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世界70カ国で活動するCAREのメンバー、CARE International Japanが発行するメールマガジンです。読むだけで、国際協力のこと、世界の様子が見える!ぜひご一読ください。




読むだけで国際協力

発行日: 2007/9/1

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     ケア・インターナショナル ジャパン メールマガジン
      * 読むだけで国際協力 *  2007年9月1日
          < http://www.careintjp.org >
メルマガチームによるブログ<http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora>

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┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■ 今月のPick Up!・・・特集:遺伝子組換え作物(2)
■ お知らせ
・広島平和記念資料館にて、戦後に配布されたケア・パッケージを展示中
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

みなさん、こんにちは。8月は猛暑日が続いて、大変でしたね。
残暑も厳しいようで、熱中症にはくれぐれも気をつけてください。
さて、今回は前回から引き続き、作物の特集をお送りします。

■□■ 今月のPick Up! ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    
      特集:遺伝子組換え作物(2)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜遺伝子組換え作物と途上国〜
1960年代に30億人だった世界人口は、2006年には65億人に増加し、2050年には90億人
に達するとみられています。耕作可能な農地が減り、地球温暖化も進む中で近い将来、
食糧危機を迎えると予測されています。現在、先進国では余った食糧を大量廃棄したり
、飽食のため肥満が社会問題化しています。一方で、途上国では現在も8億5000万人が
慢性的な栄養失調であり、飢餓がまん延する国では7人に1人が5歳になる前に命を落と
しています。こうした状況の中、遺伝子組換え作物は世界の食糧問題の解決に役立ち、
途上国の貧しい農家の生活を向上させる可能性があるとの声があります。

遺伝子組換え作物の栽培はアメリカで1996年に開始されて以来、2006年には世界22カ
国で合計1億haを超え、過去10年間で栽培面積は約60倍に急増しました。アメリカ(54
80万ha)、アルゼンチン(1800万ha)、ブラジル(1150万ha)の3カ国で世界の栽培面
積の80%以上を占めていますが、インド(380万ha)、中国(350万ha)に続きアジア
各国でも栽培を始める傾向にあります。アフリカでは、遺伝子組換え作物栽培に積極的
な国は南アフリカ(140万ha)で、遺伝子組換えのトウモロコシ・大豆・綿は国内栽培
面積の大半を占めています。他にケニア、ナイジェリアも遺伝子組換え作物導入に賛同
しています。しかし、アフリカ諸国は、遺伝子組換え作物に慎重なEUとの貿易関係や経
済的つながりが強いため、遺伝子組換え作物栽培を控えると発表した国も少なくありま
せん。

遺伝子組換え作物を推進する立場にある人々は、途上国で食糧難に苦しむ人や貧しい農
家に恩恵を与えることができると主張します。病気や害虫、旱ばつや不毛の土壌に強く
、農業生産性を向上させること、農薬が減って環境にやさしいこと、そして農産物の栄
養価をいっそう高めることなどが、遺伝子組換え作物の主なメリットです。その中でも
特に、安定した農作物収穫は途上国の農家の生活にとって非常に重要です。それゆえ、
実際に遺伝子組換え作物の栽培を開始する農家が途上国で増えています。2006年に組換
え作物を栽培した農業従事者1030万人のうち、約9割が途上国の小規模農家でした。こ
のような農家の中には、その土地の条件や環境に合わせておこなっていた同じ畑での多
種類栽培から、輸出用の単一の換金作物栽培に切り替えて収入が増えた人も多くみられ
ます。

しかし、遺伝子組換え作物に慎重な立場をとる人の中には、上記のメリットそのものに
対して短期的には利益を生み出しても、その効果が長続きするのか疑問を抱く人もいま
す。例えば、遺伝子組換え種子とセットになって売られている農薬に対して雑草や害虫
が耐性を持つと、組換え作物にさらに大量の農薬を頻繁に散布する必要がでてきます。
また、乾燥地や寒冷地など耕地として本来適していない場所では、栽培するために農薬
や化学肥料は欠かせません。遺伝子組換え作物により最初は収穫が増えても、土地はま
すます痩せ衰えてしまう可能性があります。遺伝子組換え作物による収穫に失敗した場
合、リスクが分散できず致命的な被害を受けることも懸念されます。

