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ぞうさん通信 2004.5.11
はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
<流行している病気>
1.ロタウイルス感染症が流行しています.嘔吐,吐き気,腹痛,食欲不振,下痢,白
色便が主症状です.点滴や入院が必要な場合があります.★★★,→
2.マイコプラズマ感染症が流行しています.発熱,頑固な咳が主症状です.肺炎を起
こし,気管支喘息の発作を誘発します.★★★,↑
3.流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)が流行しています.髄膜炎を併発することがあり
ます.★,→
4.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭発赤が主症状です.★★★,↓
5.伝染性紅斑が流行しています.頬,腕,脚に紅斑が出現します.★,→
6.アデノウイルス感染症が流行しています.高熱が5-7日続き,扁桃炎を起こします.
★★,→
7.咽頭結膜熱が流行しています.高熱,咽頭発赤,結膜充血が主症状です.★,↑
8.水痘(みずぼうそう)が流行しています.★,↑
9.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★,→
★ わずかに流行,★★少し流行,★★★流行,★★★★かなり流行,★★★★★爆
発的流行,↓先週より減少,→先週と同程度,↑先週より増加
<乳幼児とイオン飲料>
2004年4-5月,当院周辺ではロタウイルス感染症が流行しています.頻回の嘔吐,激
しい下痢,白色便などが主症状です.乳幼児は年長児や成人に比べて,体重当たりの
体表面積が大きいため不感蒸泄が多く,容易に脱水になってしまいます.軽症では十
分な補液,中等症では数日間の点滴,重症では5-7日間の入院が必要になります.飲
食ができない状態で「水」「ジュース」「お茶」を補液として用いた場合には,水分
は補給されますが電解質(=塩類)が不足してしまいます.こうした体調不良の状態
では,電解質を含む「イオン飲料」(スポーツドリンクなど)を補液に用いる方が適
当です.
体調不良の時の補液として医師から「イオン飲料」を勧められる,テレビCMなどで
「イオン飲料」は健康的なイメージが形成されてしまっていることから,健康な乳幼
児に対して「水」がわりに「イオン飲料」を与える保護者がいますが,これは正しく
ありません.
健康な状態ではミルクや食事を摂取できるので,電解質が不足することはありません.
ミルクや食事に電解質が十分に含まれているからです.喉が渇いた場合には,「水」
を与えるのが適当です.「水」がわりに「イオン飲料」を与えた場合には,電解質が
過剰に摂取されてしまいます.「塩」をなめ続けるのと同じ状態になってしまい,か
えって喉が渇きます.喉が渇くとさらに水分を欲してしまい,「イオン飲料」を与え
るとさらに喉が渇くという悪循環に陥ります.
虫歯も「イオン飲料」常用の弊害のひとつです.「イオン飲料」のpHは3.6-4.6と低
く,pH5.4以下ではエナメル質の脱灰が起こるため,「イオン飲料」の残存は虫歯に
なりやすい口腔内環境を生みます.就寝前や夜間に目が覚めた時にイオン飲料を与え
ることは,この傾向を助長します.
「イオン飲料」を多量に与えることは肥満の原因にもなります.「イオン飲料」の糖
分濃度は高く甘味が強いため,習慣化しやすい傾向があります.
乳幼児に対しては,(1)過激な運動や極端に汗をかいた時以外には普通の「水」を与
える,(2)「イオン飲料」を「水」がわりに常用しない,(3)下痢や嘔吐で「イオン飲
料」を用いた場合には症状が軽快したら中止する,(4)就寝前や夜間には「イオン飲
料」は与えない,(5)風呂上がりには「水」を飲ませる,(5)就寝前に「イオン飲料」
をやむを得ず与えた場合には,うがいをさせるか,歯を水で濡らしたガーゼや綿棒で
清拭する,などの注意が必要です.
(日本小児科学会「小児科と小児歯科の保健検討委員会」2004年1月16日発表「イオ
ン飲料とむし場に関する考え方」より一部引用)
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橋本尚士(はしもとなおし)
はしもと小児科
〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL0258-61-2400 予約専用61-2401 FAX61-2402
E-mail naoshi@po.next.ne.jp
URL http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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