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読むだけで国際協力
発行日: 2005/3/1★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞
ケア・ジャパン ニュースレター
**読むだけで国際協力** 2005年3月1日
< http://www.carejapan.org >
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先月21日は「国際母語デー」だったのを皆さんご存知でしたか?この日は世界
の人々それぞれの母語が尊重されるようにと2000年に定められました。グロー
バル化が進むにつれ、世界には英語のようにますます普及の進む言語がある一
方で、消滅の危機に瀕した言語も生まれているのも事実です。今月は「言語」
をテーマに考えていきます。
【コンテンツ】
★広がる言語〜「国際語」の歴史
★失われる言語〜言語と文化
【広がる言語】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
★英語の発展
英語の起源は現在のオランダ、ドイツ北部、デンマーク近辺に住んでいたゲ
ルマン民族の一派が、ブリテン島に侵入・定住したことにあります。ゲルマン民
族が侵入する前はケルト人がブリテン島で暮らしていました。英語は、ケルト
人の言語と大陸から渡ってきたラテン語・ゲルマン語系の言語の融合により生
まれました。英語に限らず、西欧の言語はギリシア・ローマ、ケルト、ゲルマ
ンの文化が交じりあって出来上がったと言えます。
英語は大まかに、古英語(700〜1150年)、中英語(1150〜1500年)、近代英語
(1500〜1900年)、現代英語(1900年以降)の4つの時代区分に分けられます。
古英語が使われていた頃は、まだ紙がなく、文字を記すのに羊皮紙と呼ばれ
る羊や子牛の皮をなめしたものを使いました。羊皮紙は貴重であったので、略号
を使って文字を記すスペースを減らされました。また、文字を書くには大変な
技能と労力が必要であり、修道院には専門の書写生がいました。英語はそれだ
け特別な言語として扱われ、英語の広まりは小さかったと言えるでしょう。ま
た、古英語は地域や部族により、南東部のケント、南西部の西サクソン、中部
のマーシア、北部のノーサンブリアの4方言に分かれていました。英語が地域
を越えてイングランド国内で統一された言語になるのは、もっと後の時代にな
ってからです。
中英語には「ノルマン征服」の大きな影響がみられます。11世紀に入る頃か
らイングランドの王位をめぐって争いが起こるようになり、1066年に先王のいと
こであったノルマンディー公ウィリアムは大軍を率いてノルマンディー地方
(現フランス北部)からイングランドに上陸し、王位に就きます。突然、支配
階級として侵入したノルマン人は、それまで貴族、聖職者などの地位にあった
人々を追放しました。ノルマン人は英語を使うことを禁止しませんでしたが、
上流支配層に関係する者はフランス語に接し、学ぶこととなりました。その結
果、行政、法律、軍事用語や上流階級の服飾・飲食に関する用語、他にも学術、
芸術に関する語彙がフランス語から大量に借用され、現在でも使われています。
16世紀以降の近代英語の時代になって、英語はイングランドの主要言語とな
ったといえます。出版・印刷技術の普及も伴い、母語である英語、特に標準英語
が国中に広まっていきました。13〜15世紀、反フランスの流れから、それまで
フランス語で書かれていた公文書は、英語で書かれるようになりました。宗教
改革時代、英語に翻訳された聖書が誕生し、また、ヨーロッパ大陸に起こっ
たルネサンスがイギリスにも伝播したことで、国内の学者たちは英語で書物を
表すことにより、多くの人にラテン語で伝わった知識を広めるということに価
値を認めるようになりました。他にも、16世紀にはシェークスピアをはじめ優
れた文学者が数多く現れ、文学の面からも影響が与えられました。
現在、英語は、英語を母語とする人以外に、世界中で多くの人々によって使
われています。英語が世界規模で普及するようになった理由には、ヨーロッパ列
強時代のイギリスに続き、アメリカが持つ圧倒的な軍事力・経済力が挙げられ
ます。世界中で通じる英語は私たちに様々な利益をもたらしてくれますが、一
方で社会関係、国際関係において英語を使えるか使えないかによる不平等、不
公平が起こっていることも事実です。それぞれの言語には異なる世界観と認識
論があります。特定の言語の支配はその言語の世界観と思想、イデオロギーの
支配に通じる危険があることも忘れてはならないでしょう。
★言語の平等を目指して
世界中で通じる共通の言語は不可欠ですが、英語やフランス語などを世界の
共通語として用いると、ネイティブ以外の人々には不利になってしまいます。
そこで、言語上の発言力の平等を目指すため、人為的に共通語を考案しようと
の考えが近世以降いくつも提出されました。それはおよそ800もあるとされます。