さらには、栽培する種子の問題があります。途上国の農家は伝統的に自家採種(育てた
作物から自分で種を採ること)し、翌年の栽培に使ってきました。しかし、遺伝子組換
え作物の場合、現在のところ限られた多国籍農業企業に種子が独占されています。こう
した企業は、遺伝子組換え技術を知的所有権により厳格に保護しています。生産者は遺
伝子組換え作物種子を購入する前に特別契約を結びます。契約では種子の保存が禁止さ
れ、農薬もセットで同じ企業から購入します。契約に違反すれば違約金を支払います。
農家が毎年、特定の企業に大きく依存し続けるような仕組みに対して、慎重派の人々は
不信感を持っています。

遺伝子組換え作物が今後の食糧問題の解決に役立つかどうかについては、同じ広さの耕
地から従来の作物よりも収穫量を上げるという点では役立つといえます。ただし、現在
の穀物生産量20億トンでも、計算上は65億人以上の人口を養えるので、食糧問題・飢餓
の問題は、生産量ではなく不公平な配分方法にあるという意見もあります。

遺伝子組換え技術を応用した組換え作物をめぐっては、関連企業による開発競争が繰り
広げられてきました。万一、未熟で無理のある技術を世界に広げて生態系・環境・人体
に問題が起こった場合、取り返しがつきません。途上国の食糧問題は、遺伝子組換え作
物で収穫量を増やしても、先進国の人々にとって都合のよい社会システムを根本から考
えない限り、解決は難しいでしょう。人類の将来にとって有益な技術は、利害を超えた
長期的な視点に立って、慎重に利用していく姿勢が求められます。

〜注目を集めるバイオ燃料〜

▼ 新たなエネルギー源として
遺伝子組換え技術による作物の増産は、食糧不足の解決手段の1つとして期待されてい
ますが、こうした作物は食用の他にエネルギー源としてもその利用価値が高まっていま
す。

近年、石油を始めとした化石燃料の大量消費により、温室効果ガスの1つである大気中
の二酸化炭素量が増加し、地球温暖化が深刻な勢いで進んでいます。こうした中、地球
温暖化対策の一環として、また近い将来に枯渇することが予想される化石燃料に代わる
エネルギー源として、植物から取り出すバイオ燃料が大きく注目されています。植物は
その生長の過程で二酸化炭素を取り込んで光合成に利用するため、最終的に人がバイオ
燃料を燃焼させることで二酸化炭素が排出されても、総量では大気中の二酸化酸素量は
増減しないと見なされています。これは「カーボンニュートラル」と呼ばれています。
これに対し、石油などの化石燃料は、地球に長い年月をかけて蓄積された言わば過去の
エネルギーであるため、消費すればするほど現在の二酸化炭素量は増えることになりま
す。このような理由から、バイオ燃料は地球に優しい持続型のエネルギーになる可能性
を秘めており、大きく注目を集めています。

▼ 顕在化する問題
バイオ燃料の生成には、トウモロコシ、さとうきび、大豆、菜種など、さまざまな植物
が利用されていますが、バイオ燃料としての利用が増えるにつれて、新たな問題が浮か
び上がってきています。

バイオ燃料は、元々、その持続可能な側面が注目されて消費量が増えてきました。しか
し、東南アジアなどでは、バイオ燃料として利用されるパームやしの需要が伸びたこと
で、新たな農園開拓のための大規模な森林伐採による環境破壊が大きな社会問題となっ
たり、バイオ燃料用の穀物を栽培する過程で石油が大量に消費されるなど、持続可能な
側面とは矛盾した影響も指摘されています。

この他、大きな問題となっているのが、穀物価格の高騰です。バイオ燃料を生成する場
合、穀物から取り出せる量が限られているため、まとまったエネルギーを得るには大量
の穀物が必要となります。近年のバイオ燃料ブームによって穀物に対する需要が大きく
伸びたことで、穀物価格が高騰し、関連するさまざまな食品が値上がりするなどの影響
が出ています。アメリカでは自動車用のバイオエタノール燃料としてのトウモロコシの
価格が上昇したため、一部の農家が大豆からトウモロコシへと栽培を切り換え、大豆価
格の上昇を招くなどの連鎖的な影響も見られます。

