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ぞうさん通信 2003.7.8
はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
<流行している病気>
1.急性胃腸炎が流行しています.嘔吐,頭痛などが症状です.嘔吐が激しい場合には
点滴が必要です.★,→
2.急性咽頭炎が流行しています.1-2日間の高熱が主症状です.★★,→
3.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹が主症状です.★★,→
4.伝染性紅斑(りんご病)が流行しています.頬,腕,脚に紅斑を生じます.★,↓
5.手足口病が流行しています.手,足,口,おしり,膝などに発疹が出現します.★
★★★,→
6.マイコプラズマ感染症が流行しています.発熱,頑固な咳が主症状です.肺炎を起
こし,気管支喘息の発作を誘発します.★★,↑
7.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★,→
★ わずかに流行,★★少し流行,★★★流行,★★★★かなり流行,★★★★★爆
発的流行,↓先週より減少,→先週と同程度,↑先週より増加
<子どもが育ちやすい環境を作ろう!!>
今回のタイトルは「子どもが育ちやすい環境を作ろう!!」です.「子どもを育てや
すい環境を作ろう」ではありません.前者は子どもの,後者は大人の視点に立ったタ
イトルです.両者は一見同じようですが,厳密には違うものです.
現在,当院周辺では「手足口病」が流行しています.手足口病は夏風邪ウイルスによ
る発疹症です.症状は手,足,口,膝,尻に発疹が2-3日出現するだけで,発熱は少
なく,全身状態は良好です.風邪の一種ですからヒトからヒトに感染します.発疹の
出現から約1カ月は体内からウイルスが排泄されるので,この間は感染の可能性があ
ります.しかし,症状が軽微であることから,平成5年に日本小児科学会から「本人
の全身状態が良ければ登園禁止は不要である」という勧告が出され,現在では各種医
学雑誌,国立感染症研究所のホームページにもその旨が記載され,「登園禁止は不要
である」ことは社会的に広く認知されています.
ところが当院周辺ではいまだに「手足口病は登園禁止!!」という誤った取り扱いを
している保育所があります.ウイルス排泄は1カ月間持続するので,発疹が出現して
いる期間だけ登園を禁止しても感染防止には役立ちません.数日間の登園禁止は無意
味です.どうしても保育所での感染を防止したければ1カ月間の完全閉園が必要です
が,軽微な疾患なのでこうした措置は不用です.
伝染性軟属腫(=いわゆる「水イボ」)という病気があります.イボウイルスによる
発疹症で,からだのあちこちに小水疱ができます.弱いウイルスなので免疫反応が起
きにくく数カ月間は発疹が消えたり出来たりしますが,からだには無害です.自然に
治る疾患でからだには何も支障がないので,特別な治療は不要です.
夏になると「水イボがあると保育所でプールに入れてもらえないからピンセットでつ
まんで欲しい」ということで来院される方がいます.水イボがプールの水で感染する
という医学的根拠はどこにもありません.文部科学省は「水イボの子どもはプールに
入ってかまわない.ただし,ビート板や浮き輪を共用しないように.」と通達してい
ます.「水イボがあるからプールは禁止」というのは誤った取り扱いなのです.「ピ
ンセットでつまむ」と聞くとたいしたことでないと思いがちですが,つままれる方は
たまったものではありません.1個だけでも痛くて泣き叫びます. 10-20個つままれ
たら子どもにとっては拷問と同じです.水イボがあってもプールに入ってかまわない
のです.
「手足口病はブツブツが出るから登園は禁止」「水イボがあるからプールは禁止」,
いずれもなんとなく納得してしまいそうですが,医学的には不用な措置です.子ども
はお友達と遊びたくて保育所に行きたいのです.暑い日であればお友達とプールに入
りたいのです.医学的根拠のない「迷信」で子どもの権利を侵害することは,決して
許されることではありません.
「保育所行ってもいいのかいけないのか」,「プールに入ってもいいのかいけないの
か」,大人にとっては些細なことでも,子どもにとっては重大事です.どうかみなさ
ん,子どもの視点に立って「子どもが育ちやすい環境を作ろう!!」ではありません
か.
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橋本尚士(はしもとなおし)
はしもと小児科
〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL0258-61-2400 予約専用61-2401 FAX61-2402
E-mail naoshi@po.next.ne.jp
URL http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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