共通語の考案にあたって、人類共通の概念を引き出し、それを数字やアルファ
ベットや絵文字で表そうとしましたが、何が人類共通の概念かを定めるのも容
易ではなく、ほとんど広まりを見せませんでした。
結局、人為的につくられた共通語の中で現在も名前が残っているのはエス
ペラント語のみです。1887年にユダヤ人眼科医、ザメンホフによって考案され
たエスペラント語は16ヵ条の簡単な文法規則と1900余りの単語から成ります。
特定の状況に置かれた民族や国民が自分の国以外の言語を学ぶことは、ときに
強制され、ときには必要です。しかし、自分が生まれた時から使ってきた言語
以外では、話し手の気持ちは十分には伝わりません。エスペラント語を推進す
る人々は世界がひとつの言語により支配されることに反対し、人間に言葉のハ
ンディキャップを課し、それにより差別すべきではないとして、言語における
平等を目指しています。
【失われる言語】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
言語学者の報告によると、現在、世界には6000を上回る言語があり、これ
に方言なども含めると1万以上もの言語があると言われています。英語や中国語、
スペイン語などの、話者の人口が数億単位に上るものから、限られた地域のご
く少数の人々によって話されている言語まで、世界各地にはさまざまな言語が存
在しています。このように多岐にわたって存在する言語ですが、そのうちの多く
は消滅の危機にあることをご存知でしょうか。多くの言語が失われつつあるとい
う事実については一部の言語学者によって以前から警鐘が鳴らされてきましたが、
一般的にはあまり知られていないのが現状です。1990年代初頭にアメリカで行わ
れたある言語学者の報告では、世界中に存在する6000以上もの言語のうち、少な
くとも半数は21世紀末までに消滅すると予想されています。現在話されている全
言語の20〜50%は、現時点で既に子どもの世代では話されていないという指摘もあ
り、こうした言語は親の世代の全員が亡くなった時点で地球上から失われている
と考えられています。
★言語の消失過程
言語の消失は古くから幾度となく繰り返されてきました。その中には、ごく短
期間に突発的に起こったものから、長い年月をかけて少しずつ起こったものまで
いくつか異なる過程が見られます。たとえば、アメリカ大陸やオーストラリアに
は、ヨーロッパからの入植者が移住しましたが、その際に多くの先住民が殺戮さ
れ、その結果、先住民が話していた複数の言語が失われたと言われています。ま
た、世界史において特定の国がその支配領土を広げるとき、被支配地域で話され
てきた言語は多くの場合、抑圧の対象となりました。支配者によって彼らの言語
が被支配地域の人々に押し付けられ、現地語の使用は公然と禁止されるといった
ことが起こりました。現在、ヨーロッパを起源とする言語が北米、南米、アフリ
カなどで広く話されていますが、これらはヨーロッパ列強による植民地政策の結
果であることは広く知られたとおりです。今もなお、地域によってはこうした支
配、被支配の関係に基づく言語の抑圧は完全にはなくなっておらず、依然として
問題となっています。
★外部との接触によるコミュニティの変化
ほとんどの言語はごく小規模な地域でのみ話されている地域語です。現在、
世界の言語の約9割は、世界の総人口の1割に満たない人々によって話されている
と言われています。中でも、消滅の危機に瀕している言語のほとんどは、先住民
族によって限られたコミュニティで受け継がれてきた言語など、小規模なコミュ
ニティでのみ話されている言語なのです。ではなぜこうした小規模な言語が消滅
の危機にあるのでしょうか。その理由は、それらの言語が使われてきたコミュニ
ティが急速に変化しつつあることに大きく関連があります。
言語の話者の全員が自然災害で亡くなるといった特殊な例を除くと、言語は子
どもの世代に受け継がれなくなった時点で失われます。このことは、ある言語が
死滅するとき、それが他の言語に取って代わられることを意味しています。言語
はコミュニケーションの手段であることから、それが成立するためには安定した
コミュニティの存在が不可欠です。たとえコミュニティが小規模であったとして
も、その中で生活していくことに多くの人が利点を感じていれば、そのコミュニ
ティとそこで話されている言語は安定して存続します。しかし、近年、こうした
コミュニティに対して外部からの影響力が強く及んできました。科学の進歩によ
り、コミュニティの外部との間で人々の行き来が増え、より速く、より頻繁に外
部の社会から情報が入ってくるようになりました。この結果、これまでコミュニ
ティの内部だけで意思疎通を図ればよかったものが、外部の人々と話すことが求
められ、あるいは強いられるようになりました。
また、国家という人工的なシステムが形成され、望むと望まざるとにかかわら
ず、コミュニティは国家の一部に組み込まれるようになりました。国家に属する
各コミュニティで意思疎通ができないことは国家としての存続に支障をきたしま
