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メルマガ:アジア三度笠

発行日: 2008/1/30




【市場の粘性】

低金利の金融商品に満足できない個人のお金が
最近、海外に向かっています。

日本の金融制度を抜本的に改革する日本版ビッグバンは
1998年4月1日にスタートし、海外投資は容易になりました。

経済全般では「市場の粘性」という言葉があり、
取引条件に変化が起きても
しばらくは従来の取引が続く場合は多くあります。

金融界は特にこれが大きく、目に見えて動くまでに5年、
本格的に動くまでに10年といわれています。
10年目は2008年4月、もうすぐです。 



【チョンマゲ日本社会】

逆に日本に向かうお金はどうでしょう。
市場の粘性どころか、新しい動きは見られません。

外国人による日本へのFDI(海外直接投資)や株式投資は、
GNP比で見たら、米国や欧州、アジア諸国と比べると桁違いです。

そして、ご存知のように、2007年後半には
株式に投資されていた外国人のお金はある程度逃げました。
逆の動きすら、置きかねないようすです。


日本は、海外のお金や企業を
呼び込もうという気はあるのでしょうか。

日本では、海外の企業を呼び込もうというのではなく
どうも鎖国したいという意思があるような気がします。


【チョンマゲ社会モデル】

日本の当局は、
ザイカイとか言われる雇われ経営者たちとは密接なようです。

雇われ経営者が、献金などで政治を動かし
公僕となかよくやるというモデルでしょうか。

ついでに言えば、マスコミ、
特に全国紙などは規制業種であり当局の意向に弱く
テレビも規制業種ながら広告主と視聴率の奴隷という状態です。
世論形成のシステムには問題がありそうです。

よって、全国紙系でないマスコミがしっかりしないと
雇われ経営者、政治家、公僕などに烏合しない
活発な言論は行われないということになります。

利害関係者としての投資家は陰が薄いのです。

年金基金などでも、発言は少なく
おひとりの日本人を除いてはほとんど発言しないようです。

そして、新しい利害関係者、外資、
スティールパートナーズは
2007年、日本のマスコミによる
たくみな世論誘導を軽く見てヘタを打ってしまいました。



【各国での海外投資】

他の国ではどうでしょう。

東南アジアの企業など、
日本人が投資してくれると聞けば喜んでくれます。
FDI(海外直接投資)でも、株式投資でも。

FDI(海外直接投資)なら雇用や設備投資が期待できます。
株式投資なら資金調達がやりやすくなります。


FDI(海外直接投資)では、タイなど
「うちへ進出するとヨロシオマッセ」と
説明会を東京や大阪でやっています。

ラオスやミャンマーなどは
説明会をタイのバンコクでやっています。


株式投資の場合、
証券取引所の責任者まで、喜んでくれて、
時に応じて他国へ上場企業の経営者と一緒に
プレゼンに出かけたりします。
これは、ロードショウを言われています。

日本では、国債のロードショウの他、
国際的に認められた一部の企業の経営者が
ロードショウに行くようです。
しかし、一般的ではありません。



【外国人の目で日本を見る】

日本国内で行われているM&Aなど、
2006年実績で見ると米国と比べると桁違いなのですが
日本企業の雇われ経営者の慌て振りはなかなかのものでした。

2007年の日本では、
小さなソース会社にスティールパートナーズが
TOBをかけようとしたケースでは、
裁判所が利潤動機の外資による買収を防衛する判例を出しました。


米大手運用会社ロックフェラー&カンパニーの
ジェームス・S・マクドナルド社長兼最高経営責任者(CEO)は
こう語っています。

「ソース会社による企業防衛策が騒がれているが、
上場して資金調達する意味があったかも分からない小さな企業の話。
日米ともに民主主義国家だから、お互い苦情を言い合う仲なのだ」 

しかし、株価はこの判決の出た日から順調に下げていきました。


考えれば、日本は外国人から見てやっかいな市場です。
思いつくことを列記してみます。

そうそう、日本のチョンマゲ社会について思い出したことを言います。

6年ほど前に、ある米国人を連れて
大阪の北浜にある証券会社を訪ねましたが
外国人個人が、日本の証券会社に口座を開くことは実質的に不可能なようです。
英文の書類も用意されていませんし、英語もなかなか通じません。

列記します。


1.企業が情報を公開しない。情報の信憑性に劣る。
 (透明性に優れる企業もあります)

2.株主総会を、同じ日に実施する企業が多い。
 (総会の日程をずらしている企業もあります)

3.機関投資家が議案を検討する時間を与えない。

 上記のような企業や、
 役員の天下り用の子会社を持つような親子上場企業、
 あやしい第三者割当をする企業など
 チョンマゲ会社が多くあり新聞の株価欄は不便なものとなっています。


4.機関投資家がインターネットで議決権を行使できない。
 (信託されている機関投資家は通常賛否両方あるが入力不能)

5.大量保有報告書(5%超、1%単位)は2007年1月より
 2週間以内に提出しなければならない。提灯がついてしまう。

6.外資への税制が複雑でわかりにくい。



【需給】

もう一度言いますが、
ソース判決の日から、日本市場の株価は順調に下げていきました。

足元での数少ない買い手は、
自社株買いと日本の年金資金を運用する信託銀行くらいです。
これは、なかなか見られない光景です。

ちょっと深刻です。
しかし、日本の企業は、みんながみんな魅力がないのでしょうか。

私はそうは思いません。
チョンマゲ頭の人込みのなかにザンバラ頭も混じっています。

さてさて、
外資の多くが愛想を尽かしたあとの景色を
想像することにしましょうか。



━━━━━こばなし━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※2007年2月7日発信記事の再掲


--ある国で、キャビネットでの会話--

宰相:「みんな、自分の役割を簡単に説明して欲しい」

ココナッツ相:「ココナッツ農家のためにございます」
   「ココナッツくじも農家のためにございます」

厚生相:「勿論、医者と製薬会社の繁栄の為にありまする」
    「ギャンブルはやりませんぬ」

外務相:「外務に携わる人全てのために、粉骨砕身」

宰相:「外務に携わる人--全てのためとは、はて誰じゃ?」

外務相:「殿様、わたくし、外交官、現地で雇ったものたち、
     携わるものは、それは、それは、多うございます。
     殿様、カジノの利権は是非、わたくしどもに」

宰相:「聞き置くぞ。 で、国防相はどうじゃ」

国防相:「国内の治安のためにございます」
    「時に警察が、賭場を巡って利権争いします。
     普段はランチャー、時にバズーカ砲で
     この国で一番強いのは誰かとたずねるのでございます」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




             平田博孝


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