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タイトル:後期高齢者医療制度と計画的食糧危機に共通するもの
発行日: 2008/6/3ベンチャー革命2008年6月3日
山本尚利
タイトル: 後期高齢者医療制度と計画的食糧危機に共通するもの
1.後期高齢者医療制度が墓穴を掘って政界再編か
NHKが2008年5月中旬に行った世論調査で、民主党支持率27.1%、自民党支持率25.6%となり、民主党が形勢逆転で支持率トップとなっています。後期高齢者医療制度というひどい反国民政策を筆頭に、超、杜撰(ずさん)な年金管理、ガソリン暫定税の居直り復活など、国民の神経を逆撫でする政治課題が続出しており、自民党支持率が下がるのは当然です。筆者からみれば、小泉政権以降、自民党政治の反国民性がこれほど露になってもまだ、自民党支持者が大勢いることの方が信じられません。いくら泥棒されてもその泥棒を信じているという救いがたい国民性です。一方、韓国では、2008年5月31日、BSE狂牛病汚染問題の解決しない米国産牛肉の輸入再開をきっかけに、若者中心に1万人大規模デモが勃発しています。李明博(イミョンバク)政権の支持率は2008年2月の就任時60%から5月末に20%まで急落しています。若者の雇用が激減して不満が鬱積しているところに、米国産牛肉輸入再開決定をきっかけに火がついて、大規模反米運動に発展しました。日本の60年代安保闘争時代を彷彿とさせます。21世紀の今日、韓国国民は政治的意思表示が明快です。それに比して日本国民の意思表示は極めてあいまいです。これでは日本国民は自民党からなめられ放しです。それでも自民党内の危機感は小泉チルドレンを中心に高まっており、小泉元首相を軸に政界再編の動きが活発化しています。福田政権が現状を打開できなければ、次回衆院総選挙では自民党惨敗は確実です。それもこれも自業自得、小泉政権の決めた後期高齢者医療制度が墓穴を掘っています。
2.自民党親米派、小泉一派と対米面従腹背派の分裂
日本の政界再編の動きは今始まったものではありません。筆者の見方では、小泉政権の真っ只中、2004年から起きています(注1)。2001年、米国覇権主義者の傀儡(かいらい)、小泉政権誕生とともに、自民党は親米派(旧福田派、清和会)と非・親米派(旧田中派、経世会)の溝が深まっています。
親米小泉一派は、非・親米派の多数派である利権政治家(道路族など)を抵抗勢力に仕立て、見事、旧田中派の一掃に成功しました。自民党政治家の非・親米派のうち、平沼赳夫氏や小林興起氏や城内実氏のような愛国派はごく少数です。2005年9月11日の郵政民営化選挙で小泉首相から追放された国民新党政治家(綿貫民輔氏や亀井静香氏や亀井久興氏など)は愛国派と利権派の混在です。
2008年現在、小泉一派の進めた郵政民営化の化けの皮が剥がされ、国民の一部は小泉フィーバーに踊らされたと気づいているでしょう。しかしながら、まだ多くの国民は反自民にまでは至っていません。だからこそ、民主党支持率が伸び悩んでいるのです。
小泉政権時代、自民党から非・親米派政治家が一掃されたかにみえましたが、福田首相や安倍元首相など面従腹背の親米派が、依然、多数、健在です。今回の小泉一派の政界再編の動きは、自民党内の小泉一派(従米派)と対米面従腹背派の分裂となります。なお、この動きは2005年時点で読めていました(注2)。
自民党従米派(外資族)は、今後、民主党従米派(前原誠司氏など)と野合する可能性があります。ただしそれは、自民党内多数派、対米面従腹背派を全滅させるまでの一時的野合です。ところで、小沢民主党党首の裏ミッションは、米国政治と同様に、日本に親米自民党(共和党に匹敵)と親米民主党(米民主党に匹敵)の親米二大政党体制を構築することです(注3)。しかしながら、日本に親米二大政党体制を実現するのは、そう簡単ではありません。さすがの子羊国民もそろそろ、おかしいと気づき始めているからです。もし親米二大政党体制が実現すれば、小沢氏の背後にいる米国覇権主義者の利害と国民の利害の対立がいっそう表面化するでしょう。たとえば、従米小泉政権が強行採決で決めた後期高齢者医療制度は、米国覇権主義者の関与する外資系保険会社やヘルスケア会社に有利で、あきらかに国民益に反しています(注4)。郵政民営化もまったく同様です。これと同様の利害対立が今後、頻発することになります。
3.小泉一派は自分の蒔いた種、後期高齢者医療制度を逆手にとって官僚攻撃開始
小泉一派は柳の下のドジョウよろしく、自民党抵抗派攻撃の次は官僚攻撃によって、国民支持をとりつけようと画策しています。これは自分の蒔いた種、後期高齢者医療制度を発端とする国民の怒りを、巧妙に官僚攻撃に転化するハラスメント・テクニックです。たとえば同派の中川秀直氏(小泉一派)は『官僚国家の崩壊』(講談社、2008年)にて官僚および自民党内の対米面従腹背の利権派を攻撃しています。同じく、小泉一派、竹中平蔵氏の懐刀であった元財務官僚、高橋洋一氏は『さらば財務省』(講談社、2008)で財務省の内輪を暴露しています。また渡辺喜美氏らの進めた公務員制度改革が、珍しく自民と民主の間で妥協成立の見通しです。
小沢党首の裏ミッション(注3)を理解すれば、本件に関して自民と民主が妥協するのはありえます。なぜなら、米国覇権主義者が自民と民主の両幹部に非・親米官僚への攻撃指令をだしているはずだからです。彼らにとって、親米二大政党制の実現の隘路(あいろ)であった旧田中派の一掃の次が、非・親米官僚の一掃だからです。自民党内の対米面従腹背派の一掃はその次です。2008年4月、日銀総裁人事で小沢党首が財務省官僚からの日銀支配権剥奪に執念を燃やした(注5)ことからも、非・親米派官僚を早く一掃したい米国覇権主義者の対日戦略が透けて見えます。彼らの攻撃ターゲットは主に財務官僚でしょう。なぜなら、日本政府の保有する対米ドル債権4兆ドル(副島隆彦『ドル覇権の崩壊』徳間書店、2007年、35ページ)の秘密が国民に暴露されるのを米国覇権主義者は何より恐れているからです。
