国際ニュース解説と評論記事
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AC通信 No.226
発行日: 2008/2/19[AC通信:No.226] (2008/02/18)
[AC論説]No. 226 論争のルール−読者メール
この記事を出した二時間後にはローズミードに住むS先生からコメント
が入ってきました。その後いくつかありますが、最後の一編は記事に書
いた傅雲欽氏からだったので、読者に読んでもらうためこれを書くこと
にした。
●その一:ローズミードのS先生より
Andyさん:
良く台湾人の真髄を表現したトピです。台湾化を志向する日系が過去感
じたことだが言いにくい面もあり、余り批判ができませんでした。内輪
で揉めるのは中国人の特色だそうです。ですからチームで研究するのは、
甚だ苦手であるそうだ。個人研究では素晴らしいがチーム研究では成果
が出ないのが中国留学生が帰国して無しのつぶてが多いのもこんな習性
からでしょうか?
この面では日本は特質した長所をもっている。父が土木技術で討論して
工事に採用する技術採用談義ではやはり本島人間で良く内輪もめ事で収
拾がつきにくい事態が多かったのでしょう、帰宅して小言をいってまし
た。やはり技手の間では後ろから押す個々の企業の力があったのでしょ
う。もう戦後60年、台湾人は台湾文化を養い、台湾政治を経験してき
たのだから、中国人とは全く違う思考で生きている筈です。だが残念な
がら、選挙となると英語トピで余りにも「藪から蛇的な相手非難」が多
いです。一切批判は受けない頭越しの大喝であります。
(後略)
[Andyのコメント]
まったく先輩の仰るとおりです。このような台湾人の習性は日本人の持
っていたものとは違って中国人より習得したのでしょう。大局を見極め
ることが出来ず、弱い者虐め、味方でも叩き潰して快哉を叫ぶ習性です。
●その二:東京のAさんより
ディア アンディ
春節も過ぎて、台湾はいよいよ選挙戦の佳境に入ることでしょう。
AC通信No.225の論説は、いちいち頷きながら拝読しました。まったく
同感です。
それにこう申しては何ですが、アンディさんの通信を読んで、何故一例
にあげられた読者のようなコメントになってしまうのか、はたまたアン
ディさんの真意を汲めないのか・・・私には却って不思議ですし、「少々
読解力に欠けるんじゃないの?」(笑)と言いたくなります。
私は台湾独立を支援、応援するグループに参加していていつも思うのは、
(台湾人だけではありませんが)個人・団体に関わらず、抗議したり論
争、または何かを判断する際の“了見の狭さ”です。ちょっとでも自分
達と主義主張が違うとみれば、敬遠する、噛み付く、自分達とは仲間で
ない、という態度をとる。これじゃあ、まるで学生時代の学内の右翼グ
ループと同じです。
国学院大学には当時(1970年代はじめ)、世は左翼の残党が末期症
状を呈して”内ゲバ”(内部抗争)に走っていた頃、学内には右翼のグ
ループが11存在していると言われていました。盛大でしょ。ところが
その内訳は、どの派も党首ひとりに党員がたった1〜3名で存立してい
る。(笑)そんなに少人数ならば、せめて学内だけでも手を組めば?と
思ってしまうのですが、挙党一致といかない理由は、ほんの少しばかり
の主張のズレ。冷ややかな一般学生からみたら「馬っ鹿じゃないの?だ
から右翼はバカだと言われちゃうのよ」
アンディさん、私は大きな目的のためには、ある程度の主義主張の違い
や不平不満は、個人でも団体でも捨てないと、「事」はならないと思い
ます。私情を捨て、何が第一義に優先しなければならないか・・・・そ
のためにはどうすればいいかを冷静に考え、自制できなければ、多くの
同志と手を組めないどころか、台湾独立など夢のまた夢のような気がし
ます。
そのためにはアンディさんの仰るように、「先ずとりあえずは、どんな
意見でも人の意見を受け入れる」ことです。議論や争論でもこれができ
ない人が案外多いですね。受け入れた上で、反論したり説得すればよい
のに。それに、議論や争論に当り、私的な感情を挟む人(特に女性と老
人、若い男性にはこの傾向が強い人が多いですが)。私は議論する時に
「議論はあくまで土俵の上でいたしましょう。土俵を下りた後まで感情
を持ち越さない。これが議論の鉄則です」と前置きするときもあります。
この通信は台湾人に眼を覚まさせる意味でも、いい意見だったと思いま
す。本当に、これがないから、台湾国内でも世界へ散らばっている独立
