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教育あれこれ

21世紀の教育、どうすればいいのだろうか。「わたらせ教育フォーラム」(教育・子育て・生涯学習をテーマに、北関東の渡良瀬川流域で活動する市民グループ)の有志が発信する提言&ひとりごと。

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教育あれこれ 第232号 私立学校の経営

発行日時: 2008/07/30

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第232号
           ## 教育あれこれ ##
          
            ●私立学校の経営●

           清水一郎(元PTA会長)

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 先月の稿で2つの中等教育学校の授業参観について触れました。それから間もなく、
その一つの前橋市にある私立中等教育学校が、来年度から生徒募集を停止するという
ニュースを知って驚きました。報道によれば「生徒が集まらずこのままでは学校の存
続が困難なため生徒募集を停止するが、現在の1年生が卒業するまで学校は続ける」
とのことです。
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20080719ddlk10100122000c.html

  授業を見て私はこの学校に好印象を持ちました。少人数で、生徒たちがのびのびと
授業を受けている様子を感じ取ったからでした。私が数えてみた教室内の生徒数は多
いところで26人、大半が20人程度、少ない授業ではたったの9人でした。

 少人数教育を学校の基本方針としているのであれば、それはそれで意味のあること
です。しかし「6学年の合計定員960人に対し、在校生は197人にとどまり、1年生は
12人だけ」という報道を見ると、私が前稿で「数人しかいない生徒を受け持っている
先生たちの授業を見ながら、彼らの多くが時間給いくらの非常勤講師なのだろうと想
像していた」と書いたのは、経営破綻の断末魔の叫びが聞こえたものだったのかと思
っています。

 定員充足率が20%とは異常です。授業参観は最後の経営努力だったのかもしれませ
ん。授業料を中心とする経常的な収入と、それに対する公費補助金の割合など私立学
校の経営についての知識を、私は持ち合わせていません。だから素人の的はずれな議
論を承知で意見を述べれば、こうなるまえに定員を大幅に削減して少人数制の中等教
育学校に方向転換できなかったのだろうかと疑問に思います。

 ところで、桐生市に小さな専修学校があります。ビジネス科とデザイン科からな高
等課程(中卒者対象)と専門課程(高卒者対象)を置く学校です。高等課程の生徒は、
別の通信制高校に在籍することにより専修学校卒業と同時に高校卒業の資格が取れる
しくみになっています。そのため、不登校のまま中学校を卒業した生徒や、もう一度
やり直そうとする高校退学者にとって救いの場になっています。

 わたらせ教育フォーラムは、2007年1月この専修学校を訪問しました。授業参観の
あと、校長、常勤教師と私たち参加者12人との間で懇談会を持ちました。クラス担任
の先生たちの努力が生徒たちの心をとらえていることがよく分かりました。

 ところが1年余り後になって、この学校の経営が県内で専門学校を多角経営してい
る別の学校法人に委ねられることになったという情報を耳にしました。この学校の職
員を知人に持つ私の知り合いが確かめたところ、それは事実で、その職員もすでに退
職していたということでした。経営不振が原因だったようです。従来の教育方針が維
持されることを祈るだけです。

 この専修学校訪問の数か月前には、長友誠さんとともに東京都東久留米市にある自
由学園を訪れました。羽仁吉一、もと子夫妻によって1921年に創立された「キリスト
教精神に基づき、いつの時代でも、どのような場所においても、自ら考えて行動がで
きる人を育てようとする学校」だそうです。

 男子中等部では、入学後はじめにやることは自分が使う机と椅子を製作することで
す。工場で作られた合板のセットを組み立てるのではなく、分厚い木の板を自分で加
工して作り上げるのだそうです。できあがるのにたいへんな日数がかかりますが、そ
の間もっぱら製作に時間を費やすということです。どっしりした平屋の木造校舎の教
室に、ゴツゴツした重そうな自家用机が並んでいるのを見て感動したのを覚えていま
す。

 自由学園の広い敷地の中では、もう公立学校では見られなくなった木造校舎や木造
の体育館が今でも使用されています。中に入ると4〜50年も昔に戻ったような懐かし
い匂いがしました。設備の更新に多額の費用がかかるので私立学校の多くは、設備の
整った公立学校に比べ物を大事にしているように思います。

 学校からいただいた入学案内を開くと、自由学園に限らず学費の額はたいへんなも
のです。高額な負担に耐えられる親の子だけが私立学校の良い教育を受けることがで
きます。しかも、いつ経営破綻するかもしれないという危うさを私立学校は抱えてい
ます。


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