊り「海を渡って百周年」が千二百人によって
踊られ、最後には千人太鼓が一糸乱れぬど迫力の演奏をみせた。
昼前から断続的に強い雨が降っていた式典前からやみ、百年の節目には晴れ間が
のぞいていた。
◎喜び、感動、そして涙〜思い語る来場者ら
「こんな立派な式典を見ることができて本望だ」と興奮気味に語るのは、最前列
の高齢者席にいた室井洋さん(78、栃木県)。アマゾンのトメ・アスー移住地在住。
「娘が航空券買ってくれたので見に来ることが出来、本当によかった」と話した。
式典の前日(二十日)に百歳の誕生日を迎えた森重光さん(熊本)は皇太子さま
のお言葉を直立不動で耳を傾けた。
「初めてお目にかかれて嬉しい。雅子妃殿下が来られなかったことが残念」と感
想を述べた。
式典の入場券を得るためにマリリアから聖市に三度も足を運んだ日高徳一さん
(82、宮城)は、戦後の勝ち負け抗争に関わり、投獄された経験を持つ。
「皇族の方たちは何度も来られていたが、諸事情により出席できなかった。今日
は一生で最大の日。もう明日死んでも悔いはない」と目を真っ赤にしながら語った。
皇太子さまのお言葉を聞きながら、静かに手を合わして聞いていた蒸野太郎さん
(89、和歌山)も日高さんと同様の経験の持ち主。
「昔の人の苦労を労っていただき、天界にいる先輩たちも喜んでいるだろう。ブ
ラジルに来た移民は棄民と言われたが、日本人の気持ちと心を忘れずに、農業発展
に貢献した人々に、皇太子さまが会いに来てくれたことに感謝したい」と涙を浮か
べて話した。
祈るような面持ちで皇太子さまのお言葉を聞いていた窪田貴美さん(74、二世)
は「皇太子さまを一目みるために訪れた。本当に嬉しくて言葉にできない」と言葉
を詰まらせた。
十九日に九十歳の誕生日を迎えた柴田八千代さん(和歌山)は「もう少し近くで
皇太子さまを見たかった。でも、きれいなお言葉を聞いて、涙がでるほど嬉しかっ
た」と感想を述べた。
父親が大正天皇の警備を担当していた樋口傅(つたえ、86、長崎)さんは、「今
日は皇太子さまを見るためにやってきた。懐かしくて何とも言えない」と高揚した
様子。
サンパウロ政府と移民契約を結び、笠戸丸移民を導入した水野龍の次女妙香さん
(80、亜国ブエノアイレス在住)は、「父水野もこれほどの人がフェスタをして、
皇太子さまが来て頂いたことを喜んでいるのではないでしょうか」と穏やかな笑顔
を見せた。
皇太子さまがお車で登場されるとともに、手をあわせて涙を浮かべていたのは、
グアルーリョス市在住の森政子さん(82・宮崎)。式典直前の十九日、病気で長年
連れ添った最愛の夫を九十歳で亡くした。
「私は二歳で渡伯し、それから一度も日本に行ったことがない。今日は本当にあ
りがたい限り。主人といっしょに式典を見たかった」と声を詰まらせた。
山口県出身の笠戸丸移民の末娘という藤井ハナさん(79・聖市在住)は、聖州
リンス市、マリリア市など、主な日本人移住地で幼少期を過ごした。
「戦中戦後、ブラジル人は日本人をバカにしたこともあった。だけど今は日本人
を正直で働きものだと尊敬してくれている。日本とブラジルがこんなに仲良くなっ
て本当に嬉しい」と感慨深く話した。
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■パラナ、100周年祭典 ローランジアに7万5千人=州内にテレビ中継、挙げて
祝う=新たな日伯関係飛躍の土台に=皇太子さまを熱く歓迎=お言葉「ブラジルへ
の感謝忘れず」 2008年06月24日(火)
「当初の予定より二万人も多く会場に来てくれた。大成功だった」――。式典後、
西森ルイス弘志式典委員長は満面の笑みを浮かべながら、そう喜んだ。ブラジリア、
サンパウロに続き、二十二日にはパラナ州ローランジア市の日本移民センターで、
皇太子さまご臨席のもと、パラナ州日本移民百周年式典が盛大に挙行された。ジョ
ゼ・アレンカール副大統領、ロベルト・レキオン州知事はじめ、斉藤準一空軍総司
令官、島内憲駐伯大使、日伯両国国会議員、同州と姉妹州県協定を結ぶ兵庫県など
両国自治体代表、民間慶祝団、両国関係者も多数列席。式典模様はパラナ州教育テ
レビ・ラジオ局により、同時中継された。全パラナから駆けつけた来場者は、サン
パウロの式典を大幅に凌ぐ七万五千人(主催者発表)にのぼった。
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■松尾執行委員長に訊く=百周年式典は及第点?
