[BoutReview EXp: 027] K-1 GP出場選手独占インタビュー集
発行日時: 2003/12/4━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■□■ BoutReview EXpress Vol. 027 (Thu, 4 Dec. 2003) ■□■■
http://www.boutreview.com/
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● K-1 WORLD GP出場選手 独占インタビュー集
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半年ぶり配信のBoutReview EXpress。前号も半年ぶりの配信だったような?
ともあれ、皆さまいかがお過ごしでしょうか。我々バウレビ編集部は、年末
の興行ラッシュに押しつぶされそうな状況で、大みそかの三つ巴興行戦争の
取材を無事乗り切れるのかどうか、今から心配で心配で…。
ところで、すっかり大みそかの話題に喰われた感がありますが、12月とい
えば毎年恒例なのが土曜日に開催されるK-1 WORLD GP決勝戦です。4タイム
スチャンピオンのホースト、さらにはバンナ、ハント、ミルコといった強豪
が出場せず、しかも間際になってステファン・レコまでもイノキボンバイエ
に行ってしまい、何かと災難続きの今年のGPですが、出場権を得た8選手に
とっては、逆にこれは大きなチャンスといえます。
GP一回戦の組合せはこうなっています。
(1) シリル・アビディ vs. フランソワ・ボタ(レコから変更)
(2) ピーター・グラハム vs. レミー・ボンヤスキー
(3) レイ・セフォー vs. 武蔵
(4) アレクセイ・イグナショフ vs. ピーター・アーツ
バウレビでは、10月の抽選会の直後に全8選手にインタビューを行いまし
た。今回の臨時EXpressでは、そのインタビューのダイジェスト版をお送り
します。レコにも話を聞きましたが、ボタに変更となったので、全7人です。
有料誌面のXXで公開予定でしたが、諸事情により公開が間に合わず、かといっ
てボツにするにはあまりにももったいない内容なので、今回は「EXpress半
年も休んでゴメンナサイ」という気持ちも込めて、皆さんにお歳暮代わりに
お届けする事にしました。
説明はこれくらいで、では第1試合から。
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◆シリル・アビディ(一回戦でボタと激突)
「ボタは勇気が無いから反則したんだよ」
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−−開幕戦のボタ戦は反則勝ちという結末でした。あの試合のことはどう思
いますか?
アビディ「決勝に進めることはうれしいけど、勝ち方は不満だね」
−−今、ボクシングやMMAやプロレスの選手が色々参戦し、K-1がちょっとし
た混迷状態にあるような気がします。そのことについてどう思いますか?
アビディ「僕が良い悪いを決めることじゃないけど、ルールを守らないのは
良くないね」
−−外部からの選手ばかりが注目されて、損をしている気はしませんか?
アビディ「そのことは関係ない。ここ1、2年は僕自身が体調を崩してたんだ。
今は練習環境は変えたし、過去は関係なく、今までの悪かったことは忘れて、
自分自身を改善していきたいと思う」
−−何か怪我をしていたのですか?
アビディ「以前はあまりいいスタッフじゃなかったので、メンタル面の維持
が難しかったのが、そもそもの原因さ」
−−今年のパリのトーナメントでは、決勝でイグナショフに負けてしまいま
した。
アビディ「負けたという言い方は好きじゃない。『勝ちを譲った』と思って
る。これ以上、肩の脱きゅうを悪くして、今後の選手活動に支障をきたすわ
けにはいかないと、セコンドが判断してああいう結末(タオル投入)になっ
たんだ」
−−大会の後、リング上でバンナ選手に襲いかかりましたね。
アビディ「あなたも知っていると思うけど、彼は人を尊敬するという心がな
い。フランスのメディアでも僕を非難していたし、リング上でも僕を煽るよ
うな言葉を吐いたので、怒りが爆発したんだ」
−−何を言われたのですか?
アビディ「バカにするような身ぶりで『お前は俺と戦いたいのか?』ってよ
うな事を言ったんだ」
−−元々仲が悪かったんですか?
