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広島瀬戸内新聞

発行日: 2006/8/29

地域・平和・人権・環境 広島瀬戸内新聞
http://www.h2.dion.ne.jp/~hiroseto/

8月ももう気がつけばおわりです。
こちらのほうを装置の故障でできなくてもうしわけありません。今日から 光インターネットで快適発行です!よろしくお願いします!
個人的な話になりますが、5月22日に、政治を変えるためのバーチャルな合体・「社会市民連合」ができました。

http://www.geocities.jp/socialcitizenunion/

政治を変えるための市民の連合体として9月中にも広報戦略も含め体制を整備していきたいと思います。8月20日に代表が私から三井マリ子さんに交代しました。MLが起動していますのでご参加をお待ちしております。参加申し込み

政党のような硬い団体は敬遠するが、連合体ならよい。そういう人も多いと思う。

それから、政策が不在の感がある。ネオリベラリズムか権威主義かの二者択一になってしまっている。そして、民主主義の機能不全。自民党内では、わが身かわいさから、みな政策論争そっちのけで、安倍支持競争。終わっているとしか言いようがありません。何が正しいかではなく、とにかく、保身、保身、保身。そして、そうせざるをえない状況を作っているマスコミ。

そして、お任せ民主主義も健在である。否、自民党の派閥の衰退や組合などの組織率低下で人々は孤立化し、むしろ権威に吸い寄せられやすくなっている。人々は小泉さんの靖国参拝そのものを支持というより、その行動様式を支持したといえる。そこに問題の深刻さを感じてしまいます。

そんな中、少しでも主体的に参加しようとする人が参加できるような仕組みをしたいと考えております。

とりあえず来年の統一地方選・参院選へ向けての政策提言を考えていきましょう。

そして、その軸として

民主主義の徹底的な保障(女性議員の倍増とそれを担保する選挙制度。民主的な選挙制度の保障。民主主義への市民参加のしやすい環境整備。)

「みんなで沈む政治」から「みんなでよくなる政治」への転換。現行憲法を生かすことを大前提としながら、アメリカの経済高成長、ノルウエーの男尊女尊社会、デンマークの環境優先型社会、ニュージーランドの平和外交を当面の目標とする。環境ケインズ主義とでもいうべき方向でしょうか?

 スローガン的には「みんなで沈む小泉政治」から「みんなでよくなる新しい政治」。「女性をもっと議会に!お任せ民主主義からみんなでつくる民主主義へ!」「税金はまずお金持ちから!庶民に福祉を!」「法人税率引き下げより中小企業への支援を!」というところでしょう。 ただ、政党として選挙を戦うわけでは現在はありませんから、それをある程度裏つけるような提言でしょう。

お任せ民主主義で、よくなるわけがない。小泉さんの5年半であきらかです。とくに自民党に任せて国民のための改革などできっこない。改革しなければいけない理由をつくった連中に任せられない。さりとて、野党も力不足は否めない。
政党はがんばってほしいが、党任せにはできない。市民が政策を作り突き上げていかねばならない。そんな思いがあります。

江田三郎先生がかつて、江田ビジョンとして掲げたのは「アメリカの高い生活水準、ソ連の行き届いた社会保障、日本の平和憲法、イギリスの議会制民主主義」でしたが、ソ連は化けの皮がはがれ、日本の実践面での政策は後退している。イギリスも小選挙区制で民意が阻害されている。そういう中では、目標を組みなおした上で、より幅の広い人々の支持を得られる21世版のビジョンが必要だと思います。皆様のご協力、ご指導をお待ちしております。


やっと、小泉さんが、加藤さんの実家への放火事件を批判しました。

しかし、自らの行動がナショナリズムを煽り立てていることについては、反省の色がなく、マスコミを逆に「あおられてはいけないし、あおってはいけない」と批判。それは正しい。しかし、あなたの言うことではないでしょう。目くそ鼻くそを笑うとはこのことです。

