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ぞうさん通信 2003.10.21

発行日: 2003/10/21

ぞうさん通信 2003.10.21

はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/


<流行している病気>
1.急性胃腸炎が流行しています.嘔吐,吐き気,頭痛が主症状です.★,→
2.急性咽頭炎が流行しています.発熱,咽頭痛が主症状です,★,↓
3.急性鼻炎が流行しています.鼻汁が主症状です.★★,→
4.白色便性下痢症が流行しています.白色便,下痢が主症状です.★,↑
5.マイコプラズマ感染症が流行しています.発熱,頑固な咳が主症状です.肺炎を起
こし,気管支喘息の発作を誘発します.★,↓
6.百日咳が流行しています.頑固な咳が続きます.★,→
7.クループ症候群が流行しています.犬吠様の激しい咳を生じます.★★,→
8.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛が主症状です.★,→
9.水痘(みずぼうそう)が流行しています.★,↓
10.流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)が流行しています.★★,→
11.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★★★,↓
12.アレルギー性鼻炎・結膜炎のお子さんの調子が悪いようです.イネ科の雑草など
が原因と思われます.★★,→

★ わずかに流行,★★少し流行,★★★流行,★★★★かなり流行,★★★★★爆
発的流行,↓先週より減少,→先週と同程度,↑先週より増加


<気管支喘息治療の自己中断>
9月下旬から気管支喘息の発作を起こして受診するお子さんが増えて来ました.今年
は例年に比べ,軽い発作のお子さんが数多く受診する傾向にあります.きちんとした
内服薬の服用,吸入療法の励行,廃棄物処理法制定による稲わら焼却の禁止措置など
が,気管支喘息の軽症化に寄与していると考えられます.しかし,外来での吸入,点
滴では発作が治まらずに,入院を必要とする場合も少なからずあります.

気管支喘息は気道(気管・気管支)が収縮して狭くなり,コンコン,ゼイゼイ,ヒュー
ヒューを繰り返す病気です.このようにコンコン,ゼイゼイ,ヒューヒューが聞こえ
る状態を「発作」と呼び,気道(気管・気管支)は収縮します.発作が治まると気道
(気管・気管支)が拡張して,すっかり元の状態に戻ると思っていませんか?もし,
そのように思っていれば,それは「勘違い」です.

最近の研究により,気管支喘息では,ダニやハウスダストなどのアレルゲン,ウイル
スや細菌の感染などの刺激で,気道(気管・気管支)粘膜に「炎症」が起こることが
分かって来ました.気道粘膜の炎症の結果,(1)気管支平滑筋の収縮,(2)粘膜の浮腫,
(3)粘液の過剰分泌,(4)炎症細胞による粘膜の破損,(5)神経への刺激により「気道
過敏性の亢進」が起こります.

コンコンという咳が出る程度の軽い発作(親から見ると風邪を引いたようにしか見え
ない),軽いゼイゼイ(聴診器をあてないと分からない,背中に耳をあてるとやっと
分かる),ひどいゼイゼイ,ヒューヒューという喘鳴(こうなると誰にでも分かる)
が起こると,気道粘膜に(1)(2)(3)(4)(5)が生じ,「気道過敏性の亢進」した状態が
数週間から数カ月続き,次の発作を起こしやすくなります.喘息が治ったと勘違いし
て治療をしないと,(5)→(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→・・・・・と悪循環になって,
気道粘膜は「炎症」のためにどんどん荒れてしまい,「気道過敏性がさらに亢進」し
て気管支喘息が悪化します.

気管支喘息の発作は「家の火事」に例えられます.家の中で何かに火がついて燃え始
めました.水をかけ,消火器を使って火を消します.消さないでいれば部屋中に火が
まわってしまい,ついには家全体が燃えてしまいます.いよいよ最後には消防車がやっ
て来て消火にあたります.外来での吸入が「水をかける」,点滴が「消火器の使用」,
入院治療が「消防車の出動」にあたります.

家が火事になって「水をかける」,「消火器の使用」,「消防車の出動」などの方法
で消火が終わり,見掛け上は火が見えなくなりました.しかし,火事の現場に火種が
残った場合には,再び火が燃え上がってしまうことがあります.気管支喘息の発作も
同様です.吸入,点滴,入院治療などで咳や喘鳴が治まったように見えても,気管支
粘膜は上記の(1)-(5)の状態ですぐには修復せず,「気道過敏性の亢進」が続き,火
種が残っているままなのです.

吸入,点滴などで発作が治まり,処方された喘息薬を服用していると,見掛け上は咳
や喘鳴はなくなるため「治った」と勘違いして治療を自己中断してしまう方がいます.
しかし,このような場合には再び発作が起こりますが,既に「気道過敏性が亢進」し
た状態なので外来治療で発作を治めることができなくなります.今秋も既にこのよう
な経過で入院が必要になってしまったお子さんがおられます.

一概には言えませんが,喘息の発作を起こした場合には,最低でも2-3週間の治療が
必要です.点滴でやっと発作が治まった,服薬していても咳や喘鳴がなかなか取りき
れない場合には,秋の間つまり数カ月間の治療が必要です.発作を繰り返し起こす場
合には,数年の治療が必要です.気管支喘息はきちんと治療をしましょう.

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橋本尚士(はしもとなおし)
はしもと小児科
〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL0258-61-2400 予約専用61-2401 FAX61-2402
E-mail naoshi@po.next.ne.jp
URL http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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