アビディ「昔は良かったよ。でも彼は昨日まで親切だったかと思えば、今日
は急に不愛想になったりと、態度がコロコロ変わるので、僕はついていけな
くて。僕の日本での人気に彼はジェラシーを感じているんだよ」
−−実力面でも脅威なのでは?
アビディ「それもあるのだろう。ジェラシーがあるからって、意地悪をして
も何の得にもならないよ。もし僕が自分より若いフランス人の選手から追い
上げられることになったとしても、僕は僕のトレーニングをするだけだね」
−−最初ボタ選手と開幕戦で戦う予定だったのはバンナでしたね。皮肉にも
バンナの代わりに戦うことになったわけですが。
アビディ「そのことは意識してなかった。ただバンナはボタを恐れて逃げた
んじゃないかな? バンナはいい試合をすることもあるけど、それは自分よ
り弱い相手と戦う時のことであって、強い選手と戦う場合は、たまにこうい
う勇気の無い行為をするんだよ」
−−自分はボタ戦で勇気を示せた?
アビディ「はっきり言って何もしてない試合だった。もしボタが本気で僕と
戦いたかったのなら、あんな反則はしなかっただろうね」
−−谷川プロデューサーは、まだあなたが戦えたのでは?と言ってましたが。
アビディ「僕はパリ大会のように脱きゅうしても試合をしたことがある。今
回のように(反則の影響で)目が見えない状態で試合を続けたとして、仮に
負けたとしたら、目が見えなかったことを後で言い訳にしたくない。だから
僕は試合を断念したんだ。もし反則がなかったとしても、僕は勝てた自信が
あるよ」
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◆レミー・ボンヤスキー(一回戦でグラハムと激突)
「どんなルールであれ、柔軟な心で対応する」
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−−GP決勝戦に参戦できる感想は?
ボンヤスキー「とてもワクワクしています。ハードな練習をしてきたので、
開幕戦を突破できてうれしいです」
−−もう銀行員の仕事はしてないんですよね。
ボンヤスキー「それはだいぶ前の話で、その後コンピュータネットワーク関
連の仕事に転職しましたが、練習との両立が難しいので、2年前に辞めまし
た」
−−プロファイターへの専業を決心したきっかけは?
ボンヤスキー「最初はキックボクシングを趣味として始めたのですが、自分
の夢を実現させたいと思い、プロになる決心をしました。もちろんハードな
トレーニングが必要ですが、今、その夢が達成されつつあるのではないかと
思っています」
−−そもそもキックボクシングに興味を持ったのはなぜ?
ボンヤスキー「16、7歳の頃、サッカーをやっていたんですけど、左足の骨
を折ってしまいました。回復はしたけど、思いっきり走れない感じがして、
サッカーはその時点でやめました。ところがある日、クラスメイトとメジロ
ジムに行ったところ、一回でやみつきになりました。27歳になった今もその
興味を失っていません」
−−MMAに興味は?
ボンヤスキー「2H2H(ゴールデングローリーが主催する大会)からMMAをや
らないかという話があり、今年初めからレスリングを少しやっています。私
自身はムエタイがベースなので、基本的にK-1ルール中心でやっていきたい
のが正直な気持ちです。ただ、自分の将来を考えると、柔軟な心を持ってい
なくてはなりません。いろんな流れができたときに、それに対応できる準備
をしておかなくてはならないでしょう。私は膝蹴りが得意ですが、K-1ルー
ルで膝蹴りの規制が厳しくなれば、それに合わせた練習をし、今は対応でき
るようになりました。そのことと基本的に一緒だと思います。」
−−自分の戦いの哲学が揺らぐことはないですか?
ボンヤスキー「特にないです。逆に自分にとって不利な変化もあれば、有利
な変化も起こりうるでしょう。MMAに関しても、『自分のキックボクシング
のスキルが活用できるんだ』と前向きに考えています」
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◆ピーター・グラハム(一回戦でボンヤスキーと激突)
「ドームではネバーギブアップの魂を見せたい」
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−−GP決勝戦進出という大きなチャンスをつかみましたね。
グラハム「とても楽しみで、勝ち上がれたことが光栄です」
−−K-1を知り興味を持ったのは?