す。そのため、国家によって公用語が指定され、方言や少数民族の言語は、国家
運営上、不都合なものとしてしばしば排除あるいは無視されました。公用語が定
められると、たとえば学校において公用語で授業が行われるようになるなど、そ
の国家の中で生活していく上で公用語の習得がより大切なものとされるようにな
りました。こうした国家という社会に暮らす個人にとっては、自分が属するコミュ
ニティの言語だけを話すよりも、国家で奨励されている言語としての公用語を身
につけるほうが、社会的なチャンスや恩恵が多く得られると考えるのは自然の流
れです。このようにして、コミュニティのみで話される少数民族の言語を話すこ
とのメリットが大きく薄れ、より幅広い範囲をカバーし、より多くの社会的可能
性を秘めている公用語が人々の間で選ばれるようになりました。
★言語の統合と文化の画一化
今日、世界中の人々とのコミュニケーションの機会が増えるにつれ、英語に
代表される超国家的な広域言語の影響力はますます増加しています。広域で使わ
れている言語を通じて、異なる文化的背景を持つ人々と意思疎通ができることは
それ自体すばらしいことだと言えます。しかし、文化的な違いは、異なる言語体
系を持つことで長年独自に洗練され、多様化している面があると言えます。もし
仮に世界の誰もが同じ言語を話すようになったとしたら、そうした世界で人々が
持つ価値観や文化は、現在よりもはるかに画一的になるかもしれません。
人は言語に多くを頼りながら思考し、価値観を持ち、外部の世界を認識します。
たとえば、エスキモーの言語には雪と氷のさまざまな状態を表す語彙があること
が知られています。また、虹の色は日本では 7 色ですが、英語圏では 6 色とさ
れることが多く、他の地域では 2、3 色だけで表されることもあるようです。こ
うした例は、同じ現象に対して、言語とその背景の文化が違えば人々の認識が異
なることを示しています。
人々は異なる地域に住み、多様な言語を用いながら、長い年月をかけて自らの
言語をさらに洗練させ、新しい文化を作り出してきました。言語の多様性は人々
の文化と世界に対する認識方法の多様性でもあります。異なる言語が出会うとこ
ろは、新しい考え方同士が出会うところでもあると言うことができます。そうし
た言語の多様性が今、急速に失われつつあります。それぞれの言語には、互いに
大きく異なる風土で長年築き上げられてきた人々の叡智が凝縮されています。そ
うした貴重な言語が大量に失われていくのだとすると、それは人類が培ってきた
文化の大きな損失に違いありません。
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【編集後記】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
まずは母語を完ペキにしてからです。(さちこ)
新しい言葉を覚えると一歩前進する感じです。(アツシ)
国際母語デーの始まりはベンガル語の保護運動に起因しているそうです。
母語は国の歴史とも密着しているのですね。(めぐ)
∞★ケア・ジャパン カンボジア駐在スタッフによる報告会を開催します★∞∞
JICA草の根技術協力事業報告会
「“ケア・ジャパンのカンボジア国 女子教育事業 サマキクマールII:Rights
Based Approachの試み”」
国際協力NGOとして長い歴史と実績を持つケアが導入を試みているRights
Based Approach(RBA)について、ケア・ジャパンのカンボジア駐在スタッフが
女子教育事業の経験から報告します。ケアがこのアプローチを取り入れるよ
うになった背景、導入の過程で実際の現場が直面している課題、そしてそれ
に対する取り組みをプロジェクトの具体的な事例からわかりやすく説明しま
す。国際開発協力に関わっている方や関心のある方、ぜひご参加ください。
当日は現地の写真の展示も行います。
(日時)2005年3月15日(火)19:00〜20:45 (開場18:30)
(場所)JICA本部(マインズタワー)11階 11ABCD会議室
http://www.jica.go.jp/Index-j.html
地図はこちらから。
→http://www.jica.go.jp/worldmap/jica.html
(対象)国際開発協力に興味がある一般・学生、
NGO・国際機関関係者、JICA関係者
(定員)60名(定員になり次第締切)
(参加費)無料(要予約)
(お申し込み方法)
氏名、連絡先をご記入の上、前日までにFAXまたはe-mailで
以下の担当宛てまでお申し 込みください。
電話での申込みはご遠慮ください。
(お問い合わせ)(財)ケア・ジャパン www.carejapan.org
Tel. 03-5950-1335 Fax. 03-5950-1375
E-mail. y.sekiguchi@carejapan.org(担当:関口)
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