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ぞうさん通信 2008.9.24

発行日: 2008/9/24

<流行している病気>

1.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹が主症状です.★★,→
2.急性咽頭炎が流行しています.高熱,咽頭発赤が主症状です.★,→
3.手足口病が流行しています.手,足,口,お尻,膝頭などに発疹を生じます.
★★,→
4.ヘルパンギナが流行しています.1-2日の高熱,咽頭粘膜疹が主症状です.
★,→
5.RSウイルス感染症が流行しています.発熱,激しい咳,喘鳴が主症状です.気
管支喘息の発作を誘発します.乳児では呼吸困難のため入院が必要になる場合が
あります.★,↑
6.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★★,→

★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,
★★★★★爆発的に多い
↓先週より減少,→同程度,↑増加


<インフルエンザワクチンとチメロサール>

日本では,「化血研」「デンカ生研(デンカ)」「阪大微研(ビケン)」
「北里研究所(北研)」の4社がインフルエンザワクチンを製造していま
す.2008/09シーズンのワクチン株はA/ブリスベン/59/2007 (H1N1,Aソ連
型),A/ウルグアイ/716/2007 (H3N2,A香港型),B/フロリダ/4/2006(B型)
で各社同一ですが,規格や保存剤などに違いがあります.本文では,ワクチン
の保存剤であるチメロサールについて述べます.

朝日新聞(2001年7月28日付け)および週刊文春(2001年10月11日付け)に,
「各種ワクチンに含まれているチメロサールが自閉症を引き起こす.」という
記事が掲載され,日本国内でも臨床現場が一時的に混乱したことがありまし
た.そもそもこの問題は,英国の消化器専門医が,ワクチン接種後に行動変化
を生じ自閉症と診断された12例を報告したことが発端でした.しかし,その
後,世界保健機構(WHO)は,「ワクチン中のチメロサールと神経発達障害の間
には因果関係を示す決定的証拠はない.ワクチンを接種せず感染症への罹患・
死亡・合併症のリスク,チメロサール未添加による病原体のリスクは,ワクチ
ン中のチメロサール副作用の可能性のあるリスクより,はるかに大きい.現在
のチメロサール添加ワクチンの使用を即刻中止することなく継続しながら,チ
メロサールをできるだけ添加しないワクチンの使用を早急に進めていくべきで
ある.」という提言を発表しました.

WHOの提言の通り,ワクチン液からチメロサールを除去するのは世界的潮流で
す.国内メーカーも0.5mlバイアルやシリンジ製剤からチメロサールを抜くこと
はできても,チメロサールの代替保存剤に適当なものが見つからずまた技術的
にも難しくなかなか実現しませんでした.このたび,化血研が,インフルエン
ザワクチンの主力である1mlバイアルでチメロサールの代わりにフェノキシエタ
ノール(PE)を用いることに成功しました.

2008/09シーズンのインフルエンザワクチンの規格(チメロサール含有量)は,
(1)化血研:1mlバイアル(0ppm),(2)デンカ:1mlバイアル(4ppm),0.5mlシ
リンジ(4ppm),(3)ビケン:1mlバイアル(8ppm),0.5mlバイアル(0ppm),
(4) 北研:1mlバイアル(5ppm),0.5mlバイアル(0ppm),0.5mlシリンジ
(0ppm)です.全8規格のうち,チメロサール除去の製品は,化血研1mlバイア
ル,ビケン0.5mlバイアル,北研0.5mlバイアル,北研0.5mlシリンジの4規格で
す.

化血研1mlバイアルには,保存剤としてPEが用いられています.PE は海外では
15年前から使用されています.日本国内では,5年前よりタケダの3種混合・2種
混合ワクチン,破傷風トキソイドなどに含まれており,安全性に問題はありま
せん.

4社のうちチメロサールを全く用いていないのは,化血研1社です.市場には4社
8規格のインフルエンザワクチンが出荷されますが,主流は1mlバイアルで
す.0.5mlバイアルおよび0.5mlシリンジは供給量が限られています.チメロ
サールが含まれていない1mlバイアルは,やはり化血研だけです.

当院では,「インフルエンザワクチン化血研」を採用しています.「インフル
エンザワクチン化血研」は市場における人気が高く,卸値が最も高いのにもか
かわらず,毎年他社のワクチンに先駆けて在庫がなくなってしまいます.今
シーズンはチメロサール除去を行ったため,この傾向が顕著になる可能性が高
いです.前年実績を参考に十分量を予約しているつもりですが,毎年11月中旬
には不足してキャンセル待ちになります.

インフルエンザワクチンは是非とも早めに接種を受けてください.2回接種の場
合1回目を10月中旬・2回目を11月初旬までに,1回接種の場合11月初旬までに接
種を完了してください.

今シーズン,当院では,2008年10月1日より接種を開始します.

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