グラハム「同じオーストラリアのサム・グレコがK-1に出てることを知った
のがきっかけでした。K-1はキックボクサーにとって最高峰の舞台です。私
はアマチュアから実績を積み、今の地位に来たわけです」
−−大阪大会の前に、対戦相手が急に変わりましたね。
グラハム「ホーストと戦うために準備していたので、ストレスも感じました
が、人生とはそういうもんなんでしょう」
−−K-1を知るきっかけとなったグレコと戦うことになるとは皮肉ですね。
グラハム「何よりオーストラリア人同士が潰し合うような形になってしまっ
たことが残念でした。彼はとても人気があるからね」
−−01年のオセアニア予選決勝ではマーク・ハントとも戦ったんですよね?
グラハム「KO負けしたけどね。彼は練習仲間だったこともあるんだよ」
−−そうなんですか。試合中に昔のことを思い出しませんでしたか?
グラハム「お互いの手の内を知ってたのだけど、試合は試合と割り切ってお
互いベストを尽さないといけないからね。時々目を見合いつつも、『よし、
どっちが強いかやってやろうじゃないか』って雰囲気になってたよ」
−−今は何か仕事をしながらキックボクシングをやっているのですか?
グラハム「ナイトクラブでドアマンをやってるけど、仕事といえばそれぐら
いで、時間繰りが楽で、練習に支障はないよ」
−−ファイターに専念しようとした理由は?
グラハム「他の仕事はありえなかった。なにより戦うことを愛しているから
ね」
−−東京ドームではどんなファイトを見せたいですか?
グラハム「ネバーギブアップの魂を見せたい。ダウンを奪われても、ダメー
ジがあっても、意識がある限り立ち上がるよ」
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◆武蔵(一回戦でセフォーと激突)
「このメンバーで『こいつらでもやれるやん!』ってのを見せたい」
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−−最近、K-1がMMAやプロレスと交わることが多くなり、本来のK-1は変わっ
てしまうんだろうか?という意見がよく本誌の掲示板に投稿されるのですけ
ど、そういった意見は武蔵さんはそういう声に対してはどう思います?
武蔵「ファンの人から直接『最近のK-1はプロレスみたいですね』『K-1の方
向性が変わってきましたね』とか言われる時もあります。それは選手にとっ
ては厳しいですね。興行的な物ですから僕らにはどう対処しようもないじゃ
ないですか。K-1のファンはK-1が好きで見にきてるのであって、何でもかん
でも好きというわけじゃないと思うんですよ。それは例えばプロレスファン
がプロレスを見にきて、その中にK-1があれば浮いちゃうと思うんですけど、
それと同じことだと思いますね」
−−今年一年でかなり変化がありましたからね。
武蔵「K-1の選手っていえば前までどっちかといえば寡黙とかストイックと
かいったイメージがあったと思うんですけど、サップやTOAみたいなのが出
てきて。今まではリング外の乱闘とかなんてK-1では考えられなかったです
からね。そういう部分で選手も流されたところがあったと思うんですよね」
−−やはり環境が大きく揺れ動いた一年だったと。
武蔵「もしこのままK-1が無くなれば、俺はどうなるんやろう?ってって不
安はありましたね。いわば僕はただの空手バカですから、そのまま社会に放
り出されて、何をしたらいいんやろう? みたいな動揺も多少はありました
し、K-1は無くなるんやろうか?という不安はありました。だから、ある意
味プロレス的な状況になってるのも、客を呼ぶためなら、文句は言えないで
すよね。ただ、選手はそれで納得してても、お客さんが納得しなくなったら、
そうも行かんな、という気持ちはありますね」
−−去年ですけど、武蔵選手もデンプシーに絡まれたりと実際そういう状況
に遭遇しましたよね。
武蔵「僕はプロレスを見るのは好きなんですけど、自分がああいう立場で絡
まれると、これまでガチンコしかしたことのない立場からすると、どうした
らいいかわかんないんですよ。『え?これ、シバいていいの?』というノリ
しかないですから。僕がプロレスラーなら『何だよこの野郎!』って行った
かもしれないんですけど、対処が困るんですよね」
−−武蔵選手は純K-1の側ですから、どうやってこのジャンルを守るんだ?