小泉さんは、まさに郵政では「問答無用」で刺客を送ったのです。しかも、自民党総務会では、事務局も
採決結果の記録をとっていない。だから党議拘束はないのです。そんな彼の行動が、「問答無用」の雰囲気をかもし出してしまっているのです。「問答無用」は5・15事件のときの青年将校の文句でした。彼らが歴史の主流になることはありえませんが、それを圧力として利用した軍部が権力を握ったことを忘れてはなりません。ナチス・ドイツでも突撃隊は粛清されたが、親衛隊が強くなっただけです。

昨日は、東京地裁で、共産党のビラを配ったことで、住居侵入で逮捕された人が無罪となりました。当然です。オーソドックスな法の理論の運び方だと思います。ビラを入れるために短時間立ち入るくらいが、構成要件になるものではない。

ただ、もうひとつ思うのは、有権者の意識の問題です。「情報が少ない」と文句を言って棄権する人がよくいますが、一方で、ビラ入れはうざい、では、話にならないと思います。もっと、人権とか、民主主義について、全体として世の中が回っていくのか、そのことを考えていかないといけないのではないでしょうか?

マスコミの報道が、政府与党に偏る以上、オルタナティブな視点を提供する手段を著しく規制することは、民主主義にとってよくない、こういう発想が必要ではないのか?

何でも規制していけば、結局、大新聞、大TVしか政治に関する情報がなくなる。それは結局、有権者から判断材料を奪い、間違った判断をさせることになりかねない。もっと、日本人は民主主義の土台というものを考えるべきだと思います。(編集部)

■女性参政権獲得意記念日を「平等の日」に・・米政府

民主主義国の恥

日本経済の現状と野党の課題
はじめに
経済低迷の原因
構造改革の背景
政治地図と国民意識
我々の課題

運動的課題
参考文献

■女性参政権獲得意記念日を「平等の日」に・・米政府

アメリカで女性参政権が獲得された日を記念して、ブッシュ大統領が声明を出しています。

http://www.whitehouse.gov/news/releases/2006/08/20060821-3.html
女性の権利への闘いを振り返り、賞賛しています。そして,それが、国をよりよくしたと、言い切っています。そして現在での、各分野での女性の活躍をほめています。とにかく、人権の前進のために闘う事の大事さを言っている。日本の政治家からは絶対に出てこないし、一般市民でも、権利をお上からの恩恵と考えている人が多い。おそらく、いわゆる左翼といわれる人たちの間でもその辺は曖昧でしょう。

反戦・反核運動をしてきた立場として、アメリカについては原爆投下とその正当化、「民主化」、「テロ撲滅」や「大量破壊兵器廃棄」を名目にした数々の侵略行為、一方でご都合主義的な独裁国家やイスラム過激派への肩入れなど,ネガティブな面は否定しがたい。今回の宣言でも、女性の人権のために戦うなどといっていますが、イラクでは女性の権利がフセイン政権下より却って後退しています。ふざけるな、といいたい気持ちは抑えられません。

しかし,アメリカにおいて、人々が人権と民主主義前進への努力をたゆまず行ってきたこともまた事実です。そして、その結果として、「それなりの」政治を国内が行われてきたのも事実です。

経済面で言っても,たとえばクリントン政権の経済運営は正しかった。財政赤字をどう解消したかといえば,景気重視の財政運営を取りつつ,最後は高額所得者への課税を強化しました。日本に郵政民営化を要求しながら,自国の郵便は国営。日本に対して外資の規制緩和を求めながら,自国の基幹産業への外資参入には議会の承認が必要。日本の農産物市場開放を求めながら,自国農業は手厚く保護。自国内については、問題点はもちろんあるが、国民の利益を守る、「正しい政策」をとってきたと思います。

日本は、幕末、アメリカによって開国させられて以来、米欧と肩を並べようとしてきた。しかし、それは表面的なもので、ある意味、真髄というか、本当の意味での良い部分を取り入れようとはしなかったのではないか。戦前は軍事的に追いつこうとし、戦後は経済で追いつこうとし、最近は、経済はアメリカ式、外交はアメリカ追従でないとだめだという強迫観念に囚われている。その結果、社会に矛盾が蓄積している。現代でも、その矛盾の蓄積を糊塗するためという意味でも、バックラッシュが行われている。以下の「経済コラムマガジン」(私の愛読している経済関係のメールマガジン)記事が本質をずばり言い当てています。