2008年06月28日(土)
自己採点で何点だったと思いますか?――との問いに、百周年記念協会の松尾治
執行委員長は「二日間とも会場は一杯になった。ぜひ及第点をもらいたい」と答え、
二十一日の聖市記念式典を振り返った。
皇太子さまご臨席のもと時間通り、午後四時から始まった式典。当初の予定では、
日伯両国の来賓の入場時に主要な人物の名前がマイクで呼び上げられるはずだった。
舞台の上には麻生太郎日伯議員連盟会長を団長とする国会議員団十一人、日本か
ら訪伯していた県知事十三人、副知事三人、県議会議長十五人、さらにブラジル側
も斉藤準一空軍司令官、上田雅三連邦高等裁判所判事ら日伯両国の各界を代表する
蒼々たるメンバーが並んでいたが、実際は一切紹介されなかった。
松尾執行委員長は「当然やるべきだった。わざわざ日本から来てもらって名前を
出すのが礼儀。催しごとの間にアナウンスすることもできた。打ち合わせではやる
ことになっていたんですが…」と残念そうにする。
また、日本からの祝電も沖縄県、北海道、島根県、神奈川県はじめ、金沢市、松
江市など多数あったが一つも紹介されなかった。
これについても同執行委員長は「代表的なものだけは紹介するはずでした。せめ
て小泉純一郎元首相の祝電だけでも読み上げたかった」と落ち度を認める。
また、当日メトロ・チエテ駅から会場までの巡回バスが渋滞に巻き込まれて、順
番待ち列が百メートル以上、一時間以上の待ち時間になる混乱も見られた。
松尾執行委員長は「全体的には、大きな混乱もなく終わることができたと思う」
と総括。安堵の表情を浮かべ、「協力してくださった方々、会場まで足を運んでもら
った高齢者のみなさんにお礼をのべたい」と語った。アトラクションの出演者ら約
一万人、約千人のボランティアにも「本当によくやってもらった。彼らがいなかっ
たら成功はなかった」と感謝した。
今後の問題として浮上しそうなのは、アニェンビー国際会議場で開催された「日
本文化週間」の資金が足りなかった件だという。不足金額は明らかにされていない
が、今年七月末までルアネー法が認可されていることがあり、「執行委員会でしっか
り検討し対応していきたい」とした。
なお県人会や地方の日系団体の希望枚数を大幅に削り、方々から不満が噴出した
入場券の配布問題については、式典数日前に、伯国政府関係に割り当てていた約千
枚の券が委員会に返却されていたことを明らかにした。
この券を配るため急きょ、アニェンビー国際会議場の記者室で一般配布を実施。
「式典前日に百周年協会にチケットの有無を問い合わせしてきた人には、そちらを
案内しました」。
松尾執行委員長は「私たちが持っている入場券は全部配りきった」と胸を張る。
ただし、最初の段階で削られた人で、結局入れなかった人がいたことも十分あり得
る。
ある来場者からは「アトラクションは感動的だったが、式典の基本的なことが無
視された」と指摘する声も聞かれた。
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■百周年=リオの大空に浜松大凧=凧を通じて日伯交流
2008年06月27日(金)
移民百周年記念事業浜松実行委員会(委員長=石川エツオ浜松ブラジル協会代表)
は、二十四日午前リオ・デ・ジャネイロのコパカバーナ海岸で、浜松まつりの大凧
揚げを行った。
今回浜松まつり本部凧揚げ部員や有志の市民たち三十五人が来伯し、六帖凧一枚、
三帖凧二枚、二帖凧二枚を持参。大凧には百周年記念マスコットのチカラやリオ、
浜松両市の市旗などが描かれていた。
小雨が交じるなか開催されたが、ほとんど無風状態だったために、空高く揚がる
ことはなかった。それでも、浜松からの団員や地元日系団体の若者たちが足場の悪
い海岸を走り回り、必死に凧揚げを行っていた。
事務局の石川淳さんは「練習の時は揚がったのですが、大凧があがらなくて残念
です」と肩を落とした。また、「揚がらなかったことは残念ですが、凧を通して交流
ができれば良い。日系人やブラジル人たちと交流を行うことが一番大事」と凧揚げ
の状況を見守った。
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■皇太子さま お元気で=リオ=感動呼んだ伯国ご滞在=さわやかな笑顔残され=
「次はご家族でおいでを」 2008年06月26日(木)
【リオ・デ・ジャネイロ発】皇太子さまは、ブラジルでの最後の訪問地となるリ
オ・デ・ジャネイロに二十三日午後到着され、同日夜は『日伯音楽交流会』にご出