という立場ですもんね。
武蔵「K-1で初めてホーストがサップとやった時、記者会見でサップが突っ
掛かってきたけど、ホーストは何もしなかったじゃないですか。試合では負
けちゃったけど、あれは王者の貫禄だったと思うんですよね。結局、パラサ
イトという程の物じゃないけど、異物が入ってきたのを迎え撃つ純K-1戦士
には、動揺しない、王者の貫禄が必要なんですよ」
−−結局権威の問題だと思うんですよ。チャンピオンにはK-1を守る義務が
あると思うんですよね。武蔵選手がGPの8人に残ったことは、今年は特に重
要だと思います。
武蔵「12月の決勝トーナメントは選りすぐりの人間しか残れない舞台だと思
うんですよ。去年はボブ・サップが残りましたけど、技術が無くて勢いだけ
で優勝できるものじゃないし、させちゃいけないと思うんですよ。そういう
意味で純K-1で育ってる僕としては、今年は純K-1選手ばっかりの大会なんで、
『これがK-1だ』という試合を見せなきゃいけないですね。あとはその中で
僕はナショナリズム全開で戦うことが必要だと思います」
−−『これがK-1だ』というのはどういう部分で見せたいですか?
武蔵「今回はニュージェネレーションが台頭していて、世代交代とかいわれ
てますけど、そうは思わなくて。結局K-1って実力至上主義なんですよ。フォ
アマンじゃないですけど、40になっても強ければそいつが一番なんですよ。
強い奴が上がって来るだけで、世代交代というのは無いと思いますね。消え
ていく奴は消えて行くし、若くても勝てない奴は勝てないですから。若くて
強くて勢いがあっても、途中で怪我して引退する場合もありますしね。世代
交代って言葉は、格闘技には無いと僕は思ってるんですよ。今回は来るべく
して来た奴らが8人揃ってると思うし、このメンバーで、『こいつらでもや
れるやん!』ってのを見せられればいいなと思いますね」
−−仮に武蔵選手が優勝した場合、特に日本人の初の優勝者ということにな
りますから、K-1という競技をデザインする役割を担うことになると思うん
ですが、どういう戦いを提案したいですか?
武蔵「(真顔で)腹切りマッチとか」
−−ハハハ、それは思いっきりプロレス的世界やないですか。
武蔵「まあ、それは冗談ですけどね(笑)」
−−デザインとまでいきませんが、GPの抽選会の時、武蔵選手はレコ、セ
フォー、イグナショフの3人から誰と戦うかを選ぶ立場になりましたよね?
武蔵「レコとイグナショフは負けることはありますけど、負けパターンがあ
んまり見えなかったんですよね。でもセフォーはローに弱いのが明確じゃな
いですか? 開幕戦のカーター・ウィリアムス戦も負けてると思いましたか
ら」
−−2年前のGPのリベンジマッチでもありますよね。
武蔵「一回負けた選手にもう一回挑むのは精神的に大変なことだけど、あえ
てやることで、お客さんを気持ちも煽りたいですね。前のセフォーとの試合
の時は硬かったですね。何もできなかったですから。セフォーは優勝候補だ
と思うんで、事実上の決勝のつもりで挑みます。JAPAN GPでもあえてモンター
ニャ・シウバ戦を志願したのは、JAPANのディフェンディングチャンピオン
としてリスクを背負って、お客さんを盛り上げることも必要だと思ったので」
−−優勝すれば、魔裟斗選手に続いて、日本人の世界王者になりますね。
武蔵「どのスポーツでもヘビー級のチャンピオンって、柔道以外でいないの
で、その全てを代表したいですね」
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◆レイ・セフォー(一回戦で武蔵と激突)
「…ハハハ、いちいちいいところを突くね」
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−−最近、ボクシングやMMAやプロレスの選手が多数K-1に参戦しています。
今後K-1はどういう方向に進んで欲しいと思いますか?