「自民党の稲田朋美議員が「耐震偽装にせよ、ライブドアにせよ、わずか五年間の小泉政権による構造改革に原因を求めるには無理がある。二つの事件に通底するのは、日本民族全体の道徳的退廃であり、道義の喪失である。」と発言している。これは最近はやり出した嘘である。筆者などが非難し、問題にしているのは、小泉首相個人だけではなく、「小泉的なもの」をも含めてである。「小泉的なもの」(筆者注:ネオリベ)は小泉政権発足よりずっと以前から力を持ち、政策を左右してきた。「小泉的なもの」が表舞台に出たのは橋本政権からであるが、その前から隠然と力を貯えていた。「小泉的なもの」はバブル崩壊で日本経済が疲弊したタイミングを捉え、勢力を拡大した。ちょうど人が貧乏になったり病気になると「新興宗教」がやってくるのと似ている。

問題が起るとよく道徳や教育の問題にスリ替える人々がいる。一般の評論家の発言ならかまわない。しかし政治家が「道徳」や「教育」だけの問題と言ってしまえば、解決方法を思い付かないと言うのと同じである(自分は無能な政治家だと告白しているようなもの)。平気でこのような発言をする人々は、政治家になったこと自体が大間違いである。」

http://www.adpweb.com/eco/eco424.html

小泉総理らネオリベが、表面的にアメリカの後追いをした上で、社会を荒廃させ、今度は稲田議員ら極右勢力がバックラッシュという日本(豊中では、三井さんを非正規だからと簡単に斬った市当局がネオリベの政府に、北川議員が自民党政治を右から批判する稲田議員に置き換えられる。)。それはアメリカの要求にこたえた結果といってしまえばそれまでですが、そんなものは日本自身が、取捨選択すればよかった。人権を勝ち取るとか、そういう部分を学ぶべきだった。日本は、安倍さんが、国家を国民の上に置くような憲法「改正」を強行しようとしていますが、今のままでは、笑いものです。

日本で、小泉さんが、権利の前進のために戦った人々を賞賛することはあるでしょうか?ブッシュ大統領と自分の「改革」(これも中身は怪しいが)に賛成する人だけでしょう。手前勝手なレッテルを貼って亀井さんなど少しでも気に入らない人をまるで非国民のように貶めることは得意ですが。形式的かもしれないが、日本人としては悔しいが、日本でいうところの憲法12条を実践するよう呼びかけているようなブッシュ大統領はやはり小泉さんより、はるかにましなのか?というより、その背後の人々の圧力をブッシュさんも無視できないというほうが正確でしょう。

 現存する日本の政治家が情けない以上、そういう状況を変えるために、国民が自ら闘い、第三の道を開かねばならない。そう、男も女も大事にされる社会。みんなで良くなる社会を開かねばならない。そのためには、絶対に三井さんの勝利を勝ち取らねばならないのです。

以下、大約を載せます。

女性にとっての平等記念日のアメリカ合州国大統領公式声明

1920年8月26日の19回目の憲法改正の批准は、女性に参政権を保障するアメリカの転換点を画した。女性平等記念日に、我々は、この一里塚を祝い、前進し、我々の国に、全ての人に平等の原理を確立することを実践するよう求めた、奮い立たせるような人々に賛辞を送る。

女性の人権のための闘いは、平等への障壁をぶっ壊すために団結した強い女性たちの物語である。勇気を持ち、決心をして、ルクレティア・モット、エリザベス・キャディー・スタントン、スーザン・B・アンソニーなど婦人参政権論者は、各世代の女性を鼓舞し、わが国の歴史の道を変えることを助けた。1848年のセネカフォールズ大会は、全ての年齢層と階層の女性からの支持を受けた女性参政権への大衆運動に火をつけた。1890年、ワイオミング州が、初めて、州として憲法で女性に投票権を認め、1918年までに、さらに14州で女性は投票できるようになった。2年後、女性は、19回目の憲法改正により、全国的に、参政権を認められるようになった。民主的過程への参加を求めることにより、これらの夢想家たちは、次世代に自由と正義、希望を広げることを助けた。

