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東京下町の地域情報サイト「下町探偵団」で見つけたとっておき情報、下町に住んで感じたことを、江東区、中央区、台東区、墨田区を中心にエッセイ形式で紹介しています。




メルマガ下町探偵団90

発行日: 2003/7/5

       vol.090/2003.7.5発行
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  ■■  メルマガ下町探偵団
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東京下町の地域情報サイト「下町探偵団」で見つけたとっておき情報、
下町に住んで感じたことを、
江東区、中央区、台東区、墨田区を中心にエッセイ形式で紹介しています。

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01:ベーゴマで遊びませんか
02:下町の顔
03:下町探偵団今月のおすすめコーナー
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 ★☆  01  ベーゴマで遊びませんか  ★☆
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うちのサイトで時折ベーゴマのオフ会をやってます。
結構、おもしろいので昼間もやってみようと思っています。
毎週土曜日 PM2:00〜4:00、江東区の森下公園で
ベーゴマやって遊びます。
やってみたい方、集まってください。

ベーゴマ持ってなくても大丈夫。差し上げます(余裕がある限りね)。
ベーゴマやった事がなくても大丈夫。お教えします。
ただし雨天中止です。

地図はこちら↓
http://www.shitamachi.net/beigoma/

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 ★☆  02  下町の顔 第11回  ★☆
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■舞台美術の空間を追い続けて■ 
(有)センターラインアソシエイツ代表取締役  松井 るみさん

<プロフィール>
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。 
(株)劇団四季にて美術助手として働く。その後一年間渡英。 
2002年、読売演劇大賞最優秀スタッフ賞受賞、
紀伊国屋演劇賞個人賞受賞、第30回伊藤熹朔賞受賞。
一女の母。江東区在住。


読売演劇大賞受賞の新聞記事を片手に、
「tick,tick,BooM!」という舞台の準備が進められている
天王洲アイルの劇場、アートスフィアを訪ねました。
普段余り見る機会のない劇場の楽屋の細い通路を、
大道具さんたちが通るのに身をよけながら、松井さんに誘導されて、
隅っこに落ち着いてインタビューが始まりました。
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1.皮膜の繊細さを
★ちょっと遅ればせですが、
読売演劇大賞最優秀スタッフ賞おめでとうございます。
ありがとうございます。照れますねぇ。

★舞台美術で受賞されたんですよね。どのような仕事ですか?
舞台は演出家・出演者・スタッフで成り立っています。
スタッフも空間を考える人、美術、照明、音、衣装と
それぞれに考える人がいますが、私は美術の部分なんです。
昔だったらたとえば森の絵だけで済んだところも、
今は、空間をどう考えるかという方がメインになりつつありますからね。

★ユーゴスラビア・ノヴィサド国際芸術祭特別賞、伊藤喜朔賞新人賞、
紀伊国屋演劇賞とかいろいろ受賞されてますが、
その中でも読売演劇大賞は権威のある賞なんですか?
読売演劇大賞は10年目、紀伊国屋演劇賞はもう37年と長いですね。
紀伊国屋演劇賞のほうが老舗感があるんですけど、
今回、大きく取り上げられたのは新聞社が出しているということで、
メディアに載る量が違いますよね。そういう意味ですごいなぁと思いました。

★受賞されたときは嬉しかったですか?
すっごく嬉しかったと言うべきですかね。ちょっと嬉しかったですね。
ばんざいって事はなかったですけどね。

★受賞対象になった『ピッチフォークディズニー』はどんな劇ですか?
設定はロンドンのイーストエンドで、双子が、
とある一つしかない部屋に取り残されて、ずっと住んでいて、
そこに信じられないような美少年がその二人の世界を壊すかのように
入ってくる。そういうかんじですね。

★どんな過程で舞台美術が仕上がって行ったんですか?
演出家が卵の殻の中のようにしたい、と言って。模型を作って。
初日の一月以上前にはその形ができていた。卵の中の皮膜であらわしたい、
その破けそうな壊れそう感じがなかなか出なかった。
何か違う、何か違うよねっ、て。
最後にこれだって思うまでがしんどかったですね。
和紙を見つけて、いったん作った壁の上に、さらにラテックスの膜を、
一晩かけて全部覆うように貼っていったんですね。

