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[BoutReview EXp: 022] キングダム入江インタビュー
発行日: 2003/1/26━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■□■ BoutReview EXpress Vol. 022 (Sun, 26 Dec. 2003) ■□■■
http://www.boutreview.com/
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【お品書き】
●Seize the day pass! 2本立て
(1)「サムゴーとレオジーニョを知ってますか?」
−ムエタイとブラジリアン柔術、2人の天才が2月に再来日!−
(2)【番外編】
キングダム代表・入江秀忠、パンクラス参戦までの真相を語る
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●"Seize the day pass!"(シーズ・ザ・デイ・パス)
〜当日券派のあなたに贈る今週の観戦ガイド〜
「サムゴーとレオジーニョを知ってますか?」
−ムエタイとブラジリアン柔術、2人の天才が2月に再来日!−
Text by 井原芳徳(BoutReview編集部)
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もし将来格闘技の年表が作られるなら、2002年はDynamite!やボブ・サッ
プが主要なフレーズとして記録されるかもしれない。だが巨大なビッグエッ
グのお隣の後楽園ホールで頻繁に取材する格闘技ライターや、専門誌にマメ
に目を通すコアなファンの一部は、これから紹介する2人の外国人選手が初
来日した年だったと、この2002年を記憶することだろう。
1人目はプロ柔術大会「GI um(ギ・ウン:5月2日・ディファ有明)」に
来日した、ブラジリアン柔術の天才児・レオナルド・ヴィエイラだ。柔術は
今のPRIDEをはじめとした総合格闘技の基礎をなす技術で、ヒクソンやノゲ
イラといった選手が知られているが、彼らのようなヘビーからミドル級より
も、むしろ軽い階級のほうが技術水準が高いといわれている。中でもレオジー
ニョの愛称で親しまれるこの選手は軽量級の代表格で、本場ブラジルの柔術
界でもその強さとアクロバティックな動きの華やかさで一目を置かれている。
初来日では日本柔術界のパイオニア・中井祐樹と対戦。中井も同じ黒帯で、
ブラジル本国の選手権で3位になった実績を持つことから、善戦が予想され
ていた。だが試合が始まると、レオジーニョはまるで猿が木に登るような軽
業で中井から次々とポイントを奪う。中井にしがみついたまま頭で倒立し、
足を前後に振って反動をつけ、中井の体ごと前転させ得点を奪うという離れ
業もやってのけた。そして最後まで中井にチャンスらしいチャンスを与えず、
まるで計ったかのように試合終了2秒前、道衣のエリで中井を絞め倒し完勝
した。
もう1人の外国人は、組技の柔術とは対極の技術体系を誇る、タイの打撃
系格闘技・ムエタイのJr.ライト級現役王者である、サムゴー・ギャットモ
ンテープという選手だ。サムゴーは昨年9月の全日本キックボクシング後楽
園ホール大会に初来日し、同団体ライト級のエース・小林聡と対戦し、ノッ
クアウト勝ちをおさめた。サムゴーを見た人の脳裏に焼き付いているのは、
その強烈すぎる左ミドルキックだ。そもそも後楽園に来るようなキックファ
ンは、過去多くのタイの強豪の来日試合を見ており、少々強い選手を見たぐ
らいでは驚かなくなっている。もちろん「サムゴーの左ミドルが凄い」こと
ぐらいは予備知識としてあったはずだ。だがそんなキック通たちすらも、サ
ムゴーの左足の一振りを見た瞬間に震え上がった。熱狂に包まれる後楽園ホー
ルならよくあることだが、一瞬にして凍り付く後楽園は滅多にない。一振り
一振りの蹴りがサムゴーの足から繰り出されるたびに、客席のどよめきは大
きくなる。当然キックというのは足で蹴るものなのだが、不思議なことに、
サムゴーのキックは足が蹴っているようには見えない。「野球のバットをフ
ルスイングしてるようなキック」と表現したライターもいたが、まさにそう
いう感じだ。そして単に強さだけでなく、軸のぶれないそのフォームは、美
しさも兼ね備えている。サムゴーは小林をサンドバッグ状態にし右腕を徹底
的に痛めつけ、ローや膝蹴りも絡めて3Rでノックアウト勝ち。柔術のレオジー
ニョ同じく、本場のトップレベルの格の違いをまざまざと見せつけた。
レオジーニョとサムゴー。2002年に組技と打撃技のジャンルでコアなファ
