埼玉県春日部市にある手作りにこだわったとんかつ屋です。料理の基本は素材に有りを信条に、店主自身が店のノウハウを余す所なく公開。旬の話しを中心にお届けします。
- 最新号:2008-04-27
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一幸通信
発行日: 2002/12/25一幸通信メールマガジン*******************************************
2002年 12月25日 発行 (通巻17号)
編集/発行:とんかつ一幸
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今年も後僅かになって来ました
年賀状もそろそろ書かなくてはと気ばかりが
焦ってくる時期でもあります
さて、年が明けて”食”と言えばおせち料理でしょうか
最近では作る物では無く、買う物と言うのが
定着して来た様です
そこで、おせち料理に欠かせない炊く(煮る)という調理法を
私の尊敬する料理人の小山裕久さん(吉兆出身)の
著書「鯛の鯛」という本の中からご紹介致します
一流と言われている人の調理に対する取り組み方の片鱗でも
感じ取って頂ければ幸いです
(本文)
たとえば小芋を炊く事にしましょう。まず、柔らかくする為の「下炊き」。
米のとぎ汁の中で炊くとします
ここでの目的は、芯まで均一に柔らかくする事。調味料を入れると
素材が締まって柔らかくなりませんから、この段階では味は付けません。
味をつけられる状態まで柔らかくするのが先です。
火加減が強いと、芯まで火が入らないうちに表面が崩れてきますから
お湯がボコボコ湧きたたない状態に保って、静かにゆっくりと火を入れます。
そしてほぼ柔らかくなった所で 、いったん糠抜きをし、
そして「味付けの為の炊く」にかかる。ただし、ここで冷たい水にさらしては
いけません。小芋の柔らかさが少なからず戻ってしまうからです。
小芋の身になって考えて下さい。せっかく芯まで柔らかくなって
毛穴も開いてボアーンとしているのに、いきなり冷水を浴びせかけられたら
身はかじかんで毛穴もキュッと閉じてしまいます。後の味も入らなくなる。
小芋本人にはできるだけ環境の変化を気付かせないよう、ボワーンとした
気分のままで糠を抜き、出汁に浸け替えなければなりません。
それには冷水でなく、下炊きの時と同程度に熱した湯にさらして
沸かさぬように少しづつ炊きます。
次の出汁にしても同じ事で、やはり同温に上げてから小芋をいれた
鍋に加えます。
仮に下炊きを終えた時点の”柔らか指数”を8とすると、冷水にさらしたら
表面で3,4、位まで下がってしまいます。
続いて冷たい出汁から炊いていくと、仕上がっても5,6程度。
ところが湯でさらして熱いだしに移せば指数は同じ8。そこから炊けば
10の仕上がりを望む事ができます。噛んだ時に歯がサクーッと心地よく
感じる仕上がりです。
要は同温での移動が大切なのです。急激に温度を替えないこと、つまり小芋を
ビックリさせないこと。味付けに関しても同じことが言えます。
調味料、とくに砂糖を加えて炊くと、素材はどうしても締まってきます。
かたくなるし味のしみこみも悪くなる。一度にワット加えたりしたら、てきめん。
食べてみて味が表面しかのっていない、歯ごたえがグリグリ硬いとしたら
砂糖の入れ方の乱暴すぎがまず考えられます。砂糖は2、3度どころか
何度にも分けて少しづつ加えていくべきです。芋が気付かないくらい少しづつ
糖度を上げていけば、柔らかさを邪魔せず、均質に味が染み込んでいくはずです。
(本文終り)
如何ですか、こんな炊き方をした子芋を今すぐでも食べてみたくなったのでは
ないですか?
芋一つ炊くにもこれだけの細心の注意を払って調理していくんですね。
最近、スローフードと言う言葉をよく目にするようになって来ました
まさに、一流と言われている人が丹精こめてお客様に召し上がって頂く料理が
このスローフードではないでしょうか。
誰でも簡単にしかも早くて、美味しい。それは決して悪い事ではありません
手作りの良さと、料理に感心を持って頂く良いきっかけになると思います
しかし、たまには、丹精をこめた、味わい深い料理も作ってみては如何でしょうか
短時間でその味を出すのはやはり困難だからです
当店の営業案内
12月31日より1月3日の4日間お休み致します
当店でも
4日から丹精こめたスローフードを小鉢に入れてご用意致します
なくなり次第打ち切らせて頂きます
来年も皆様のお越し心よりお待ち申しあげております
平成15年も皆様にとって良い年でありますように
店主
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