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ぞうさん通信 2003.3.11
はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
<流行している病気>
1.長岡市,見附市,中之島町,栄町,和島村,与板町,下田村などでインフルエンザ
が流行しています. A型の流行はほぼ終息しましたが,B型がまだ流行しています.A
型は高熱,倦怠感,咳,鼻汁,関節痛,寒気が主症状です. B型は高熱,倦怠感,嘔
気が主症状です.十分御注意ください.★★★,↑
2.急性下痢症が流行しています.ロタウイルスが原因です.水様便,白色便が7-10日
続きます.嘔吐,下痢が激しい場合には点滴または入院が必要です.★★★★,↑
3.急性胃腸炎が流行しています.激しい嘔吐,下痢,腹痛が主症状です.★★★★,
↑
4.水痘が流行しています.★★,→
5.マイコプラズマ感染症が流行しています.頑固な咳が続きます.気管支炎,肺炎,
喘息発作を引き起こします.★,↓
6.アデノウイルス感染症が流行しています.5-7日間の高熱,咽頭発赤,結膜炎,倦
怠感などが主症状です.★★,↓
7.溶連菌感染症が流行しています.★,→
★ わずかに流行,★★少し流行,★★★流行,★★★★かなり流行,★★★★★爆
発的流行,↓先週より減少,→先週と同程度,↑先週より増加
<睡眠時無呼吸症候群>
2003年2月26日,山陽新幹線ひかり126号が岡山駅に到着する際に,本来の位置より
も50m手前で停車してしまいました.運転手が居眠りをして自動列車制御システムが
作動したためでした.その後の調査で,運転手は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い
ことが明らかになりました.
睡眠時無呼吸症候群は成人に多い疾患ですが,小児にもみられることがあります.以
下は私が大学病院に勤務していた時に経験した症例です.
S君は5歳の男の子でした.身長が111.6cm,体重は43.8kg,肥満度は+131.7%(=標準
体重の2.3倍)でした.果樹栽培をてがける農家の長男で,祖父母に甘やかされて育
ちました.おやつは食べ放題で,2歳頃から太り始めたようでした.診察室には歩い
て入って来ましたが,突然ゴーゴーと大きな鼾(いびき)をかいて眠りこけてしまい
ました.採血をしようと腕に針を刺しても眠ったままで,痛いとも言わず泣きもしま
せんでした.しばらく眠るとムクッと起き上がり.また突然眠りこけてしまいました.
緊急入院してもらい検査をしたところ,多数の齲歯(むしば),扁桃肥大,アデノイ
ド肥大,高度肥満による高脂血症,脂肪肝,糖尿病が発見されました.夜間の呼吸モ
ニターでは10秒間以上の無呼吸が1晩に39回あり,血中酸素分圧の低下,2酸化炭素分
圧の上昇があり,明らかな換気障害が認められました.5歳の男児の標準栄養所要量
は1日1500Calですが,入院前はおやつを含めると1日3000Cal摂取していたようです.
入院後は1日500Calの制限食を開始し,その後2-3週間おきに700Cal,1000Cal,1200Cal
と制限を緩めて行きました.入院4カ月後には体重34.0kg,肥満度+79.0%まで改善し,
アデノイド扁桃摘出術を施行し,睡眠時無呼吸は消失しました.
S君の場合には,生理的にアデノイドや扁桃が大きくなる年齢で,多数の齲歯(むし
ば)のためにこれらがさらに肥大し,気道が狭くなっていました.肥満のため皮下脂
肪が厚く,アデノイドや扁桃がさらに気道側に押し出され,気道径は鉛筆の芯ほどの
太さしかありませんでした.睡眠時には筋緊張が緩むため舌根が喉に沈下し,気道が
完全に閉塞(=窒息)してしまい,十分に深い睡眠が取れませんでした.昼間になっ
ても眠くてたまらず,突然ゴーゴーと大きな鼾(いびき)をかいて眠りこけてしまっ
ていたのです.
睡眠時無呼吸症候群は,新幹線運転手のように事故災害の危険因子のひとつです.こ
のほかにも,心筋梗塞や脳梗塞の危険因子として重要です.本人は夜間十分な睡眠が
取れていないことに気付かず,昼間も眠りこけてしまうので何があったか覚えておら
ず,睡眠時無呼吸症候群であることを自覚できません.肥満があり,鼾(いびき)が
ひどく,睡眠中に呼吸を止める場合には,子どもであっても注意が必要です.
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橋本尚士(はしもとなおし)
はしもと小児科
〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL 0258-61-2400, FAX 0258-61-2402
naoshi@po.next.ne.jp
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メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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