現代女性は、指導力と強さという女性参政権論者の遺産を受け継いでいる。女性達は、アメリカ人の生活の全ての分野=科学、法律、ビジネス、教育、スポーツ、芸術を含む、で貢献することで未来を作っている。女性達は、軍隊で、栄誉と鉱石を持って国に仕えている。アメリカ女性は、他国の女性の市民と政治生活への参加を増やすための努力にとって、先例として役立っている。わが国は、世界のもっとも新しい民主主義国における女性の平等を進め、世界的な女性への脅威と戦うことに、関与しつづける。

アメリカの婦人参政権論者の勇気は、わが国をより強くし、より希望に満ちた地にした。私達は、何人の尊厳も尊重され、機会が、全ての市民に届くようなアメリカを作りつづけることを誓う。女性平等記念日に、私達は、わが国の歴史を通じた女性の貢献と成果を賞賛し、アメリカの女性に平等をもたらすことを助けた全ての人に賛辞を送る。

今、私、ジョージ・W/ブッシュ、アメリカ合州国大統領は、憲法と合州国の諸法が私に与えた権威により、これにより、2006年8月26日を女性平等記念日と宣言する。私は、アメリカ合州国民に、女性により達成されたものを祝い、この日を十分なプログラムと行動により、祝って欲しいと願う。

みなの見ている前で、私は、2006年のこの8月の21番目の日を、231回目のアメリカ独立記念日に、署名した。

ジョージ・W/ブッシュ

■民主主義国日本の恥

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/08/25/AR2006082501176.html

手前勝手なワンフレーズでレッテルを貼って、気に入らないものを「悪」と決め付け、抹殺する手口。小泉さんが、亀井さんたちを斬った手口が、いよいよ、あちこちに伝染しているように思えます。

物言えば唇寒し。折しも進んでいる自民党総裁選では、自民党議員が「少数派」になる恐怖に駆られ、安倍さん支持になだれを打っています。民主主義も何もあったものではありません。小泉さんを批判していた加藤元幹事長の実家に右翼が放火。

そんな時代状況を反映した恐ろしい出来事がまた、起きてしまいました。

産経新聞の古森編集特別委員が、日本国際問題研究所のオンライン新聞記事を「反日」と決め付けたうえ、佐藤行雄理事長に謝罪まで要求、理事長は、24時間以内にサイトを閉じ、産経新聞に謝罪文を寄せました。この24時間という短さに、驚いてしまいます。何の手続きもないし、双方から事情を聞くこともなかったと思われます。一方的に、古森委員側の主張を鵜呑みにして、というより、おそらく、事なかれ主義で屈したといえるでしょう。

民主主義、言論の自由という意味で大問題です。佐藤理事長は、三井さんをあっさり斬った豊中市や、安倍さんに恐れてなびく自民党議員と全く同じような行動を取っているのです。

この記事の著者は、加藤元幹事長実家放火事件なども紹介して、日本の言論の自由がなくなっていく様子に、警鐘を鳴らしています。

日本経済の現状と野党の課題


これは、ある場所での私の講演録です。

はじめに

日本経済の現状については,マイナス成長から脱してはいるものの,恩恵は大手企業と東京中心である。
また,昨年度は実質で3%台成長であったが,原油価格や原材料価格の高騰で輸入が増えているのに,上昇後
の価格で輸入額を割ってしまっているので,実質輸入額が実際よりも低く,10兆円くらい,経常黒字が大きめ
に見積もられている。それを除けば,1%台の成長である。雇用者報酬=私たち労働者が受け取る賃金も1997年
と比べると20兆円低い。