ンを震撼させたこの2人だが、なんと2月のほぼ同じ時期に揃って再来日す
ることが決まっている。今年に入って華やかな話題がまだない格闘技界で、
1番と2番目のビッグマッチとなるといえるだろう。先に試合をするのはサム
ゴーで2月7日(金)。レオジーニョは2月11日(祝)。2人とも前回と同じ団体
と会場で、またも日本人と相対する。しかもサムゴーが戦うのは小林聡と因
縁のライバル関係にある金沢久幸、レオジーニョが対するのは昨年11月に中
井越えを果たし日本人トップとなった早川光由。敗れ去ったライバルより、
少しでも本場の最高峰に近付きたいという思いは、自然と2選手のモチベー
ションを高めるはずだ。
この文章をご覧になった方の中には、「キックボクシングなんてよくわか
らない。ましてや柔術なんて…」と思う方もいるかもしれないが、レオジー
ニョとサムゴーの凄さは、予備知識なんていらない。普段スポーツすら見な
い人でも、一目見た瞬間、超人的なものを感じると自信を持って言える。ま
してやPRIDEのノゲイラやK-1のホーストの技術に少しでも驚いた経験がある
人なら、シンプルでいて奥深い技術をすぐに読み取ることができるだろう。
柔術の大会では得点が入れば全てアナウンスされるし、大まかなルールは前
座の試合を見ているうちに自然と覚えられるはずである。しかも後楽園もディ
ファも2000人弱を収容できる程度の会場だから、後ろの方の席でも肉眼で攻
防を把握できる。格闘技大国ブラジルとタイ。その2か国のまさに現在進行
形の技術が、あなたの2003年の記憶に刻み込まれる日が、すぐそこまで近付
いている。
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◆◆◆◆ ばうれびでも両大会のチケットを販売中! ◆◆◆◆
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■ 全日本キックボクシング連盟
"ALL JAPAN KICKBOXING 2003 2nd.BOUT RED ZONE"
2003年2月7日(金)東京・後楽園ホール 本戦開始・18:30
メインイベント 日本・タイ国際戦 138ポンド(62.59kg)契約 5R
金沢久幸(日本/WPKC世界ムエタイ・スーパーライト級王者)vs.
サムゴー・ギャットモンテープ(タイ/ルンピニ−スタジアムJr.ライト級
王者)
<詳細>
http://www.boutreview.com/data/news/030207all-japan-kick.html
■ IF-PROJECT
"第2回プロフェッショナル柔術リーグ GROUND IMPACT2 〜 GI 02"
2003年2月11日(火・祝)東京・ディファ有明 試合開始:16:00
メインイベント 黒帯レーヴィ級 10分1本
早川光由(日本) vs. レオナルド・ヴィエイラ(ブラジル)
<詳細>
http://www.boutreview.com/data/news/030211gi02.html
(好評につき一部席種は完売です。ご了承ください)
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●"Seize the day pass!"(シーズ・ザ・デイ・パス)
〜当日券派のあなたに贈る今週の観戦ガイド〜
【番外編】「パンクラス参戦は僕なりのUイズム継承のため」
今なぜUなのか? キングダム入江、パンクラス参戦までの真相を語る
Interview by 井田英登(BoutReview編集長)
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お勧め当日券の番外編として、日曜に行われる(週明けにこのメルマガを
読む人には「行われた」になってしまうが)パンクラス後楽園大会に出場す
る、キングダム・エルガイツ代表・入江秀忠のインタビュウをお届けしよう。
入江は大相撲幕下力士時代、気にくわない相手選手に土俵上からドロップ
キックを放ったという過去を振り出しに、アマチュア修斗ヘビー級を制する
など、実力はありながら格闘技メジャーで力を発揮ができないまま、アング
ラ路線を歩んできた選手である。
だが、今回のパンクラス参戦は、彼の恵まれなかった選手生活の大きな転
機になるかもしれない。“日本最後の未知の強豪”入江は果たしてメジャー
シーンで通用するのか? 試合直前の心境を聞いてみた。
◆◆◆◆◆
−−ようやく、念願のパンクラス出場が決まりましたが。
入江「思った以上に時間がかかりましたね。本当なら去年の稲垣選手戦から
すぐ交流戦へというつもりだったんですよ。結局、水面下でいろいろトラブ
ルがあって、上手くそれを片付けられなかったのが失敗でしたね」
−−というと?