セフォー「もしただのボクシングになってしまえば人気を失うだろう。K-1
はK-1だからこそこうやって人気を集めてきたんだ。本来の姿は失って欲し
くないけど、ボクシングと混じることでうまく機能するなら歓迎するよ」
−−タイソンやボタの参戦についてどう思いますか?
セフォー「誰が上がっても問題はないけど、K-1に上がるからにはルールは
守って欲しいね」
−−最近反則が多く、K-1ルールの権威が揺らいでいるとは思いませんか?
セフォー「権威については僕はよくわからないけど、ルールが守れず、違う
戦い方をするのなら、MMAをやればいいことだと思う。まあ、あなたの考え
も少しは当たってるのかもしれない。レフェリーがもっと厳しくなり、ルー
ルをちゃんと守らせる努力をする必要はあると思うよ」
−−もし今回のGPでセフォー選手が優勝すれば、K-1の権威を担う立場にな
ると思うのですが。
セフォー「別にチャンピオンにしかできないことではないと思う。K-1を代
表する選手数名が示していけばいいことじゃないかな。そういうことより、
仮に僕がチャンピオンになれば、『あらゆる人間を愛して、ありのまま受け
入れる気持ちを持とう』という事を人々に伝えたい。リングの外でも、人と
して尊敬され手本になる人格になりたいと思っている」
−−今までセフォー選手のGP優勝を2回阻んできたホーストが今回は出場し
ませんね。
セフォー「ハハハ、いいところを突くね」
−−何か優勝に向けての戦略はありますか?
セフォー「ただ戦うのみさ。怪我をせず試合を終えれば、おのずと結果は伴
うと思う」
−−セフォー選手はパフォーマーとしては既に一流だと思います。ただ失礼
かもしれませんが、チャンピオンになるにはこれまで何か一つ足りないもの
があったような気がします。今回もスタイルは変えずにGPに挑みますか?
セフォー「そうなのかもしれないね(笑)。まだ考える時間は持ててないの
で、帰国したらチームメイトと一緒に、トレーニングで何を省いて何を足す
のか、総合的に分析したいと思う。仮に足りない要素が見つかれば、あなた
に最初に教えるよ(笑)」
−−今年のGPは世代交代が激しいですね。セフォー選手はちょうどベテラン
と若手の中間の世代で、今こそチャンピオンになるべきだと思いますが、そ
の自覚はありますか?
セフォー「おっしゃることにその都度その都度納得してしまうばかりなんだ
けど(笑)、全く同感です。僕は今その地位にいるね。ガンバリマス。アリ
ガトゴザイマシタ」
────────────────────────────────
◆ピーター・アーツ(一回戦でイグナショフと激突)
「他の選手より勝ってる点?経験だろう」
────────────────────────────────
−−今回の一回戦の相手のイグナショフ選手とは2度目の対戦です。どのよ
うな印象を持ってますか?
アーツ「前は判定で負けたけどちょっとしか差がなかった。だから今回の試
合でリベンジできるよ。彼は優勝候補だろうから、一回戦が今回のトーナメ
ントで一番厳しい試合になるだろうね」
−−試合は早めに終らせたい?
アーツ「予想は難しいけど、前と一緒で判定に持ち込まれるかなぁ」
−−彼が『東欧のアーツ』と呼ばれてることはどう思います?
アーツ「ハハハ、もちろん知ってるよ。とてもいい選手なので、自分の名前
がそうやって使われるのは光栄だ。彼は人間的にもいい奴だよ(笑)」
−−イグナショフの開幕戦は見ました?
アーツ「全部は見なかったけど、足の使い方、コンビネーションもうまく、
アグレッシブだった」
−−イグナショフとあなた以外で、優勝候補は誰だと思いますか?
アーツ「あとはレコかなぁ。でも試合になると何が起こるかわからないんで、
一概には言えないね」
−−トーナメントを勝ち抜くために大事なことは?