派の台湾人も一枚岩に結束できないのです。アンディさんの論には大い
に共鳴いたします。
負けずに頑張ってくださいね!後ろで団扇で煽っていますからね。
[Andyのコメント]
相変わらずの卓見で、脱帽しました。団結するには小異を棄てて大同に
加わらなければなりません。それが出来ないのは、民主主義が未熟だか
ら、個人プレイで得意がる人が多いからでしょうね。
●その三:アナハイムのB先生より
アンディ先生
(前略)
小論を読んで耳が痛いです。私も論争が下手です。最近特に気が短くな
ってきました。相手を説得するより、相手にならないで立ち去るように
なってきました。私には気のあった者同士で、談論風発させている方が
性分に合っていそうです。
■■■
民主的論争のルールの第一は、自分の意見を述べて相手を説得するのは
当然だが、反対意見を貶してはいけない。第二のルールは反論のときに
個人攻撃をやることは絶対に避けるべきで、人の尊厳を傷つけるような
言論は避けるべきである。第三に他人の意見を誤解しないよう、そして
他人の論旨を拡大して勝手な解釈をしないことである。
最も忌むべきは個人を恫喝する「文字の暴力」である。
■■■
これにつきますね。しかし、これがいかに難しいか。「アメリカでは守
られているらしいね」と息子に訊きますと、「できていない、できてい
ない。それでヨーロッパ人に嫌われている」と言ってます。
(後略)
[Andyのコメント]
論争で感情に走らないようにすることはかなり難しいです。でも相手の
意見を聞き自分の意見を展開する、そのようなやり取りが望ましいです。
英国の議会(Parliament )で行われる議論を見ているとまったく紳士的
だなと感心します。
●その四:「建国広場」の傅雲欽より
我要依法告陳某是白色恐怖的「恫喝」?
陳某先公然攻擊我是「赤紅色統戰臥底」、「槍斃傅雲欽百次也不過份」,
不是「恫喝」?
我看你是吃屎的。
(日本語訳)
オレが法に拠り陳某を告訴するのが白色恐怖の「恫喝」だって?
陳某が先にオレのことを「赤色統一戦線のスパイ」、「(蒋介石時代だった
ら)傅雲欽を百回銃殺しても飽き足りないはず」と公然と攻撃した、こ
れが「恫喝」ではないのか?
俺は思う、お前は糞食らいだ。
[Andyのコメント]
反論で筆者を悪罵するのは、「論争で悪罵するな」を無視したことで、彼
がどんな人間かを「二重証明」したことになる。
一方、陳さんは私の記事を読んで「以後はこのような論争は避けるよう
に気をつけます」と電話してきた。
傅・陳論争を簡単に説明すると(中央研究員の陳儀深による)、傅雲欽は
「台湾は中国の領土である」と主張している人間である。反対に陳氏は
林志昇/ハーゼルの「台湾は米国の暫定占領領土」を主張している。
この論争で傅氏が陳氏を「米国人になりたい奴ら」と攻撃して、陳氏は
「お前こそ赤色統一戦線のスパイ、蒋介石時代だったら百回銃殺されて
も飽き足らないはず」と反論したことである。傅氏はスパイと痛罵され
たから誹謗罪で陳氏を告訴すると言うのだ。しかし、どのような経緯が
あったにせよ、「飛行機を降りたらその場で逮捕してやる」と言うのは恫
喝でないのか?読者の判断に任せる。
陳儀深の論文によると、黄居正、傅雲欽らが「台湾の主権は中国にある」
と言う根拠は、SFPT(1952年)で日本が台湾澎湖の権原を放棄し、その
後中国が台湾の主権を主張した(1969年?)が、台湾の政府(蒋介石政
権の中華民国)は抗議しなかった、だから台湾の主権は中国にあるとい
うのである。条約ではなく「台湾は中国の領土」と一方が言ったことに
反対しなかっただけの話で、法的根拠はない。
アメリカ政府の「三つのノーと一つのイエス」、つまり「中華民国は存在
しない、台湾は国ではない、台湾は中国の領土ではない。そして台湾の
国際的地位に対し、アメリカは曖昧政策を採り続けている」という見解
を考慮すれば、蒋介石の中華民国が中国の勝手な主張に反対しなくても
中国が台湾の主権を持ったことにならない。もともと中華民国は台湾の
主権を持っていないから抗議する権利もない。
アメリカが曖昧政策を取り続けていること、SFPTで日本が台湾の権原を
放棄した後でもアメリカは暫定占領権を「終焉」または「放棄」した事
実はない。だから傅・陳論争では、陳氏のほうが上と思う。
しかし、論争が罵詈雑言から恫喝になってしまえば、双方とも相手側の
説得に失敗したと認めるべきである。
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