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ぞうさん通信 2005.4.5

発行日: 2005/4/5

ぞうさん通信 2005.4.5

はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/


<流行している病気>
1.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭発赤,発疹が主症状です.★★,→
2.長岡市,見附市,栄町,中之島町,与板町,和島村,下田村,寺泊町などで, A型
およびB型インフルエンザが同時に混在して流行しています.同一校,同一学年,家
族内における混合流行・感染も認められます.★★,↓
3.ロタウイルス感染症が流行しています.1-2日間の発熱,嘔吐,その後の下痢,白
色便が主症状です.脱水になり外来点滴,入院が必要になる場合があります.
★★,→
4.マイコプラズマ感染症が流行しています.頑固な咳,ときに肺炎を起こし,気管支喘
息の発作を誘発します.★,↓
5.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★,↑
6.スギ花粉症の方が数多く来院しています.★★★★,↑
7.咽頭結膜熱が流行しています.高熱,咽頭発赤,目脂,眼球結膜の充血が主症状で
す.★,↑

★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,★★★★★爆発的
に多い,↓先週より減少,→同程度,↑増加


<医学生Y君来たる>
2005年3月29日,関東甲信越地方の某国立大学医学部3年のY君が当院に見学実習に訪
れました.当院は日本外来小児科学会(http://www.gairai-shounika.jp/)教育検討
委員会のプライマリ・ケア実習実施施設に登録されており,Y君は同学会のホームペー
ジおよび当院のホームページなどを閲覧して,当院を実習施設として選択したそうで
す.

Y君は「将来,小児科医になりたい!」という希望をもっていました.Y君は現在病院
の事務当直のアルバイトをして臨床の現場を見ており,保育所でアルバイトをして子
どもの世話もしているそうです.私が医学生だった頃にくらべると,立派だと思いま
した.Y君は礼儀正しく,いわゆる好青年でした.こういう人が小児科医になること
は頼もしいと思いました.

実習の当日は火曜日で患者さんが比較的少ない曜日なのですが,インフルエンザの流
行が終息しておらず,ロタウイルス胃腸炎が流行し,さらに予防接種の予約が数多く
入っていて,いつもより少し忙しかったです.Y君は私の診察する様子をじっと観察
していました.脱水による皮膚の緊張低下,包茎,切れ痔に伴う見張りイボ,インフ
ルエンザの迅速検査やロタウイルス胃腸炎の脱水改善目的の点滴の様子などを見ても
らい,正常の心音および呼吸音,喘息発作の呼吸音などを聴診器できいてもらいまし
た.

お昼休みには,Y君が水害や地震の様子を見たいというので,ドライブに連れて行き
ました.車中,少子化のため小児科医の未来は決して明るくないこと,小児科の診療
報酬が他科に比べて安いこと,小児科医不足は現行の診療報酬下ではますます深刻化
すること,小児科は眼科,耳鼻科,整形外科と同じように独立の診療科でその診療内
容は高い専門性が必要であるにもかかわらず小児科のトレーニングを受けていない医
師が小児科を標榜していること,その結果小児科医が社会的経済的に正当な評価を受
けておらず小児科医不足に拍車を掛けていることなど,つい本音を話しました.

診療が終わって,Y君を長岡駅まで車で送りました.私が「今日の実習はどうだった?
」と尋ねると,「自分の人生をもう一度考え直したいと思います.」と言われてしま
いました.どうも想像していた(あこがれていた?)小児科医の姿と現場の様子にギャ
ップがあったようです.「過大な希望も不要な絶望もいだかないように,ありのまま
を見せたのだけれどね.」と私がY君に言うと,「いろいろ話していただけて,参考
になりました.現実は先生が言われた通りなのだろうと思います.」と言ってくれた
のですが,若い人には小児医療に対してもっと希望をもたせるべきであったと反省し
ました.以下が見学実習の数日後に私に送ってくれたY君の感想です.

-----「子どもを好きな人が集まり,子どもの笑顔に囲まれて.」私がはしもと小児
科での実習前に小児科に対していだいていたイメージはそういうものだった.しかし、
現実はそれとは程遠いものであった.予防接種ひとつとってみても,嫌がり,ときに
は泣き叫ぶ子どもを親とともになだめ,押さえ,注射をする.子どもの笑顔はどこへ
やら.一日中,機嫌が悪く医師を嫌がる子どもに囲まれて小児科医は仕事をしている.
「毎日たくさんの子どもの泣き声に囲まれていると,休日は静かなところで過ごした
くなるね.」という橋本先生の言葉が実習を終える頃にはしみじみと理解できるよう
になった.小児科には,開業医のようにプライマリー・ケアを扱う分野と大学病院の
ようにめずらしい疾患を扱う分野がある.前者は風邪やアレルギーなどがほとんどで,
医師としてのおもしろさは後者の方が大きいと思う.それでもプライマリー・ケアを
行う医師がいるのは,多くの子どもや親から必要とされているからだろう.実習を終
えた今でも,私は小児科医になりたいと思っている.自分にとって今回の実習は将来
を考える上で非常に貴重な体験となった.-----

Y君が最終的に何科を選択するのかまだ分かりませんが,きっといい医師になるだろ
うと思います.できれば小児科医になって欲しいと私は思いました.当日御協力いた
だいたお子さんおよび保護者の方にはこの場を借りてお礼申し上げます.ありがとう
ございました.
-- 
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橋本尚士(はしもとなおし)
はしもと小児科
〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL0258-61-2400 予約専用61-2401 FAX61-2402
E-mail naoshi@po.next.ne.jp
URL http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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