入江「去年のウチにジムの練習生として来てた人が居まして、その人自体は
月一回ぐらいしか来なかった苛原という人なんですけど、『賞金制のアマチュ
アの組技の大会をやりたい』ということで、僕に相談してきたんですね。ルー
ルの事とか、人集めのこととか、告知の事とかね。N-1グランプリっていう
んですけど、ウチは主催でもなんでもなくて、好意で運営に人を出して手伝っ
てただけなんです。で、雑誌に告知も出してお金とかも集めてたのに、大会
の一カ月前になって『仕事を首になって、今住むところもない』とか言い出
してて驚いたんですよね。ただ、『20万円は大会用にストックしてる』って
いうから信用して、準備を続けたんですけど」
−−なんか危なっかしい話ですね。
入江「それにまだ続きがあって、大会の一週間前かな。いきなり練習中に今
度は頭を抱えて『ストックしてた20万円を盗まれた』とか言い出すんです。
問い詰めていくと、『相手がインターネットで知りあった相手だ』とか曖昧
なことばかり言うんで、『ホントのことを言ってみろ』と言ったら、『実は
お金はストックしてない。出場費(一人3000円×20人分)も使ってしまった』
と言うんですね」
−−まるで詐欺ですね。
入江「ええ。で、大会を中止するにしても出場費を精算しなきゃいけないし、
開催するにしても経費+賞金の20万円はどうしても必要なんだから、彼に『
親元に頼んで工面しなさい』と説得したんです。で、前日には『お金も準備
できました』って報告して来たんで安心してたんですね。そしたら大会当日
『やっぱり無い』って言って、『優勝者の和術慧舟會の秋本選手に土下座し
て謝った』とか言うんでね、もう驚いちゃって。
大会の二日後に道場に呼びだして話を聞いたんですね。他にも辞めた練習
生に、やっぱりウチでやったみたいにお金を盗まれたって話をして、お金借
りたりしてるんですよ。で、とりあえず次の日一緒に慧舟會に謝りにいこうっ
てことで、一応これまでのことがあるんで逃げたりされてもいけないんで、
当人了承のもとで荷物を預かって、朝までは別行動って事にしたんですね。
そしたら翌朝に警察から電話があって、『監禁と恐喝の届け出があった』っ
ていうんですよね。驚いて警察行って事情話したんです。そしたら刑事さん
は、その場で苛原に、ウチの練習生から借りてたお金を返させて、被害届も
受理しなかったですからね。それなのにその二日後に『紙のプロレス』から
電話があって『入江さん、弟子を監禁して警察に捕まったって聞いたんです
けど』とか言ってくるじゃないですか(笑)。逮捕されてたら、電話でてな
いって(笑)」
−−そこでウチの掲示板が出てくるんだ(笑)
入江「そうです。格闘技関係のいろんな掲示板に、『入江、弟子を監禁』と
か書き込みがあったって言うことで、あっという間に話題になっちゃったら
しくて、その際にはばうれびさんにもご迷惑をおかけしました(笑)。
パンクラスさんでもそのころ、謙吾戦の話が進んでてあと一歩まできてた
んですね。結局今、書類送検されて、僕の容疑は全て晴れたっていうことで、
パンクラスさんのマットにようやく上がれることになったんですよね。俺は
これまで九州男児の美学で、おかしな言い訳はしないように、全てが明るみ
に出たらみんなわかってくれると思って、あえて言い訳はしないできたんで
すけどね」
−−まあでも大きく損害は受けましたよね。
入江「そうですね。だからその辺はハッキリさせようという気持ちはあった