席。翌日はポン・デ・アスーカル、ジャルジン・ボタニコ内の日本庭園でご植樹、
セルジオ・カブラル州知事主催の歓迎昼食会の後、日系人・在留邦人とのご接見に
臨まれた。ブラジル銀行日本文化センターで開催中の『日本展・日伯融合100年』
もご視察、元サッカー日本代表監督のジーコさんらとご歓談された。異例のハード
スケジュールにも関わらず、終始爽やかな笑顔を振り撒かれ、カリオカたちにも大
人気将来の明るい日伯友好を感じさせるご訪問となった。皇太子さまはすでに二十
五日午前にブラジルをお発ちになり、二十七日午後日本にお着きになる。
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■記者の眼■新しいページは開かれた=皇室からの特別なご厚意
2008年06月26日(木)
百年祭最大のハイライトである皇太子さまのご訪問が昨日終わり、日本に向かっ
て無事に旅立たれた。
「異例の長期間」と日本で報道された九日間の伯国ご滞在のうち、五日間に渡り
取材した。皇太子さまの行かれるところには必ず人だかりができ、日系、非日系の
垣根を超えた幅広い人気に驚かされた。
あちこちで日系人と握手をされる光景が見られたのみならず、異例のポ語あいさ
つまでされたUSP法学部では、学生たちの求めに応じて民間人との記念撮影にも
こたえられるという、通常はありえないことすらなさっていた。
読売新聞の小寺以作リオ支局長は昨日掲載の「特派員が見る百周年とコロニア」
エッセイで、伯字紙が「皇太子さまが一日にこれほど大勢の手を握ったのはおそら
く初めてだろう」と書いたことに対し、疑問に思い宮内庁の同行記者に尋ねたとこ
ろ、「同じ感想を漏らしていた」との興味深いエピソードを披露した。
聖市式典では、雅子さまからの「心からのお祝いの気持ちをお伝えして欲しいと
申しておりました」とのお言葉まで紹介された。日本の大手紙記者によれば、この
ような形で雅子さまのお気持ちを代弁されるのは異例であり、それだけ日系社会の
ことを大事にされている証拠だろうという。
このような皇太子さまの姿勢を感じ取ってか、ブラジルメディアも「異例のふれ
あい」を強調し、敬意を込めた論調を徹頭徹尾おこない、大量の報道をした。
天皇・皇后両陛下からの移民史料館への御下賜金を伝達いただいただけでなく、
皇太子さまご自身も著書のポ語訳出版を許可され、その印税をサンタクルース病院
(旧日本病院)拡張工事計画に御下賜されたと聞く。
今まで長いこと、一般の日本国民のブラジル移民への関心よりも、皇室のお心遣
いの方が深く、温かみがある状態が続いてきたように見える。その一貫したご姿勢
が、今回も如実に表れたことを敏感に感じとった日本メディアも幅広く報道し、結
果的に日本国民一般への認識に跳ね返りはじめているように見える。
昨年末来の両陛下のブラジル日系社会への関心に対するご発言はもとより、四月
の両陛下による大泉町ご視察、同月二十四日の両陛下および皇太子さまの東京百周
年式典へのご出席、同二十八日の皇太子さまの神戸式典へのご出席など、異例づく
しの一連の百周年行事だったといっていい。
今回のご訪問は、一連の皇室からのご厚意の総決算ともいえるものだ。
皇室が来られる次の機会が、いつになるのか分からない。もし、ブラジル一般社
会と一体になった今回のような大歓迎が次回もできるなら、それは、日系社会がエ
ンジンとなって文化の継承・普及の努力が継続された証左だろう。
殿下のご帰国により、移民史の新しいページが開かれた。我々はすでに二世紀目
の中にいる。
皇室のご厚意やブラジル社会からの期待に、日系社会がどう応えるかが、今こそ
真摯に問われている。(深)
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■旧サントス日語校=文化センターに=生まれ変わる=立ち退き後65年=100周
年の節目、皇太子さまを迎え 2008年06月26日(木)
立ち退き、接収、そして返還――。歴史の波にほんろうされてきた旧サントス日
本語学校が、日本文化センターとして新たな一歩を踏み出した。二十一日朝、改修
を終えた同センターで皇太子さまご臨席のもと落成式を挙行。遠藤浩サントス日本
人会長は、「これからは日本語学校を軸に、サントスで日本文化を伝えていきたい」
と決意を語った。
一九二八年に開校、地元日系社会のよりどころとして最盛期には二百人の生徒た
