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今回から3回にわたって「ユーラシア一周旅行記」を振り返ります。「たびそら」がスタートしたのは2001年の12月のことでしたが、それからもう3年半も経ってしまったので、僕自身書いた内容をだいぶ忘れているのです。ここで皆さんと一緒に振り返りながら、旅の変遷を追いかけたいと思います。
まず香港。ここではいきなり遭遇した「オカマ詐欺師」とのトラブルが書かれていますが、これは今読んでも嫌な汗が出てきますね。旅の初心者だったとはいえ、よくもまぁこんな怪しげな連中にほいほいついていったものだと思います。
「今までの旅の中で一番危険な体験は何ですか?」
という質問をよく受けるのですが、このオカマ詐欺師の時ほど冷や汗をかいた経験はありません。逆に言えば、長い旅の冒頭でいきなり怖い目にあったものだから、それ以降は人を疑うことを覚え、旅先での行動を自重するようになったのだと思います。
旅先のトラブルというのは、もちろん運次第という側面もありますが、慎重に行動していればある程度は防げるものですから。
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散々だった香港を抜けて(ここで旅が終わらなくて本当に良かった)、ベトナム、カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマーという東南アジアを旅したわけですが、ここでの体験がこの後の旅、そしてこの後の僕の人生を大きく左右することになりました。
ベトナムで「観光ツアーに向かない自分」を発見し、「どこでもない場所を旅すること」の面白さに出会ってしまったのが、とても大きかったですね。
ホイアンの郊外にある農村をただ自転車で走った体験を綴った「もうひとつ買う?」は、特に気に入っているエピソードです。たいしたことが起こったわけではありません。自転車がパンクして困っているところに双子の美少女が現れて、最後は土産物を買えと迫られる。ただそれだけです。でも、こういうひとつひとつの小さなエピソードの積み重ねが、本に書かれている事実や、ガイドの説明なんかよりも、遙かにリアリティーがあるんだということに気が付いたのです。
何よりも、そこに生きる人達と同じ目線に立ち、そこから写真を撮ることができた。ああ、人を撮るのってこんなに楽しんだ、ということに気が付いたのは、ホイアンからでした。
何もない田舎町を歩いていると、思いがけないハプニングが起こります。例えばカンボジアでは結婚式にお邪魔することになったり、ラオスでは新築祝いに招かれたりしました。こうした偶然の出会いの中で、陽気で酒好きなカンボジア人の素顔や、ラオス女性の歯の強さなんかを知ることができたのです。
ラオスで全くの勘違いから辿り着いてしまったナンバという村は、特に印象に残っています。バスの運転手が間違って下ろさなければ、絶対に行くことがなかった土地が、最もラオスらしい魅力に溢れていたのです。迷うことや、横道に逸れることを恐れないこと。それが東南アジアの旅を通して、僕が得たものだったのです。
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ミャンマーでは、洞窟にこもって修行を続ける僧侶と一日を共にすることができました。彼との出会いは、旅の中でも特別なものでした。ただ向かい合って話をしたというだけではなく、お互いの人生観や価値観の相違点などを率直に話し合うことができたからです。彼の生き方は僕と全く違っているけれど、その姿勢を尊敬することができたし、彼らもまた僕のことを認めてくれました。
実は2004年にウィザヤにもう一度会いに行ったのですが・・・その再会の顛末は今後の旅行記の中でお伝えできると思います。
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