メールマガジン『杜の本屋さん』 |
今回のテーマは、『ボランティア』です。女子中学生三人が、老人ホームでのボランティア活動を通して、何を見て、考え、学んでいくか。ひとが人になっていく過程を描いていきたいと思っています。
創刊日:2002-07-05
最新号:
2009-07-04
発行周期:第1・3土曜日
読んでる人:10人
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最新号のみ
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あり
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オランウータン王国・ことばの杜
メールマガジン『杜の本屋さん』 2009年07月04日 No.00160 号
2002年07月06日 創刊 毎月第1・3土曜日発行
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∬もくじ∬_________.................................................
・連載『こころの瞳』 第71回 VOL.2
・編集後記
・『こころの瞳』の今後と新連載のお知らせ
※このメールマガジンは、等幅フォント(Macintosh)、固定ピッチ
(Windows)で正しく表示できるように編集しています。
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§連載『こころの瞳』 第71回 VOL.2§_________...................
《七一−その2》
そのときのことだ。弥生は、再び遙香のことが頭に浮かんだ。
「大丈夫かな、遙香…」
弥生は、ゆっくりと入浴室中を見渡したが、遙香の気配はない。あれから、
ずっと森山に付き添っているのだろう。きっと遙香のことだから、深く傷つ
いてしまった森山のこころに寄り添おうとしているのだろう。そうすること
で遙香自身もまた、こころの再生をやろうとしている。こころとこころで寄
り添う。それが出来る遙香のことが、弥生には、少し羨ましかった。
「遙香…」
誰もいない静まりかえった入浴室を後にした弥生は、一階事務室前にある
ボランティアの控え室で着替えを済ませる。ここで、遙香たちを待っていて
も良かったが、一人でいるのが、いまは心細くて絶えられない。弥生は、遙
香たちと集合場所に決めていた二階『霞草』の階の杉岡のところへ向かった。
杉岡と一緒に話をしながら、遙香や小百合を待とうとしたのだ。
弥生は、同室のお年寄りたちに遠慮しながら、そっと引き戸を開けた。
「第五中の大塚です。杉岡さん、失礼します」
「あら、大塚さん。今日は、もう終わったの? お友達は、まだ来ていな
いわ。貴方が一番ね」
弥生は、まだ杉岡の部屋に入らない。
「そうですか…。あの、少し待たせてもらってもいいですか?」
「どうぞ。お入りなさい」
杉岡は、ベッドの半分をリクライニングにして、いつものようにセーター
を編んでいた。一つひとつ本当に丁寧な手編みをしている。何度見ても、弥
生には、杉岡の目が見えているようにしか思えなかった。
「そんなところに立っていないで、こちらにおいでなさい」
「あっ、はい。失礼します」
静かに引き戸を閉めると、弥生は、杉岡のベッドへと近づいていく。
「ベッドの下に椅子があるからね。おかけなさい」
少し前屈みになってベッドの下をのぞき込むと、そこには、スチール製の
丸いパイプ椅子が三つ、整理され並べて置いてあった。弥生は、一番杉岡の
足元近くにあるパイプ椅子を取り出して座った。
「それと、こんなものしかないけれど、お友達と分けておあがりなさい。
口の中に入れておくと、ゆっくり溶けて美味しいから。甘いものは、気持ち
がホッとするからね」
編み物の手を止めた杉岡から、一つの紙包みが差し出された。ティッシュ
の紙包みには、六つの黒飴があった。
「それに、これは、一番早く来た大塚さんへのおまけ。はい、ニッキ玉」
杉岡は、枕元に置いてあった丸い缶を手に取るとフタを開けて、弥生へ差
し出した。丸い缶の中には、たくさんの鮮やかなレモン色のあめ玉が入って
いた。それは、まるでキラキラと光り輝く宝石のようで、また透明感のある
ガラスのビー玉のようで、とてもきれいだった。
初めのうちは遠慮して、ためらっていた弥生だったが、優しい笑顔を浮か
べて、こちらを見ている杉岡には断れない。弥生は、紙包みの黒飴とレモン
色のニッキ玉一個を受け取った。
「杉岡さん、ありがとうございます。甘いもの好きなみんなのことだから、
きっと喜びます」
杉岡は、満足そうに優しい笑顔を浮かべている。どこまでも優しい杉岡の
心遣いが、いまの弥生には、本当に嬉しかった。
「さぁ、早く。お友達が来る前にお上がりなさい。内緒だよ」
杉岡は、右の人差し指で唇を押さえながら悪戯っぽく言ってみせた。弥生
は、次第に癒されていく。
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∇編集後記∇_________...............................................