ただ、日本の誇る非・親米官僚は、世界一狡猾な人種であり、かつての自民党抵抗派の比ではありません。たとえ小泉一派サイドに、米国覇権主義者と彼らに支配される日本の大手マスコミが味方についても、そう簡単に、攻略されないでしょう。
さて上記のように韓国で大規模反米運動が起きていることから、米国覇権主義者は、日本政府の対米ドル債権(塩漬け債権)に関する秘密を日本国民が知ったら、日本でも韓国なみの反米運動が起きると恐れているのです。しかし、残念ながら、今の日本国民には韓国民ほどの対米反骨精神はないでしょう。その遠因は、韓国には徴兵制があって日本にはないので、若者の政治意識に大きな違いがあるからとみなせます。
ところで2008年6月3日の日経新聞に小泉一派にとってもうひとつ、逆風情報が流れました。それは、ノーベル経済学賞受賞のジョセフ・スティグリッツ教授(コロンビア大)の近著『世界を不幸にするアメリカの戦争経済』(徳間書店、2008年)の広告です。同著で分析されているのは、ブッシュ政権の浪費したイラク戦争の戦費が3兆ドルで、そのうち日本負担30兆円とのこと。この30兆円は小泉政権が円売りドル買いオペで、ブッシュ政権に献上したものです(注6)。小泉一派は後期高齢者医療の予算を減らして、ブッシュ政権のイラク戦争に貢いだも同然です。これほどの反国民的政策はあるでしょうか。
4.後期高齢者医療制度と計画的食糧危機の共通性とは
さて小泉政権時代に大成功した米国覇権主義者の対日攻略は、今回も成功するでしょうか。そうは問屋が卸しません。今の状況は、小泉政権時代と様変わりしています。2008年の米国では大統領選を通じて、小泉一派のハンドラーであった石油・軍事系覇権主義者(戦争屋)から、小沢党首のハンドラーである国際金融資本系覇権主義者(銀行屋)に覇権シフトが起きているので、小泉一派の柳の下のドジョウ狙いはそう簡単に成功しないでしょう。
さらに、一部の国民が対米隷属小泉一派の売国奴的政治にようやく気づき始めていることも小泉一派には逆風です。
たとえば、2008年6月8日に沖縄県議会選挙が行われる予定ですが、小泉政権の決めた後期高齢者医療制度に反対する人たちが期日前投票しているニュースが流れています。インタビューでお年寄りが、75歳以上を国民保険プールから分離した点に怒っていました。この制度はいずれにしても、儒教的価値観の残る日本人の発想ではありません。年金からの保険料天引き以前に、お年寄りはこの制度の思想を問題にしているのです。後期高齢者医療制度を通じて、ようやく国民は小泉政権以降、自民党が米国覇権主義者の完全な傀儡に成り果てたのを見て取ったのです(注4)。明確にそうと認識していなくても、とにかく、本能的におかしいと気づいたのです。さて、米国覇権主義者に支配されている原油価格の高騰(注7)は、物価インフレをもたらし、低所得者や高齢者の生活に大きな打撃を与えます。米国覇権主義者による計画的な原油高騰、それに伴う計画的食糧危機(さとうきび、とうもろこしの燃料転化促進を含む)は、米国覇権主義者の一部が画策する世界人口削減計画の一環とみなせます。彼らの計画、すなわち無駄飯食らい(Useless Eaters)の人口削減計画の根本思想と、後期高齢者医療制度の根本思想(小泉政権時代、米国政府の対日年次改革要望書に沿って導入されたに過ぎない)が共通性をもっていることにわれわれは気づかなくてはなりません。
注1:ベンチャー革命No.89『親米党と愛国党という対立軸』2004年6月23日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr089.htm
注2:ベンチャー革命No.179『竹中総理大臣の誕生か?』2005年10月1日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr179.htm
注3:ベンチャー革命No.190『小沢民主党新代表のミッションとは』2006年4月11日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr190.htm
注4:ベンチャー革命No.259『後期高齢者医療制度:日本的価値観の破壊』2008年4月20日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr259.htm
注5:ベンチャー革命No.257『小沢民主党:なぜこだわる日銀人事』2008年4月9日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr257.htm
注6:ベンチャー革命No.222『チェイニー対久間の掛け合い漫才』2007年2月24日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr222.htm
注7:ベンチャー革命No.222『石油・穀物・防衛の国家戦略見直し急務』2008年1月27日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr252.htm
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