アーツ「ワンマッチと違っていろんな事が起こるので、単純に体調がいいだ
けでは戦い抜けない。怪我に耐える精神力、怪我をしない運も大事だ」
−−他の出場選手に比べ、アーツ選手自身、どこが勝ってると思いますか?
アーツ「経験だろう」
−−今回のトーナメントには若い選手が多いですね。
アーツ「とてもいいことだ。彼らも凄い意気込みを感じてるだろう。まあ、
みんな何十年も戦えるわけじゃないんだから、ごく当然の流れだと思う」
−−今回はホースト、バンナ、ハントといった強豪がいませんね。
アーツ「いないのは残念だけど、まあ、誰かが怪我したら彼らのうちの誰か
がエントリーされることもあるかもね」
−−開幕戦のサップとボタの反則についてどう思いましたか?
アーツ「ボタとアビディの試合は短すぎてあまりコメントすることがないん
だけど、ボブ・サップの試合については、それまでかなりボブが押され気味
だったんで、彼としてはあれが精一杯の抵抗だったんだろう」
−−最近、モンターニャ・シウバの件とか、反則の事件が多いことはどう思
いますか?
アーツ「許されないことだ。残念だね。ああいう反則は苦し紛れの逃げの行
為だ。そんなに上から殴りたいのならMMA(総合格闘技)ルールで戦えばい
いんだよ」
−−K-1に参戦しようとしているタイソンに興味はありますか?
アーツ「K-1ルールであればぜひ戦ってみたいね」
−−ボクシングルールは?
アーツ「あまりにも彼に有利すぎるんでね(笑)。やはりK-1ルールじゃな
いと」
−−タイソンはK-1ルールにどれくらい対応できると思いますか?
アーツ「難しい質問だね。1R目はアグレッシブに来るだろうけど、足にキッ
クを受けてから、どれだけ対応できるか? そういう練習をどれだけしてい
るかによるだろうけど、厳しい戦いになるんじゃないかな」
−−ボタやバタービーンといったボクサーが多数K-1に参戦していますが、K
-1がナメられてるという感覚は無いですか?
アーツ「いや。逆にK-1に活気が生まれるし、ボクシングとK-1のどっちが強
いかを比べることができて楽しいと思うよ」
−−今後の練習スケジュールは?
アーツ「ひとまず家に帰って家族とゆっくり過ごして、序々にトレーニング
を始めるよ」
−−タイでのトレーニングは?
アーツ「今の季節のタイは蒸し暑くて、逆に決勝戦の時の日本は寒いから、
気候の面から考えると、タイはどうかな?と思うようになった。逆に地元で
トレーニングして、2週間前に日本に来て順応するほうがいいかなと思う」
−−オランダではどういう練習をしますか?
アーツ「いつもどおり2、3人のトレーナーと練習するよ」
────────────────────────────────
◆アレクセイ・イグナショフ(一回戦でアーツと激突)
「戦いのハーモニーの源は…」
────────────────────────────────
−−イグナショフ選手を優勝候補と予想する声が多いのですが?
イグナショフ「まあ、みんなと同じ8分の1の確率だと思いますけどね」
−−ホースト、バンナ不在で、今年はイグナショフ選手にとって非常に有利
ですよね?
イグナショフ「彼らに出て欲しいという声は多いんじゃないでしょうか」
−−あなた自身、彼らを倒して世代交代を成し遂げたい?
イグナショフ「新しい物が生まれ、古い物が死んでいく。これは自然の流れ
です」
−−妙に哲学的な答えですね(笑)。今、ボクシングの選手がたくさん上がっ
たり、MMAが行われたりする中、K-1が色々変化し、権威が脅かされているよ
うにさえ思います。あなたもそれを感じますか?
イグナショフ「ええ。ボタとアビディの試合がそうですね」
マネージャー「あれほどの実績と名声を持ったボタ選手をK-1の主催者が呼
んできたのは素晴らしいことだけど、K-1でやるんだったら、もう少し準備
期間を与えるべきだったのではないかな」
イグナショフ「どんな人であれルールを守るべきです。寝てる人に攻撃をす
るのは、彼の弱さの現れだと思います。ああいうことは二度とあってはいけ
ない」
−−どんなスポーツのジャンルであれ、チャンピオンがその権威を担うべき
だと私は思うのですが、今のK-1ではその権威が弱っているような気がしま
す。
イグナショフ「そのうち現れますよ」
−−あなたではない?
