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ぞうさん通信 2003.8.5
はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
<流行している病気>
1.急性胃腸炎が流行しています.発熱,嘔吐,頭痛が主症状です.嘔吐が激しい場合
には点滴が必要です.無菌性髄膜炎を起こすことがあります.★,↓
2.急性下痢症が流行しています.腹痛,下痢,食欲不振が主症状です.細菌性腸炎の
場合には除菌療法が必要です.★★,↑
3.急性咽頭炎が流行しています.1-2日間の高熱が主症状です.★★,→
4.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹が主症状です.★,↓
5.手足口病が流行しています.手,足,口,おしり,膝などに発疹が出現します.口
内炎がひどく飲食ができない場合には,点滴が必要になることがあります.★★★★,
→
6.マイコプラズマ感染症が流行しています.発熱,頑固な咳が主症状です.肺炎を起
こし,気管支喘息の発作を誘発します.★★★,→
7.流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)が流行しています.★,→
8.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★,→
★ わずかに流行,★★少し流行,★★★流行,★★★★かなり流行,★★★★★爆
発的流行,↓先週より減少,→先週と同程度,↑先週より増加
<神経芽細胞腫マススクリーニング中止>
神経芽細胞腫は副腎や胸腹部の神経節に発生する小児がんのひとつです.小児の固形
腫瘍では脳腫瘍に次いで多いと言われています.発生率は1万人に1人程度です.尿中
にVMA,HVAと呼ばれる特有の物質が分泌されるため,尿を調べることで早期に発見,
治療することができます.
1984年より,生後6-7カ月の乳児全員を対象に,集団検診=マススクリーニングが実施
されており,尿をしみ込ませた濾紙を郵送することで検査ができます.年間約120万
人が検査を受け,毎年200人程度の患者さんが発見されています.
この検診については,(1)神経芽細胞腫の20%程度は尿中にVMA,HVAを分泌しないタ
イプのため,見逃されてしまう,(2)神経芽細胞腫のなかには自然に退縮し治癒する
ものがあり,このようなタイプの腫瘍は発見する必要性がない,(3)1歳を過ぎて発症
する神経芽細胞腫の方が1歳未満のものより悪性度が高く,1歳未満の検査だけでは十
分ではない,などの欠点や限界が指摘されて来ました.
2003年7月30日,厚生労働省の検討会(座長=久道茂・宮城県立がんセンター総長)
は,検診の導入当時有効性を確認する研究が不十分だった,カナダなど諸外国の研究
で検診による死亡率減少効果が否定されている,結果的に治療の必要がなかった患者
に負担の大きい手術・検査を行っている可能性が否定できないことを理由に,「公費
負担で実施されている神経芽細胞腫の集団検診について休止が適切」とする報告書を
まとめました.神経芽細胞腫マススクリーニングは2003年度で終了することになりそ
うです.
私自身,大学病院に勤務していた頃に集団検診で発見された神経芽細胞腫のお子さん
を数多く経験しているのですが,悪性度が高かったけれど腫瘍が小さいために手術で
摘出できた症例が実際にありました.また,集団検診で発見されはしたけれど,既に
骨髄に転移していて,強力な化学療法により救命した症例もありました.一方,集団
検診とは無関係に2歳になって腹部腫瘍で発見された悪性度の高い症例もありました.
検診を実施して疾病を早期に発見して治療した場合の検診費用および医療費が検診を
実施しなかった場合の医療費を上回ること,検診で発見された疾病に確実な治療法が
存在することが,集団検診を実施する2大原則とされています.今回の検診中止の決
定については,この原則が適用されたのでしょうが,その是非については判断が難し
いと感じます.
国が集団検診をやめたからといって神経芽細胞腫がなくなるわけではありません.ご
心配な場合には生後6-7カ月で尿を調べれば,当院でも集団検診と同様の検査ができ
ます.ただし,この場合には,保険診療扱いになりませんので,全額自己負担になり
ます.
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橋本尚士(はしもとなおし)
はしもと小児科
〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL0258-61-2400 予約専用61-2401 FAX61-2402
E-mail naoshi@po.next.ne.jp
URL http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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