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メルマガ:アジア三度笠

発行日: 2008/4/2




日本はお花見の季節になりました。

バンコクでは、蓮の花は美しく水上に咲き、
日中は汗が噴き出るのですが朝夕は少し涼しいです。
4月中旬には路上で水を掛け合うソンクラン祭り(タイ正月)があります。
まだ、これから暑くなるのでしょう。

バンコク週報によれば
近年、若い女性が露出度の高い服装で水を掛け合うケースが多く、
保守的な人々のひんしゅくを買っているそうです。

タイ文化省は3月31日、
祭りに参加する女性に適切な服装するよう呼びかけたとのこと。
そんな話を聞いたら、
あなた、今からチケット取りますか。

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さて、先週はレモン(マガイモノ)についてお話しました。
こんな風に思われた人も多いのではないでしょうか。

「そういえば、うちの業界もレモンだらけだ」
「私の居るフロアは、レモンに手足をつけた生き物が多いわ」

続いてレモンを避けるお話しするつもりだったのですが、
株式市場やジャーナリズムのことも少しお話しましょう。


【思い込み】

よく人々はこんな議論しています。
「どこの国は株価収益率(PER)が安い」

日本の投資家の多くは、
驚くことに、各国の株式市場について
単純に横並びで比較できると思っているようです。
どうにも不思議です。

不思議なことは他にもあります。
「株価が高くなると強気になり、安くなると悲観的になる」、
「国の成長とキャピタルゲインの可能性を同一視する」
こういう傾向とともに
ちょっと、違うのじゃないのかと言いたくなります。


各国の市場の制度はいずれも違います。
企業統治、インサイダー、土地の私有制度など
そもそも仕組みが違うものを横に並べてだけで比べてもいけないでしょう。

どの国も、レモン市場であることを知り、
その上で投資をする必要があるのでしょう。



【個々のレモン市場】

イカサマ臭いものが多く混じっている市場はレモン市場と呼ばれます。
株式市場など、例外なくレモン市場です。

チョンマゲ親子上場株式会社が多い日本。
情報の非対称性が大きくて株価形成がうまくなされません。


中国は、大型企業の多くは政府が多くの株式を保有し
政府が国営企業の人事権を握るという
企業統治メカニズムでの欠陥市場です。
「所有と経営の分離」という言葉がありますが、
専門的・職業的経営者が並んでいるかと見ると太子党(高級幹部子弟)。

投資家の判断材料は
情報の非対称性が大きいという以前のレベルで、
「株価は下がらないという信仰」があるだけです。

信仰が、A株でPER100倍以上は347銘柄(23%)という状態を生み出しています。
(上記1行:2008年3月17日 News China 汪康懋氏)


ベトナムは、証券市場を作ってから何年も経つのに
他国の証券市場から学習をあまりしていないようですし
政府が国営企業を通じて経済を支配したいと願っているようで
「出遅れ--いいとこ取り--場当たり的対応」で問題が続出しています。


ここらでやめておきましょうか。

しかし、あなた。
カブは同じものだなんて
くれぐれも勘違いしないでくださいね。



【ジャーナリズム】

巷には、ありのままを人に伝えるのではなくて
興味本位で書かれた記事が多いようです。

私は各国の経済を調べていますから
いかに記者や素人専門家が知識に乏しいのかがわかります。

記者は、海外駐在員は何でも屋で知識は浅いですし、
国内の証券部にいれば日本市場しか知らない。
編集者はさらに古い世界しか知らない。
編集者の見識以上のものは作れません。

素人専門家は
株価が上がってから、
のこのこ来るわけですから
知識を寄せ集めて駄文を作るだけで見識はない。

その上、記事にはいろいろなバイアスがかかる。
新聞なら、規制当局や広告主。
素人専門家なら商売人バイアス。

参考にならないものがいっぱいあるだけではないのです。
「読まなければよかった」、
そう、損失を出すきっかけになることがいっぱいあるのです。



【モンゴル株?】

最近、日本で利殖情報の週刊新聞でおもしろい記事を見つけました。
なんと、モンゴル株のことが取り上げられていたのです。
ヌードが載っているような雑誌や、
大化け銘柄の袋とじが付いたマネー雑誌ではありません。

モンゴルのPER406倍を笑う前に、
仮にも全国紙系の新聞が記事にすることに驚きました。
かなりアブナイ市場だというニュアンスは伝えていますが。

私の見識を超えた未来がモンゴルにあり、
利殖新聞の編集者や記者は卓見なのでしょうか。

私はそうは思いません。
Googleで「モンゴル株」 の検索結果は 約673,000ありますが、
私から見れば、囃子屋と山師のから騒ぎがあるだけです。


2006年下期からのベトナムを見てください。
(現在の株価指数は2007年初めにつけた高値の半分以下になっています)

花見のまっさかりになってから屋台を並べるような人が多くいました。
「温泉旅館駅前案内所」や「りんご飴売り」、
「株価3倍チンドン屋」です。


モンゴルは、
ベトナムでの乱痴気騒ぎまではいきませんが、
韓国人300名余の後に続いて日本人150名余が走ったとされる市場です。

あなたには必要ない話ですが、もうちょっとお話します。

モンゴルの証券市場は、監査制度がないようなのです。
決算書を提出している企業は上場企業の半分以下です。
会計の透明性をいう以前の状態です。

配当をいただくなんてことは、パチンコ屋でフィーバーするよりたまさか。
2003年末時点配当を行っているものは、
数百社のうち15社程度でその金額も微々たるものなのです。

2003年の証券市場における時価総額/GDP 比率はわずか3.6%であり
直接金融の機能はほとんど果たされていません。
マーク・モビアス氏なら、どうコメントするかと苦笑しました。


━━━━━こばなし(2007年1月10日発信を再掲)━━━━━━━━━

--池のほとりでの親子の会話--

父:
 この池は、釣り人はたくさんいるけれど、魚はあまりいないんだ。
 坊がな。魚釣りに行けるようになったらな。
 とっておきの場所を教えるけど、人には絶対に言ってはいけないよ。

子:
 でも、魚が少ないのに、どうしてみんなここで魚釣りをしているの。
 とうちゃんだって、毎日ここへ来る。

父:
 とうちゃんは釣り人に魚釣りの餌を売るのが仕事だ。
 とうちゃんにとってはな。
 釣り人が多い池がいい池さ。

 それに、もしも、
 魚が多かったら、たくさん釣れてしまう。
 とうちゃん自慢の
 [鯛のすり身入り特製ウドン玉] なんて、誰も買ってくれないだろうよ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





           平田博孝


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