イグナショフ「私はまだまだ完璧ではありません」
−−あと何が足りないと思いますか?
イグナショフ「今の私ではまだまだです。ただ、自分自身、K-1の試合をす
るごとに、自分の中でのハーモニー、手ごたえはようやく少しずつ感じるよ
うになってきました。でも、権威ということに関していえば、アーネスト・
ホーストに問題があるんじゃないでしょうか? スポーツ的な面の権威はホー
ストが持っているけど、マーケティング面で言えば、ボブ・サップが権威を
持ってるのでね」
−−ホーストが衰えてきたことが問題という意味ですか?
イグナショフ「そのことに限らず、色んな要素が絡まってるんでしょうね。
まあ、そんなに心配することではないと思いますよ。世代交代の時代には、
えてしてネガティブな方向の穴が発生するものですから」
−−さきほど『ハーモニー』という興味深い言葉が出ましたね。どういう状
態があなたにとって完璧なハーモニーなんでしょう?
イグナショフ「(天井を見上げながら)リングに上がった瞬間に、格闘家の
モードに入れること。相手の攻撃がどんなに痛くても、そしてその試合がど
のような結果に終ろうとも、自分がリングに立って戦っていること自体に喜
びを感じ、精神的に満たされているような状態です」
−−またまた哲学的な…。今はまだそれが無いということですか。
イグナショフ「もっと試合をこなし色んな事を学ばないといけないのです。
まあ、私はこうやってK-1に出てKO勝ちもたくさんして、実績を重ねてきて
はいますが、心のどこかでまだまだ満たされないものがあるのです。私は自
分のことをリング上のアーチストだと思っています。全てのアーチストは完
全性を指向しますが、その点では言えば私はまだまだです」
−−そういったアーチスト指向は子どもの頃からあったのですか?
イグナショフ「子どもの頃のことはよくわかりません。だって僕の子どもの
頃の政府はソ連ですから。だって自由がなく、共産党だけしかなかったのだ
から。でもそれが無くなった途端、あらゆるイデオロギーが出現してきて世
の中は混乱しました。私自身、芸術では演劇、音楽も好きだし、風景画を描
くことも好きです」
−−その自由な状態の中から、なぜキックボクシングを選んだのですか?
イグナショフ「一目惚れという感じでした。初めてキックボクシングを見た
とき、将来大きな舞台で自分が戦うことを予感したのです。まるでK-1で戦
うことを知ってたかのように。」
−−キックボクシングの中に芸術性を感じているのですか?
イグナショフ「そうです。キックボクシングに私は創造性を見い出したので
す」
−−ふーん、リング上のサソリのようなイメージとは大違いですね。
マネージャー「…いや。実は、試合の3日前から彼には食べさせないからさ。
腹が減って最悪で憎々しい状態でリングに送り込むのだよ。『終ったら腹一
杯喰わせるぞ』と言うので、こいつはすぐノックアウトしようと張り切るん
だ。リングの中では何も考えちゃいけない」
−−ハハハ、そういうことなんですか? じゃあ、ハングリーがハーモニー
の源だと。
イグナショフ「…そうかもしれないね(笑)」
────────────────────────────────
【大会概要】
────────────────────────────────
アルゼ K-1 WORLD GP 2003 決勝戦
2003年12月6日(土) 東京・東京ドーム
(JR/都営三田線「水道橋」/営団地下鉄丸ノ内線/南北線「後楽園」)
開場・14:30 開始・17:00
<チケット情報>
SRS席:\35,000- RS席:\22,000- SS席:\18,000-
S席:\12,000- A席:\7,000- B席:\5,000-
◆チケットに関するお問い合わせ先:
キョードー東京 TEL:03-3498-9999
◆大会に関するお問い合わせ先:
(株)FEG TEL:03-3796-5060/FAX03-3796-2978
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