また,欧州が10年間で名目GDPが1.4倍,米国が1.6倍になっているのに対して日本はほぼ横ばいである。
企業は2001年には470万社あったのが2004年には430万社に激減。開業率が3%で廃業率が6%。倒産が少なく
なったからといって騙されてはいけない。差し引き3%づつ企業が減っている。安倍さんは再チャレンジ
などといっているが,景気が良かった昔は,開業精神,チャレンジ精神も旺盛だった。実態の経済をよく
することを言わずに再チャレンジとはしょうし千万である。

また,日本経済は,全体としては,企業や銀行を中心に金余り状況(投資不足)にあり,それを政府が
24兆円,外国が17兆円借りることで,かろうじてバランスを保っており,実は財政赤字は悪とは言えない。
そもそもアメリカは日本からお金を借りて,1990年代に景気を回復させ,財政を再建した。日本は,逆
に緊縮財政をとって,経済を冷やし,財政を悪化させた。巨額の財政赤字,貿易黒字,貧困層増大の根底
には,内需低迷による不況がある。

経済低迷の原因

なぜ,内需が低迷したか?それは,1996年の橋本内閣以降の構造改革にある。

橋本さんは,アメリカの要求を受けて,大店法廃止などの規制緩和を行う。それとともに,
消費税増税,医療費負担増を強行。金融恐慌を誘発し,1998年参院選で惨敗し退陣した。

 跡を継いだ小渕さんは,積極財政に転じた。2000年には税収は50兆円台を回復した。不良債権
問題も2000年にはほぼ片をつけた。

しかし,一方で,お金持ち減税を行い,景気回復の割には税収が増えない下地を作った。法人税率の
引き下げも,投資にはあまりまわらず,国債の購入に回る結果となった。また,労働者派遣の原則
自由化で,貧困層増大の下地をつくった。軍事面では,周辺事態法を成立させ,今のアメリカに従属
した軍事化・米軍再編・改憲へのレールを敷いた。したがって,実は小泉さんだけを責めるのは酷
ではある。

 森さんは,末期に不良債権処理をブッシュ大統領の要求で受け入れ,小泉さんに引き継がれる。
小泉さんは,小渕さんの良いところを台無しにしつつ,悪いところを拡大した。小泉さんは,緊縮
財政を強行。さらに,不良債権処理加速化を強行した。今までの日本の銀行は,
丁寧に企業を応援して立ち直らせてきたが,それをやめ,危ない企業はつぶしてしまえ,という清算
主義を採った。また,減損会計,DCF方式を導入し,法人税を納めている企業までつぶしてしまった。
加速化の前提とされた「不良債権があるから貸し出しが伸びない」のではない。銀行には100兆円の預金
が余っていた。資金需要が無いのが問題だったのに,それを無視した。

 その結果,景気は大きく後退した。その後景気は回復したように見えるが,バブル的要素が大きい。米中
への輸出の好調さ。巨額の為替介入による円安誘導。また,銀行は,企業にはあまり貸さず(2004年は,
9兆円貸し出しを減らして,その分,国債や対外証券投資を増やした)アメリカにお金を流し,引き換え
に円を得たアメリカ人が東京の土地や株を買占めバブルを起こした。また,ホリエモンや村上ファンド
事件の背景となった。お金持ちにお金が集中したが彼らは所得ほどは,あまり消費をしないので,お金
が投機に回り,実体経済にはあまり回っていない。



ペイオフ実施も禍根。銀行の数が少なすぎるため、全額保証されている決済性預金に預け替えた。銀行
は安心してお金を貸せなくなった。

 需要が無いから、預金が余っいるのに、オーバーバンキングと決め付ける。そして、無謀な構造改革
を進めた結果、金融の機能は、弱まり、経済は弱まり、雇用も減り、税収は減った。労働の規制緩和と
あいまって、雇用情勢は悪化。格差は拡大していった。不良債権が減ったというが、マッチポンプにすぎない。

