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旅写真家・三井昌志が送るビジュアル・メルマガ。等身大のアジアの表情を、美しい写真と旅情溢れる文章で綴ります。大きな反響を得て、写真集として出版されました。 




[ 素顔のアジア モロッコ写真紀行2005(4) ]

発行日: 2006/6/25


■ 7月18日から23日まで大阪・上本町で写真展と講演会を開きます。

■ 「帰国報告会@東京」の追加公演が、7月15日(土)に行われます。


 2005年3月に1ヶ月かけてモロッコを旅しました。旧市街が迷路のようなマラケシュと、遊牧民の暮らすアトラス山脈、そして世界最大の砂漠サハラを巡りました。


 約1ヶ月に渡るモロッコ旅行を通じて、僕が最も苦労したのが女性を撮ることだった。イスラム圏の女性を撮るのはいつでも困難なものだけれど、モロッコほどガードの堅い国はそうあるものではない。この国に匹敵するのは、僕の知る限りアフガニスタンぐらいである。






 僕らが大きな峡谷の底を歩いているときに聞こえてきたのは、女達の歌声だった。それは山奥から集めてきた薪を村まで持ち帰る女達の列だった。7人の女の背中には、針葉樹の枝がどっさりと載せられていた。雨が少なく樹木もわずかしか生えていないこの地方では、燃料用の薪の確保は丸一日がかりの重労働なのだという。そしてそれは若い女達の仕事なのである。









 モロッコ中部を貫くアトラス山脈。雨が少なく、硬く乾いた草しか生えない厳しい土地で暮らす遊牧民の家族に出会った。一家は洞穴のような場所で身を寄せ合うように暮らしていた。
 山羊と羊の群れを統率し、草地から草地へと移動させるのは10代の兄弟の役割である。
 少年が右手に持っているのは投石機だ。これを使えば普通の小石を200m以上も先に投げることができる。彼はこの投石機と口笛を使って羊たちを意のままにコントロールしていた。











■ 旅の質問箱「フィルムとデジタルの違い」

三井さんの撮った写真は、色がすごく鮮やかなんです。ハッキリしてるとゆうか。
人物でも、ものすごく細かい髪の毛の部分とか、肌の部分とか、実物が目の前にいるかのように、すごくキレイだと思うんです。
デジカメかフィルムだったら、どちらがキレイ(私の思う、上に書いたようなキレイ)に撮れますか?
三井さんは全部デジカメで撮ってらっしゃるんですよね?
フィルムとの違いを感じたことはありますか?


■ 三井の答え

 僕は2001年の最初の旅から、一貫してデジタル一眼レフカメラを使っています。その前には少しだけ(半年ぐらいかな)フィルムカメラを使っていましたが、本格的に写真を撮り始めてからはずっとデジタル一辺倒です。

 しかし、デジタルカメラの画質に心から満足していたわけではありませんでした。特に最初に使っていたEOS−D30というカメラは、画素数も300万画素と少なかったし、色の出方にもかなりばらつきがありました。これはデジタル一眼レフカメラというもの自体がまだまだ発展途上の段階にあったころの製品だったのです。
 そんなわけで、僕はデジタルカメラで写真を始めたものの、フィルムの質感というものにずっと憧れを抱き続けていたのです。デジタルで撮っているからこそ、ポジフィルムの鮮やかな発色やリアルな質感というものを常に意識していたのです。例えばスティーブ・マッカリー野町和嘉さんの写真に見られる質感は、デジタルカメラにはどうやっても出せないものなのです。

 ところがこの5年の間にデジタルカメラは大きく進化しました。僕が今使っているEOS-5Dというカメラは、1280万画素という解像度もさることながら、発色が非常に自然になった(デジタルっぽさが消えた)という点がこれまでと大きく違う点です。それは今回の旅で撮った写真を見ていただければわかると思います。
 僕はEOS−5Dの登場で、デジタル一眼レフカメラの進化はひとつの到達点のようなところに来たと感じています。銀塩(フィルム)カメラとデジタルカメラとの差は確実に縮まり、今では「どちらでも綺麗に撮れる」と言える状況になっています。「デジタルはフィルムの画質には勝てないから」という言い訳は、今後は通用しなくなるでしょうね。
 そうなってくると、デジタルカメラならではのアドバンテージ(ランニングコストが一切かからない、荷物が軽量になる、撮った写真をすぐに確認できる、感度を自在に変えられる、など)が、フィルムカメラを過去のものに追いやってしまうのは、自明のことのように思います。システムとしての扱いやすさは比べものになりませんから。
 もちろん、これからも銀塩カメラが使われる場所が消えることはないでしょう。しかしそれは一部のユーザーに限られるだろうし、コストも非常に高くつくことになると思います。純粋な趣味か、純粋なアートか、そのような領域でのみ使われることになるでしょうね。

 デジタルカメラの登場によって、誰もが簡単に綺麗な写真を撮れるようになったということは、本当に素晴らしいことだと思います。
 しかし綺麗に撮れるのが当たり前になったからこそ、これからは「何を撮るのか」「どのように撮るのか」という写真の根本の部分が、よりいっそう重要になってくるのではないでしょうか。





 16枚のポストカードとフォトフレームにもなるアクリルケースをセットにして、1組1000円で販売しています。
 5種類の中からお好きなセットを選んでいただけます。
 詳しいセット内容は(1)(2)(3)(4)(5)をご覧ください。

 →ご注文は「たびそら@通販部」から




 写真展@大阪のお知らせ 06/25

 7月18日から23日まで、大阪・上本町で写真展「旅フォトグラファー三井昌志の見た素顔のアジア」が開かれます。
 今回は写真パネルが80点と、相当に大がかりな展示になる予定です。大きくプリントした写真の迫力を味わっていただけるチャンスは少ないですから、関西にお住まいの方はこの機会にぜひお越しください。
 (→続きを読む)




 旅写真家。1974年、京都市生まれ。
 機械メーカーでエンジニアとして2年間働いた後退社し、2000年12月から10ヶ月に渡ってユーラシア大陸一周の旅に出る。
 帰国後立ち上げたホームページ「たびそら」が「@niftyホームページグランプリ2002」で準グランプリを受賞し、2003年12月に初の写真集「アジアの瞳」を出版。
 2004年からは「旅写真家」としてアジアを中心に旅と撮影を続けながら、執筆や講演などを行っている。
 2005年9月には2冊目の著作「素顔のアジア」を出版。
 2006年8月に「美少女の輝き」と「子供たちの笑顔」の二冊の写真集が同時発売される。
 (→更に詳しく)



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