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猫のおきてVol.7「マッサージさせてくれる」

発行日: 2001/12/20

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  猫のおきて  第7号
            「マッサージさせてくれる」
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 人間の「五感の喜び」にはそれぞれ呼び名があり、視覚の喜びは「美しさ」、味覚の喜
びは「おいしさ」であったりするが、触覚の喜びにも言い方があれば良いのにと思う。ど
の感覚の喜びに重きを置くかは人それぞれだが、私は触覚の喜びを重視するほうだ。そん
な私の膝には触り心地の良い猫がいる。世の中うまくいっていると思うのはこんなときだ。
 猫の柔らかくなめらかな毛並みの感触は手に心地良い(足の裏にも心地良いのはVol.1
で書いた)。猫を撫でていると心拍数がゆっくりになり、血圧が適正になるそうな。つま
り血圧が低い人は上がり、高い人は下がり、ちょうど良くなるということだが、人間の交
感神経と副交感神経を自在に操るとは、誠に猫は恐るべき存在と言わねばなるまい。
 ところで、猫のほうは触られることについてどう感じているのだろうか?
「ネコのこころがわかる本」で、「ネコは撫でてもらうのが好きだ。生まれついての放浪
者であるネコを家につなぎとめている『錨』は、まさにこれなのである」とまで断言した
のはマイケル・W・フォックス先生だが、猫にとって、撫でられることは母猫に舐めても
らうのと同じようなもので、だから好きらしい。
 しかし実際には、触ると鬱陶しがる猫も多いのはご存知の通りだ。飼い猫でも、抱くと
腕の中でもがき、撫でるとぷいとその場から去るようなやつもいる。生まれつき人に構わ
れるのが嫌いな性質の猫もいるだろうが、多くは成長過程での経験によると私は思う。触
られて不快だったり痛かったりした経験をするうち、痛くなく不快でない触り方をしても
鬱陶しがり、触られることに警戒心を持つ猫になっていく。
 撫でてぷいと去られたりしては悲しいので、触られ好きな猫になるように、当家の猫は
来た当初からいじり回して育てた。フォックス先生も「人間にたいするなつきの度合いは、
撫でたり頬ずりをしてやることによって強められる」と言っている。その甲斐あって、触
られることに何の抵抗も持たない猫になり、身づくろいしているときに足の先やおなかを
触っても全く意に介さずに身づくろいを続けるほどで、むしろ油断し過ぎの感がある。

「フォックス先生の猫マッサージ」という本がある。前号で、猫がマッサージしてくれな
いのを残念がった私は、猫がマッサージしてくれるようにするための本かと思い、喜んで
手に取ったが、中身は人間が猫にマッサージをする方法の説明だった。ほとほと猫たわけ
(真摯に猫治療の研究に取り組んでいる、という見方もできる)なフォックス先生である。
 日常的にストレッチを励行し、全身どこにもこったところがないと思われる猫に、マッ
サージなんて必要なのだろうかと思ったが、掲載された写真を見ると、フォックス先生に
マッサージされている猫は皆、うっとりと気持ち良さそうな表情をしている。触られ好き
な猫を飼っている当方でさえ「本当かなー」と半信半疑である。
 しかし面白そうではあり、ちょっと試したくなった。
 本によると、まず触られることへの抵抗をなくすのが最重要とのことだが、当家の場合
その点は最初からクリアしている。そこで、本の方法に従い、毛並みに沿って全身を撫で
た後、腰の辺りを押してみた。数回押すうちに猫は目を閉じ、やがて「にゃ、にゃ、にゃ
っ」などと小さく鳴き始めた。発情期とも違う声だし、嫌がっているのなら逃げるはずだ
し、やはりこれは気持ちが良いのだろうか。「猫にもツボがあるのか。へー、面白ーい」
としばらく続けていたが、はたと気付いてやめた。今でさえ既に猫のためにあれこれさせ
られていて、奉仕活動がこれ以上増えるのは御免蒙りたい。マッサージの気持ち良さを覚
えさせてしまい、せがまれるようになったら大変である。
 でも将来、加齢に伴って高血圧などの問題が生じでもしたら猫マッサージ士になって、
報酬を得ると同時に血圧治療にも役立てる、というのはなかなか良い案かもしれない。

          *−*−*−*−*−*−*−*−*−*

 因みにフォックス先生は「犬マッサージ」という本も書いていて、要するに当方と同じ
く「触覚の喜び」が好きなのかも。
 そしてお詫びです。先週配信し忘れ、今週の配信となってしまいましたので、2号同日
の配信です。失礼しました。
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「猫のおきて」(通巻第7号)2001年12月13日発行(ほぼ毎週木曜日発行)
【著者・発行者】馨歩
【E-MAIL】bon-neko@mbi.nifty.com
【URL】http://homepage2.nifty.com/bon-neko/ (ただいま準備中・近日公開予定)
【バックナンバー】先日よりMacky!のほかmelma!でも配信を始めました。
http://macky.nifty.com/cgi-bin/bnadisp.cgi?M-ID=nekonookite
http://www.melma.com/mag/84/m00052884/
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「猫のおきて」に掲載されている内容は、ご家族、ご友人などまわりの皆さんにどんどん
お広め下さい。その場合、「『猫のおきて』で読んだんだけどさ」と言っていただけると嬉
しいです。転載などなさる場合もお知らせいただけると嬉しいです。
―――――――――記事内容の全ての著作権は著者・馨歩に帰属します――――――――
Copyright/2001  KEIHO T.
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