★細かいところが大賞を取れたところですか?
さあ分からないですけど、
劇場に入ったときの第一印象はすごかったようですよ。
観客席からオオー!という声が上がっていたんで。
かといってそれがグランドオペラのようにすごいセットではなくて、
周り真っ黒で、部屋がひとつこれだけですからね。

★題材が閉鎖的というか、暗いものですね?
暗いことが大好きなんで、
もっと暗くしてみようかな、もっと暗くしてやれぇって思いますね(笑)。

★暗い世界ですか。いいですね。
演劇に入ろうと思ったきっかけとか作品とかはあるんですか?
基本的には昔から好きだったんだなぁ。当時アングラとかやっていましたね。
唐十郎さんが活躍されていたり、寺山さんがまだ生きていたギリギリの時代。
テント芝居とかよく観にいきませんでしたか……行きませんよね(笑)。
日生や帝劇はチケット代が高かったけどいわゆる小劇場は、
アルバイトしては観にいきアルバイトしては観にいきしてましたね。
印象深い作品……と言っても、積み重ねだからなぁ。
当時といったら佐藤信さんの『夜と夜の夜』とか感銘を受けましたね。
あと、金森馨さんの舞台写真集があって、大学3年生の時パルコで見つけて、
わあ、すごい、こんなすごいものがあるんだと思って、
ちゃんと自分もやりたいなぁと。
それがまあ具体的なきっかけと言えば言えますかね。

★舞台の美術はいくつぐらいの時からですか?
舞台美術ですか。それでしたら小学校の二年生くらいから
寸劇で象さんとか描いていましたからね(笑)。

★そのくらいからやるとは、本当に好きなんですね?
かしまし娘の真似とかもやっていましたからね。ホント。
ギターの形に紙を切って毛糸を三本つけて。学芸会なんか大好き大好き。
シンデレラの赤い階段とかね。
当時は自分でものすごく良くできたと思っていたんだけど、
このあいだ小学校のアルバムを見ていて笑いましたね。
"これはいかん"っと。"封印だぁ!"って(笑)。

★図工が好きだったんですね?
そうですね。造形的に優秀かというとそうではなかったようですね。
むしろストーリー性のあるものに絵をつけていく、そちらですね。

★それがあって今がある。賞が取れたと?
まあ賞は別ですが、好きだから続けてこられたんですね。
続けること自体大変です。
今でも、若い人から興味があるからやってみたいとよく言われますけど、
舞台はお金にならないですよね。経済的に見返りなし。
そんなもの期待した日にはすぐ終わってしまう。
労働条件もいいわけでもないし。
で、最後に残るのは本当に好きだからということ。
で口でいうのもちょっと恥ずかしいような
"好きだからやっているのよ"(リキ入れて言う)ってね。
(笑)いいながら照れちゃうような、ね。

2.職人的な分野の中で女性として
★舞台美術家になってよかったことは?
むむむむ……涙を流したことはないけど辛い時間もあるんですよね。
アイデアは出さなければいけないし、俳優や演出家に言われたことは、
できるかできないかって、プレッシャーをワーとかけられて、
そんな中で稽古があって、その後、劇場に入ってきて、セットを組んで、
明日になったらこのセットに俳優がのって、照明が当たって、
観客が入ってきて……って。
どんどん足し算をして初日に向かっていくわけですよ。
最初はプロデュサーと演出家だけで始めたものが、
舞台装置が入ってくると、もう今日だけで50人くらい来ていますよね。
サポートしていく人間が日を追うごとに増えていく。
明日、役者さんが入ってくると80人くらいになる。
さらにスタッフがふえて100人くらいになる。
前から見たら3人だけど裏に回ったら百人単位の人間がいっぱい動いている。
それで初日が開く。そんな過程を経ている中の自分なんですね。
私だけが絵を描いていて、
ある日それが完成して私の部分が終わったという感じではなくて、
集団戦で一個のものを作り上げていって初日を迎えたときに
お客さんの喝采を浴びられるというのが良いんじゃないでしょうか。
あえて言うなら舞台美術をやって賞をとったから良かった、
という発想にはならないですね。
舞台美術を選んだおかげで一人だけの仕事じゃなくて、
そうやって集団で組んでいるからこそ、
喧嘩して言い合っても達成感がありますからね。