構造改革の背景

構造改革の背景はひとつは,アメリカの要求である。1980年代の日米貿易摩擦で激怒したアメ
リカは,プラザ合意(1985年)で円高を仕掛けた。その後,ブラックマンデーでアメリカ経済に
暗雲がさすと,日本は共和党政府維持のために,金融緩和をしてアメリカにお金を流し,米国債
を買い支えた。しかし,ブッシュ父は勘弁してくれず,日本の貿易黒字は,日本の構造が原因と
決め付け,日米構造協議を行う。大店法の緩和などを要求。メーンバンク制の見直しなども求め
た。並行して,日本の銀行を弱体化するため,BIS規制を導入。自己資本比率8%以上を義務
つけた。そもそも相手企業にきめ細かくコミットする日本の銀行と,アメリカでは違うので同じ
基準はナンセンスだが押し切られてしまった。

 クリントン政権になると,円高圧力を再び強化。日本を脅し,94年以降「年次改革要望書」
を日本政府に突きつける。これは,ブッシュ(息子)にも受け継がれる。クリントン政権の
後半になると,貿易赤字はあまり気にせず,日本からいかにお金を吸い取るかに重点が置か
れた。クリントン政権はドル高政策を採り,日本からお金を吸い上げて,自らは積極財政
(年間3%以上歳出を拡大),景気を回復し,末期にはお金持ち増税との合わせ技で財政を黒字
にした。ブッシュ政権が,日本に不良債権処理加速化を求めたのも,アメリカにお金を流して
もらうためである。


 時価会計導入は,アングロサクソン圧倒的多数の理事会で決められてしまった。その
結果,日本企業は損きりで株を手放さざるを得なくなり,そこを外国人が安値で拾った。
2005年現在で日本株の24%を外国人が保有している。


 郵政民営化,株式分割自由化,建築基準法改悪などもアメリカの要求である。


 もうひとつは,日本の経済界の要求がある。円高が進む中で企業の海外進出が進む。
また,リストラを推進する必要に迫られた。労働の規制緩和などを要求す売ることになる。
また,バブル崩壊後の不況の中で,日本型経営システムではだめだという強迫観念にから
れたこともある。

政治地図と国民意識

 ただ,この背景には,政治地図の変化がある。第一に,社会党の衰退と新自由主義
新党の進出がある。1993年に成立した細川政権は,小選挙区制を導入。その影響で族議員
は崩壊した。自民党の族議員だけでなく、「平和族」「福祉族」「労働族」たる左派政党
の衰退も招いたといえる。

また,自民党を新進党が右から改革に引きずり込んだ。いったん政権から落ちた自民党は,
新進党にアメリカや財界がつくことを恐れた。95年の参院選での新進党躍進は恐怖心を
広げた。自民党は左派の河野総裁を橋本総裁に挿げ替えた。また,自民党への歯止めとなる
社会党の与党化と衰亡で左バネが崩壊した。なお,民主が自民に擦り寄ってけしからんという
議論があるが逆で,むしろ民主の右派のお株を自民が奪ったと見るべきだろう。

労働組合の組織力の低下により,左派政党の衰亡が進んだ。その結果,世論の権威主義化が
進んだ。政府の言うことが疑問なく、何であれ受け入れられてしまうのである。一見リベラル
に見える小泉改革賛成も、実はお上に逆らわないということである。

 自民党政治改革への国民の声も悪用された。自民党政治は戦前的極右+ネオリベ(大手企業)
+穏健社民・平和主義(農民、中小企業者など)のバランスにたっていた。とくに池田内閣以降
は、軍事よりも経済重視で「世界でもっとも成功した社会主義」になった。これはもちろん,
平和運動,労働運動との緊張関係もあった。

 しかし,男女不平等、利権による腐敗、環境破壊などへの不満が高まった。賃金はそれ
なりに上がったが、「生活点」でのセーフティーネットの不十分だった。

そうしたなかで,「生活者のための政治」論、問題調整型から問題解決型へ論、「都市型」
論が悪用された。男女不平等への不満、生活者のための政治論は,男性中心の労組・野党
への攻撃、中小企業や農民への攻撃に悪用された。「都市型」論は地方切り捨てへ悪用された。