最近、靴を探している。
いろいろ見て回ったり、調べたりしているのだが、なかなか思うような靴
には、まだ出会えていない。
値段のことあるが、もちろん歩きやすさや履きやすさを重視したいと思っ
ている。
あるお店へ行ったときのことだ。
『シューフィッター』というネームプレートを付けた店員さんが応対して
くれた。
最近になって作られた認定資格のようで、その人の足の大きさ、形、歩き
方などに合わせて、その人に一番良い靴を選んでくれるのだという。
いわば靴選びのプロだ。
そのプロが、まず正確に足の大きさを計測する。
足の大きさのほか、足の幅、甲の高さをメジャーなどの専用の器具で計る。
病院での身体検査で計ったことがあったが、普通の靴のお店で、こんなに
も正確に足を計られたことはない。
次にカーボン用紙のようなものに足型を取り、外反母趾がないかどうかな
ど足の形を調べ、歩き方を調べて、歩くときの不具合などを丁寧に聞いてく
れる。
足のカウンセリングを受けているような感じだ。
そのときは五足ほど勧められ、試しに履いて歩いてみた。
やはり違う。
格段に歩きやすくなっているのだ。
さすがプロだ。
これまで、あまり意識せずに選んできた靴も、やはり大切な足のことだか
ら慎重に選んだ方がいい。
あらためて、そう思った。
今回も、このメールマガジンを最後まで読んでいただき、本当にありがと
うございました。
ご意見・ご感想をお待ちしております。
どうかよろしくお願い致します。
次回の発行は、2009年7月18日(土)を予定しています。
もし、よろしければ、引き続き読んでいただければ幸いです。
本当にありがとうございました。
∇『こころの瞳』の今後と新連載のお知らせ∇____________..............
いつも、メールマガジン『杜の本屋さん』を読んでいただきまして、本当
にありがとうございます。
さて、2002年のメールマガジン創刊以来、連載してきました『こころ
の瞳』について、あと数回の発行をもちまして、第一部として終えて、『こ
ころの瞳』を休載させていただきたいと思います。
つまり、一応の区切りとしての休載です。
今後、『こころの瞳』は、物語の終盤へと向かう予定ですが、いまある物
語の骨格は残しつつ、新しい要素を取り入れながら、さらに肉付けをしたい
と思うからです。
第二部として、出来る限り早く『こころの瞳』の連載が再開できるようが
んばりたいと思います。
毎回、このメールマガジンを読んでいただいている読者の方々には、誠に
申し訳なく思いますが、どうかご理解をお願い申し上げます。
また、『こころの瞳』の休載中は、新しく『優愛物語』を連載していきた
いと思います。
『優愛物語』は、すでに自主出版をさせていただいていますが、これを新
たに加筆修正をして、メールマガジン版『優愛物語』として連載していきま
す。
予定では、秋ぐらいになるだろうと思います。
詳しいことについては、今後メールマガジンの中でご紹介させていただき
ます。
もし、よろしければ、これからもこのメールマガジンを読んでいただきま
すようお願い申し上げます。
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_/_/☆ 2009年07月04日 No.00160 号 ☆_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
オランウータン王国・ことばの杜 メールマガジン『杜の本屋さん』
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◇発行責任者 櫻町 浩 Hiroshi Sakuramachi
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