で、去年の十月に名誉棄損で告訴して、それが受理されて、相手も一月中に
書類送検されると言うことになったんで、ようやく僕自身のことも考えられ
るようになったっていう状態ですね」
−−なるほど、その間にもパンクラスマットの情勢も変わっていきますしね
入江「結局、謙吾戦で水面下の交渉は続いていたんですけど、今言っていた
ような事情でまとまらないまま、彼も結果が出ない状況が続いちゃったもん
で、じゃあ仕切りなおして2月のグランキューブあたりからってことで話が
進んでたんですね。そこに1月の後楽園大会に故障選手が出たということで、
新しいカード提示があって」
−−繰り上げ参戦と。
入江「でも渡辺選手は元々、稲垣選手に2年前キングダムに出場してもらっ
た時にも名前があがっていた選手で、『パンクラスの門番』とも言われてる
ことは知ってましたんでね。やりたい選手の一人ではあったんですよ。この
時期に僕がやるべき選手と当たる事が出来たなと思いますね」
−−しかし、ライトへビー戦ということで減量しなきゃいけなかったんです
よね。
入江「そうですね。正月返上で十二月の末からまず体重落とそうって作業に
入って、もう正月返上で内弟子招集して練習づけの生活に入ったんですけど、
今91.5まで走って落としましたからね」
−−元は95、6キロでしたっけ?
入江「いや、ずっと試合もなかったんで90台後半ありましたね。でも削って
みると、逆に動きが軽いんでいいですよ。案外このクラスは自分にあってる
なって感じさえしますし。ヘビー級だと世界に120キロぐらいある選手がゴ
ロゴロいるんで、日本人の体格からすると、このクラスで闘ったほうがいい
んですよね。闘いたい選手もこのクラスに集中してますし」
−−具体的には?
入江「いや、今までやりたい選手の名前をあまり出しすぎて理解してもらえ
なかった事もあるんで、今回はちょと謙虚になろうとおもってるんです。ま
ず、今回の試合を見てもらって、格闘技インディの僕がどれぐらい実力があ
るか、判断してもらって。希望を言うのはそこからでもいいかって思うんで
す。去年一年自分の団体に篭城してみて、時が来るのを待ってみて実感した
んですね。余分なことは言わずに、まず目に見える形で結果を残してみよう
と」
−−確かに入江さんといえばマイクアピール先行って見られてますからね。
入江「自分でも焦りすぎたんだと思いますね。幸い去年一年休んだことでい
ろんなこと考えられましたし、今年は誰にも文句を言われない形で実績をつ
んでいこうと思ってるんです。『ハッタリと大口しかない入江』と思われて
ますけど、今年は結果で出していきますよ」
−−それがパンクラスマットで見られると。
入江「そうですね。キングダムはUWFイズムの最後の到達点だと思ってやっ
てきましたけど、同じUイズムを酌んだパンクラスのマットで闘うことで、
今年こそそのUイズムがなんだったかを、僕自身が実感したいと思ってるん
です。最近、Uイズムの見直しとかが言われ始めてますけど、じゃあ、それ
言ってる人たちは本当にそれを大事に思って進化させようとしているのか、
ただ商売にしようと思って持ちだしてるのかわかんないですよね。僕はUの
最後の進化形を自分で作りたいと思ってますから、今年はそれを形にして行
く年だと思っています」◆◆◆
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