政治腐敗の中で,族議員へのアンチパシ−が政治「改革」,小選挙区制導入へ悪用された。

また,小泉さんは公共事業の額を激減させて、共産党支持層を切り崩した。だが,人々の
不満を吸収するように見えて、実際は、社会保障などは充実しなかった。いったん,経済
が悪化すると,財政危機や国際競争力低下などを必要以上にでっち上げ,脅したのも奏功した

小泉総理は、女性を一定登用し、リベラル層を一定吸収する一方で、ジェンダーバッシング
を放置し、保守層の票も取るという狡猾な戦略をとった。ジェンダーバッシングは,戦前的
極右によって扇動され,一部の若い男性も加わっている。本音は戦前回帰だが,それはでき
ないと腹をくくり,ネオリベを補完する役目を担っている。若い男性は保革問わずして行
われている,オタクバッシングの犠牲者でもある。小泉さんは,男女,老若,正社員・
公務員とフリーターなどを対立させ,左団扇である。

また,小泉政権のクリーンイメージもある。しかし,昔の自民党と企業の癒着はあくまで双方に
主体性があったからおきたものである。今は,経団連,同友会と御用学者2人の民間議員がほぼ
すべてを決めてしまうような経済財政諮問会議,村上ファンドで大もうけの宮内さんが議長の
規制改革・民間開放推進会議ですべてを決めてしまう。官業一体だから却って腐敗が見えに
くいだけである。

結局、庶民は総体として大損(溜飲は下げてしまっているが)、大手企業、お金持ち、アメリカ
が莫大な利益をえた。まさに「みんなで沈む小泉政治」になってしまった。

我々の課題

政策面での課題は以下である。

政府は,アメリカ従属→パイが伸びない→大手企業優遇・庶民への脅し(増税、労働の規制
緩和)→お金持ち以外は皆が沈み溜飲を下げあう小泉政治に誘導している。

我々はアメリカ従属打破→パイを伸ばす→誰もが底上げされる社会,を目指さねばならない。
なお,格差が問題というより貧困増大が問題である。欧州も格差はあるが,庶民でもそこそこ
働き,バカンスを楽しんでいる。多様な生活スタイルを選べる。そうではないことが問題で
ある。格差是正も下手をすると,公務員がけしからん的議論になり,結局「みんなで沈む」
ことになりかねない。

当面の目標としては,「平成版江田ビジョン」を提起したい。

アメリカの高成長/ノルウエーの男尊女尊社会/デンマークの環境優先経済/ニュージーランド
の平和外交,を統合的に実現することだろう。

 経済成長のためには,投資不足の解消がまず第一である。大企業減税ではなく中小企業中心
の投資補助金が必要である。

 また,メリハリのある公共事業を行えばよい。談合がけしからんというが,たしかに防衛
施設庁のような場合もある。しかし,一方で談合をなくして何も手当てをしなければ中小企業
は持たない。民主的ルールに基づき,地元企業に優先的に配分するような,地元産業振興に
役立つ事業をすればよい。

 エネルギー分野,環境にやさしい街づくり,農業再生などを軸とした投資を重点とする。投資
補助金と,公共事業を年間5兆円づつ行えば相当な効果である。財源は,米国債を担保に国債を
発行して調達すればよい。

 金融面では銀行を分割すればよい。寡占状態の弊害が目に付く。今までの,金融庁による改革は
大幅見直しが必要だ。

 規制緩和・民間開放の見直しを進めることも必要である。産業部門においては,環境や労働条件
に配慮した適切な規制を行う。労働部門では,サービス残業撲滅、労働時間短縮,均等待遇が急務
であろう。

そして,基底にあるのは,「公ですべきは公で」ある。民でもできることはできるが,良いとは
限らない。ただし「官」ではなく「公」=民主的なものですべきだ。

これらにより、格差を是正したほうが却って社会保障も費用が掛からない。アメリカは,社会保障費は
大きいが,貧困層が多いが故で,自慢にならない。

 その上で,生活点のセーフティーネットの充実が必要である。欧州のように,自分の人生を自由に
デザインできるシステムにより豊かさを実感できるようにすべきだ。

 そして,思い切った分権いや,地方主権が必要である。税金は地方で集める,道州制に反対する
だけでなく,むしろ,県を分割する廃県置藩の断行が必要であろう。単なる反対だけだと,ひからびた
歌にしか聞こえない。