★辛いときは?
それはおうちに帰れないときですね。小学生の子供がいますから。

★舞台の裏方って職人の世界ってとこがあるから
男性がまだまだ多いですよね。女性で困ったことありますか?
そんなのはすぐに忘れることにしているからなぁ。
悩んだって男の人になれるわけではないから、
その中で何ができるかということしか考えてこなかったんじゃないかなぁ。
その代わり倍はやらなければいけないとは思っていましたね。

★倍はやらなければいけないなということは、
あいつは女なんだと見られているということですね?
潜在意識の中にはあるんでしょうね。
目に見えて言われたことはないですけど。
例えばヨーイ、ドンで、平台を担ぐ。
男の人は二つ担げるけど私は一つしか担げないから
その分二回行ってこなければならない。
そんな単純な話ではないですがせめて気持ちだけでも、と。
そういうのは若い頃にありましたね。今はないですけど。

★実際に現場でトンカチ持つんですか?
昔はやってましたよ。
でもだんだん年をとってきて力もなくなってきたんで
邪魔者扱いになってきて今は余りやりません(笑)。
下積みのときは何でもやって覚えなさいって、
ナグリを持って一通りやらされた。その最後の世代かな。

★"闘う美術家"というフレーズを新聞記事で見たんですが、
演出家の人と渡り合ったりするんですか?
すごいフレーズで書かれましたね。話し合っているだけですよ。
こうしたらどう?私はこうだわ……って。
ただ、演出家にいわれてニコニコしているというところは私にはないから、
ニコニコしない美術家って書くよりは闘う美術家って書いたほうが
インパクトあるからなぁ。ライターさんはうまいなぁ。
そんな風には言葉としては言っていないのに。でも嘘ではない。
そんなところがうまく書かれたなぁと思いましたね。
感じ取られたところが文字にされちゃう。
ちょっと感情出したところをひゅう!と掬われている。

★ところで、小さいときはどんな子供さんでしたか?
気の強い、イヤな奴でしたね。

★そんな風には見えませんよ。ご出身は大阪ですよね。下町ですか?
下町じゃなかったですね。

★どうですか、今、江東区の下町に住まわれて?
すごくいいところですよ。事務所があるのはパン屋さんの上ですが、
そのパン屋さん一家とその隣のおばあちゃんに、
うちの子供は育てられたようなものですから。
こういうことは下町じゃないと恩恵にあずかれないですよね。
大家と店子の関係だっただけなのに、ずっと見てもらって。
その家族の方がいらっしゃらなかったら、仕事ができていなかったと思う。
下町の大家さんあっての我が家と言っても言い過ぎじゃないような気がする。

★下町の好きなところは?
他人でもまだ思いやるところが残っているところ。

★嫌いなところは?
情報が集まりすぎるところ(笑)。すごいなぁっと思う。
情報はいい事だけどある意味怖い部分も。

3.座右の銘
★では最後に恒例の座右の銘を?
そんなものはない。

★無いですか。じゃ、生き方、信条、ポリシー、モットー……
もっと他に言い方は無いかな(笑)?
じゃ、搾り出して、『明るく健やか』とかぁ?

★そうですね、じゃこれだけは守ってるとか?
ええ……人様に迷惑をかけないとか……、
やっぱり、特にはないようですね(笑)。

――――――――――――
ミュージカルの下見のためにロシアに行っていた松井さん。
帰国した翌日にわずかにあいていた二時間に
飛び込んでのインタビューでした。忙しい身でしたのに、
実ににこやかに答えてもらいました。時々出る男言葉ですが、
柔らかい声質にからまって妙なサッパリ感をかもし出していました。
飄々とあるがままに、今の場所に来た、ということでしたが、
そうは言っても、数々の受賞が、
松井さんの納得のいくまでの努力と踏ん張りを物語っていると思いました。
雑談で、子供さんの教育の話をしたときは、
お母さんの顔に戻って印象的でした。

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 ★☆  03  下町探偵団今週のおすすめコーナー  ★☆
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   発行責任者 下町探偵団 鈴木祥元
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