このように、現在の食糧不足の事情に加えて、新たにエネルギーとしての穀物の利用価
値が高まったことにより、今後は経済力に乏しい国々にますます食糧が行き渡らなくな
る可能性があります。既にアメリカでは、これまで食糧として海外に輸出されていた穀
物が国内向けのエネルギー生産に回されることが多くなっており、エネルギーと食糧と
の間で穀物を取り合う事態に発展しています。

▼ 持続型社会への転換に向けて
現在のようなエネルギーの大量消費社会を維持するには、石油などの化石燃料が枯渇す
る前に、化石燃料に大きく依存したエネルギー構造から脱却する必要があり、その意味
ではバイオ燃料の存在は1つの可能性となり得ます。ただし、たとえ遺伝子組換え技術
を活用することなどにより穀物の増産が実現したとしても、市場原理の下では、穀物は
より高値で取り引きされる市場へと流れてしまいます。それゆえ、経済的に豊かでない
地域には、恩恵がいつまでたっても行き渡らない可能性があります。エネルギーと食糧
との間で需要が競合した場合、人が生活していく上での必要性を考えると、エネルギー
としてよりも食糧として穀物を優先的に利用する必要があると考えられます。また、穀
物をエネルギーとして利用するにあたっては、たとえば、食用油の廃油をバイオ燃料と
して再利用することで資源を繰り返し活用したり、太陽光発電などの他の持続可能なエ
ネルギーも利用できないか、十分に検討する必要があります。

植物が生み出すエネルギーを、二次的な環境破壊をもたらすことなく、本当の意味で持
続可能な資源として利用し続けるためには、上記のようなさまざまな要因を地球規模で
包括的に考える必要があります。そして、経済的に豊かな一部の国によるエネルギーの
大量消費構造自体を見直すことも、限りある資源を広く分配する上で不可欠であると言
えます。

なお、今月号の原稿執筆にあたり、市民バイオテクノロジー情報室代表・天笠啓祐先生
にお話をうかがいました。お忙しい中のご協力に、この場を借りてお礼を申し上げます。

(担当:さちこ http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/3249906.html
遺伝子組換え作物に対しては推進派・慎重派の中でも、
研究者、関連企業、先進国の消費者、途上国の人々、環境保護団体
それぞれの立場によって意見は違ってくるのでしょう。
また、植物は声をあげることはできないけれど、
遺伝子組換えされた植物が思いもよらない反応・副作用を
起こしている例が多いことも忘れてはいけないと思います。

(担当:あつし http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/32957242.html
近年のバイオ燃料ブームにおいて、エネルギーは足りなくても暮らしていけますが、
食べ物がなくては生きていけないという基本的なことを忘れてはならないと思いまし
た。

■□■ お知らせ ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 広島平和記念資料館にて、戦後に配布されたケア・パッケージを展示中
第二次世界大戦後のCAREの活動の象徴であり、実際に60年前に配布された「ケア・パ
ッケージ(ケア物資)」が現在、広島平和記念資料館に展示されています。

広島平和記念資料館では、年2回、企画展を実施しており、平成19年度第1回企画展と
して、現在、「海外からの支援−被爆者への援助と込められた再建への願い」を開催中
です。その中で、「広島に寄せられた様々な援助」として、「ケア・パッケージ」と中
に入っていた物資のサンプル、および戦後の日本でケア・パッケージを受け取った人々
の写真数点が展示されています。

詳細は、以下に掲載されています。
http://www.careintjp.org/news/newsrelease_070815.html

お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。

★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
*天笠先生へのインタビューは1時間半があっという間でした。
やさしく穏やかなお人柄に加え、最初から最後まで
興味深い内容で、とても楽しく勉強にもなりました。(さちこ)
*最近の急速な温暖化の中で植物が果たせる役割の大きさを感じました。
限られた資源だからこそ、日々浪費せずに利用したいものですね。(アツシ)
*今回からメルマガ編集に関わることになりました、あっきーです。
素朴な疑問なんですが、バイオ燃料って飲めるんですかね?(あっきー)

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★☆★メールマガジン・スタッフ募集★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
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