 意思決定過程の民主化も急務である。経済財政諮問会議、規制改革民間開放会議の廃止を野党
の公約とすべきだ。

そのかわり,国会議員の議論を充実すればよい。幅広い「良い意味での族議員」が必要である。特に
女性や若者といった視点の導入である。

 そのためには,小選挙区中心から比例代表中心への選挙制度の改正や欧州並みの市民が参加し
やすいシステムが必要である。欧州では,とくに地方政治家はボランティア的であり,職を失わずに
立候補できる。議会も夜間開催の場合が多く市民も参加しやすい。国民投票などの運動もしやすい
休暇システムがある。男女平等を担保する政党組織の意思決定の民主化も急務だ。欧州では青年部,
女性部が盛んで拘束も緩やかである。

運動的課題


 野党は,党建設至上主義、選挙至上主義の脱却を行わねばならない。また,組織優先から個人の尊重へ
切り替えないと現代人気質にあわない。党も大事だが,政治を変えていくためのゆるやかな市民の連合も
必要である。

 特定集団に集中的に依存しない形での支持の拡大が必要である。小泉総理は、既得権益を
切り捨ててみんなで悪くなることで溜飲を下げてもらい支持拡大をした。我々は皆が良くなることで
支持拡大をせねばならない。それができなかったために社会党は衰退した。別に左であることが悪い
のではない。むしろ政策がなかったことが問題である。

 政策充実のためには公開における議論の場の拡充が不可欠である。市民との対話の場のこまめな
設定である。街頭演説よりもインターネットとミニ対話集会が有効ではないか?政策決定プロセスでの
無党派市民との共同を進めねばならない。また,女性・若者の参画を票取りのための利用主義では
なく、よりよい民主主義のため進めるべきだ。江田先生の「社公民」路線だけを取り出して政界再編に
現を抜かした社会党幹部,労働組合幹部は時機を逸した。あのときは,女性や若者などの条件改善
に乗り出すべきときだった。

 逆に,市民にとっては逆に政党任せにせずに政策を作っていくことである。政党に対しては,批判
すべきは厳しく批判し、協力すべきは協力する。

 いろいろな形での運動があってよい。「いざ鎌倉」,というとき,一緒にすればよい(統一戦線という
より,連合)。

参考文献

吉川元忠・関岡英之「国富消尽」(PHP)

菊池英博「増税が日本を破壊する」(ダイヤモンド社)

本山美彦「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ」(ビジネス社)

「自民党は殺された」堀内光雄 ワック出版

2006年度(社)日本青年会議所 経済復興プラン(案)

http://www06.jaycee.or.jp/2006/soul/economic/uploads/plan.htm

「ママは大臣・パパ育児」三井マリ子 明石書店

「男を消せ!ノルウェーを変えた女のクーデター」三井マリ子 毎日新聞社

三井マリ子さんサイト

http://www009.upp.so-net.ne.jp/mariko-m/

経済コラムマガジン

http://www.adpweb.com/eco/

江田三郎が、いま、私たちに語りかけるもの

http://www.eda-jp.com/saburou/index.html

質疑応答

なかなか状況は絶望的に思えるが・・?

私と同じようなことを青年会議所も提言している。保守層に不満が広がっている。大都市リベラルの中
で公共投資削減に溜飲を下げて小泉自民党へ回った層もいる。小泉政治は露骨な東京への利益誘導
だから東京で強いのは当然。だが,保守層とうまく対話をし,政策を作っていくと面白い。野党は,
地方から都市を包囲していけばよい。ただ、こちらが展望を示さないと、今度は、バラバラにされた人々
がファシズムに流れかねないので、気を引き締めてかかるべきだろう。


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