ちが学んだサントス日本語学校。同地日系人の汗の結晶だった同校も、四三年、ブ
ラジル政府から沿岸地域の枢軸国人に対し二十四時間以内の奥地への立ち退き令が
出されたことにともない接収された。
戦後の返還運動が実り、所有者であるサントス日本人会に建物の使用権が認めら
れたのは、六十三年後の二〇〇六年。日本人会では今年一月に日本政府から約八万
五千ドルの草の根無償資金を受け、文化センターとして改修を進めてきた。
老朽化した屋根は全て取り替え。壁は白く塗り替えられた。一階部分は小部屋に
区切られ、日本語、日本文化の教室として使用される予定だ。
サントスへの皇室ご訪問は、五十周年で三笠宮殿下が訪問されて以来、二度目。
皇太子さまご臨席のもとセンター二階で行なわれた落成式には、島内憲大使、西林
万寿夫総領事ら日本政府関係者、日本人会の六十歳以上の高齢者など百人が出席。
午前十時五十分ごろ、皇太子さまの車が到着すると、入口ではサンビセンテ子供会
の子供たち十人が縦笛で君が代を演奏し、出迎えた。
遠藤会長は、「着の身着のままで親戚や同船者、知人を頼って奥地へ移転した」の
強制立ち退き、戦後の返還運動の歴史を振り返り、「使用不能の状態だったのが、改
修が終わり、ようやく落成の日を迎えた。これも日本政府のおかげです」と感謝の
意を表した。
島内大使も「センターが新しい友好のシンボルとして、サントスの日本人、日系
人の心のよりどころになることを願います」と祝辞を送った。
遠藤会長と島内大使により記念プレートを除幕して落成式は終了。皇太子さまは
出口で子供や地元の人たちに気さくに声をかけられ、次の予定行事に向かわれた。
着物姿で出迎えたライス・アイカ・オナガちゃん(三世、7つ)は、皇太子さま
から着物を誉めてもらい、嬉しそうな表情。母親のアレクサンドラさん(36)も
「こんなに近くで皇太子さまにお会いする機会は一生に一度でしょう」と喜んでい
た。
二十年間にわたり日本人会長として返還運動の火を灯し続けた上新さん(86)
は、落成式でサントス日系社会の歴史を綴った自著を皇太子さまに献上し、「ごくろ
うさまでした」と声をかけられたという。この日、返還後はじめて建物を訪れた上
さんは「みなさんのおかげ。よくやったなという気持ちです」と感無量の表情を見
せた。
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★ブラジル社会
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■株価世界同時安=半年分利益が吹き飛ぶ=投資に時代の変化=米資産が途上国へ
移動?=移転先有望国はブラジル 2008年06月28日(土)
米国大企業の業績不振と原油四%高騰の発表が世界の金融市場を動揺させたこと
を受け、聖市証券市場の株価指数が二十六日に二・八九%落ち込んだと二十七日付
けエスタード紙が報じた。原油高騰で追い風のペトロブラス株が支えなければ、今
年最悪の日になったと予想される。
ゴウルドマン・サックスが米二大企業のシティグループとGMの経営不振を発表
し、投資家は米経済の実態が予想を下回り、期待した下半期の回復は望み薄である
と判断したようだ。
シティ株は過去四年最低の六・二六%下げた。GMはさらに悪く、一一%の暴落。
過去三十四年で最低水準。FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンク議長は、米経
済が回復するためには、さらに資金が必要であることを吐露した。
聖市証券取引所は、S&Pが格上げをして以来、六三・九四六ポイントで最低の
取引き状況となった。
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■ドル1・60R切る=証券市場は一斉に売りへ
2008年06月28日(土)
為替市場は二十五日、一ドルが一・六〇レアルを切り一・五九レアルに付けた。
FRB(連邦準備制度理事会)が、米国が不景気のうえインフレ含みであるので、ま
だ期待が持てないとした動きを反映したようだ。
世界の金融市場は軒並み微動だが、聖市証券市場が株価指数を二・六三%上げた。
インフレ抑制のため、基本金利は現行の一二・二五%から年末には一四・二五%に
引上げと予想される中、ドル安はインフレ圧力に水を差した。
ドルが近日、一・五五レアルに付けても不思議ではない。一・五五は、変動制に
切り替えた当時の為替率。聖市証券市場は六月、買いより売りが七十一億七千万レ
アルも上回ったので、外資流入策を打ち出すようだ。
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■中央銀行=目標インフレを6%に上方修正=中銀対策は的外れ=グロバル化で物
価高騰=通貨政策とは流通量対策 2008年06月27日(金)
中央銀行は二十五日、今年の目標インフレ率を六%に上方修正と発表したことを
二十六日付けエスタード紙が報じた。中銀は、インフレが進行するなら、抑制手段
として基本金利の引き上げは避けられないと通告。金融市場はIPCA(消費者物価
指数)が六月、〇・九%に達したことで危機感を覚えた。
中央銀行が、インフレは管理されているとはいうものの再々行われる上方修正に
中銀の機能性が疑われている。中銀の経済指標は、第1四半期に較べ全般に悪化し
た。
インフレ終焉で引き継いだルーラ政権は、インフレを再び呼び戻して終わりそう
だ。国内のインフレは、原油の国際価格に左右されると財務相が述べた。しかし、
ブラジルは原油相場に関係なく、消費市場が過熱し需要が伸びている。
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■EUが移民法制定=時代逆行法令で伯人虐待
2008年06月25日(水)
ブラジルへの日本人移民百周年を祝っている最中にEU議会が十八日に、ブラジ
ルを含む外国人にEU加盟二十七カ国への入国を制限する移民法を承認したことに
ついて二十四日付けフォーリャ紙が論評を報じた。
ブラジルが各民族と異文化の融合によるグローバル化を祝っている時に、時代に
逆行するような法令制定は皮肉である。ブラジルは二十世紀初頭、農業労働者と農
業技術導入のため多数のEU移民を受け入れた。
ブラジルが多数受け入れたEU移民は、餓死線上にあった貧しい人たちであった。
殆どは低学歴で言語の習得もままならず、ブラジル社会への同化に苦労した。しか
し、ブラジルは寛容に彼らを迎え、全ての協力を惜しまなかった。
それから一世紀、EUは経済的に恵まれ少子化現象に対面。同数人口を保つ二・
一人の出産をEU各国は、下回っている。それを補給するため移民の導入を始めた
が、厳しい条件をつけた。
受け入れ国の国語を読解する。不法入国は拘束し、十八カ月以内に国外追放。イ
タリアは、不法入国者を四年拘束。不法入国者の居住家屋接収。
現在は不法入国者としてブラジル人を虐待しているが、EU移民がブラジルに一
宿一飯の慈悲を乞うたときのことをEU当局は忘れたのか。
しかし、EU移民法はテロと麻薬対策の名目でブラジル人学生や旅行者を犯罪人
と同じ刑務所へ拘束する。人的および物的、技術、アイデアの交流がグロバリゼー
ションではないか。EUは、EUの型枠の中へ世界をはめ込むつもりなのか。
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■富豪の数は14万3千人=2017年には途上国一の金持ち国
2008年06月27日(金)
資産百万ドル以上を所有するブラジル人が二〇〇七年、前年比一九・一六%増の
十四万三千人に達し、富豪増加率で世界第三位とメリル・リンチ銀行が発表した。
一位はインドの二二・七%増で十二万三千人。二位が中国の二〇・三%増で四十
一万五千人。その他、四位韓国。五位インドネシアなど。
二〇〇七年のブラジルにおける富豪誕生は、過去五年で最高数。資産を築いた要
因は、コモディティの高騰。内容は、農業と鉱山その他。原材料とエネルギー資材
の輸出で、ドル安に関わらずよく健闘した。
一方、米国のコンサルタント会社BCGによると、伯国には十九万人の富豪がお
り、前年比四六・一%の増加。上位十八人の平均資産は、三十六億ドルだ。二〇一
七年には、ブラジルの富豪は六十七万五千人になり、途上国のトップに躍り出ると
いう予想もある。
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《邦字紙用語解説》リベルダーデ=日本人移民が集住する地区、別名は東洋人街、
聖市=サンパウロ市、聖州=サンパウロ州、ポ語=ポルトガル語、日語=日本語、
コロニア=移民一世を中心とした日系社会の一部、伯国=ブラジル、伯人=ブラジ
ル人、南大河州=リオ・グランデ・ド・スル州、亜国=アルゼンチン、R$=ブラ
ジル通貨単位レアル。
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